百田尚樹のレビュー一覧
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乖離性同一性障害について障害名を聞いたことがあったが具体的な症状は知らなかった。すごくリアルに描かれていたと思う。
人間誰しも大小違えど様々な性格の一面を持っていて、広志はそれぞれの性格がただまるで他人がたくさんいるように見えるだけなのではないかと思えた。
本人の中にある1人の人格を愛してしまったが、最後は本人に統合されて消えてしまう。愛し合う2人の最後の別れは辛かった。
ただ、それ以上に本人が数十年もの間自分の中に色々な人が現れて、自分自身を奪っていくという苦しみを考えるといたたまれた。
アルツハイマーの人で、乖離性同一障害に近しき症状が一時的に現れるということを以前耳にしたことがある。 -
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武士の友情
武士の身分制度、同じ階級層同志でなければ出世も結婚も出来ないと言う、現代では考えられない。生まれながらの武士の階級(上士・中士・下士)は出世も、結婚も限られた階級内だけの世界で、才能・技能がなくとも長男は家督を継ぎ、親の役職を継ぐ、と言うのは、現代に残る政治家の世襲世界だ。但し次男以降は他家の婿に出されるのが通常で本書では下士の階級から異例の出世と上下の格差を超え、「命をかけて守った」二人の友情関係に涙する内容だ。文中にある下士の父が上士の無礼打ちにあった時、投げかけられた言葉「泣くな」の一言が貧しく苦しい人生を耐え抜いた結果、下士が階級を越えた国家老まで上り詰めた人生を築いたのだ -
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「宦官」「纏足」「人肉職」「凌遅刑」「大量虐殺」などのグロイ描写が満載で、著者本人もご飯が食べられなくなるので責任は取れないという注意書き。更には、インターネットを調べれば画像も出てくるが要注意と、まるでそれを促すかのような記載に好奇心赴くまま検索してしまい、後悔。しかし、まあ、こういう文化もあるのだろうなと案外寛容な態度でいられる新たな自分を発見。怖いもの見たさで楽しんでしまった。
批判するだけではなく、とことん調べて細かく記載してくれるのは著者の良い所。科挙の制度については、かなり詳しくわかる。超難関のスーパーエリートという感じだが、生産性という観点で意味があったのかは不明だ。現代社会の -
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「百田尚樹vs橋下徹」の勝負の行方はどちらでも良いし、私にとっては、両者ともそれなりに清潔感も品も無いオジサンで、主張が強くて、面白い生き物、みたいな感覚である。本書でも百田尚樹の下品なSNS口撃が続くが、思いの外!?勉強になるし、口汚い攻防を見ていると、それなりに両者の論理やディベート術、核心とする部分が見えてきて二度美味しい。「そこまで言って委員会」を本で読む感じにも近いかも。
具体的な収穫として、本書を読めば、靖国問題に特別詳しくなれる。それは両者が必死に相手の粗探しをしながら、論争を広げ、深め、迂回したり飛び攻撃を放ったりとあの手この手を使う度に、そんな考えもあったか、と読み手は知る -
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ネタバレ初見の衝撃は和らいでいましたが、面白かったです。
ウシガエルは中国と仮定して、南シナ海問題を暗喩し、南の崖からウシガエルが来るのは北朝鮮のミサイル、ウシガエルやヌマガエルの移住は移民問題、というより日本だと外国人留学生の問題か。ウシガエルの残虐行為はウイグル人迫害に似ていると感じました。
やっぱり良くも悪くも、日本は戦争の悲劇を美化しすぎているのかもしれないですね。確かに戦争は良くないし、原爆も落とされて苦しい思いもしました。敗戦国としての処遇も受けました。では、なぜそんな事をしたのか。祖国を守るために戦ったという気持ちが消え、やってはいけないことをしたということだけが強調されており、なん -
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スズメバチの一生を描いた小説ということで、あまり食指が動かず、ずっと読まずにいた小説だけど、想像していた内容とは違いとても感動した。
もっと淡々とした昆虫記のような本を想像していた。
物語の主人公は、スズメバチの中でも最強と言われるオオスズメバチのメス。オオスズメバチは女王蜂を筆頭に巨大な帝国(巣)を築き上げ、ワーカーと言われる無数のメスバチ達は巣を大きくするため、女王蜂が産む沢山の妹達を育てるために日夜働き続ける。
その生命は長くて30日間というから驚くほど短い。
主人公のマリアもオオスズメバチのワーカー。自分の役目に誇りを持っているが、外部の虫から、恋も知らず、子も産まず、何のために生 -
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幼少期の虐待によるショックから身を守るために別の人格を作る、作らなければ身が持たない。
これが多重人格者の成り立ちであり、普段普通に生活できている人が理解しなければいけないポイントであると学んだ。最初は各々の人格ごとにそれぞれオリジナルの別の部分を担うために生まれ、その後別々に分化していく。
個人的にはあまり恋愛パートに感情移入することはなかったが、多重人格者というフィクションのようであり、現実にいないともいえない存在を上手く描写してくれたと感じる。
自分の性格の多様性とは根源的には別で、しかしどこかでは重なる部分があるという区別が絶妙にされていて読みやすさがあった。