丸山正樹のレビュー一覧

  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    小説として話が面白く、知らなかったろう者の方のことや手話のことを知ることができる。説明くささもなく、障害を美化したり感動話にしたりすることもなく、さらっと自然に入ってくるところが良かったです。
    コーダなりの屈折した思いとか、経験してるわけないのにすごくよく分かる気がした。
    続きも読みたい。
    ☆4.5

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    2025年03月28日
  • 夫よ、死んでくれないか

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    丸山正樹『夫よ、死んでくれないか』双葉文庫。

    奇妙なタイトルのついたサスペンス小説。

    それぞれの夫婦関係と女3人の友情とが絡み合いながら、イヤな後味を残すサスペンスを形成していく。

    男女の付き合いが盛り上がり、結婚に至るまでよりも、夫婦関係が破綻して離婚するまでの方が一瞬で呆気ないように思う。他人同士が一つ屋根の下に暮らし、異なる生活文化や風習を互いに容認するのだから、結婚生活というのは苦難の道なのは当たり前なのだろう。


    結婚5年目で夫婦関係が冷え切ってしまった麻矢と離婚を経験して独身生活を謳歌する璃子、モラハラ気質の夫に悩みながら一人娘を育てる友里香という30代半ばになった大学の同

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    2025年03月22日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    結末は想像しやすいというか、半ばからは推理しやすかったです。
    ただ、ろう者の話よりも、ろう者の家族の中に聞こえる子として生まれた子の苦労や葛藤などは考えたことがなかったので私には新しい視点でした。
    しかも、そういったところに同情したりする内容ではなかったのもよかったです。

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    2025年03月19日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    本作品は社会派ミステリーとして王道をいくものであり、加えて真実を知りたいと思う主人公が危うい行動に出るサスペンスとしての側面もあり、ぐいぐいとストーリーに引き込まれていった。そして何よりも登場人物たち、とりわけ主人公の心の救済に着地していく過程が良かった。手話、とりわけ日本手話がひとつの言語として確立していることを知ることができた。ろう者とその周囲の人達が築いてきたコミュニティと文化をリスペクトすべきであり、その点でラストにみゆきが荒井に信念を込めて語る言葉がとても良かった。

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    2025年03月17日
  • 龍の耳を君に

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    ネタバレ

    展開は読めるからこそどうやってそこに行き着くのだろうと

    タイトルの通り

    手話って言語なのかそして文化なんだという気づきが新しかった

    家族の在り方も考えさせられる

    生真面目な二人と子どもに明るい未来がなかったのは悔やまれる

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    2025年03月07日
  • 慟哭は聴こえない

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    耳が聞こえない人の世界ってこういう世界なのね、と自分の無知を恥じる。

    短編がいくつか入っていて、どれも読みやすく勉強になり、時にハラハラしたり応援したり。

    障害がある人、ない人、お互いに歩みよらないといけない。
    私ももちろんそうだけど、息子には優しく共感力があり、器の大きい人間になってほしい。

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    2025年03月01日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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     作者の小説デビュー作。耳が聞こえない両親から生まれた、耳が聞こえる男性。タイトルからは、この男性が手話通訳士として法廷で活躍する話かと思ったのだが、法廷での記述はほとんどなし。それでもその法廷での一瞬のやり取りがきっかけで話は展開していく。
     生まれつき聞こえない人、後天的に聞こえなくなった人、自分以外の家族全員が聞こえない家庭で育った人(コーダと言う)、それぞれの境遇でどのようなやり取りが交わされているのか、手話の難しさ、意思疎通についての内容が多く、勉強になる作品。重要なことではあるが、なかなかこうした視点で見てこなかったなと突きつけられる作品でもある。

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    2025年02月24日
  • ワンダフル・ライフ

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    岩田(国枝)摂の人生。脊髄損傷の妻の介護をする夫の話から始まり、そこに至るまでの摂の過去が語られています。話が複雑な構成になっていましたが、だんだん謎が紐解かれていくのがすごかったです。

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    2025年02月24日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    コーダとしての苦悩を抱えながら20年間警察の事務員として働き、警察の闇を暴露して失職した43歳の荒井尚人。手話通訳の仕事を始めたなかで、尚人が17年前に関わった事件(ろう児施設の理事長・能美隆明が殺害される)の被害者の息子(能美和彦34歳)が殺される事件が起こる。
    日本のNPO代表で障害者支援を続けていた手塚瑠美27歳は本名を門奈輝子という。17年前、ろう児施設にいた姉の門奈幸子が理事長から性的虐待を受けていると知った輝子は理事長を殺害した。それを知った父親の門奈哲郎は罪をかぶり、コーダの輝子を守るため戸籍から外し養女に出していた。幸子と輝子はその後も会っていて、幸子に性的虐待を

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    2025年02月01日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    ジャンル不明だったけどミステリー?かな。
    コーダ Children of Deaf Adults
    アイデンティティーの葛藤。聞こえない両親の通訳。日本語対応手話と日本手話

