池央耿のレビュー一覧
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ノンフィクションから、SFやミステリまでを翻訳する池央耿(1940-2023)。翻訳をめぐる書下ろしエッセイ。どの話も見かけは軽めだが、内容に重みがある。
生涯の翻訳点数は170点ほど。翻訳家で生活できる(食える)かという問いにも答えている。答えはシンプル。生活できるものしか翻訳しない。確かに、生活するには、それしかないかな。
翻訳したなかで会ったことのある作家は2人だけという。ひとりは『カッコウはコンピュータに卵を産む』のクリフォード・ストール。もうひとりは『南仏プロヴァンスの12か月』のピーター・メイル。えっ、そんなものなの。翻訳したからには、本人に会いに行くのが当然のように思っていたのだが。 -
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まさかの、本当の電脳世界!
超電子コンピューターの処理過程において生まれた、まったく物理法則の異なるコンピューターの中の「電脳宇宙」の者たちが、「外」の世界の実体を求め、果ては宇宙の支配者・神になるために画策してくる。
頭脳戦、デジタル戦、情報戦に終始するかと思いきや、惑星ジョヴレンの闇社会が絡んできたり、ハント博士&ダンチェッカー教授と愉快な仲間たちでコンピューターの内側の世界に乗り込んで行って捕まったりして、いやもうすごいアドベンチャーだ(SFだけど)
おもしろかったー!!
わくわくしっぱなしだった。
読み終わっちゃったよ。あーあ。 -
Posted by ブクログ
「星を継ぐもの」三部作の続編というか、後日譚。
超電子頭脳ジェヴェックスが運営管理する架空戦争に敗れた惑星ジョヴレンは、非暴力主義のガニメアン(地球人と祖先が一緒の異星人)が監督指導統治することになり、そこで起こる社会問題にガニメアンの旧友であり戦友であった地球人が駆り出されることになった。地球人ハント博士とダンチェッカー教授がまた知の巨人として活躍する。
続編が出ていることに気付いて狂喜乱舞。
敵の全容がなかなか見えてこず、見えて来たところで愕然。
AIが(で?)こんなことになったらどうしよう!
映画「マトリックス」を思い出しながら読む。
おもしろすぎて他のことに手がつかないので、このまま下巻に突っ走ろうと思う。
(ちなみに、私の中でハント博士はケビンコスナーである)
(ダンチェッカー教授はマイケル・ケイン) -
Posted by ブクログ
知的好奇心を満足させてくれる傑作です。
本作は発達した科学力を持つ異星人との接触から始まり、人類の起源を追求していく過程をドラマチックに描いています。読み進めていくと、未来の人類が歩むべき理想の道を明確に示してくれていることを夢想させてくれます。
本作はJ•Pホーガン三部作中の二作目の作品です。
一作目の「星を継ぐもの」の続きになります。この作品もかなり面白かったですが、本作も同じレベルで興奮し没入することができて大変満足しています。
いやー本当に読んで良かった。特に異星人と人類の関係を推察し、立証していく過程は脳汁出まくりで読むのが止められなくなります。
大おすすめです。
興味を持った方は必ず一作目から読んでください。
最後の三作目を読むのが楽しみだな(^^)
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1942年の第二次世界大戦中に書かれた冒険フィクション。
舞台はドイツ軍進軍直前のフランス。
元弁護士として隠居生活を送っていた英国老紳士であるハワードは祖国イギリスで戦局のニュースを聞きながら何もできない自分に塞ぎこんでいたが、気分転換するためにフランスのアルプス付近へ釣りをするために慰安旅行にでかける。
無事目的地で身心を休めていた彼だったが、そのフランスの奥地へも戦争の影は忍び寄り、当地で知り合った人から幼い子供を預けられてイギリスまで連れ帰ってほしいという依頼を受ける。
老いた体で、混乱するフランス国内を、自由気ままに暴れまわる子供たちを連れて、果たして彼は無事にイギリスまで戻ることができるのか。
というお話。
訳が良いのかもしれないが、80年以上前に書かれたとは思えないどんどん引き込まれる話の展開の上手さ。
そして老紳士や登場人物の言葉が品位と謙虚さとユーモアにあふれており、今現在このような人物に会う事は稀有な事であろう。
そして小さい子供たちの気まぐれとやんちゃっぷり、そしてそれに振り回される大人たちは今も昔も変わらないと思った。
10代、20代で読むと話が面白いで済むと思うが、30代以降の子どもを育てる側に回る世代には別の面白さがある本だと思う。
今まで知らなかったのを後悔するほどの名作だと思う。 -
