堂場瞬一のレビュー一覧
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もしも恵の捜索を依頼してきたのが瀧の友人でなかったとしたら。
もしも瀧が武蔵野中央署に転属になっていなかったとしたら。
もしも家庭内のごたごたに気をとられて恵の失踪に気づかなかったとしたら。
そう考えると、知らないところで事件が闇に埋もれてしまっていることは案外あるのかもしれない、と考えてしまう。
堂場さんの物語にしては結論ありきのように感じた物語だった。
瀧が願い出て武蔵野中央署にやってきた理由やあかねの人物像も、 ある結末に導くためのように感じてしまった。
瀧の人物像もピリッとしておらず、珍しく中途半端な感じが残る主人公だった。
前半に差し込まれた場面も、唐突に差し込まれていたため犯人に結 -
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父親が殺害され、留学先のアメリカから帰国した14歳の一人娘・美咲。
天才少女という設定を保つために、天才ゆえのエピソードや展開が優先されていたように思う。
堂場さんの物語の中では、踏み込みが足りないと感じてしまった。
自分の命が狙われているかもしれない。
同行している刑事の身も危ない。
そんな状況の中で、いくら大切なことだったとしても状況を無視した行動をとるだろうか。
天才だとは言ってもそれは頭脳的なこと。
精神的にはまだまだ未熟で、だからこそ最善の策とはいえない方向へと走ってしまった。
そう考えればよかったのだろうか。
他のシリーズの主役たちが顔を見せる意味もわからなかった。
読者の楽しみ -
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何者かに殺害され、建築中の家の基礎部分に埋められていた綾奈。
その事件の犯人がようやく明らかになる。
解決・・・という言葉は使いたくないと思うような結末。
ずっと高城が苦しみ続けてきた綾奈の失踪事件。
思いがけない出来事から遺体が発見され、捜査本部も設置され、気の遠くなるような地道な潰し作業の末に高城はようやく犯人へとたどり着く。
失踪課のメンバーや長野たち、あらたにたった捜査本部で捜査を続けてくれている警察官たち。
多くの人たちが高城の娘・綾奈のために動いてくれていた。
思いはひとつだろう。
何故小さな命は奪われたのか・・・。
敵をとってやりたい・・・。
どんなに後悔しても、どんなに謝っても -
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交番勤務の21歳の警察官が拳銃を携帯したまま失踪する。
法月が所属する警務課をはじめ、失踪課も高城を除くメンバーが行方不明の警察官の捜索に動き出す。
一方高城は、プロ野球のドラフト会議で一位指名を受けた高校球児の失踪届が出されたことからその行方を追う。
ふたつの失踪事件は真逆の解決をみる。
警察官は自ら命を断ち、高校球児は自らの意志で戻って来る。
事件は解決したものの、高城の心はすっきりとしない。
雑とまでは言わないけれども、ずいぶんとご都合主義のような物語の展開で驚いた。
未成年者、ましたメディアにも取り上げられるような有名高校生が手術をするのに両親の同意書がないのはどうなのだろうか。
優秀 -
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失踪課のメンバーである明神愛美が偶然居合わせた火事のバックドラフトに巻き込まれ負傷。
物語は愛美の復帰までと、火災現場に残された二つの遺体の事件の解明。
失踪届が出された人気ミステリー作家の行方を追う三つのストーリーが同時に進行し、互いに絡み合う複雑な様相を呈していく。
昇進に並々ならぬ意欲を持つ阿比留に気を使いつつ、高城は人気ミステリー作家である藤島の行方を追う。
ストーリーは二転三転しながら、徐々に事件の核心に近づいていく展開は相変わらず面白い。
本調子とはいえないまま現場復帰を果たした愛美へ素直に優しくできない不器用な高城もいい。
優しい言葉のひとつもかけられない人間は、ちょっとした優し -
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殺された被害者の身元が判明しないまま時間は過ぎていき捜査も行き詰る。
主人公である城戸は被害者が身につけていたある物に注目し、被害者の身元を確定させる。
事件の真相と城戸の忘れられない過去が交錯し、絡み合い、「勝つということ」の意味をも考えさせる物語になっていた。
事件の捜査や真相とはほとんど関係のない場面が一番印象に残った。
スカウトのために訪れたグラウンド。
余力を残しながら最終周まで走り続け、最後の最後で抜き去って1位となった選手への久松の言葉が強烈だ。
勝つことは当たり前の前提としてあり、記録を狙い、記録を更新し、結果として勝利も手に入れる。
才能と言ってしまえばそれまでだが、一段高い -
