福田和也のレビュー一覧
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戦前日本の総理経験者を、私生活から見た本書。
表の出来事とは異なる面が見えてくる。
少なくとも、山本権兵衛の評価は確実に上がった。
ただし、私人と公人の評価はイコールでは無いことを、改めて認識する。Posted by ブクログ -
山本周五郎があらゆる文学賞を辞退し続けたという話は有名である。
周五郎は、「文学は賞のためにあるのではない」というのが持論だった。
筆者は、なぜ、そのような考え方に至ったかを周五郎の生まれ育ってきた環境を丁寧に分析している。
世間の片隅で、肩を寄せ合って極貧の身で、運にも恵まれず必死に正直に生きよう...続きを読むPosted by ブクログ -
かつて文芸春秋を買っていた時はこの連載を特に楽しみに
していた。ようやくの文庫本の発売、と思ったらなんと
年一巻ペース・・・・熟読して続刊を待つ。Posted by ブクログ -
彼の人は、東京裁判が開廷した後、精神的に頗る不安定になった。大声で独り言を言いながら、深夜、廊下を長時間行きつ戻りつした。「東條たちは私の身代わりとして死んでくれたのだ。私は退位したいと思う」「御上がご苦痛だと思し召す道を選ばれては如何でしょう。嫌な事、辛い道を」
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張作霖事件が決定的となり、田中義一内閣総辞職へ導く彼の人(天皇)。保守勢力、右翼勢力や陸軍の首脳陣に対する彼の人の威信は大きく傷つく。若い天皇が宰相を罷免するよな言動をしたことが昭和の動乱の導火線となる。Posted by ブクログ
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上海からの早期撤退要求は、陸軍をして彼の人を疎ませた。彼の人もまた、自らを軽んじる軍の対応に不満を抱いた。一連のクーデター事件、叛乱を絶対に否とする天皇の強い意志。その事が戦争への歯車を。Posted by ブクログ
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陸軍皇道派から行動右翼、転向左翼と、とにかく革新と名のつく全ての人種を糾合し、新体制運動を進め、大政翼賛会を作り上げた男が、しおらしく謝ってみせる。それは一文の値打ちも無い反省であった。Posted by ブクログ
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皇室につぐ名門、近衛文麿は右翼から左翼、軍部から財界、政界まで広い人脈を持つ。飛び切りの聞き上手、その聞き方の真摯さに感激してしまう魔性があった。Posted by ブクログ
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永田鉄山は、総力戦が国家のあり方そのものを変えてしまうこと、つまりは国家が国民の全てを動員しようとするならば、国家も国民のために全てを捧げなければならない、つまりは福祉国家化が不可避。Posted by ブクログ