あらすじ
木星最大の衛星ガニメデで発見された2500万年前の宇宙船。その正体をつきとめるべく、総力をあげて調査中のハント博士とダンチェッカー教授たち木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。隊員たちが緊張して見守るうち、ほんの5マイル先まで近づいたそれは、小型の飛行体をくり出して探査隊の宇宙船とドッキングする。やがて中から姿を現わしたのは、2500万年前に出発し、相対論的時差のため現代のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。前作『星を継ぐもの』の続編として、数々の謎が解明される!/解説=堺三保/*本電子書籍は『ガニメデの優しい巨人』(創元SF文庫 新装新版 2023年8月10日初版発行)を底本としています。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前作がとても綺麗にまとまっていて単体で面白かったので続編はどうなるのか気になっていたが、さすがに前作ほどのインパクトはないものの元々続編の構想もあったのだろうなと思うような内容でとても面白かった。前作で登場したガニメアンと地球人の出会いと交流、人類起源の謎が中心。
異星人ガニメアンが争いの概念を持たない温厚な人類で、そうなった理由ももっともらしく説明されているため納得感があり(実際どこまでありえる話なのかは知らない)面白い。最初の対面から地球訪問まで、具体的に場面が想像できて楽しい。
人類の攻撃性を理解できないガニメアンたちだが、実は自分たちの介在のせいだと知り去っていくのが切ない。でもラストは希望が残されており良かった。序盤で提示された謎がラストで明かされる構成も好きだった。
ゾラックという人工知能が現代のAIっぽくて、面白い。ハントたち研究者が会話に夢中になっているのもなんだか現実味がある。もし本当に異星人と地球人が出会うことがあったら、仲介するのはAIになるかもしれないと思わされた。
Posted by ブクログ
シリーズ第2弾。
今回は、いきなり異星人と接触し、異星人との交流?の話となる。この異星人は生存競争のない中で進化したために、争いとか競争を知らない。これは作者の強烈な皮肉に感じる。
宇宙船のコンピューターが、今のAIを発展させたような感じなのだが、人に気を利かせるところもあっておもしろい。
最後に人類の紀元に関する驚きの考察が話される。
Posted by ブクログ
ヴィクターハント博士含め、これまでも登場人物は皆現実的でありながらとても魅力的だったけど、ガニメアンという異星人の設定がこれまたとても素晴らしくて、人類に対する皮肉っぽくもあり、最後にわかる事実を知るとただ「優しい巨人」と思っていた時が懐かしくなってしまうような…相変わらずSFだけどミステリー作品の味が強くて、続編もとても楽しみ。謎を少しずつ解明してくれて、ホーガンに弄ばれている〜!
Posted by ブクログ
前作に引き続き相変わらず読後感が気持ちいい。まだ謎は残ってるけど、それは次回に持ち越しか。作中で提示された数々の謎がピタッとハマる終盤、SFよりかはミステリーを読んでる感覚に近い。
Posted by ブクログ
星を継ぐものがめちゃくちゃ面白かったので続けて読んだ。
ガニメデで人類と巨人が出会うのだが、その巨人らが優しすぎて、私は捻くれてるからなのか裏があるんじゃないか、どっかで本性出してくるんじゃないかとハラハラして読んでた。でも最後までタイトル通り優しい巨人だった。
気になったのが、ガニメデにいた時に少数の人間がガニメアンに対して私みたいな猜疑心を持っているような描写があったのだけど、あれは今後の伏線なんだろうか…?
