【感想・ネタバレ】青い鳥、飛んだのレビュー

あらすじ

大手フランチャイズ加盟のコンビニ店主・柳田克己は、「万引き犯など最低の人間」という信念を持ち、「万引きをさせない」のではなく、決して見逃さず「捕まえる」ことにしていた。ある日、克己は菓子パンを万引きした男を捕まえようとしたが、もみ合ううちにその男を死亡させてしまう。そして克己は逮捕され、人生は暗転していく。一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まった過去を持つミチル。彼女はバイトを掛け持ちしながら必死に一人で生きていたが、コロナ禍の「シーセッション(女性不況)」で仕事を次々に失い、現在は違法メンズエステ店で働いていた。必死に生きながら、自分の夢の実現を目指す彼女は時折思うことがある。あの日、捕まっていなければ。そんな二人が、ある事件を契機に巡り会うことに……。

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Posted by ブクログ



青い鳥、飛んだ、ってこういう意味だったのね。

面白かった。
ノンストップで数時間で読んでしまった。

柳田の、悔恨と改心、
恵の立ち直り、
人は何度でも立ち直ることができるんですね。
恵の立派なのは、決して他人のせいにしないこと。

万引きは確かに悪いこと。
何度も繰り返してしまうことが多いという窃盗罪について、温情をかけるべきなのかどうか。
柳田はあの時どうするべきだったのか。
難しい問題ですね。


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2025年12月06日

Posted by ブクログ

一言メモ、被害者と加害者の区別は、単純ではなくて、時と場合、個々を取り巻く環境によって、結果的に、受け取る個人により判断されていく

当初被害者は、結果的に加害者に移り変わっていく。どうやっても、どうすることもできない状況にある主人公に、自分がなっているかのような気持ちで、読み進められた。
数人の目線で、ストーリーは書かれている。それぞれが置かれている状況から、少しずつ重なりだしていくストーリーも面白い。
みんなそれぞれに被害者で、加害者だけど、どうしても、主人公は、トータル的に、やはり被害者じゃないかと、今の私の状況からは、判断する。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

 大手フランチャイズ加盟コンビニ店主の主人公は、「万引き犯など最低の人間」との正義感の強い人物で、許しを請われても必ず警察に通報して、喜びを味わっている。ある日、菓子パンを万引きした男を捕まえようとして、もみ合いうちにその男を死亡させてしまい、人生は大きく崩れていく。妻子との離別と娘のパパ活疑いが、心をかき乱す。一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まり、人生が大きく崩れてしまった女性。バイトを掛け持ちしながら必死に自律生活を夢見るが、コロナ禍で次々に職を失い、メンズエステで働いている。しかし、インターネットでの書き込みなどに不安を抱き、目標の貯金も貯まり潮時だと思っている。自身の児童養護施設での苦い教訓から「ケアリーバー」として社会貢献しようと願っている。そこに2人の男女が、ある事件を契機に巡り逢う事になる。幸せの「青い鳥」はどのように飛んでいくのだろうか?深層心理を揺さぶられるミステリーに心を揺さぶられる作品となった。

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2025年08月30日

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ネタバレ

2025/05/15予約 2 
いつもながら考えさせられる作品。
社会問題の万引き、SNS誹謗中傷、児童養護施設、悪質ホストなどに加え初めて知る言葉であるケアリーバーなど盛込み、突破口はどこにあるのか分からなくなる。コンビニ店主だった柳田は、万引きをしたミチルを警察に通報、その後2人は立場も変わり興信所の調査員と依頼人として顔を合わせてしまう。何かひとつでも躓いてしまうと連鎖反応のように全て崩れてしまう。誰にでも起こりそうな躓きを受け止めたり再生を促す余裕が、現代にはない。万引きを許さない気持ちも、児童養護施設で育っとたことも、親が万引きし追いかけられ亡くなったことも、本人の罪ではない。だから余計に辛い。ラストのミチルの行動が救いかな。
今頃やっとミチルって青い鳥のチルチルとミチルの!と気づく…

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2025年06月08日

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コンビニの万引犯を誤って殺害してしまった店長の柳田と、かつてその店長に捕まりそのごの人生が狂ったミチルが偶然にも邂逅し、お互いが抱える事態を救いあっていく。

