福田和也のレビュー一覧
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日本がなぜアメリカとの戦争に踏み切り、そして負けたのかという点について、近代史に造詣の深い6名の方が対談形式で述べる本。「なぜ負けたのか」よりも「なぜ国力に圧倒的な差があったアメリカとの戦争に踏み切ったのか」という点に関する部分には、ちょっときな臭い雰囲気になりつつある今日、考え直す意味は深いと感じます。
対米戦争に限らずほとんどの戦争が「自衛・自存」を大義名分に始められ、ブレーキをかけるはずのメディアも政権や大衆に迎合していく流れであった事などは同じ過ちを繰り返さないためにも知っておくべき事実であると思います。
なぜヒトラーのドイツと同盟を結んだのか、海軍・陸軍エリートはなぜ判断を誤って開戦 -
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『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』
福田和也
まず、読む前にそのポイント、つまり自分は何のためにこの本を読むのか、ということを明確にしておかなければなりません。(p27)
物語にしろ、着眼点は必要だろう。
メモ帳に、下を折ったところを書き写し、コメントをメモする。
この、書き写すというのが、とても大事なことです。(p56)
大事な所は本の端を折り、さらに手書きで書き写しコメントする。この手書きが大切だという。だが、PCの方がいかんせん早い。どうしたものか。手書きとPC打ち込みについて考えたい。
なんとなく面白く、なんとなく興味深い。でも終わればそれが何だったのか覚えて -
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保守派の論客である福田和也が、若い人に向けて昭和史を分かりやすく語った本です。
日本が戦争へと突き進んだ時代を、理解できない狂気に支配された時代と見るのではなく、当時の人びとが時代の状況の中で一生懸命生きてきたことに「共感」を寄せることが、歴史を学ぶ上でもっとも大切なことだという考えに基づいて書かれています。
ただ、明治以降、世界という舞台で戦ってきた日本人への「共感」と、戦後民主主義を築いた人びとへの「共感」が、容易には折り合いをつけられないことがきちんと語られていない点が、少し残念な気がします。そうしたことも含めて日本の歴史を考えてほしいというのが著者のスタンスなのですが、戦後の繁栄を -
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日本の近現代の中から、器の大きな人物を30人取り上げ、その人間像を紹介しています。
「器量が大きい」というのは、いわゆる「人格が高潔である」ということとは違います。たとえば伊藤博文という人物について、若い頃に塙保己一の跡取りの忠宝を暗殺したことがあり、多くの女性と関係を持っていたなどのエピソードが紹介されています。それでも、そうした側面をすべて含めて、伊東博文という人物には人間的な「器量の大きさ」があったと、著者は言います。
岸信介や田中角栄といった戦後の人物に関しては、とりわけその問題点も見えやすいのですが、それにもかかわらず、彼らの器量の大きさをまずは認めようというのが著者のスタンスで -
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ネタバレ昭和史を語る際にいつも示唆を受ける半藤、保阪に右よりの中西が加わり、どのような討議になるのか興味深いところでした。昭和の大戦という際に、日米戦争を分けて、中国に対しては明らかに侵略戦争であったという半藤、保阪に対して中西は何となく曖昧な姿勢であると思いました。それだけに日本が反乱もなく、一致して闘っていけたのは米英に対して自衛=興国存亡の危機にあるという意識が強かったからだという一致した考えもなるほどと思いました。このタイトルではなく、「なぜ負けることが分っている戦争をしたのか」という観点から、日本の指導層に対する厳しい批判は今の私たちの姿勢(政治だけでなく、企業においてさえ)に反省させられる
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気にかける人、心を配る人の数の多寡がその人の器量なのだ。と、目から鱗でした。僕なんかなんて器量が小さいことか!結局自分のことしか考えていないんですよね。恥ずかしいかぎりです。ただ、器量を大きくする五つのたいさくは如何なものか。
①修行する。剣道と座禅。若しくはスポーツ。頑張りましょう。鍛錬しないとね。②山っ気。先天的なものは如何なものか。お前はダメだって言われてるようなものでしょ。③ゆっくり進む。仰る通り。④何も持たない。う…持ち過ぎかも。⑤身を捧げる。う…これも難しいなぁ。やっぱり器量の大きな人って今の時代にはいないよね。明治以後、年代とともに人の器量が小さくなっているのは、年代とともに豊か