優しい巨人も最後には人類発祥に関する重大な事を残していったが…続編も楽しみ。
Posted by ブクログ
知的好奇心を満足させてくれる傑作です。
本作は発達した科学力を持つ異星人との接触から始まり、人類の起源を追求していく過程をドラマチックに描いています。読み進めていくと、未来の人類が歩むべき理想の道を明確に示してくれていることを夢想させてくれます。
本作はJ•Pホーガン三部作中の二作目の作品です。
一作目の「星を継ぐもの」の続きになります。この作品もかなり面白かったですが、本作も同じレベルで興奮し没入することができて大変満足しています。
いやー本当に読んで良かった。特に異星人と人類の関係を推察し、立証していく過程は脳汁出まくりで読むのが止められなくなります。
大おすすめです。
興味を持った方は必ず一作目から読んでください。
最後の三作目を読むのが楽しみだな(^^)
Posted by ブクログ
前作『星を継ぐもの』で詳細が明らかにされずじまいだったガニメアンが大々的に登場して、第一異星人として人類とファーストコンタクトを交わす
前作同様文句の付けようがないサイエンス・フィクションで読んでてずっと面白かった
プロローグの「これから何が始まるんだ!?」ってワクワクとエピローグの「なるほど〜…」と感嘆するのが堪らないね
三体と同じ「異星人との接触」というテーマにも拘わらず全く違う展開に発展していくのが面白かった
終盤で張られた伏線が次作でどう回収されるのか気になる
Posted by ブクログ
先輩から借りた『星を継ぐもの』の続編。前回がSFに歴史ミステリーが付与された大作であるなら、今度は異星人との交流を描いたハートフルなSF要素が強かったように思います。ただ、前作の伏線をしっかり回収していくあたり、やはり面白い。次の3部目を本日から読みます。
Posted by ブクログ
「星を継ぐもの」の続編とは言うものの、まあそこまで繋がってはいないんだろうと勝手に思っていた。舞台がサラッと数百年、数千年飛んだりするのかな、と。
が、めっちゃめちゃ繋がっていた!
というか、前作でチャーリーが見つかり、ルナリアンの存在が研究され、巨人もいたのでは…という、全てが研究と想像で語られていた、正直なかなか内容が難しくて理解が大変だったのに、今作ではなんとガニメアンそのものがドドンと登場!色んな秘密がガンガンわかってくる!
ひえ〜!話が全然変わってくるよー!というか全然変わった。前作に比べて、圧倒的に会話シーンが多いため、とても分かりやすい。というか分かりやすすぎて、理解する前に読み進めてしまいがちだった。結果としてあんまりわかってない可能性が結構ある。
このガニメアンはミネルヴァから出発した一団だったが、船の故障など何だかんだあって、放浪してる内にものすごい時間が経ってしまって、そのうち地球で人類が生まれ、宇宙に出るほど技術が発達してしまった。なので、ミネルヴァはもうないし母星の人々はどこに行ってしまったのだろうという謎が一応残っている。
でも前作に比べると、やっぱりガニメアンそのものが存在しているというのが強力すぎて謎解きよりも、異星人との交流がメインとなっているSF。
前作にも出てきたキャラクターたちが調査をしていたら、普通にガニメアンたちの調査船と遭遇し、一触即発かと思いきや、有能すぎるAIのおかげもあって意思疎通がサクサク進み、宇宙服越しではあるが地球人側の宇宙船でエンカウントまで済ませる。ガニメアンの宇宙船はだいぶボロボロだったので、まずはガニメデで修理をしようということに。
そこからはもうノンストップで交流が始まり、どんどん仲良くなっていく。あれ、このまま定住の流れ?
8フィートの身長をもつガニメアン。フィートだからピンとこないが、2.4mと言い換えると一気にデカさが伝わる。
見た目は想像するしかないが、体に鱗があったり角質化しているということで、岩っぽい見た目と想像している。だから、後半で地球に来て交流しているときに、目の前に来られると普通に怖くてみんな黙ってしまうというのがリアル。でも子供が気にせず握手を求めてそっからみんな慣れていくというのもまた良い。
そんな強そうな見た目のガニメアンは体の構造上、ちょっとした怪我で死ぬ。なのでめちゃめちゃ慎重で、更に怪我を防ぐために鱗や角質化された皮膚を持つ。そのために闘争心もない。闘争して怪我をしたら死ぬから。
軽い怪我で死ぬので争いなんてもってのほかなため、本能的に危険を避けようとする。だが地球人は山登りをし、飛行機から飛び降り、そして戦争をする…
だが、地球人は怪我しまくり、死にまくりではあるが、肝心なのはこの「危険と争う」という姿勢で、困難と戦って打ち勝っていること。
分からないことがあったら全力で解決しようとする、これが人類の発展の速度にも影響する。
ガニメアンは慎重だから、科学力がここまで発展するのにものすごい時間がかかった。が、地球人は数百年前には科学の字もなかったのに、今では宇宙を目指している。尋常なスピードではない。
このスピードの差がわかってきたガニメアンは、今はお客さんとしてチヤホヤされているが、近いうちにすぐ地球人はその存在に慣れ、色々と問題が生じてくることを予見し、去っていくことに。賢いけど悲しいなぁ。