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理想郷を表す言葉”シャングリラ”の初出の作品。1933年に発表後、翌年ホーソンデン賞を受賞 。2度映画化されている冒険小説の名作。
本書は、現在の視点で描かれるプロローグから、11章からなる過去の視点の本篇、そしてプロローグの続きとなるエピローグで終わる構成になっています。
その本篇で語られる”シャングリ・ラ”の暮らしぶりは、まるで老荘思想の世界観のようで自分は好きですが、事件に巻き込まれて暮らし始めた4人の登場人物のうち、一人の若者にとっては退屈極まりない場所だったようです。その彼の上司である主人公との後半のやり取りが興味深くて面白かったですね。まるで自分が若い頃に年配の人に対して思っていたことを、ストレートに代弁していて苦笑いしましたが(反省)…万人に共通な理想郷は無いでしょうね。価値観は人それぞれで、年を重ねれば変わってきますしね。ある人にはユートピアでも、別の人にはディストピアという感じかな。
この小説、最後は主人公が心変わりする心境や不老不死の秘密、エピローグの女性の話しなど、結末は多く語られないですが、それとなく想像で補えて読後感も良かったです。文章も、高尚で美しい訳文は、読んでいて心地よかったですね。ただし、旧漢字が多く、もう少しルビが丁寧に振ってあったり、難しい言葉の注釈があればいいのになとも思いました。
正誤(新装版初版)
P49の7行目:
とやこう思案するうちにも、
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と、こう思案するうちにも、
P134の13行目:
ここは黙っいることだな。
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ここは黙っていることだな。
P134の18行目:
食事が済んで後である。
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食事が済んだ後である。
P148の18行目
これをしも室温のせいとする考えに傾いて
↓
これをさも室温のせいとする考えに傾いて
P166の10行目:
全神経を傾けて聞き入ったたことが、
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全神経を傾けて聞き入ってたことが、
P190の6行目:
成り行きをむしろ珍らかに快く思った。
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成り行きをむしろ珍かに快く思った。
他:
長文のセリフで、改行した先頭の余分な「 が複数箇所。 -
Posted by ブクログ
末代まで呪ってやる!ってお話しでした(ほんとか?)
うーん、どうなの?
親の罪は果たして子に引き継がれるの?
ってこと、まぁがっつり法律になってるくらいの時代もありましたよね
でも実際今でもよく議論になります
当事者からしたら、そういう気持ちを持ってしまうのも分からなくはない
分からなくはないけど、やっぱり切り離さないとな〜とも思う
だって感情論だもん
でも感情論だけに難しい
親の罪を子が背負う必要はない!
これ正論!唯一無二の真理!
親の恨みを子で晴らす
こんなのダメ!って思うけど
自分以外全ての家族がそいつに殺されたとなれば、息子がどんな善人でも日々幸せに暮らしてるだけで許せないのも…
それにしても、複雑な人間関係が明らかになる下巻はお見事としか言いようがない
やっぱディケンズすげーわ! -
Posted by ブクログ
ウイットに富んだ表現、魅力あふれる登場人物。最初は幼稚園時代にどうこういう話を持ち出してひねくれた説教をする内容かと疑いながら読んでいたのだが、あっという間に引き込まれて読み切ってしまった。私が好きなのは、隣人のワシントン氏、あたし人魚なのの女の子、神学の大学院時代の先生、あと一人クリスマスキャロルをやってくれたベトナム人のホンドク君かな。でも庭の落ち葉掃除をやってくれた子も捨てがたい。でも登場人物が全て素敵なのは彼らを見ているフルガム氏の温かい眼差しを通してだからということに疑いはない。クリスマスツリーも洗面所も、何気ない日常の風景も面白く人生の教訓に満ちた場面に変えてしまう。
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購入済み
パイド パイパー
第二次大戦中に少しずつ増えていく子供達と共に、フランスからドイツ軍の侵攻を避けながら故郷イギリスを目指す、元弁護士の老人の長い長い道のり。
前知識無しに読んだので、ハラハラしながら読みました。
お勧めです。