丸山正樹のレビュー一覧
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丸山正樹『漂う子』文春文庫。
丸山正樹の作品を読むのは『デフ・ヴォイス』に続き2作目となる。本作は『居所不明児童』をテーマにした社会派小説である。
大人になりきれず、自覚を持たない親たちの身勝手な論理により、疎まれ、虐げられ、まともな社会生活を送れず、社会から遺棄される子供たち。連日のようにテレビや新聞は子供の虐待や殺害死体遺棄といった悲しい事件を伝えている。
長年の親との確執により、自分が子供を持ち、親になることに疑問を抱くフリーカメラマンの二村直を主人公がある居所不明児童の調査をきっかけに、家族について見詰め直すという救いのある物語である。しかし、結末には少し納得できなかった。
二 -
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「デフ・ヴォイス」シリーズ第3弾。手話通訳士・荒井の仕事を横軸に、みゆき・美和との家族としての成長、甥っ子(兄の息子)司の悩みを縦軸に6年間が描かれています。
第1話「慟哭は聴こえない」
男性通訳者は歓迎されない産婦人科での通訳。初めての出産を控えたろうの夫婦と出会う。
美和は小学3年生。
冒頭の居酒屋でのトラブルには、蛇の目寿司事件が思い出されます。
第2話「クール・サイレント」
ろうの人気モデルHALの通訳を引き受ける。テレビ業界が求める「かっこいい手話」とは?
美和は小学5年生。2016年の設定。
第3話「静かな男」
廃業した安宿で変死体が発見される。この事件を何森が担当。亡くなっ -
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コーダ(ろう者の親を持つ聴者)である過去から逃げるように生きてきた荒井尚人。手話通訳士となった彼が、ある法廷通訳を引き受けたことから物語は動き出す。
本作を通じ、日本手話と日本語対応手話の違いや補聴器のノイズなど、聴者側の無理解を突きつけられた。さらに過酷なのは、ろう者同士の対立や差別だ。
幼少期の尚人の回想。
転んで泣いても気づかず遠ざかる母の背中に「あぁ、聞こえないんだ」と悟る場面。甘えを殺し孤独を飲み込んできたコーダの痛みに、強く胸が締め付けられた。
後半のミステリー展開には少しフィクション特有の物足りなさも覚えたが、
ラストに響く「デフ・ヴォイス」{聾者が発する声)には涙があふれた -
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11冊目の丸山正樹さんはデフ・ヴォイスシリーズの第5弾。なんとこれでシリーズ完結なんだそうです。大好きなシリーズなのでさみしいです。
こちらのシリーズは、コーダ(耳の聞こえない両親から生まれた耳の聞こえる子ども)であり、手話通訳士である荒井尚人を主人公とした社会派小説です。
今作では荒井の妻で警察官のみゆき、みゆきの連れ子で高校生の美和、生まれつきろう児で小学生の瞳美、の家族4人を中心としたお話でした。表紙の手話は「家族」を表しているそうです。
「CODAコーダ」はもちろん知ってましたが、美和のように「聞こえない兄弟姉妹をもつ聞こえる兄弟姉妹」のことを「Sibling Of Deaf A -
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手話通訳士荒井。妻のみゆきは警察官、長女美和は高校生、次女瞳美は小学生。みゆきは望みの仕事に就きたいなら、上層部から〇〇しろと言われる。美和は恋と受験に悩む。瞳美の日本手話ができる先生が辞めてしまい、授業が分からなくなってしまう。
素晴らしい小説だった。手話やコミュニケーションについて大いに考えさせられる。たぶんネタバレにはならないかと思って書くと、ラストの裁判のシーンが圧巻だった。リーガルミステリーを読むと、殺人事件の裁判について多く書かれているので読む機会はあるが、こういうタイプの裁判について読む機会はなく、新鮮であり、かつ裁判における双方の言い分のぶつかり合いとそれぞれの巧さが読ませる -
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冒頭から惹き込まれ、先へさきへと急ぎたくなる物語だった。
生きていれば過ちを犯すことがあるかもしれない。
一度転落した人生は、再び日の当たる場所に戻ることができるのか…
不正が大嫌いで正義感の強いコンビニ店長。
その正義感は次第にエスカレートし、積極的に万引き犯を捕まえ、警察へ突き出すことに喜びを感じている。
しかしある日、万引き犯を取り押さえる際に相手が頭を打ち、その後死亡してしまうという〝事件〟を起こす。
その時の動画がSNSにアップされ、これまでの平穏な日々から暗転していく。
もう一人の主人公は、万引きの前科を持つ女性。
虐待から逃れ、高校卒業まで施設で育つが、その後の暮ら -
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元警察事務職員の主人公が手話通訳士となり、17年前に関わった殺人事件と接点のある難事件に遭遇することとなる。
この物語はろう者が主体となって展開されていくのですが、わたくしこれまでの人生でほとんどろう者の方とコミュニケーションをとった経験がなく、知識も乏しいので失礼ながらあまり期待せずにこの小説を手に取りました。
途中、ろう者と手話の種類などが詳細に記されており、これに関してはとても勉強になりました。
17年前の殺人事件のホンボシは誰であったのか?
現在起きた殺人事件にはその17年前の事件の関係者が大きく関与していることが疑われ、主人公の荒井尚人が奔走します。謎が謎を呼び、最後に真実が暴 -
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再読シリーズ。
読んだことも大枠のストーリーもうっすら覚えているのに、結末はほぼ終わりまで忘れていた。。
前に記録していたものが消えてしまい、いつ読んだか定かではないけれど、おそらく手話に興味を持って少し習っていた時か少し後。日本手話と日本語対応手話とそれに関する様々な見解、コーダという言葉と存在を知ったのもこの本だったと思う。
書かれたのが前の本なので、今はまた色々と環境も変わっているだろうし、自分も最近、福祉の勉強をするようになって、当時とはまた受け止め方の違いもあった気がする。当然、当事者の人々と同じように考えるのは無理なことだけど、色んな境遇や考えや課題があることはこれからも知って -
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万引き犯を絶対悪として捕まえ続けた結果、最終的に死なせてしまったコンビニの店長、柳田。柳田を中心に、犯罪からの転落人生のその後や、犯罪の連鎖を描いています。
読後感は重いです。傷害致死と過失致死。量刑が大きく異なりますが、主観的な判断と言わざるを得ず、自分が実際にこのような加害者側の立場になってしまったらと思うと、非常に怖かったです。そんなつもりはなかったと訴えたとしても、信じてはもらえない。流れてくるニュースの見え方も、少し変わりました。
前科がついてしまったあとの暮らしも絶望的です。特に、ネットに顔や名前が出てしまっていたら、一生涯付きまといます。まともな仕事には就けず、犯罪を繰り返し