丸山正樹のレビュー一覧
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本が大好きなこから教えてもらいました。
私はサスペンスやホラー系ばかり読んでいたので、人気だったり教えてもらったりしないと、この手の感動本はあまり手を出さないのですが、面白かったです。
というか涙が出ました。
あと、ろう者という、耳が聞こえない人達がどのように感じてどのような悩みを持っているか、我々には想像つかない感情を少し知ることができたような気がして、今後の人生に役に立つような気がします。
1話から4話までありそれぞれ、耳が聞こえな人の人生に通訳者が関わっていき物語が展開するという、構成です。
私は、地方から東京にでてきたろう者の話が、その人物の気持ちを思うと苦しくて涙がこぼれました。 -
Posted by ブクログ
「『デフ・ヴォイス』の著者が問う”人間の尊厳”とは何か」という文庫の惹句に惹かれて、手に取る。
目次に「無力の王」「真昼の月」「不肖の子」「仮面の恋」が(1)から(3)まで表示される。
「無力の王」は「わたし」と妻が。「真昼の月」には、一志と摂。「不肖の子」では、洋次と不倫する岩田と名乗る「私」。そして「仮面の恋」では、<テルテル>というハンドルネームを持つ障害者の俊治と<GANCO>を名乗る女性。
それぞれ一見関係なさそうな登場人物たちの話が繰り返される。
それが、「エンドロール」で一気に結びつく。
「It's a Wonderful Life」が決まっている。そう来たかと、著者の手腕に脱帽する。
「わたし」がする介護の全般にリアルさが際立つのが、著者のあとがきで納得。 -
Posted by ブクログ
ずっと読んでいる人にとってご褒美のように
これまで荒井が出会ってきた人のその後が描かれる。
荒井自身もまたライフステージの変化があり、この世界のどこかでみんなが本当に生活しているような気がしてくる。
この作品がろう者、聴覚障害者の大変な現状を世に伝える意義はかなり大きい。
24時間テレビよりも意義深いのでは?と思う。
血反吐を吐くような努力をして口話を体得したとてそのスキルを使うかどうか決める権利は本人にある。
読語ができるからといって大人数の場や会食はストレスでしかない。
そんな当たり前のことを私たちはなぜ慮れないのだろう。
アメリカに住んだ時、アジア人で女性で、英語が母語ではないということで差別された時の感情が蘇った。
日本手話は言語なのだ。
バイリンガルなのだ。
私は聞こえるけれど、差別される苦しみは知っている。 -
Posted by ブクログ
登場人物が多すぎて
私の頭脳では混乱しがちでした。
ですが⭐︎3つから始まり最後は⭐︎4つて感じです。
主人公は中年です。
後で調べたらNHKでドラマ化されており
草彅剛さんが演じられたのだとか。
情報なしで読んでたところ
脳内再生では草彅剛さんではなかった。
文体から脳内再生させたところ
もう少し年老いてる感じがしました。
主人公はコーダ。
コーダとは、家族の中で1人だけ聴覚に障害がない人。
家族は全員ろう者だけど
1人だけ耳は聞こえる。
それはそれで孤独に苛まれ疎外感を感じてるんですね。
そして
社会間での手続きに手話通訳トラブルシュレッダーなど
健常者として障害を持つ家族を
1人支えていかなければならない圧迫と生き辛さを感じた思春期。
コーダ
中年の主人公は言います。
『今更自分達に名前が与えられたところで
どうしようもない。今は自分は、その仲間から外れたところにいる』
そう仰います。
どうせなら
子供の頃にラベリングされたいであろう
境界性知能や大人の発達障害にも
近い感覚があるかなと思います。
療育は子供の頃しか出来ないなら尚更ですよね。
320ページくらいあるんですけども
何せ登場人物が多くてですね。
人が多くて
そろそろ本題はどこ?思ってたころに
ろう者施設の“海馬の家”の知られていない真実とは?
