丸山正樹のレビュー一覧

  • 刑事何森 逃走の行先

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    【収録作品】逃女/永遠/小火

    「デフ・ヴォイス」シリーズのスピンオフ。
    すっきりしたミステリではない。むしろ、現代日本において弱い立場に置かれている人たちに焦点を当てた作品。解決よりも問題提起が重視されている。

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    2023年08月23日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    ネタバレ

    2023/06/19リクエスト 7
    ここ最近あった事件を下敷きに、一匹狼の何森刑事が相棒の荒井みゆきと捜査にあたる。
    立場の弱い女性が関係する事件を組み合わせてあるので、どれも思い当たるものがある。
    技能実習生の妊娠、出産。非正規滞在外国人の仮放免。
    コロナ禍による失業。
    罪を犯した、その罪は本当に罪なのか?
    そうせざるを得なかったのでは?という問いがこの本を通して見えてくる。

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    2023年08月23日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    刑事何森シリーズの2作目。
    何気に気に入っているこのシリーズ。
    何森さん、いよいよ定年となってしまい、
    もっと続いてほしいのに…
    この先の彼がどうなるのか気になる。

    作者があとがきにも書いているように、
    作品に対して反響がなく、話題にならなければ
    このまま終わってしまうことになるのかも。
    そうならないよう、祈るのみ。

    今回も世の中でなかなかスポットライトの当たりづらい、しかし見過ごしてはいけない人々に対して問題提起している。
    実際に起こっている事件や出来事が下敷きとなっていて、その悲惨さが胸を突く。

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    2023年08月16日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    刑事何森シリーズ第2弾。今の日本の社会の問題点を題材にしてる。外国人就労、貧困、差別、医療費問題点に絡めて書いてある。これが現在の日本の実情と言ってもいい内容。
    今後日本はどうなるのか。
    何森さんは定年したらどうなるのか。このシリーズまだまだ続いて欲しい。

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    2023年08月14日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    「デフ・ヴォイス」シリーズの刑事・何森が主人公の第二弾です。
    何森が定年間近…哀愁漂ってます。

    短編3作どの話も女性、外国人女性に関わる事件です。《技能実習生》《パパ活》《売春斡旋》など
    ニュースで聞いた事のある話とコロナによって仕事を無くした貧困を絡めて、やりきれない事件の真相に何森の苦悩が切ない(*_*)

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    2023年07月30日
  • 慟哭は聴こえない

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    なーんかまだまだ分かったようで全然分かってなかった。
    今までずっと「全盲か全ろうだったら、視覚情報ある全ろうの方がまだ生活しやすいんじゃないか」って思ってたけど、コミュニケーションの部分で「聞こえない・話せない・伝わらない」っていうのはめちゃくちゃネックなんだって気づいた。

    見ることしかできないのに、マスクで見えない、暗くて見えないのは全部無くなったのと一緒やんって。
    幸村に五感奪われたときみたいな。
    孤独だよなー。みんなの輪に入れないから。

    私は10代の頃の日記に書いてた『常に少数派・弱者側の味方でありたい』っていうの、今もそうでありたいと思ってるし、なるべくそのようにしてるから、これか

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    2023年06月17日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    『デフ・ヴォイス』の児童向けスピンオフ。
    世の中には「聴こえない」けど表情豊かに「会話」が出来る人がどれだけ存在するのだろう。そういう人たちへの関心と理解が進むといいな、と思わせる作品でした。

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    2023年04月19日
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright

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    気になっていた一冊。
    日系の話も、ヤングケアラーの話も今の環境からはまったく接点のない暮らしを送っている私には新鮮な世界。
    ただ、ひょっとするとただ見ないフリをしているだけで、ちょっと目線を変えればすぐに見えてくる世界なのかなぁとちょっと思いました。

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    2023年02月23日
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright

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    なにも特別な事を望んでいるわけじゃない。

    せめて子供が子供でいられる間くらい、不安や絶望を感じず毎日を安心して過ごす事が出来れば。
    そう願わずにはいられない。

    今作は認知症の祖母を介護するヤングケアラーの少女と、ストリートに生きる日系ブラジル人の少年達をベースに展開する。

    物語はブラジル人が多く住む豊田市保見団地で実際に起きた事件を彷彿とさせる。

    世の中には排他的な考えを持つ人もいるけれど、それ以上に子供達の幸福を願う人達がたくさんいるはずだ。

    子供達のSOSに耳を傾け、その笑顔を守るのは大人達の役目だと改めて思う。

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    2023年02月18日
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright

