丸山正樹のレビュー一覧

  • 慟哭は聴こえない

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    前作も自分の「無意識の偏見」に気づいて衝撃だったが、今回も2話目に出てきた医療従事者の一言に考えさせられた。
    ろうという個性、そのありのまま、ではいけないのか?と。
    自分の周りが自分と同じような人ばかりではなく、カラフルな様々な個性をもった人がいるのだということを再認識する作品。
    その個性ゆえに生きにくさを感じている人もいて…自分はそんな色々を感じられるようでありたい、とか思う。

    そして主人公家族の成長を楽しみに読んでいる。
    次の作品も読もうと思う。

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    2024年02月11日
  • ワンダフル・ライフ

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    ネタバレ

    この作品を読むまで結局自分は偽善的な
    考えで身体障がい者のことを見ていたと突きつけられた気がした。
    脳性麻痺の娘、息子を殺す母親にどこか同調してしまっていたと思った。
    でもそれって彼女や彼からしたら自分の命を勝手に奪われることで、幸せか幸せじゃないかは他人が決めることではないと本当だと素直にそう思う。

    この作品は一見ミステリーだと思うけど
    そうじゃない。自分が知らなかったことを知るきだかけでもあったし、私自身だって健常者ではなくなるきっかけはいつだってある。だから他人事じゃないし、健常者に勝手に彼ら彼女らはこうだからと決めつけられるのはおかしいこと。

    この作品を1人でも多くの人に読んでもら

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    2024年02月03日
  • ワンダフル・ライフ

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    丸山正樹『ワンダフル・ライフ』光文社文庫。

    変わった構成の連作小説の形式を取っている作品である。『無力の王』『真昼の月』『不肖の子』『仮面の恋』という4つのタイトルを付けられた4組の男女の物語が3回ずつ描かれ、一見関係の無いように思えた4つの物語は『エンドロール』を経て、最後に1つの物語に帰結するのだ。

    まるで裏と表の世界のように『エンドロール』に描かれたもう1つの世界。

    東日本大震災と福島第一原発事故、新型コロナウイルス、障害者の人権と現代の様々な災害や問題を散りばめながら、人生を生きる意味を教えてくれるような深く重たい小説だった。


    『無力の王』。事故により頸髄損傷という重度の障害

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    2024年02月02日
  • 慟哭は聴こえない

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    ネタバレ

    ちょっといろんなひとの気持ちが切なくて。
    切なさてんこ盛りの連作短編集。
    「静かな男」からの「法廷のさざめき」、切なさの威力が半端じゃなくて、電車で読んだの後悔しました。

    聞こえない家族のなかで聞こえるただ1人の荒井から、聞こえる家族のなかでただ1人、聞こえないサトミちゃんという対比に繋がるところがもう。。
    お姉ちゃんの気持ちもお母さんの気持ちもみんな切ないです。涙腺ゆるみまくり。

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    2024年01月24日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

    購入済み

    心を繋ぐ手

    年末にドラマを観て原作を読みたくなった。荒井という人物のバックボーン、人間関係などがよくわかった。そして、手話について、新たな認識を得た。読後はやりきれないものを感じた。姉妹の葛藤、家族の繋がり、心の繋がりを強く感じる作品であった、

    #深い #感動する #シュール

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    2024年01月08日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    ベトナムの人たち今はまだ日本に働きに来てくれているかもしれないけど、そのうち日本以外の国行っちゃうだろうな、もっと大事にしろよって思いながら読んだ。

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    2023年12月13日
  • 刑事何森 孤高の相貌

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    丸山正樹『刑事何森 孤高の相貌』創元推理文庫。

    『デフ・ヴォイス』シリーズのスピンオフ。『デフ・ヴォイス』にも登場した、昔気質で組織に迎合することなく、一途で正義の使徒のような刑事、何森稔を主人公にした中短編3編を収録。

    硬直化した組織に於いては一途で実直であり過ぎると疎まれる傾向にある。適度が良いと言うことだが、その適度の加減が解らぬ男も居るのだ。それが何森稔という刑事だ。一途で実直であり過ぎるが故に幾ら実績を挙げようと所轄署をたらい回しにされ、昇進は見送られる。