と、やっと展開を感じる感じで進みます。
去勢、避妊、命の選択
優生手術を健常の親が障害を持つ子供に施してる
そんな痛々しい話もあります。
主人公じたい自分の遺伝子を引き継ぐ子供を儲けようと思っていませんしね。
作者の奥様は頚椎損傷という障害を持ってるそうですが
聴覚障害とは無縁だそう。
なのになぜ、無縁の聴覚障害で小説を書いたかいうと
障害を持たない人でも共感できるものを書こうと思ったのが
動機だそうです。
障害を持たないものでも、その障害者の葛藤が手の取るように分かればみたいな感じで書いたとかありましたわ。
日本語と他国語のように手話の世界にも言語種類があって、
ろう者の中の頭いい人が人権革命を起こすものやら
その革命の大義のためなら後天性の“ろう者”を、ろう者としては認めないみたいな空気になるところやら。(先天と後天で差別してるみたいに見える)
何だかなあという場面も、よく出てきます。
ラベリングされると、その世界に檻ができて
カーストというかヒエラルキーができてくる感じが、ちょっとうんざりでした。先天性のろう者と先天性の親を持つコーダもろう者とか言うんですけど。
でも最後は泣きました。
幼児性虐待。
いわゆるペドですね。障害者だからでなくて
この問題は、もう別問題で腹立たしいです。
聡明な少女たちの決断に泣けてくるんですね。
それを見護る義理の親に産みの両親たちも。
お金のあるなしに関わらず辛かったろういうのが読んで伝わったので。
ルッキズム文化に警鐘ならす話も多い中
大抵、不幸な少女は美の設定は治らんみたいですけど。 -
Posted by ブクログ
必ずもう一度読みたくなる、と言う一文に惹かれて購入しました。
障がいを持つ方に携る人達の短編集
読み進めるうちに、あれ?なんかこれ…と違和感のようなものを抱きつつ、でもそれぞれの人物の人生(生活)がリアルで興味深くサクサクと読み進めていきました。
そして最後で自分でも「あ!」と気づいたのですが、著者は詳しくラストでもきちんとまとめてくれているので、混乱することなく確かにもう一度読みたくなりました!!
人生は障がいを持つ、持たないと言う事で全く違うものになる、それは当たり前のことだろうけどそれを自分の想像以上に教えてもらった気がします。
そして自分なりに深く考える機会ももらえて、純粋に小説としてもしかけがあり面白かったです。
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Posted by ブクログ
「デフ・ヴォイス」シリーズの作家さん。今回もずっしりとしたテーマを面白く読ませてもらった。
事故による頸髄損傷の妻と献身的に介護する中年の夫。1年限定で不妊治療に臨む30代後半の夫婦。不倫関係にある課長とアラサーのOL。ネット上のやり取りで意気投合した脳性麻痺の青年と女子大生。
4組の男女の話が並行して語られて、どこに行き着くのかと思えば、最後には、ああ、そういうことだったのか、となる構成が巧み。
そうした技巧的なところだけでなく、お話自体が、障害者に関わることを軸に社会の様々な問題について当事者性を持って描かれており、とても読ませる。
障害者に対する虐待が心情的に正当化されがちな世相に対し、障害者は『障害の種類や程度に関わらず、「あなたたちと同じ人間」としてこの世界で生きている』という思いが正面からぶつけられるが、例えば脳性麻痺の青年のスキルや考えや感情や生い立ちを描くことを通して無理なくその思いが伝わり、みんながその存在を知ること、その存在に慣れることの大切さが沁み渡ってくる。
私自身、障害がある人が多く働く職場にいるのだが、「排除アート」といったものの存在や特別養子縁組における子どもを受け入れる条件(養子を選ぶことはできない)なども含め、まだまだ知らないことや理解できていないことが多いことも改めて自覚した。
頸髄損傷のリハビリやその後の介護の描写は読み進めるのも辛くなる生々しさだったが、作者のあとがきを読めば『私自身、作中人物と同じく頸髄損傷という障害を負った妻との生活を三十年続けております』とあり、驚く。
『小説内の設定と異なり、いたって円満に過ごしております』とさらりと書いてあるが、そこには敬服しかない。