コンビニの万引がもたらした加害者と被害者の立場が、それぞれのその後の境遇を辛辣に描く追い詰め方は、厳しく説得力があった。
暗い結末に終わらせず救いのある展開を予測させる物語は、優しい余韻を残して満足して読み終えることができた。

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2025年05月22日

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いろいろと、重い内容のものが多かった。以前松坂桃李がコンビニの店長役で同じような映画があったことを思い出した。その映画と重なって、読み進めていくうちに結末をみるのが少し怖かった。でも今回の結末は希望につながるような、期待のもてるもので安心した。それでも、柳田の娘さんはどうなったのか?実際のその後はどうなったのか?そこまで記されていないことで、読者が希望のもてるものを考えられるように終わっていたのは、良かったと思う。一人一人の気持ちに想いを馳せると悪い人は、ひとりもいないと感じた。自分の知らない世界がたくさんある。

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2025年11月20日

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デフ・ヴォイスが良く、作者2作目。飽きずに一気に読んだ。行き過ぎの正義感(もしくは歪んだ罰則感情)が仇となったコンビニ店長も気持ちは分かる。被害者遺族の息子の描写は作者も困ったのか手薄感があるが、あとはミチルも全く嫌悪感なく寄り添いながら読破。惜しむらくは結末。あまりにキレイ過ぎたかも。いや他の結末は思い付かないけど。あとプロローグの伏せ文字の効果は微妙では?

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2025年10月21日

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オーディブルで聴きました。
デフ・ヴォイスシリーズの作家の作品。面白かった。染みた。。

万引き犯の素性ら動機やらを見て警察に引き渡す渡さない⋯とやっていたら、それはそれでおかしなことになるとは思いつつ、人の人生がそれきっかけにすっかり狂ってしまうこともあると思うと、難しい。万引きができないシステムを開発できないかね。

SNSでの誹謗中傷する人たちの描写も、私が言ってほしいことを的確に表現してくれていて、やはり言葉のプロは違う。

そんなめぐり合わせないでしょ、とは思いつつ、最後まで一気聴き。最後はあっけなかったけれど、読後感も悪くなく、選んで良かった。

それにしても、ホストへ貢ぐためのお金を稼ぐために売春をする若い子たち、気持ち悪くないんだろうか。怖くないんだろうか。ゲロ吐かないんだろうか。アルコール除菌だとか、抗菌だとか言ってる場合じゃない。

日本(だけじゃないかもだが)はどうなってしまったのか。何かがとにかくおかしくなってる。

とにかく警察のお世話にならないように生きていこう、と改めて誓う。

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2025年10月14日

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同じ地域に住み続けていれば、望んでいなくてもどこかで出会ってしまうことがあるんだろうな。万引きを許せないという店長の気持ちもわかるし、人にはそれぞれ事情があるというのもわかるし、心苦しい。

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2025年10月05日

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Mは時間潰しのため万引きを繰り返し行ってきた。
もし捕まってしまったら「園」の先生にも迷惑をかける。
分かっていても止められない。
ある日、コンビニの店長、柳田がMの犯行を目撃。
そのまま警察に突き出されてしまった。

柳田は万引き犯の男を捕まえる際
引き倒し死なせてしまう。
SNSで動画が拡散され、彼の人生は黒く塗りつぶされていく。

登場する人たちの決して楽ではない生活は
読んでいても苦しくて辛い。
しかし、救いの手を差し伸べる者もいる。
柳田もMも、もがいてもがいて這い上がる。
諦めない気持ちだけで生きていけるほど甘くはない。
苦しみもがいている人たちが
すこしでも報われる社会であってほしい。

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2025年10月01日

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面白かったです。
被害者になるか、加害者になるか、人はいい面もわるい面もあるから、自分の精神状態や環境によって人生が変わる瞬間はあると思う。
そして人生のなかで被害者と加害者が交わって、より複雑になることも。
厳しい現実と向き合う人もいるんだということは、忘れないで今を生きていたい。

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2025年09月11日

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コンビニ店長だった柳田と高校生の頃に柳田の経営するコンビニで万引きをしたミチル。
万引きを絶対に許すことができない柳田は万引き犯の捕獲に懸命になるが、ある日捕まえた万引き犯が死んでしまう。
ミチルは高校を退学になり、やがて違法スレスレのメンズエステ店で働くようになる。
それぞれの人生は二度と交錯することはないと思われたが、ある事件をきっかけに再び交わることになる。
柳田やミチルのその後が気になって最初から最後まで一気に読んだ。
ラストには救いがあって、その点は良かったと思う。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

