丸山正樹のレビュー一覧

  • ワンダフル・ライフ

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    この類の仕掛け、とても好きです。物語が4つのストーリーで構成されていて、「こことここが繋がるのかな?」と想像しながら読むけど、オチは全く違うものだった。混乱したままラストの章を読みました。もう一度読みたくなるというのは、このことか...。時代背景も、あっちにいったりこっちにいったりしているから、ちゃんと落ち着いて読めるときに一気に読むべき一冊。

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    2024年05月13日
  • 慟哭は聴こえない

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    慟哭は…聴こえると思った。
    聴こうとしないだけで、聴こうと思えば聴こえると。
    声って、音だけじゃない。
    こっちの鼓膜が震えて聞こえるんじゃなくて、心が震えて聴こえるもんだろう。
    それは、そんなに難しいことなんだろうか。
    前を歩いていた人がリンゴを落としたら、拾うだろう。
    小さい子が1人泣いていたら、頭に手を置いてやるだろう。
    痛がってる人がいたら、気にかけないか?
    それは、そんなに難しい事じゃない。
    誰だって気付いて欲しい
    だから聞こえる声よりも
    聴こうとする感性を大事にしたい。

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    2024年05月03日
  • ワンダフル・ライフ

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    必ずもう一度読みたくなる、と言う一文に惹かれて購入しました。

    障がいを持つ方に携る人達の短編集
    読み進めるうちに、あれ?なんかこれ…と違和感のようなものを抱きつつ、でもそれぞれの人物の人生(生活)がリアルで興味深くサクサクと読み進めていきました。

    そして最後で自分でも「あ!」と気づいたのですが、著者は詳しくラストでもきちんとまとめてくれているので、混乱することなく確かにもう一度読みたくなりました!!

    人生は障がいを持つ、持たないと言う事で全く違うものになる、それは当たり前のことだろうけどそれを自分の想像以上に教えてもらった気がします。
    そして自分なりに深く考える機会ももらえて、純粋に小説

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    2024年04月19日
  • デフ・ヴォイス

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    ネタバレ

    ろう者の生きる世界×殺人事件という今まで読んだことのない異色のミステリー。

    面白かった!両親、兄がろう者のため、子供の頃から家族の通訳をしてきた主人公の葛藤や生きる術。
    手話は「日本語対応手話」「日本手話」とがあり、先天性ろう者、後天性ろう者で使う手話が異なる。
    ろう者の両親から生まれた聴者の子供はコーダと呼ばれるなど、今まで知らなかったことも沢山あり勉強にもなった。

    障害がある方だけでなく、福祉や行政から抜け落ちてしまっている方々が一定数いる事も改めて気付かされました。

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    2024年04月15日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    「デフ・ヴォイス」シリーズスピンオフの、なんと児童書!美和ちゃん英知くんが主人公です。ネコチャン、大事なくてよかったよ…。

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    2024年04月14日
  • ワンダフル・ライフ

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    「デフ・ヴォイス」シリーズの作家さん。今回もずっしりとしたテーマを面白く読ませてもらった。

    事故による頸髄損傷の妻と献身的に介護する中年の夫。1年限定で不妊治療に臨む30代後半の夫婦。不倫関係にある課長とアラサーのOL。ネット上のやり取りで意気投合した脳性麻痺の青年と女子大生。
    4組の男女の話が並行して語られて、どこに行き着くのかと思えば、最後には、ああ、そういうことだったのか、となる構成が巧み。

    そうした技巧的なところだけでなく、お話自体が、障害者に関わることを軸に社会の様々な問題について当事者性を持って描かれており、とても読ませる。
    障害者に対する虐待が心情的に正当化されがちな世相に対

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    2024年04月13日
  • 漂う子

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    居所不明児童という存在、その壮絶な状況。
    そして虐待を受け居場所を無くした子供達。
    親は守ってあげるべき立場なのに…。
    やり切れなさを感じる。

    子供を持つことが怖い直が、彼女の教え子を探していくうちに成長していく。

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    2024年03月28日
  • デフ・ヴォイス

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    手話通訳士となった荒井は、家族皆ろう者の中で育った「コーダ」だった。そんな荒井が過去に関わった殺人犯がまた新たな事件の参考人となっていることを知り、その事件のことを調べ始める。
    そこで知った事実は…。
    「コーダ」である事の辛さや、ろう者の置かれている現状なども興味深く読ませるが、ミステリーとしてもとても面白い作品だった。登場人物が魅力的で、グイグイ読ませる筆力もあり、続編もぜひ
    読みたい。

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    2024年03月24日
  • デフ・ヴォイス

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    先にNHKで見ていたので内容は大体分かっていましたが、本で読むとろう者の方やコーダの方の思いがひしひしと伝わりろう者の生活と手話についてもちゃんと説明されていてとても分かりやすく書かれていました。通訳士として仕事の大切さも知りる事ができました。色んな方にお勧めしたい本になりました。

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    2024年03月24日
  • 刑事何森 孤高の相貌

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    二階の死体/灰色でなく/ロスト

    二階で死んでいたのは母親、同居の娘は車椅子……
    警察の聴取にきちんと答えられますか……
    彼の記憶喪失は真か偽か……

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    2024年03月13日
  • ワンダフル・ライフ

