丸山正樹のレビュー一覧

  • 龍の耳を君に

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    「デフ・ヴォイス 法定の手話通訳士」続編。

    作者のあと書きによれば、続編の構想は何森刑事にはあったが手話通訳士にはなかったそうだが、本書のあと既に2作発表されている。

    ろう者の両親、兄弟の元に聴者(Coda)として生まれた手話通訳士荒井尚人が、日本のろう者の母語である日本手話によって、聴者とろう者の橋渡しをする。

    弱者に向けた温かい眼差しが全編に漂い、やや波乱が起きそうだった荒井の私生活にも明るい兆しを見せて結末を迎える。

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    2024年07月16日
  • 慟哭は聴こえない

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    本が大好きなこから教えてもらいました。
    私はサスペンスやホラー系ばかり読んでいたので、人気だったり教えてもらったりしないと、この手の感動本はあまり手を出さないのですが、面白かったです。
    というか涙が出ました。

    あと、ろう者という、耳が聞こえない人達がどのように感じてどのような悩みを持っているか、我々には想像つかない感情を少し知ることができたような気がして、今後の人生に役に立つような気がします。

    1話から4話までありそれぞれ、耳が聞こえな人の人生に通訳者が関わっていき物語が展開するという、構成です。

    私は、地方から東京にでてきたろう者の話が、その人物の気持ちを思うと苦しくて涙がこぼれました。

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    2024年07月15日
  • ワンダフル・ライフ

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    「『デフ・ヴォイス』の著者が問う”人間の尊厳”とは何か」という文庫の惹句に惹かれて、手に取る。
    目次に「無力の王」「真昼の月」「不肖の子」「仮面の恋」が(1)から(3)まで表示される。
    「無力の王」は「わたし」と妻が。「真昼の月」には、一志と摂。「不肖の子」では、洋次と不倫する岩田と名乗る「私」。そして「仮面の恋」では、<テルテル>というハンドルネームを持つ障害者の俊治と<GANCO>を名乗る女性。
    それぞれ一見関係なさそうな登場人物たちの話が繰り返される。
    それが、「エンドロール」で一気に結びつく。
    「It's a Wonderful Life」が決まっている。そう来たかと、著者の手腕に脱帽する。
    「わたし」がする介護の全般にリアルさが際立つのが、著者のあとがきで納得。

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    2024年07月12日
  • 慟哭は聴こえない

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    ずっと読んでいる人にとってご褒美のように
    これまで荒井が出会ってきた人のその後が描かれる。
    荒井自身もまたライフステージの変化があり、この世界のどこかでみんなが本当に生活しているような気がしてくる。

    この作品がろう者、聴覚障害者の大変な現状を世に伝える意義はかなり大きい。
    24時間テレビよりも意義深いのでは?と思う。
    血反吐を吐くような努力をして口話を体得したとてそのスキルを使うかどうか決める権利は本人にある。
    読語ができるからといって大人数の場や会食はストレスでしかない。
    そんな当たり前のことを私たちはなぜ慮れないのだろう。

    アメリカに住んだ時、アジア人で女性で、英語が母語ではないということで差別された時の感情が蘇った。
    日本手話は言語なのだ。
    バイリンガルなのだ。
    私は聞こえるけれど、差別される苦しみは知っている。

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    2024年07月01日
  • 慟哭は聴こえない

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    シリーズ第3弾。
    私は第2弾よりこちらの方が好みかな。
    四つの短編で、いろいろな問題を定義していると思った。
    通信制の大学で知り合った女性は生まれながらの失聴者だった。
    その彼女に、自分の名前と簡単な手話を教えてもらったことがある。
    今考えると、あれは日本手話だったな。

    これからの荒井ファミリーの姿も見続けたいと思った。

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    2024年06月30日
  • 龍の耳を君に

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    デフ・ヴォイスの続編。
    今回も私の頭の中では草彅剛さんが走り回る。。

    今回は、聾者だけではなく、緘黙症の子供も手話で言葉を得る。
    手話が、聾者のためのものではないということを知った。
    英知くん、これからも身につけた言葉で未来を歩いていってほしい。

    しかし、「正育学」は、ものすごく差別的で、怖い思考だと思った。

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    2024年06月16日
  • デフ・ヴォイス

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    登場人物が多すぎて

    私の頭脳では混乱しがちでした。

    ですが⭐︎3つから始まり最後は⭐︎4つて感じです。

    主人公は中年です。

    後で調べたらNHKでドラマ化されており

    草彅剛さんが演じられたのだとか。

    情報なしで読んでたところ

    脳内再生では草彅剛さんではなかった。

    文体から脳内再生させたところ

    もう少し年老いてる感じがしました。

    主人公はコーダ。

    コーダとは、家族の中で1人だけ聴覚に障害がない人。

    家族は全員ろう者だけど

    1人だけ耳は聞こえる。

    それはそれで孤独に苛まれ疎外感を感じてるんですね。

    そして

    社会間での手続きに手話通訳トラブルシュレッダーなど

    健常者として障害を持つ家族を

    1人支えていかなければならない圧迫と生き辛さを感じた思春期。

    コーダ

    中年の主人公は言います。

    『今更自分達に名前が与えられたところで

    どうしようもない。今は自分は、その仲間から外れたところにいる』

    そう仰います。

    どうせなら

    子供の頃にラベリングされたいであろう

    境界性知能や大人の発達障害にも

    近い感覚があるかなと思います。

    療育は子供の頃しか出来ないなら尚更ですよね。

    320ページくらいあるんですけども

    何せ登場人物が多くてですね。

    人が多くて

    そろそろ本題はどこ?思ってたころに

    ろう者施設の“海馬の家”の知られていない真実とは?

