福田和也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本人のメンタリティや社会構造・現在の社会の成り立ちを全体的に見渡したいと思い、手にとった。
恥ずかしながら、歴史小説を含め、日本の歴史をほとんど学んだことがなく、その危機感からとりあえず入りやすい本を探した次第である。
この本は、江戸の解説から昭和以降の社会構造の変化をエッセンスのみをトピックとして抽出した本であり、分量としては軽すぎず、重すぎず、とてもバランスの良い本であった。
第一次世界大戦の勝利から、有色人種として、日本は初めて列強の仲間入りができると思ったが、全くそうではなかったときの失望感。
闇雲に第二次世界大戦を行なった経緯。
これらの日本の歴史はビジネス人としてのメ -
Posted by ブクログ
非常に考えさせられました。
戦争を知らない年代に向けて、しかも少年や青年に向けての本ということで、文章や説明はかなり平易に書かれています。しかし、内容は重い。
江戸〜昭和の日本について、経済や外交、戦争を多く説明しています。本の題名の通り、昭和が主。
私が感じたのは、白人と有色人種の歩み。これはこれから先も様々な問題がのぼるのでしょうね。今現在でも白人の白人至上主義は変わっていないわけで…。
それも踏まえたうえで、日本はもっと自国を誇るべきだ。そう思いました。
それにしても、この本は語りかけるような文章になっているのですが、言葉の選び方や語尾の調子が石田衣良のIWGPを思い出させます。それ -
Posted by ブクログ
ネタバレベスト7
・伊藤博文 91点(13)
・山県有朋 85点(21)
・岸信介 81点(136)
・原敬 73点(47)
・加藤高明 72点(59)
・佐藤栄作 72点(143)
・鈴木貫太郎 71点(106)
ワースト7
・近衛文麿 17点(88)
・菅直人 25点(220)
・鳩山由紀夫 26点(216)
・安倍晋三(第一次) 27点 (第二次以降は50点)
・村山富市 28点(188)
・福田康夫 28点(209)
・森喜朗 30点(196)
・麻生太郎 30点(212)
採点不能
・東久邇宮稔彦王 (110)
・羽田孜(186)
-
Posted by ブクログ
著者の訃報を耳にして手に取った。昭和天皇裕仁を「彼の人」と呼び、周囲の人物たちの目を通じてときどきの心情や思いを浮上させていくスタイル。これも、過度に天皇の内面に立ち入らないという「慎み」のなせる業だろうか。
宮中や政治家たちの動静に加え、小説家や画家、アメリカやドイツの記録も参照して遅滞なく語っていく手付きはさすがと思うが、どうして著者がこのテーマに取り組む必要があったのかが今一つ得心できない。半藤一利や保阪正康の仕事で十分だろう。内容的にも決して新味はあるとは思えなかった。
収穫だったのは、2015年版『日本のいちばん長い日』の直接的な典拠となるシーンが確認できたこと。原田眞人監督版 -
-
Posted by ブクログ
第1部は識者6人による座談会。
第2部は6人それぞれの補遺的文章。
あの戦争で当時のメディア(新聞とラジオ)が果たした役割はとてつもなく大きかった。開戦を賛美し、国民を扇動熱狂させた。恐ろしい!
終戦の日はいつか?
ポツダム宣言受諾を敵国に通告したのは8月14日。
それを国民に伝えた(玉音放送)のは8月15日。
ポツダム宣言受諾文書に調印したのは9月2日。
日本人は「終戦記念日は?」と問われれば8月15日と答えるが、国際的には「9月2日」が一般的だそうだ。
あの戦争の経緯が分かる文書はまだまだ未公開のモノが多い。なぜ開戦したのか?戦争の経緯は? 歴史的な解明はまだまだ先のようだ。 -
Posted by ブクログ
下巻では、1919年の第一次世界大戦終結から、1945年の敗戦までの歴史があつかわれています。
大正から昭和にかけてさまざまな文化の領域で見られた「大衆化」の現象に光をあて、とくに文学におけるその影響について論じられている箇所は、近代から現代へと引き継がれることになる問題についての著者自身の立場が示されているように感じられます。
戦時体制がさまざまな領域で戦後の日本に引き継がれ、それによって日本の経済的・技術的な発展が可能になったという議論は、経済学の野口悠紀雄や科学史の廣重徹らが、どちらかというと批判的な観点から論じていますが、本書でもそうした見方が、むしろ肯定的なスタンスで提示されてい -
Posted by ブクログ
文芸批評家であり、保守派の論客としても知られる著者が、1968年の明治維新から1945年の敗戦にいたるまでの日本の近代史を概説している本です。上巻では、1919年の第一次世界大戦終結までがあつかわれています。
歴史とは「物語」であり、われわれが生きている「現在」がどのようにつくられてきたかということを理解することは、文芸の領域の任だと著者は語ります。本書では、とりわけ歴史のなかを生きてきた人物にスポットをあてられているところに特色があり、たんなる知識の集積ではない歴史の姿を示そうとする著者の意図がうかがえるように思います。
個人的には、もうすこし著者自身の歴史観をストレートに押し出してほし -
Posted by ブクログ
対談。なぜ戦争になったのか。どこで間違えたのか。こういう本を読むと、自分がいかに知らなかったということを痛感する。そしてこういう本を読んで思うのは、過去のこととして知識にするのではなく、今、自分のいるまわりに活かせることはないか、ということなんだよね。
大正七年の原敬首相から昭和七年犬養毅が五・一五事件で暗殺されるまでを日本の政党政治の黄金期という。
では、原敬の何がすごかったのか。
偉大だったのは、としていわれること。
原敬日記をひいて、すごくこまめに軍人に会っていることを指摘している。
こまめに、ひょっとしたら自分と反対意見の人とも会って、パイプをつくっていたこ