福田和也のレビュー一覧

  • 昭和天皇 第一部 日露戦争と乃木希典の死

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    近代日本についてのあらゆる問いの核心に天皇がいる。天皇について考えなければ、何もわからないし、真面目に問うことはできない。核心、というのは昭和の歴史全体にかかわることだ。

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    2023年12月11日
  • [改訂版] ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法

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     文芸評論家として活躍する著者が、読書法と文章の書き方を読者に教授する。まず、どの本を読むにしても共通するが、本を読む目的を初めに定めなければならない。たとえ小説であったとしても、目的以外の内容は軽く読み飛ばすことを推奨する。また、本には、内容が難しくて読みづらいものもある。その場合、基本的に読まない。ただし、必要に迫られて読むときは、先に入門書で概要をつかんでから取り組むべきだという。これ以外にも、選書方法や古本屋との付き合い方などが載っているが、いずれにせよ、何のために、その本を読むのかを念頭に進めることが重要である。
     次に、文章の書き方であるが、ここでは、自分が好きな作家の文章をまねる

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    2023年10月26日
  • ―教養としての歴史―日本の近代(下)

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    第一次世界大戦後の大正時代から昭和へ。敗戦までが語られる下巻。先日、田原総一朗氏によるこの時代の本を読んだ後だったこともあり、頭の中が若干整理されていたせいか、上巻よりもわかりやすく感じた。
    開国から敗戦まで92年。敗戦ではあったが、日本は決して負けっぱなしだったわけではなく、成長していた。それが戦後の成長につながったとする最後のくだりは印象的であった。一方で、バブル崩壊からのこれからの日本にとっての希望は何になるのだろうとあらためて思った。

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    2023年09月08日
  • 教養脳 自分を鍛える最強の10冊

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    福田和也によるお勧めの10冊。

    『論語』から『我が闘争』まで古今東西の色んな書籍を紹介しており、非常に面白かった。

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    2023年04月23日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    ネタバレ

    対談集。
    著者 : 半藤一利 中西輝政 福田和也 保阪正康 戸高一成 加藤陽子
    さまざまな視点から、太平洋戦争について、どんな経緯で、誰がどんな動き・発言をしたか、などを語り合う。
    読んでいると、果たして、どうして、あんな戦争が起きてしまったのか(止められなかったのか)、やめられなかったのか、いったい、どれくらいの方が亡くなられたのかと思うと、いたたまれない。
    「なぜ負けたのか」というより、勝ち負けよりも、なぜ戦争を始めてしまったのか、もっともっと検証していかなければならないと思う。

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    2023年01月21日
  • 教養脳 自分を鍛える最強の10冊

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    帯に「読書術」とあったので読んでみたけど、そういう本ではないですね。著者が現代の教養として読んでおくべきだと考えた本の紹介、です。それぞれの本の、著者にとっての重要性は語られるけど、現代にとっての重要性、なぜ今それを読むべきか、は正直よくわからなかった。普通に本の紹介としてはまぁ面白く読めると思うので、ちょっとした書評がわりに読むのがいいと思います。

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    2021年09月07日
  • 岐路に立つ君へ(小学館文庫)

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    手紙の様になっていて最初掴むまでは読みにくいと感じた。
    全体を通して、自覚している以上に常に自分が未熟なことを実感しないといけないと思った。

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    2020年03月12日
  • 人間の器量

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    戦前と戦後で人材教育の何が違うのか。筆者は江戸時代をも評価し、明治維新、列強入りは人物がいたからだと、大隈重信、西郷隆盛らを例に挙げながら説明を試みる。薩摩藩士が島津公と狩に出かけた話。ある藩士が号令前に銃声を上げてしまい、獲物が一斉に逃げた。切腹ものだと島津公。それを聞いた薩摩藩士は一斉に銃声を上げる。切腹を怖がると思われるのは屈辱と。

    命を賭す覚悟、そうした幼少教育の有無。いつからか、戦後の我々の在り方は、人との横並びに安心し、踏み固められたレールや、その逆張りのパターンを見ながら、自らの大成や利益を上げることが成功であるかのような価値観にシフトしてしまったようだ。そうではなく、どうせ死

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    2019年11月06日
  • 新版 総理の値打ち

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     歴代総理大臣の格付け本。

     凡そ妥当な評価だと思う。

     ただし、対米自立へのこだわりが強すぎる気もする。

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    2019年07月07日
  • 昭和天皇 第二部 英国王室と関東大震災

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    1巻に引き続き、重厚感とドラマにあふれた一代絵巻。
    絢爛豪華かつ甘美な欧州巡行と、原敬暗殺〜関東大震災と在日朝鮮人虐殺〜大逆事件など、立て続けに覆う暗い影が鮮烈な対称をなしている。

    日本の様子というのは、P260「善良で臆病で残忍で優しい日本人」ということばに集約されている。

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    2018年02月04日
  • 昭和天皇 第一部 日露戦争と乃木希典の死

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    非常に上質な、芳醇たる日本酒を飲んだ気分。

    渋江抽斎のごとく、一人の人間から、彼を取り巻く人間模様が、鮮やかに描写される。渋江抽斎と違うのは、それが昭和天皇であり、周囲の人間は、乃木希典であり、山縣有朋であり、ヒットラーであるということ。
    本著は天皇の客観的分析ではなく、天皇の生きた時代と人を緻密に再現することで、我々に天皇の目を与えてくれる。彼は、こうした世界で、物事を見ていたのだ、と。
    そしてすでに1巻で見えてくるのは、明るい明治、暗い昭和。
    元勲たちを失い、カリスマ明治天皇が崩御し、新たな政治の代表・原敬も斃れたのちの、意思決定機関なき世界。。。