    と、やっと展開を感じる感じで進みます。

    去勢、避妊、命の選択

    優生手術を健常の親が障害を持つ子供に施してる

    そんな痛々しい話もあります。

    主人公じたい自分の遺伝子を引き継ぐ子供を儲けようと思っていませんしね。

    作者の奥様は頚椎損傷という障害を持ってるそうですが

    聴覚障害とは無縁だそう。

    なのになぜ、無縁の聴覚障害で小説を書いたかいうと

    障害を持たない人でも共感できるものを書こうと思ったのが

    動機だそうです。

    障害を持たないものでも、その障害者の葛藤が手の取るように分かればみたいな感じで書いたとかありましたわ。

    日本語と他国語のように手話の世界にも言語種類があって、

    ろう者の中の頭いい人が人権革命を起こすものやら

    その革命の大義のためなら後天性の“ろう者”を、ろう者としては認めないみたいな空気になるところやら。(先天と後天で差別してるみたいに見える)

    何だかなあという場面も、よく出てきます。

    ラベリングされると、その世界に檻ができて

    カーストというかヒエラルキーができてくる感じが、ちょっとうんざりでした。先天性のろう者と先天性の親を持つコーダもろう者とか言うんですけど。


    でも最後は泣きました。

    幼児性虐待。

    いわゆるペドですね。障害者だからでなくて

    この問題は、もう別問題で腹立たしいです。

    聡明な少女たちの決断に泣けてくるんですね。

    それを見護る義理の親に産みの両親たちも。

    お金のあるなしに関わらず辛かったろういうのが読んで伝わったので。

    ルッキズム文化に警鐘ならす話も多い中

    大抵、不幸な少女は美の設定は治らんみたいですけど。

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    2024年06月10日
  • 慟哭は聴こえない

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    3作目。ますますいい話と云うか、問題のある話が続く。身近な経験はないが、理解できる。本当に難しい問題だわ

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    2024年06月01日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    ベトナム人の技能実習生が上司を刺して逃亡した。刑事の何森はその行方を追ううちにその奥にある問題に直面する。
    「デフヴォイス」シリーズの何森が主人公の話。入管やホームレスなどの問題が描かれていて、重たい内容だけど、ぐいぐい読ませる。

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    2024年05月18日
  • 龍の耳を君に

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    シリーズ2作目。
    今回も凄く良かった。
    知ることって大切。ろう者や手話、障害のある方が現代で生きていく上で感じる生きづらさ。
    今回は場面緘黙症、発達障害を持つ少年も出てきた。
    場面緘黙症について、実は小学校1年生の頃にクラスメイトの女の子がそうだった。
    当時は無知で子供だった私は、その子に「なんでお母さんとは話せるのに、学校では話さないの?」「声出せないの?」と質問責めにして困らせてしまったことを思い出した。

    ミステリー仕立てだけど、聴覚障害をもつ方や発達障害、支援学校のことなどを学ぶことが出来、また自分の認識不足を思い知らされる。

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    2024年05月14日
  • ワンダフル・ライフ

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    この類の仕掛け、とても好きです。物語が4つのストーリーで構成されていて、「こことここが繋がるのかな?」と想像しながら読むけど、オチは全く違うものだった。混乱したままラストの章を読みました。もう一度読みたくなるというのは、このことか...。時代背景も、あっちにいったりこっちにいったりしているから、ちゃんと落ち着いて読めるときに一気に読むべき一冊。

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    2024年05月13日
  • 慟哭は聴こえない

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    慟哭は…聴こえると思った。
    聴こうとしないだけで、聴こうと思えば聴こえると。
    声って、音だけじゃない。
    こっちの鼓膜が震えて聞こえるんじゃなくて、心が震えて聴こえるもんだろう。
    それは、そんなに難しいことなんだろうか。
    前を歩いていた人がリンゴを落としたら、拾うだろう。
    小さい子が1人泣いていたら、頭に手を置いてやるだろう。
    痛がってる人がいたら、気にかけないか?
    それは、そんなに難しい事じゃない。
    誰だって気付いて欲しい
    だから聞こえる声よりも
    聴こうとする感性を大事にしたい。

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    2024年05月03日
  • ワンダフル・ライフ

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    必ずもう一度読みたくなる、と言う一文に惹かれて購入しました。

    障がいを持つ方に携る人達の短編集
    読み進めるうちに、あれ?なんかこれ…と違和感のようなものを抱きつつ、でもそれぞれの人物の人生(生活)がリアルで興味深くサクサクと読み進めていきました。

    そして最後で自分でも「あ!」と気づいたのですが、著者は詳しくラストでもきちんとまとめてくれているので、混乱することなく確かにもう一度読みたくなりました!!

