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Posted by ブクログ
障害者の世界を知らない自分には知らない世界を見れる教材の様な本でした。もちろん面白さはラスト迄の展開とあっと驚く結末なのだろうけど、根底には奥さんの介護する現実と障害者の未来が我々には認識されずに重度の障害に負担する身内に出来ない時の思想が安楽死だけで。色んなことをひっくり返したい想いがこの作品に現れたのでは。しかし出だしの夫の創作がこの本だったとは、エンドロールでようやく繋がったが同一人物とは思わずいた。1日(1)×4とエンドロールで4日かかりましたが、思ったより捗らなかったかも。空想も含めて摂の人格があり過ぎて多過ぎて、整理出来ていないって事
Posted by ブクログ
つい最近NHKでドラマ化された、丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 」。手話を学ぶ者にとっては必読の一冊ですが、それ以外にも丸山正樹さんは刑事物だったり社会はミステリーだったりと幅広い内容の物語を書かれています。その中でも、衝撃的で心揺さぶられる一冊が文庫化されました。
この一冊は4つの物語から構成されてます。事故によって重度の障害を負った妻を献身的に介護する夫、編集者の妻と将来の家について相談し悩む設計士、ネットの世界で独自の世界観と的確なコメントを綴る車椅子の男性、そして福祉の世界に興味を持ち真摯に取り組む女子大生。それぞれの物語が「人としての尊厳」や「人生の哀しさ」、「生きていく上での大切なこと」などを読む者に問いかけてきます。そして、最後には4つの物語が意外な形で一つにまとまるのですが、さらに最後の数ページで衝撃を受けると共に頭が混乱してしまう一冊です。
ネタバレになってしまいますので詳しく書くことができませんが、ネタバレ覚悟で書こうとしても何をどう整理してお伝えすれば良いかが分からない。二度三度読んで、ようやくなるほどそうなのかと納得しつつも、なんとなく納得できない。そんなもどかしい感想を持つ一冊です。
丸山正樹さんは最新作「夫よ、死んでくれないか」でも今までとは趣の異なる内容を書かれていますが、一貫しているのは世の中に当たり前のように存在している「理不尽」を問うていることだと個人的には感じています。それを著者の作品の中で一番感じたのがこの一冊でした。オススメです!
Posted by ブクログ
丸山正樹『ワンダフル・ライフ』光文社文庫。
変わった構成の連作小説の形式を取っている作品である。『無力の王』『真昼の月』『不肖の子』『仮面の恋』という4つのタイトルを付けられた4組の男女の物語が3回ずつ描かれ、一見関係の無いように思えた4つの物語は『エンドロール』を経て、最後に1つの物語に帰結するのだ。
まるで裏と表の世界のように『エンドロール』に描かれたもう1つの世界。
東日本大震災と福島第一原発事故、新型コロナウイルス、障害者の人権と現代の様々な災害や問題を散りばめながら、人生を生きる意味を教えてくれるような深く重たい小説だった。
『無力の王』。事故により頸髄損傷という重度の障害を抱える妻を献身的に支える中年の夫の物語。
『真昼の月』。子供を作るか否かで揉める設計士で夫の一志と編集者で妻の摂の三十代の夫婦の物語。
『不肖の子』。橋詰という上司と不倫する私の物語。
『仮面の恋』。脳性麻痺の俊治がパソコン通信で知り合ったGANCOというハンドルネームの女性との物語。
全く関係無いと思われた4つの話が少しずつ繋がっていく様に驚き、『エンドロール』で一瞬幸せな夢を見せられるが、直ぐに現実に引き戻される。それでも、30年振りの再会のシーンには胸が熱くなる。
本体価格780円
★★★★★
Posted by ブクログ
「『デフ・ヴォイス』の著者が問う”人間の尊厳”とは何か」という文庫の惹句に惹かれて、手に取る。
目次に「無力の王」「真昼の月」「不肖の子」「仮面の恋」が(1)から(3)まで表示される。
「無力の王」は「わたし」と妻が。「真昼の月」には、一志と摂。「不肖の子」では、洋次と不倫する岩田と名乗る「私」。そして「仮面の恋」では、<テルテル>というハンドルネームを持つ障害者の俊治と<GANCO>を名乗る女性。
それぞれ一見関係なさそうな登場人物たちの話が繰り返される。
それが、「エンドロール」で一気に結びつく。
「It's a Wonderful Life」が決まっている。そう来たかと、著者の手腕に脱帽する。
「わたし」がする介護の全般にリアルさが際立つのが、著者のあとがきで納得。
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小説・文芸
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