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    ネタバレ

    在日外国人やヤングケアラーと彼らの問題に向き合おうとする「大人」の姿を描いている。

    うまくいった教科書のような話になっているが、この作品はそれでいいと思う。まずは広く知らせ、気づかせること。私たちが何を見て見ぬふりをしているのかを。

    ここにいる「大人」たちの姿に頭が下がる。

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    2022年12月06日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    ろう者の家庭に育った聴者のこどもが主人公。元は大人向け小説のスピンオフらしい。こちらは児童文学として書かれたもの。

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    2022年11月16日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    発達障害や手話などを交えながら事件のナゾトキをする物語。小学校中学年におすすめ。物語だけでなく、巻末には手話や指文字の一覧表が載っている為、手話について学ぶこともできる。

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    2022年10月15日
  • 慟哭は聴こえない

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    もし生まれた子供が聴こえない子だったら。

    自分なら迷わず人工内耳の手術を受けさせるだろうな。
    少しでも聴こえるようになる可能性があるのなら、
    多少のリスクを負ってでも、と思う。

    今回もまた、とても興味深く読んだ。
    人工内耳の事はもちろん、手話にも喃語や方言のようなものが存在するというのも新しく知った。

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    2022年09月16日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    デフシリーズのファンなので
    美和ちゃんのことも 英知くんなことも いつも応援しながら 読んでます

    でも 今回は
    子ども達の目線の世界だからなのか
    彼女たちの 人との距離感に 戸惑ってしまって 今一つ話に入り込めず...

    こちらも シリーズ化するみたいなラストだったので また次回作を待ってみよう
    でも 本音は本シリーズの続編の方が嬉しいかも...

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    2022年09月14日
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright

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    ヤングケアラー、在日外国人の子どもたち…「普通」の子どもたちの輪の中に入っていけず、学校から遠ざかってしまう子どもたちがいることを知ることができた。そして、そんな子どもたちに対して、大人ができることはなんだろう、と考えさせられた。
    物語に出てくるNPO「子どもの家」のメンバーは、児相でも警察でも対処できないようなケースに対して、多少「強硬」なやり方でも子どもたちを救おうと活動している。彼らのように、子どもたちの何気ない言葉から、SOSを読み取って、何かしらの行動をすることが、周りの大人にできる唯一のことではないかと思う。
    子どもに仕事を押し付けるのが保護者の責任放棄になる一方で、「何もできない

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    2022年08月28日
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま

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    デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ。荒井の娘、美和が主人公の優しいミステリー。デフ・ヴォイスシリーズなので手話は健在。美和もちゃんと成長してたんだなー。またデフ・ヴォイスシリーズ読みたくなってきた。(確か中学生?になった美和ちゃん荒れてたような…)それにしても続きがあるような終わり方だった。続きがあるならもちろん読みたい。

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    2022年08月18日
  • 慟哭は聴こえない

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    デフ・ヴォイスシリーズ3作目。前作から少し年月が経ち、主人公の人間的葛藤が多くなっている分、ミステリー感が薄まっているような気がして、やや物足りなさを感じてしまった。

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    2021年09月30日
  • 漂う子

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    共感出来るような 場面はほとんどなく 社会に潜んだ闇を見せられ 恐怖と不安に 心細い気持ちになる

    だけど 現実に こういう世界が隠れている
    大人として 知るべき事柄なんだと思った

    フィクションとして やわらかく 伝えているのだろう
    実際に 当事者からの言葉を聞けば もっと ツラくなるのかもしれない

    でも 知らずにいる多くの人へメッセージを届ける 一歩をしっかりと踏み出している

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    2021年02月07日
  • 漂う子

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    一気読み。
    主人公には最後まで感情移入出来なかったけど
    ストーリーとしては興味深かった。

    『情緒障害児短期治療施設』と言うのもこの本で初めて知った。

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    2021年02月14日
  • 漂う子

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    ネタバレ

    本の中で紹介される児童虐待のエピソードは強烈なのだけれど、主人公があまり踏み込んだ立場におらず「話を聞いて衝撃を受けた」というところ止まりなので、他のルポタージュなどとあまり変わらない感じがした。フィクションなので、もう少しこの社会問題の核となる部分に主観的な意識を持っていってくれたらな〜と少しだけ残念。
    また主人公が自分の子どもを持つことに対して抱く否定的な思いが、抽象的でつかみどころがないため、それを乗り越える過程もイージーに見えてしまった。デフヴォイスがすごすぎて、ちょっと期待しすぎたかもしれない。
    それでも小説の題材としてはなかなか扱われない内容だと思うので、意義ある一冊だったと思うし

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    2020年12月14日