    人生は障がいを持つ、持たないと言う事で全く違うものになる、それは当たり前のことだろうけどそれを自分の想像以上に教えてもらった気がします。
    そして自分なりに深く考える機会ももらえて、純粋に小説としてもしかけがあり面白かったです。

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    2024年04月19日
  • デフ・ヴォイス

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    ネタバレ

    ろう者の生きる世界×殺人事件という今まで読んだことのない異色のミステリー。

    面白かった!両親、兄がろう者のため、子供の頃から家族の通訳をしてきた主人公の葛藤や生きる術。
    手話は「日本語対応手話」「日本手話」とがあり、先天性ろう者、後天性ろう者で使う手話が異なる。
    ろう者の両親から生まれた聴者の子供はコーダと呼ばれるなど、今まで知らなかったことも沢山あり勉強にもなった。

    障害がある方だけでなく、福祉や行政から抜け落ちてしまっている方々が一定数いる事も改めて気付かされました。

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    2024年04月15日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    「デフ・ヴォイス」シリーズスピンオフの、なんと児童書!美和ちゃん英知くんが主人公です。ネコチャン、大事なくてよかったよ…。

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    2024年04月14日
  • ワンダフル・ライフ

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    「デフ・ヴォイス」シリーズの作家さん。今回もずっしりとしたテーマを面白く読ませてもらった。

    事故による頸髄損傷の妻と献身的に介護する中年の夫。1年限定で不妊治療に臨む30代後半の夫婦。不倫関係にある課長とアラサーのOL。ネット上のやり取りで意気投合した脳性麻痺の青年と女子大生。
    4組の男女の話が並行して語られて、どこに行き着くのかと思えば、最後には、ああ、そういうことだったのか、となる構成が巧み。

    そうした技巧的なところだけでなく、お話自体が、障害者に関わることを軸に社会の様々な問題について当事者性を持って描かれており、とても読ませる。
    障害者に対する虐待が心情的に正当化されがちな世相に対し、障害者は『障害の種類や程度に関わらず、「あなたたちと同じ人間」としてこの世界で生きている』という思いが正面からぶつけられるが、例えば脳性麻痺の青年のスキルや考えや感情や生い立ちを描くことを通して無理なくその思いが伝わり、みんながその存在を知ること、その存在に慣れることの大切さが沁み渡ってくる。
    私自身、障害がある人が多く働く職場にいるのだが、「排除アート」といったものの存在や特別養子縁組における子どもを受け入れる条件(養子を選ぶことはできない)なども含め、まだまだ知らないことや理解できていないことが多いことも改めて自覚した。

    頸髄損傷のリハビリやその後の介護の描写は読み進めるのも辛くなる生々しさだったが、作者のあとがきを読めば『私自身、作中人物と同じく頸髄損傷という障害を負った妻との生活を三十年続けております』とあり、驚く。
    『小説内の設定と異なり、いたって円満に過ごしております』とさらりと書いてあるが、そこには敬服しかない。

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    2024年04月13日
  • 漂う子

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    居所不明児童という存在、その壮絶な状況。
    そして虐待を受け居場所を無くした子供達。
    親は守ってあげるべき立場なのに…。
    やり切れなさを感じる。

    子供を持つことが怖い直が、彼女の教え子を探していくうちに成長していく。

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    2024年03月28日
  • デフ・ヴォイス

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    手話通訳士となった荒井は、家族皆ろう者の中で育った「コーダ」だった。そんな荒井が過去に関わった殺人犯がまた新たな事件の参考人となっていることを知り、その事件のことを調べ始める。
    そこで知った事実は…。
    「コーダ」である事の辛さや、ろう者の置かれている現状なども興味深く読ませるが、ミステリーとしてもとても面白い作品だった。登場人物が魅力的で、グイグイ読ませる筆力もあり、続編もぜひ
    読みたい。

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    2024年03月24日
  • デフ・ヴォイス

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    先にNHKで見ていたので内容は大体分かっていましたが、本で読むとろう者の方やコーダの方の思いがひしひしと伝わりろう者の生活と手話についてもちゃんと説明されていてとても分かりやすく書かれていました。通訳士として仕事の大切さも知りる事ができました。色んな方にお勧めしたい本になりました。

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    2024年03月24日
  • 刑事何森 孤高の相貌

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    二階の死体/灰色でなく/ロスト

    二階で死んでいたのは母親、同居の娘は車椅子……
    警察の聴取にきちんと答えられますか……
    彼の記憶喪失は真か偽か……

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    2024年03月13日