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    ネタバレ

    やはり小説はいいなあと思う作品。 残りページが少なくなりどうやっても4つの物語を纏めるか少し心配になったがかつて無い方法で纏めていた。

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    2024年02月12日
  • 龍の耳を君に

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    何を以てして仲間なのか、家族なのか。

    感情が波打ちながら、最終的に凪のような落ち着く感じのそれぞれだった。
    傍から見ていれば、そんなに難しいことには思えないことでも、当人にとっては酷く辛いことだったりする。
    それは、誰にでもあるんじゃなかろうか。
    そんな思いを汲み取れる、そんな心を常に持っていたい。
    みんな持っているんだ、龍の耳を。
    ただ…忘れているだけ。

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    2024年02月06日
  • 龍の耳を君に

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    デフ・ヴォイスの続編。今作も聾者の問題に視点を当てつつも、ミステリとしても楽しめる良作。
    ちょっと荒井さんの行動が気になるところで⭐️⭐️⭐️⭐️

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    2024年02月03日
  • ワンダフル・ライフ

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    ネタバレ

    障害、介護と重い内容ではあったが自身の考えを改めるキッカケをくれた良い本だった。当方の周りにはそういった方々はいない為、感情移入はそれほどできなかったが想像しただけで苦労が絶えない生活なんだと想像できた。それも著者自身が経験してる故の描写、考え、語彙力なんだと頭が下がる思いである。いつ自身が障害を持つことになるか、また家族を介護することになるか分からない以上、さらに広い視野を持ち相手の感情、自身の心構えに気を配っていきたいと感じた。

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    2024年02月03日
  • 龍の耳を君に

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    場面緘黙症や自閉スペクトラム症は自分にとって身近なことなので、その分どんな取り上げられ方をするのか気になりながら読んだ。
    意思表示のためのカードや自分のだけのスペースが書かれたり、自閉スペクトラム症の人は人の顔を覚えるのが苦手という特性はあるものの英知くんには当てはまらないということが書かれていたりしていて、自閉スペクトラム症といっても人によって様々であることが描かれていていて、素晴らしいなと感じた。

    それにしても美和ちゃんがいい子すぎる。そして、英知くんの心の強さには涙が出た。英知くん、美和ちゃん、みんな違ってみんないい。正育学なんて画一的な教育などあり得ない。正育学は極端ではあるけど、世

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    2024年02月03日
  • 龍の耳を君に

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    思わず夜更かししてしまった

    自分の知っている世界の小ささを
    思い知らされる

    未知が一番怖いと思い、いろいろ
    アンテナをまわしてきたつもりでも
    やっぱり出会わないと知らないこともある

    日本手話 日本語対応手話
    場面緘黙症

    言葉を得た彼は今強く生きていてほしい
    と物語の登場人物なのに強く願ってしまう作品

    聾の漢字の成り立ちの話が大好き

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    2024年01月31日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    わけあって手話で会話をしている美和と英知。
    日常のなかで起こった小さな事件がミステリー要素を含んでいて、ワクワクしながら読みました。

    美和の中の正義感や自然に出る優しさ、対象的にまわりの子どもたちの子どもらしい小さな残酷さ。場面かん黙という症状を生活の一部としてまわりの子どもたちも自然に受け入れつつも、やはり壁を感じる現実。

    これからの社会の中心として生きていく子どもたちには、障害だけでなく、育った環境や考え方、年齢の違い、産まれた国や性別などなど、いろんな人が一緒に生きているということを受け入れて、その上で自分らしい生き方があるんだと言うことを知って欲しいですね。
    もちろん、こどもだけで

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    2023年12月27日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    差別を深く考えさせられる作品だった。
    手話といえばアーティストの楽曲や、保育園の発表会でも目にするようになって、てっきり身近になったと勝手に勘違いしていた。
    手話が2種類あると知らなかったし、聾唖と聾の切り分けにも心を打たれた。当事者の方々の思いが結実し、音声言語と同じように手話も言語だと国際法で認められたのは2006年とのこと。自分の不勉強さに恥じいる。

    手話を取りまく世界をグッと深掘りしてくれて、かつストーリーもしっかりとミステリー。文句なしに面白い。
    今、世間は障害者エンタメという辟易するようなニュースワードで騒がしい。そんな逆風に押し戻されることなく、ありのままの事実を捉えなきゃなと

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    2025年03月20日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    51/100
    丸山正樹著
    「逃女」
    ベトナム人技能実習生による傷害事件
    何森は、女性の逃亡を手助けする組織の存在を知り…
    「永遠(エターナル)」
    ラブホテルでの殺人事件の重要参考人は、パパ活をしていた若い女性だった…
    「小火」
    公園トイレの放火事件に、容疑者として浮かび上がったのは高齢者ホームレスだったが…

    罪を犯さざるを得なかった女性たちに対峙する刑事・何森
    定年が迫る中で下した苦渋の決断ー

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    2023年11月29日
  • 慟哭は聴こえない

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    ネタバレ

    自分が知らない世界が広がっている。

    静かな男
    の、親には心配かけまいと取り繕ってしまう優しさが泣けてしまう。
    それでも報われないのが泣けてしまう。


    ハンディキャップを持ってる人って、
    生活か大変なんだ、
    平等に生きやすくなるといいと思いつつ、
    自分に余裕がない時に歩み寄ることがてきるのかと葛藤を抱いてしまった。

    偽善っぽい自分の汚さを感じてしまった、、、

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    2023年11月20日