    福田和也の博覧強記ぶりが存分に味わえ

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    2017年12月24日
  • 人間の器量

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    器量の大きい人間について書いた一冊。

    主に明治以降の人物についてだが、あまりよく知らない人物もいて非常に興味深かった。

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    2017年10月02日
  • 人間の器量

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    本の紹介にあるが、戦後、日本人は勉強のできる人、平和を愛する人は育てようとしてきたが、人格を陶治し、心魂を鍛える事を怠ってきた。
    なぜ日本人はかくも小粒になったのか――。
    その理由と本質に迫ることこそが、日本人が忘れたものを再認識させ、人生を豊かにしてくれるのである。
    ということで、内容であるが、
    序章 器量を問う事
     人物観の平板さは、自らを縛りかねない
     人を見る事は、自分の器を図る事
     器は何歳になっても大きくできる
    第1章 なぜ日本人はかくも小粒になったのか
     戦後、わが国は人物を育てようとしてきたか
     戦死に対する覚悟がいらなくなった
     貧困と病苦に対する怯えがなくなった
    第2章 先

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    2017年08月27日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    近衛は首相の強い意思もあり、昭和16年10月中旬に、アラスカにおいてルーズベルト米大統領との首脳会談が計画されていた。ところが近衛書簡の内容の概ねが漏れてアメリカの新聞に発表されてしまう。日本政府はアメリカに泣きを入れた!対米強硬・親ドイツ派の右翼や小壮軍人や軽噪な言論人は、この方に激昂した。一般の国民の気持ちまでもがぐんぐん激烈になり、アメリカに対する敵愾心をいっそう燃え立たせることになる。日本国内の世論の熱狂が、アメリカ小竹に良い口実を与えたことになる。こうして一気に、首脳会談の望みは微塵に砕け散ったのである。

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    2016年08月15日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    この本を読むと官僚組織が力を持ちトップダウンで政策を指示、遂行していくという流れが戦前から変わっていない事がわかります。(力を持ったものが武官が文官に代わっただけ。)過去の戦争での悲劇をを風化させてはいけないと強く思います。

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    2014年08月26日
  • 岐路に立つ君へ(小学館文庫)

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    【本の内容】
    年長の友人を死の床に見舞った時、僕は厄介なことを頼まれた。

    彼の息子N君の面倒を見てくれ、「男の生き方」を教えてやってくれ、と頼まれたのである。

    こうして始まったN君への折々の手紙。

    「死者の視線とともに生きることぐらい大事なことはない」

    「就職をするのは簡単だ、でも仕事を見つけるのは難しい」

    「君が内定を得られなかったのは君自身の『存在』『価値』とはまったく関係ない……」

    就職、転職、独立、結婚など人生の岐路で悩む若者への真摯な言葉は、読む人に力と励ましを与えずにおかない。

    「人生」をほんのちょっとだけ真剣に考えてみよう。

    [ 目次 ]


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    2014年08月23日
  • 羊頭狗肉 のんだくれ時評65選

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    この二人の対談集、久しぶりに買って読んだ。グルメ、ハイカルチャーとサブカルチャーに関する雑学、手に取るべき本などの、様々な領域に関するガイドとして読みました。しかし福田和也、痩せたなあ。

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    2014年08月22日
  • 大宰相・原敬

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    原敬が青年期に東京で苦学生になり、金策尽きて学校を辞め、教会の仏語学校に通い、再起して東京に来るも、開成学校、海軍兵学校を落第し、司法省学校に入るという経緯は面白い。仏語が堪能なお陰で、清仏戦争後の情報収集役、パリ大使館勤務を経て明治維新の偉人たちと知り合い、堂々と持論をぶつけるまでになっていくのがすごい、この時わずか30代半ば。天津領事館勤務時代にもわずか29歳で李鴻章に対して毅然とした挨拶をしていることも立派。外務省勤務後の新聞社時代も一貫性、話の筋を大事にし、それが後の立憲政友会時代の求心力になっていくのだろう。政友会でも、総裁である西園寺公望、政敵である山県有朋にも堂々の弁を打ち、へこ

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    2014年08月21日
  • 昭和天皇 第四部 二・二六事件

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    5・15事件、満州国承認、国際連盟脱退、2・26事件と本当に激動の時代でした。

    読みやすかったです。

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    2013年07月06日
  • 悪女の美食術

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    タイトルに悪女とあるが特に悪女は出てこない。電車の中で読んでいると悪女になりたくて読んでいるように見える一冊。
    蘊蓄と著者の食べることに対する意識の強さが前面に押し出されたエッセイ。(フランス料理のサービス方法がロシアから来ているなんて初めて知りましたわよ。)
    「一人で食事をしていて迫害されない方法」など、章のタイトルは秀逸。(でもこの章を信じて読み始めると少し違うと思うかも)
    食べることが好きな私にとっては読んで楽しめた本だが、価値観の違う人が読んだらあまり良い印象はしないかもしれない。
    食べることが好きでかつ、一人で店に突撃できるハートを持つ、ダイエット中の方は、ダイエットが終わるまで読ま

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    2013年06月17日