しかし、タイトル通りの「優しい巨人たち」であるガニメアン。優しすぎて、地球人がなんかやらかさないか心配で仕方なかった。というか、絶対これ後半で地球人がテロとか誘拐とか殺人とかそういうのをガニメアンにやらかしてガニメアンたちが宇宙に逃げていくとか、絶望的な終わり方をするとかそういう流れだろ!って思ってずっと勝手にハラハラしていた。
結果的に、ガニメアンたちが地球人の暴力的な歴史や性格を発見し、ちょっと不穏なところはあったものの、地球人たちは平和な交流をしたし技術力が格段に上昇したし、ガニメアンはそもそも宇宙船が直って生存できたし、元のミネルヴァのガニメアンたちが移住した星の手がかりがわかって完全に両者得るものしかなかった。
ガニメアンの使っているAIであるゾラックが結構メインキャラクターしている。最初は英語や地球の文化、科学の勉強を始めたところでたどたどしい話し方だったのが、後半ではもうジョークも普通に使い始めるわ、これまでの研究の情報から新しい仮説をガンガン導き出したり、ハントがこういうと思ったから、と勝手に人の会話を録画してたりと好き放題。
これはいなくなったら喪失感すごいぞ。
さて、続きの「巨人たちの星」を読むか。これはきちんと続いているのか、今度はやっぱり数万年後とかになるのか…?
Posted by ブクログ
「皆、脳障害を持っているのですか?」
いやもう、めちゃくちゃ面白いやん!
これぞSFって感じです
どうだぁ!SFだぞぉ!って感じです
公園で肩叩かれて振り向いたらコートをバッて開いてSF見せられた感じです!(絶対その感じじゃない)
SFって要するに科学的知見に基づいた”デタラメ”のことなんですよね
この”デタラメ”をいかに大真面目に語るかがSFの面白さを左右すると言っても過言ではないわけです清少過言(いらないやつ)
で、ホーガンの”デタラメ”と言ったらとんでもないレベルなんですが、もう真顔で言うもんだから近い将来現実に起こりそうな感じもしてきちゃうんです
ホーガンの真顔知らんけども
はい、本作は名作『星を継ぐもの』の続編になっております
前作の最後で(あ、ネタバレ)二万五千年前に姿を消した超高度な文明を持った知的生命体の存在を発見した人類ですが、ななんとなんと今作ではその知的生命体ガニメアンと遭遇しちゃうんですね
簡単に言うと二万五千年前に飛び立った宇宙船が時空の歪みみたいなとこに入り込んで中では20年しか経ってないけど、外では二万五千年経ってたっていう
んなアホな!
そんな都合のいい話あるわけいやあるんです!それがSF!
そして冒頭のセリフはガニメアンのひとりが人類を見てポロッとこぼしたひと言
ガニメアンには人類がいくつもの国を作って、争い合うのが理解できないんよ
「え?こいつら全員頭おかしいの?」ってわけ
その力もっといいことに使えよっていう
で、なんでこういうひと言が出てくるか?ってのは人類の起源に関わってくるんだけど、その説がめちゃくちゃ面白いんよ
もちろん超”デタラメ”だけどね
Posted by ブクログ
異星人との交流を中心に描かれている。
そのため未知の謎を解き明かすという点では前作に一歩劣るが、少しづつ事実が明らかになっていくワクワク感は今作でも楽しむことができた。
特に終盤のハントとダンチェッカーの会話での答え合わせパートには驚いた。
今後の展開も気になる。
Posted by ブクログ
星を継ぐものシリーズの二作目。
ものすごく面白かったです。
わくわく興奮するだけでなく、心がきゅんとする感動までさせられました。
次作もその次もまたその次の作も予約しました。
届くのが待ち遠しくて、最近は夜空ばかり見上げてます。
すっかり宇宙の虜。
Posted by ブクログ
前作ほどのインパクトはないものの、前作にはなかった異星人との接触はかなりのワクワクを覚えた。徐々にコミュニケーションを取る中で、自分もガメニアンたちに対して愛着がわいてきた。
2025年の現代人の視点からすると、ゾラックみたいなAIは割と近いところまでできているので驚かないが1980年代からすると想像もつかないものだったのだろう。未来を描いたSFはこういう答え合わせができるのも面白味の一つだと思う。
ミステリー部分に関しては前作よりも少し無理があるように感じた。まず動物が体内で毒素を作って自己免疫を獲得するというのはちょっと考えられない。普通に中毒になって死んでしまう。あと二酸化炭素への耐性というのも特に人類は持っているわけではないと思う。人類も二酸化炭素中毒になることはある。謎解きに関しては前作の方がスマートだった。
でも続きは気になるので巨人たちの星まで読もうと思う。
Posted by ブクログ
「巨人たちの星」シリーズ第二作目
冒頭での問題に対して、衝撃的な解を出して締めくくった前作...。
舞台は地球から宇宙へ、登場人物(?)も人類から人類+異星人へ、スケールアップして
前作で解決しなかった問に対してピースが埋まっていく今作。
今作も凄く面白いですね。
人類とガニメアンの性格差から来る会話もユーモラスですし、登場する仮説や理論も
なるほど...と思わされ凄く興味深いです。
物理学や生物学に明るくない私からすると、どの説明がリアルでどの説明がフィクションかが、見分けられないほどどれもリアルで、これがSFの魅力か!と情報を叩きつけられます...。
次作で一旦完結らしいので、凄く楽しみ!