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大学時代の夢を叶え、大江は中堅政治家として頼りにされる存在となった。
鷹西はジャンルを時代小説へと移行し、安定した売上を見込めるシリーズを持つ作家となった。
互いに忙しく以前のようには会えなくなったけれど 、友情は少しも変わらない。
だが、鷹西が記者として地方に転勤になっていた時代に起きたひとつの未解決事件が二人の関係を変えてしまう。
物語の最後で提示されるひとつの未来。
それが正しいのか、それとも間違っているのか。
鷹西にもたぶんわからないままなのだろう。
まさに鷹西が問い詰めようとしたあの瞬間起こった出来事に、運命のようなものを感じてしまった。
時代が、国が、必要としている存在。
そんな -
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短編集。
一人息子・優斗が誕生する直前から物語は始まっている。
家庭のことは妻・奈緒にすべて任せ、目標でもあった捜査一課への異動を目前にし、やる気が漲っている大友の姿が描かれている。
しかし、時は経ち、やがて優斗も成長していく。
相変わらず捜査に明け暮れる日々の中で突然起きた信じられない出来事。
奈緒の事故死・・・大友は奈緒の存在の大きさを改めて思い知らされる。
優斗が生まれたときから父親だったはずなのに、いざ一人きりで育てていなかなければならなくなったとき、多くの選択を大友は迫られる。
刑事としての仕事を取るか、人として父親としての立場を取るのか。
優斗はまだ幼く、遠回りになることを承知で大 -
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事件を追う警察小説には不適切な表現かもしれないけれど、堂場さんの物語はいつも安心して読める。
ひとつずつ丁寧に積み重ねられていく事実。
どの人物の描写もしっかりと描かれていて、物語の中に入り込んでいきやすかった。
真実を暴くことがいつも正しいとは限らない。
もちろん基本的には法律によって裁かれるべきだろうし、そうでなくては社会の秩序は守られないだろう。
けれど、もしかしたら別の罪の償い方があってもいいのかもしれない・・・そんなふうにも思える物語だった。
「沈黙の檻」、これ以上にこの物語にあう題名があるだろうか。
自由のようでいて自由ではない。
目には見えないけれども、確かに自分を囲んでいる檻 -
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警察小説のシリーズのはずなのだけれど、男女の逃避行に物語のほとんどが費やされている。
善悪の区別はつくけれど、何が悪いのかはわからない。
自分が生きるために、自分が思うように進んでいくために、何の逡巡もなく人を殺すことができる。
殺人という、人として高いハードルを越えることに対するためらいはない。
日向とはそんな男だ。
だが、日向をさらに上回る人間もいる。
日向にとって他人は踏み台でしかない。
ときには恭順の意を示しても、それはけっして本心からではない。
嘘も方便と言うけれど、自分以外の人間を信じない日向にとって重要なのは「利用できるか、できないか」。
それがすべてのはずだった。
真菜は日向の -
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コラボ作品だと聞いて期待して読み始めたのだが、多少リンクする場面もある・・・といった程度だった。
何となく肩透かしをくらった気分だ。
大友と一人息子・優斗との関係も、優斗の成長にしたがい徐々に変化してきている。
少しずつだが自分の世界を持ち始めている優斗。
相変わらず子離れができない大友。
しかし、今回の事件を通して、大友は刑事としての本来の自分を取り戻していく。
これまではやや強制されて捜査に参加していた姿勢が、自ら望んで捜査に取り組んでいく描写が何度かあった。
本格的に復帰するのも近いのでは?と期待したくなる。
そして、これも相変わらずだけれど女性記者が本当にイラッとする。
ここまで強烈な -
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シリーズ第1弾だからなのか、澤村の抱える過去のトラウマが何度も意味ありげに登場する。
いまだに過去に縛られ、「完璧な刑事」として生きることを目的にした澤村の心情が描かれている場面も多いが、いまひとつ響いてこなかった。
ただ、構成や展開は面白かった。
徐々に真犯人へと近づいていく澤村の行動がわかりやすく、無駄なく描かれている。
プロファイリング担当の橋詰のキャラクターもいい。
プロファイルを理解しようとしない澤村と、理解させる気もない橋詰。
ふたりの会話は噛み合わず、互いに自分の言いたいことだけを伝え、自分の聞きたいことだけを聞こうとしていて奇妙な面白さがあった。
早々に犯人はわかってしまうけれ