ニュースでも取り上げられているような社会問題が物語に組み込まれていて、自分があまり知らない世界だったが分かりやすくて集中して読めた。
前半は心がぎゅっとなるような苦しい場面が多かったが後半は闘い向き合う登場人物たちを応援する気持ちで読んだ。

現実を考えると簡単には解決しないものばかりだろうけれど、それでも信念を持って向き合い続けることが大切なのだなと思った。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

コンビニのオーナーである柳田は正義感が強く、万引犯を捕まえては斟酌せずに警察に引き渡している。ある日、いつものように捕まえた犯人を死なせてしまう。その場を動画に撮られ、SNSに上げられたことから生活が一変して行く。家庭もコンビニも破綻して行く。一方、高校時代に万引で柳田に捕まったミチルも施設をだされ転落して行く。風俗で金を貯めるミチルもSNSの被害に遭う。ここに柳田により父親を失った息子の復讐が絡む。ここまでは救いようが無い話しが続き、暗くなってくる。
因果応報とも呼ぶべきか、3者が濃厚に絡んでくる。柳田の娘も風俗に沈んでしまったが、この結末も無く、唐突に良い話しで終わってしまった。ミチルが万引きした青い鳥のマスコットがタイトル含め、キーポイントのようだった。

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2025年08月14日

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ネタバレ

一度出来心でやらかしてしまった事や悪意なくやってしまった事が、とても取り返しのつかない事になってしまったりして絶望するけど、最終的には夢を持ってそれを叶えて幸せになる話

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2025年08月08日

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コンビニ経営者、万引き犯を追いかけ、死なせてしまう。メンズエステで働く女性にトラブル。

生きてるとこういう事あるよなという当事者感と色々な登場人物が繋がる感が巧い。

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2025年07月20日

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コンビニでの万引きに対する店長、お客、第三者、それぞれの捉え方の違い。正義とは、何か?正義は、行った人に必ず幸せをもたらしてくれるのか?
現代ならではの結末にたどり着くまでの物語だった。

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2025年06月22日

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全体的に辛いストーリーが多かったと思います。誰にでも可能性があることなので感情移入しやすく、様々な登場人物それぞれのストーリーがあったのでスラスラ読めて面白かったです。

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2025年06月08日

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幸福や希望の象徴の意味が込められた青い鳥。
けれど、登場人物達は皆一様に幸福とは遥か遠い場所でもがいている。

園暮らしで万引きを止められない女子高校生・ミチル。

行き過ぎた正義で万引きした男を死亡させてしまったコンビニ店主・柳田克己。
被害者は一瞬で加害者になり家族までが崩壊していく。

数年後、ある事件がきっかけで再び人生が交差するミチルと柳田。

ミチルが働くメンズエステとは名ばかりの性風俗の実態と、客の性暴力に怒りを募らせながら、青い鳥の登場を待ち続けた。

SNSの誹謗中傷や貧困問題を絡めつつ再生を描いた社会派作品。

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2025年06月06日

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コンビニ店長の柳田克己は「万引犯は許さない」という信念を持っており、ある日、パンを万引きした男を捕まえようと揉み合っているうちに、その男を死なせてしまう…。

いつも社会的弱者に寄り添ったお話を書かれる丸山正樹さん。今作では、新型コロナウィルスの影響で失業し困窮する女性たち「シーセッション(女性不況)」や、児童養護施設などから自立を求められ就労や生活面で困難を抱える若者たち「ケアリーバー」などの実情が描かれていました。

意に反して犯罪者となってしまった柳田とその家族たちや、万引きで捕まったために高校を退学することになった女子高生など、それぞれの境遇がとてもリアルで苦しくて、読んでいて辛かったです。

先日読んだ一穂ミチさんの『恋とか愛とかやさしさなら』もそうでしたが、一線を越えてしまったら、もう越える前には戻れないんですよね。その先の人生が大きく変わってしまう…。それでも、希望のある終わり方でホッとしました。

今作も、フィクションとは思えない臨場感でとても読み応えがあり、普段あまり知り得ない社会的な問題を知ることができました。

そろそろ『デフ・ヴォイス』の新作も期待したいです。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

万引きをキッカケに交差した二人の人生
この先どうなるんだろうとハラハラしながら読んできたので最後がちょっと物足りない感じがして…気がかりも多いし
でもそれが現実なんだろうなぁ