    3編共に読み応えがある本格的な警察小説に仕上がっている。事件の表面ばかりを見て、組織の面目を保つのに必死な所轄署の中で異彩

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    2023年12月11日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    技能実習生、パパ活、入管問題を絡めた連作短編。その社会問題を背景に犯罪を犯してしまった弱い立場の女性たち。逮捕する事が決して解決に結びつかないじれったさ。何森の刑事の役割と信念で揺れる中での決着はモヤッとするが、それがこの作品のキモでもあるのではないか。著者からの問題提起が読後、大きな余韻となって残る。何森の定年直前の物語であり、定年後の何森も楽しみだが、若い頃の何森も読み応えがありそう。もっと読みたいシリーズ。

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    2023年09月05日
  • 漂う子

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     この小説に限らず、丸山先生の小説は
    親になるとはどういうことか、子供を育てるとはどういうことか。また家族になるとはどういうことなのかを考えるきっかけになるテーマを、物語を通して提示してくれる。

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    2023年01月15日
  • 漂う子

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    デフヴォイスの時も感じたことだけど
    この方の作品はホント勉強になりますm(_ _)m

    居所不明児童…初めて聞く言葉
     
    今作も膨大であろう取材、資料、それらの内容が
    深くなりすぎず、けれど分かりやすく、小説としてのストーリーに組み込んである。
    主人公が一人の少女を捜索することがちょっとしたミステリー?としての作品になってる事も、デフヴォイスと同様素晴らしかった!

    次はどんな知識を与えてくれるのか楽しみに待ちたいと思う。

    あ〜つくづく読書って良いな(*´ー`*)

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    2022年05月15日
  • 漂う子

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    居所不明児童の問題を扱ったお話

    フリーランスカメラマンの二村直は、恋人で小学校教師の祥子から妊娠を告げられる。気に障る親のせいか、自分の子供を持つことに拒否感がある直は結婚や堕胎の提案をためらう。
    その問題とは別に、祥子の教え子で父親と共に連絡が取れなくなった紗智を探すことになった直が、手がかりの情報を元に名古屋に向かった先での出来事。

    居所不明児童、棄児、虐待、少女売春、売春斡旋、ストリートチルドレンなど……


    居所不明児童
    連絡を取れない子供、親とともに所在がわからない等の子供たち

    行方不明や虐待のニュースを見かけるたびに、実態の数としてはどのくらいの規模感なのかと心がざわつく

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    2022年03月04日
  • 漂う子

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    居所不明児童、という言葉をこの作品で知った。
    虐待などによってうまれるそういった子どもやストリートチルドレンの背景や、暮らしについても描かれているドキュメンタリーとも言える小説。

    話としては、お父さんとともに行方不明になった婚約者が担任で受け持っている娘を、なんとなくのきっかけで主人公が追っていく…というのがメインストーリー。

    その主軸をもとに、主人公と家族の関係、婚約者との関係、仕事との向き合い方、関連する登場人物の背景などがしっかりと描かれているので、物語に深みが出ている。
    デブヴォイスの時もそうだけど、この作者さんはその辺り上手いなと思う。

    デフボォイスを読んでいると、少しオヤっと

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    2021年11月23日
  • 慟哭は聴こえない

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    主人公の荒井尚人が手話通訳者として、そして過去に警察事務官をしていたことから法廷の通訳もこなす。
    そんな中で、荒井も家族を持ち、悩んで子どもを持つことを選択する。

    そして生まれてきた瞳美はろう者だった…
    母親のみゆきは、聴者に近づけるよう人工内耳を手術で埋め込みたい、と悩み、最後にろう者として育てる決断をする。
    荒井家に産まれた瞳美は、かなり恵まれた環境だと思う。でもここでコーダとして育ち当たり前に日本手話を使いこなせる荒井と、小さい頃から面白がってアラチャンの手話を覚え使いこなせる美和の間で、以前、万一子どもが、ろう者だとしてもわたしが覚える!と言ったことが自分の枷になり、みゆきは別の意味

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    2021年09月05日
  • 慟哭は聴こえない

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    デフヴォイスシリーズ第三弾!
    今回も初めて知ることもたくさん。また新たな世界を見せて頂きました。
    丸山さんの社会派小説は、毎回心に訴えかけられるものがあって勉強になる。
    広く読まれて欲しい作品です。

    *「慟哭は聴こえない」
    産婦人科での通訳。
    読後、胸を抉られる思いでした。
    医療通訳をめぐる問題や聴覚障がい者の緊急通報に関する問題の深刻さを改めて感じた。