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    2025年02月11日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    ろう者やCODAという言葉どころか、手話に種類があることすら知らず、聴覚障害について考えるきっかけになった。発話が困難な障害者を家族に持つ私としては周りの人には聞き取れないが、家族には聞き取れる声があるという件には共感しました。手話という音のない言語を使った主人公と容疑者、その家族とのやり取り、聴覚障害を取り巻く様々な社会問題と直面しながら殺人事件の全貌に迫る物語は新鮮でとても面白かったです。

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    2025年01月17日
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

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    日本語対応手話や日本手話、コーダについて初めて知った。特にコーダにしかわからない苦悩のようなものに胸が痛んだ。仲間意識とそれによって生まれる差別など、区別することによって生まれ続ける課題にどのように対応すべきかとても考えさせられた。本題の事件についても、個人的にはすっきりとした終わり方でよかった。

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    2025年01月03日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    2024.11.29
    福祉の仕事に携わる立場として筆者のミステリは問題意識といい、勉強の深さといい大変優れていると感じる。
    あとがきにあるように「売れていない」としてもこういう本を求める土壌があることを嬉しく思う。

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    2024年11月29日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    オーディブルで聴きました。
    時々新井家の様子がチラと見えるが、瞳ちゃんは元気に幸せに育っているか。みゆきが元気がないと気になってしまう。

    今回の話も、実際に起こったあのニュースが出てきて、興味深かった。

    外国人を見下したり、偏見の目で見てしまう日本人が、大勢いるのは悲しい。日本人である自分が、外国に行って外人として差別され、不当な扱いを受けたらどういう気持ちか想像してほしい。かといって、普通に悪い外国人もいるから、取り締まる側は難しいと思う。
    とにかく、人権が尊重され、不公平な法律が改正されることを祈る。

    クーバンについても、フオンについても、ちょっとミステリアス過ぎ、映画の世界過ぎて少

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    2024年11月29日
  • 刑事何森 孤高の相貌

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    2024.11.21
    著者の作品を読んで感じることは、福祉や医療などを通じて弱者に対する暖かい眼差しをもって文章を紡いでいるということ。
    あと、これだけ嫌われ者でも生きていけるのだなと感じました。本当にそうかとは甚だ疑問ですが。警察はかなり息苦しそうな組織なので。

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    2024年11月21日
  • 龍の耳を君に

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    『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』シリーズ第2弾とのことだが、第1弾を読んだのが6年も前で、人間関係などを把握するため第1弾を読んでから本書を。
    おかげですっきりと「デフ・ヴォイス」世界へ入って行け、主人公新井尚人と彼の恋人安西みゆきとその娘美和、それにNPO法人のメンバーたちの位置づけがよく理解できた。
    本書は3話からなる連作短編とのことだが、第1話は、『逆転の切り札』というアンソロジーにて既読で、次の展開を予感させる終わり方だったが、2話、3話と続けて読むことで、納得。
    荒井や他の人物たちの手話が丁寧に綴られており、読みながら思わず手を動かしていた。

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    2024年10月29日
  • 刑事何森 逃走の行先

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    ネタバレ

    問題提起も内容も本当に、本当に良かったけど

    それがファンと仁とのEternalだし

    が頭から離れなかった

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    2024年10月09日
  • 刑事何森 孤高の相貌

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    オーディブルにて。

    デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ。
    組織のはみ出し者でもある何森刑事を主人公とした連作短編集。
    頚椎損傷の母親の殺人事件、供述弱者の事件、銀行強盗後の健忘症状の事件。
    今回は聾者ではないものの、障害者に関する事件で興味深かった。
    悲しい結末だとしても温かい気持ちになる。

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    2024年10月05日
  • ウェルカム・ホーム!

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    ウェルカム・ホーム/真夜中の行進曲(マーチ)/
    立派なお仕事/別れのワルツ/揺れる康介/
    とりあえずのトリアージ/パニック・イン・三〇五

    特養で働く新米の介護職員、康介。
    先輩職員や入所者と過ごすなかで、少しずつ考えて考えていく。

    ほぼ妹におまかせだった母の介護。
    夫の主導ながらほんの少し分担した義母の介護。
    父や義父の介護はほぼ母と義母におまかせだったなぁと、今さらの反省をする。

    身体と心の不調が増えてきた中で自分の これから を考えてみる

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    2024年10月01日
  • 龍の耳を君に

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    手話通訳士の荒井尚人を主人公にした推理小説『デフ・ヴォイス』の続編。コーダ(聾者の親から生まれた聴者)でもある荒井が聾者の心の声に迫って救いの手を差し伸べる。今作は3編の連作で対象者は聾者ばかりではないが事件を目撃した少年が緘黙症であり手話が重要な役割を果たす。この少年に限らず荒井を取り巻く人物がとにかく魅力的だ。荒井の同居人親子(みゆき・美和)もそうだしNPO法人の関係者もいい。更に何森刑事は今作の出番は少ないながらも強いインパクトを残す。スピンオフ作品で彼が主役を張ったのも頷ける。

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    2024年09月21日