加害者も被害者も紙一重なんだなぁ
自分もいつそうなるかわからないのに当事者に冷たい社会
「ケアリーバー」という言葉を初めて知った

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

オーディブルで。万引きを絶対に許さないことを信条としていたコンビニ経営の男。万引き犯を捕まえる過程で、過って殺してしまう。一方、過去に男に万引きを咎められた、施設育ちの女の子。グレーなメンエスで働いていた彼女は、いい人だと思っていた客からレイプされる。その客を特定するため頼った興信所にいたのが、元コンビニ経営の男。男は事件をきっかけに妻と娘と別れ、しかも娘はホストにはまって立ちんぼをしている。もう一人、男に恨みを持つのが、誤って殺された男の息子。彼も事件をきっかけに貧困に陥り、施設で育っていた。復讐心から、男を特定し、あとをつけるようになる。

コロナ禍で非正規の女性が職を失ったり、ホストの売掛問題、18歳で児童養護施設を出なければならない子供たちの問題など、まさに今の社会を反映する話。物事の連鎖、正義とはなにかを、考えさせられた。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

王様のブランチで紹介されていたような、、、?

正義感の強すぎる店長の万引き犯を捕まえた後に死亡する、、、というストーリー。

前作丸山さんの作品を読んで凄くサクサク読めて好きな作家さんの1人になるだろうなーっと今回も思いながら読み進められました。

ただ性風俗の話しが多い。
もう少し店長の話をフォーカスしても面白そう。

娘がハマったホストが亡くなった方の息子だったらありがちで嫌だなぁっと思ったので、そうじゃなくて一安心だったけど、、、

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

重いトピックが複数詰め込まれていて、読んでいてしんどくもなったけど、前向きな終わり方で読後感は悪くない。匿名のネット上でのリンチなど、犯罪を犯してしまった人が過剰に罰せられ、更生も阻害されていることは非常に問題だと思う。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今の時代、何を正義としていいのか分からなくなってくる。
とはいえ、読後感は悪くはない。

青い鳥はそういうことか。
相変わらず、著者作品には騙される(笑)
良い意味で。

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2025年07月11日

Posted by ブクログ

コンビニ店主・柳田は、「万引き犯など最低の人間」という信念を持ち、決して見逃さずに捕まえる。
ある日、菓子パンを万引きした男を捕まえようと揉み合いになり、その男が亡くなってしまう。
逮捕された柳田の生活は一変する。

児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで柳田に捕まった過去を持つミチルのその後も大きく変わり…。

柳田とミチルが、ある事件をきっかけに巡り会い…。


柳田の正義はわかるが、果たしてそれは相手にとっての救いとなったのか、そして過剰な行為で相手を死なすということも行きすぎた暴力となってしまっている。
柳田の妻子の気持ちや亡くなった男の妻子の気持ちも考えると辛い。
何もしないで見て見ぬふりをしていれば、無かったことになりずっと穏やかで安定した生活を過ごせていたのか…
何が正解かはわからない。
だが、犯したことを罪とするならば過去を悔いているのなら今、何をすれば良いのかを考えて生きるしかないのだろう。

読んでいても苦しかったが、考えることも多かった。



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2025年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

施設のjkが万引きでコンビニ店長に捕まり補導されて退学になる。

その店長は数年後に万引き犯を捕まえる時に押し倒して、打ちどころが悪く殺してしまい、その動画がSNSで拡散されてやりすぎと叩かれる。そして執行猶予で帰ってくるが、娘は学校で犯罪者の娘としていじめられ、妻からも見捨てられて1人でバイトからやりなおす。

jkは退学後に通信で高校を卒業し、キャバクラを経てメンエスで働く。

殺された万引き犯の息子は恨んでいた。
店長は探偵の助手をするようになった。

メンエスjkはメンエスで睡眠薬を盛られて眠姦される。犯人を探すために探偵を頼る。

そして、元店長がメンエスjkの犯人を探り、元店長は万引き死去犯の息子に狙われて、元店長の娘はホスト狂いという状況になる。

結果、元店長の娘はメンエスで鬼連勤するも、警察に摘発されて家に戻る。死去犯の息子は勘違いでメンエスjkを刺そうとして元店長がかばい、実刑判決を受けるも情状酌量で執行猶予。

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2025年05月29日

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