    *「法廷のさざめき」
    勤め先を雇用裁判で訴えた民事裁判の通訳。
    悲しいけどリアルな現実なんだろうな…と。障がい者雇用は進んでも人への理解が同じように進んでいるわけではない。
    原告の悲痛な言葉が胸に刺さりました。


    『医療関係者は、しばし

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    2021年07月31日
  • 慟哭は聴こえない

    購入済み

    心に沁みます

    デフ・ヴォイスシリーズで初めて読んだ作家さんです。文章も場面転換も分かりやすく読みやすいです。でもサクサク読んでしまう軽い内容ではなく、本当に心に沁みる良い小説でした。
    手話の種類や『聴こえ』の度合いなどについても勉強になることが多く、もっと理解していきたいと思いました。

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    2021年02月06日
  • 漂う子

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    親としての自覚、それはどこでどうやったらできるのだろう。周囲から?教えてもらう?自分で?背中を見て?

    初めての子供がお腹に宿ったと分かった時、自覚の じ の字も持ってなかった私の心は途方にくれた。夫の一言が少しの灯りをくれた。彼がどんな気持ちでそう言ったのかいつか聞きたい。

    この世に生まれることになった命が無事に生まれて、みんな幸せな大人になれるといいなぁ。

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    2020年07月31日
  • 漂う子

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    丸山正樹『漂う子』文春文庫。

    丸山正樹の作品を読むのは『デフ・ヴォイス』に続き2作目となる。本作は『居所不明児童』をテーマにした社会派小説である。

    大人になりきれず、自覚を持たない親たちの身勝手な論理により、疎まれ、虐げられ、まともな社会生活を送れず、社会から遺棄される子供たち。連日のようにテレビや新聞は子供の虐待や殺害死体遺棄といった悲しい事件を伝えている。

    長年の親との確執により、自分が子供を持ち、親になることに疑問を抱くフリーカメラマンの二村直を主人公がある居所不明児童の調査をきっかけに、家族について見詰め直すという救いのある物語である。しかし、結末には少し納得できなかった。

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    2019年11月11日
  • 慟哭は聴こえない

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    「デフ・ヴォイス」シリーズ第3弾。手話通訳士・荒井の仕事を横軸に、みゆき・美和との家族としての成長、甥っ子(兄の息子)司の悩みを縦軸に6年間が描かれています。

    第1話「慟哭は聴こえない」
    男性通訳者は歓迎されない産婦人科での通訳。初めての出産を控えたろうの夫婦と出会う。
    美和は小学3年生。
    冒頭の居酒屋でのトラブルには、蛇の目寿司事件が思い出されます。

    第2話「クール・サイレント」
    ろうの人気モデルHALの通訳を引き受ける。テレビ業界が求める「かっこいい手話」とは?
    美和は小学5年生。2016年の設定。

    第3話「静かな男」
    廃業した安宿で変死体が発見される。この事件を何森が担当。亡くなっ

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    2024年05月13日
  • デフ・ヴォイス

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    元警察事務職員の主人公が手話通訳士となり、17年前に関わった殺人事件と接点のある難事件に遭遇することとなる。

    この物語はろう者が主体となって展開されていくのですが、わたくしこれまでの人生でほとんどろう者の方とコミュニケーションをとった経験がなく、知識も乏しいので失礼ながらあまり期待せずにこの小説を手に取りました。

    途中、ろう者と手話の種類などが詳細に記されており、これに関してはとても勉強になりました。

    17年前の殺人事件のホンボシは誰であったのか?
    現在起きた殺人事件にはその17年前の事件の関係者が大きく関与していることが疑われ、主人公の荒井尚人が奔走します。謎が謎を呼び、最後に真実が暴

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    2026年03月15日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    再読シリーズ。
    読んだことも大枠のストーリーもうっすら覚えているのに、結末はほぼ終わりまで忘れていた。。

    前に記録していたものが消えてしまい、いつ読んだか定かではないけれど、おそらく手話に興味を持って少し習っていた時か少し後。日本手話と日本語対応手話とそれに関する様々な見解、コーダという言葉と存在を知ったのもこの本だったと思う。

    書かれたのが前の本なので、今はまた色々と環境も変わっているだろうし、自分も最近、福祉の勉強をするようになって、当時とはまた受け止め方の違いもあった気がする。当然、当事者の人々と同じように考えるのは無理なことだけど、色んな境遇や考えや課題があることはこれからも知って

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    2026年03月08日