丸山正樹のレビュー一覧
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一つの出来事から生活が一変していく。
逃げ場がなく、嫌な方向にどんどん転がっていく。
このなす術ない感じがとても怖かった。
抗いたいのに、それしか道が用意されていないように感じる感じ。
読んでて苦しかった。
同時に正義感って何なんだろうと考えさせられた。
過度な正義感は人を滅ぼす、と言ってしまえばそれまでだけど、自分が頑なに信じていることを疑うことができるのは、こういった大きな失敗を犯した時だけなんだろうか。
正しいと信じていることを疑うなんて難しすぎる。
大きな失敗が、家族をも巻き込んでいくのがまた恐ろしかった。
盲目的に信じていたばかりに。
行き過ぎた行為に立ち止まるチャンスはなかったのかなと考えずにはいられなかった。
最後はあっさりと終わってしまった感じがして、ちょっと物足りなさは感じたけど、たくさん心を動かされた作品だった。 -
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ネタバレ聾の字のエピソードを初めて知って、すぐさま友達に共有、、、!
私含め友達は特別支援学校教諭の免許取得予定でちょうど聴覚障害についての学習を進めてる中で出会ったこの作品。色んな人にオススメして色んな人に聾の世界を知ってもらいたいなあと思いました。
デフ・ヴォイスシリーズは、メインの事件の事よりも彼らの生きてる世界に関することの方が多く描かれている印象があります。
途中で難しかったり自分には理解できる限界があったりと彼らの世界をそのまま理解するにはまだ時間がかかりそうではあるが、今回も少しではあるが彼らの世界に足を踏み入れることができたと感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレコーダを初めて知った。
ろう者の親をもつ聴者の子どものことを指すんですね。
恥ずかしながら、「ろう者」「聴者」の言葉もなじみが薄く、耳の聞こえない方々をとりまく様々な問題について、今回の小説を読んで初めて知ったことも多かった。
コーダの存在なんて考えもしなかった。
転んで泣いても親に気づかれない。我慢するしかない。
両親とは、聴者の世界を分かち合えない。
コーダの孤独に気づかされる。
本当に理解や寄り添いが必要なのは障がいをもつ人だけではないのだ。
手話ができる。
仲間だと思われる。
でも聴者だとわかると「仲間ではない」と落胆に近い表情をされる。
ここでも孤独を感じる。
「損なわれた子」
こんなふうに思う人が一人でも減るよう、理解が進むと良い。
また、もう一つ。
声を出せない、コミュニケーションがうまくとれない人たちに対して、それを利用する悪い大人がいる。
悪い人間に利用されないよう、搾取されないよう、傷つけられないよう、人生を壊されないよう、私たちはこれから何をどうするべきなのか考えるきっかけにもなった。
ミステリーに関してはそれほど凝ったものではなく、すぐにピンとくるとは思うが、それ以上に読み応えがあった。少し考えてみたら、わかることなのに、自分はただ「聴覚障がい」を持つ人がいるという情報だけを頭に入れて生きてきたんだなあ・・とこの小説を読んで思わずにはいられない。 -
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「デフ・ヴォイス」4冊目。コロナ禍の下での荒井と家族の物語。
今朝の朝日新聞「天声人語」に、1880年にミラノで行われた聴覚障害教育国際会議での決議(ろう者教育では口話法が手話より優先されるとされた)のことが載っている。
2010年のバンクーバーでの会議でその決議が完全撤回されるまで日本も含めて多くの国々の教育現場で手話が禁止されてきたこと、50年ほど前から手話を独自の言語として認める動きが出始めたこと、今のニュージーランドでは手話が英語・マオリ語に次ぐ公用語になっていることなどが紹介されており、日本で初めてとなるデフリンピックの開幕を契機に、ろう者のコミュニケーションについても考えたいと結ばれている。