Posted by ブクログ
星を継ぐものシリーズの第二弾
人類初の異星人との邂逅を果たし、お互いの文化を知って行く。二つの種族は親睦を深めるが、ガニメアンには思うところがあり、あるかもわからない故郷を再び目指していく。
展開は早く進み、地球で過去に起きた衝撃の事実も明らかとなる。
前作ほどのインパクトはないものの、面白いかった。
Posted by ブクログ
異星人との接触がものすごく自然に進むのだけれどどうなんだろう。
異星人の存在がわかったタイミングで、当の異星人がが帰ってくるのも都合が良すぎる気もする。
前作と違って、生物学的な論理を弄り回して少し眠かった。、
Posted by ブクログ
星を継ぐもの続編。今作も読み解くのに時間を要しました。。1作目では2人の叡智が導き出したホモサピエンスの起源がかなり衝撃的でしたが、本作で明らかになる地球人・ガニメアン・ルナリアンの起源、関係性もかなり衝撃的でした!異星人であるガニメアンとの交流パートも面白かったのですが、本シリーズはなんと言っても探求パートの濃密さが桁違いです。エピローグで地球が受信するメッセージも中々の衝撃。続編が気になるラストでした。
しっかし、本シリーズはどこからどこまでが虚構なんだろ。。全部信じてしまいそうです笑
Posted by ブクログ
「星を継ぐもの」の続編。
続編ではガニメアンたちが地球人の前に姿を現す。一方、木星の惑星ガニメデで発見された2,500万年前の宇宙船には地球原産の動物が。
彼らと地球との関係は?2人の天才科学者が謎解きに挑む。一気読みの面白さ
Posted by ブクログ
人類がガニメアンたちの進んだ科学技術に接し、さらに進化の謎が解かれていく。ガニメアンたちの進化の過程も興味深い。ただ、免疫系と二酸化炭素を無毒化するメカニズムの関連性が難しかった。
Posted by ブクログ
「星を継ぐもの」の続編。
前作出てきたガニメアンたちとの突然の邂逅とそれからの話だった。
遺伝子的な影響(攻撃性を持たない)もあってか、ガニメアン達は地球人達に終始友好的だった。
地球人達も同じく戸惑いこそあれ、ガニメアンへは友好的な描写ばかり。それが少し気になった。
ガニメアンを排除すべき、というような勢力が普通はあるべきでは?描写されなかっただけなのか?地球人達への賛歌ばかりで、正直いやいやそんなことはないだろうと思ってしまうこともあった。
映画の「エイリアン コヴェナント」と「プロメテウス」はこの小説をオマージュしているのだろうか?異星人が巨人であること、地球人を作ったのが異星人だということが同じだった。
本を読んでガニメアンが好きになったので、最後に希望があってうれしかった。次作はおそらく巨人の星での話になるのだろうから楽しみ!
Posted by ブクログ
ついに未知との遭遇。未来の科学技術を夢のように想像しながら書いたんだろうなあというのが伺える。
挑む謎は、なぜミネルヴァからガニメアンや動物はいなくなったのか、どこかへ移住したのか、これもまた科学知識を駆使してものすごい答えが用意されている。
星を継ぐもの、というタイトルの回収ももう一歩踏み込んでしている。