バンクーバでーの決議があり、手話は文化を担う一言語であると認められつつある一方、作中、みゆきの実母・園子が預けられた荒井家のろう児・瞳美に「声で話すこと」を教えるように、聴こえる側からすると自分と同じように口から言葉を発することを望む気持ちを消せないことも想像できる。
そうして母・みゆきを喜ばそうとする瞳美の姿や、それを嬉しく思いつつも、園子には二度とそのようなことを教えないでと言わなければならないみゆきの気持ちがなかなかに辛い。
そうした、自分以外の家族はみな聴者というろう者が起こした傷害事件のサポートを依頼された荒井の姿が描かれる本作。
被疑者のろう者が母親を刺した理由を明らかにしていく謎解きに、ディナーテーブル症候群(ろう者が、聴者の家族が多数を占める食卓で会話の輪から取り残され、疎外感や孤独を感じる状況)や口話法が手話よりも優れているというまだまだ消えない考え方を絡めて語られる話は、ミステリーとして楽しめるのはもとより、ろう者のコミュニケーションについてもとても深い学びにつながるものだった。
コロナ禍での手話通訳者のマスクの話題や手話に関する“美談”について、また、旧優生保護法の違憲性を争う裁判のことなども興味深く。
私たちの会社でも多くの障害者を雇用しているが多くは知的障害者・精神障害者で聴覚障害者はほとんどおらず、先日も就労を見据えての見学の依頼があったが、手話ができる人がいないため口話ができる人でないと難しいとお断りせざるを得なかった。
このシリーズを読み続けている者としては、申し訳なさとともに、この受入れ体制を恥じ入るばかり。 -
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手話は独立した言語である。そう考えるととてもすっきり腑に落ちる。日本語の便宜上の代替品だと考えるから扱いにくくなってしまうと言うことだ。
日本語を使うろう者の手話に、言語として別体系の日本手話と日本語対応手話があることを、私は知らなかった。手話で話せないことが、コミュニケーションの欠落となり、日本語読解の妨げとなりうることも、考えたことがなかった。
ろう者の、そしてコーダの問題を描きつつ、しっかりミステリーでもある。自ら望んだわけではなく、渋々始めた手話通訳の仕事に、初めはやむなくだった尚人が、いつか前向きに取り組むようになり、自身の存在意義を見出す過程もきちんと描かれる。
続くシリーズ作も読んでみたい。 -
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オーディブルで聴きました。
デフ・ヴォイスシリーズの作家の作品。面白かった。染みた。。
万引き犯の素性ら動機やらを見て警察に引き渡す渡さない⋯とやっていたら、それはそれでおかしなことになるとは思いつつ、人の人生がそれきっかけにすっかり狂ってしまうこともあると思うと、難しい。万引きができないシステムを開発できないかね。
SNSでの誹謗中傷する人たちの描写も、私が言ってほしいことを的確に表現してくれていて、やはり言葉のプロは違う。
そんなめぐり合わせないでしょ、とは思いつつ、最後まで一気聴き。最後はあっけなかったけれど、読後感も悪くなく、選んで良かった。
それにしても、ホストへ貢ぐためのお金を稼ぐために売春をする若い子たち、気持ち悪くないんだろうか。怖くないんだろうか。ゲロ吐かないんだろうか。アルコール除菌だとか、抗菌だとか言ってる場合じゃない。
日本(だけじゃないかもだが)はどうなってしまったのか。何かがとにかくおかしくなってる。
とにかく警察のお世話にならないように生きていこう、と改めて誓う。
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Mは時間潰しのため万引きを繰り返し行ってきた。
もし捕まってしまったら「園」の先生にも迷惑をかける。
分かっていても止められない。
ある日、コンビニの店長、柳田がMの犯行を目撃。
そのまま警察に突き出されてしまった。
柳田は万引き犯の男を捕まえる際
引き倒し死なせてしまう。
SNSで動画が拡散され、彼の人生は黒く塗りつぶされていく。
登場する人たちの決して楽ではない生活は
読んでいても苦しくて辛い。
しかし、救いの手を差し伸べる者もいる。
柳田もMも、もがいてもがいて這い上がる。
諦めない気持ちだけで生きていけるほど甘くはない。
苦しみもがいている人たちが
すこしでも報われる社会であってほしい。