池央耿のレビュー一覧

  • 指差す標識の事例 下

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    やっと読み終わった。。読み終えるのに読者にかなりの忍耐力を要することになる、と作者が言っていたそうだが正に。「月長石」が類似作に挙げられてるけど、月長石はこういう忍耐は要らなかったな。

    イギリスの歴史や宗教宗派に馴染みがないことも理由かも知れないが、それだけではない。最初の語り手コーラはいいとして、2人目と3人目がまあ何というか好きになれない。何で誰も彼も引っ叩く。。。耐えて読み進め(謎は気になる特にコーラが)、それを乗り越えた先にウッドが居てくれてよかったが、何しろ疲れ切っててちゃんと読めない。ウッドごめんよ。ザーッと読み飛ばして、終わってから読み直しました。

    最後まで意味わからないジョ

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    2022年02月03日
  • 二都物語(下)

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    18世紀末のロンドン・パリを舞台にした、世界中で読み継がれている傑作であるが、個人的にはそこまで良いとは思えなかった。なぜならば、各人の行動原理がどうにも理解できなかったからである。とくに理解不能なのは名もなき民衆たちで、もちろんフランス革命の熱に浮かされていて正気ではいられないという理窟はわかるのだが、どうにも胸にストンと落ちない。しかも、その民衆が随所に登場して、時には重要な役割さえ果たしている。そのような調子ゆえ、物語じたいも素直には吞み込めず、読み進めることにだいぶ難儀した。また、物語の展開じたいにも理解しがたい部分があって、最終盤のミス・プロスが誤ってマダム・ドファルジュを殺してしま

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    2022年01月15日
  • 二都物語(上)

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    18世紀末のロンドン・パリを舞台にした、世界中で読み継がれている傑作であるが、個人的にはそこまで良いとは思えなかった。なぜならば、各人の行動原理がどうにも理解できなかったからである。とくに理解不能なのは名もなき民衆たちで、もちろんフランス革命の熱に浮かされていて正気ではいられないという理窟はわかるのだが、どうにも胸にストンと落ちない。しかも、その民衆が随所に登場して、時には重要な役割さえ果たしている。そのような調子ゆえ、物語じたいも素直には吞み込めず、読み進めることにだいぶ難儀した。また、物語の展開じたいにも理解しがたい部分があって、最終盤のミス・プロスが誤ってマダム・ドファルジュを殺してしま

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    2022年01月04日
  • 失われた地平線

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    フランクキャプラ監督の映画をみてすぐに原作を読んでみた。登場人物のコンウェイとチャンは同じ名前ながら、若い領事館マリンソン・当方伝道会のミスプリンクロウ・指名手配の詐欺師アメリカ人バーナードとなっている。映画が原作を丁寧になぞってつくり、シャングリラの描写も誠に綺麗にできていることを感じた。原作では大ラマ僧との対話そしてマリンソンとの口論をメインに挿げられているが、逆に原作ではなぜコンウェイがマリンソンと一緒に青の谷を脱出することを決意したのか明瞭な理由がない、プロローグとエピローグも映画のほうが丁寧に描写されていた。原作でようやく理解できたのが、シャングリラを認めずなにが

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    2021年11月26日
  • 指差す標識の事例 上

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    帯に、「薔薇の名前xアガサ・クリスティ」とあって手にしたのだが、今のところ両者の印象となるようなことはイギリスとイタリアくらい、あるいは殺人と聖職者というくらいか。
    どちらかといえばウィルキー・コリンズの白衣の女とか月長石、バジル、なんかを思い出させる。
    さて、後半はいかに。

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    2021年11月24日
  • 南仏プロヴァンスの25年 あのころと今

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    2018年に亡くなった12か月の著者の絶筆。
    25年経っても相変わらずのプロヴァンスの季節と時間を感じる文体。
    カフェでロゼを飲みながら読みたい

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    2021年09月27日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    1663年、クロムウェルによる護国卿政後の王政復古時のイングランド、オックスフォードで大学教師が殺害された。その殺害に関する手記が綴られる。

    まず初めにヴェネツィア人医学生の手記が提示され、それに対する反論に近いものが第2(性格の悪い苦学生)、第3(教授であり偏屈な暗号解読者)、第4(歴史学者)の手記が出されていく。

    面白いのは各手記によって翻訳者が変わること。これにより手記それぞれに翻訳された文体がガラッと変わる。

    個人的にはミステリー部分よりも当時の社会風俗を楽しみながら読んだ。医術に占星術を絡めたり、ヴェネツィア人にとって味もマナーも最悪なイギリスの食事、土地の所有と相続の問題、権

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    2021年06月27日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    解決編である4章は面白かった。ここだけで言えば星4つ。ただ、3章はつまらない。2人の人物の視点で、2章構成にした方が面白かったのではないだろうか?全体を通しても冗長で飽きてしまった。
    ただ、当時のイギリスの様子がわかったのは勉強になったし、何よりサラが報われて良かった。

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    2021年05月09日
  • 指差す標識の事例 上

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    ネタバレ

    翻訳物にありがちだが、登場人物が多く、特徴もさほどないので区別が難しかった。
    1章は悪くなかったが、2章は退屈だった。

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    2021年05月09日
  • クリスマス・キャロル

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    クリスマス・キャロルとはクリスマスを祝う歌のこと。1843年に出版された中編。タイトルからてっきりクリスマスを祝う温かい家族の話を想像したが、実際は守銭奴であるスクルージという男がクリスマスの精霊からその冷酷さを説法されるという物語だった。クリスマスの精霊は三体現れて、それぞれ過去、現在、未来のクリスマスの風景をスクルージに見せる。精霊は喋らず、ただ無言でスクルージに彼の姿と、彼に関わりのある者が彼のことをどう思っているのか見せつけるのだ。このスクルージは商人で、クリスマスを祝いに来た甥を「おととい来い!」と追い返すなど、およそ人の心の温かみの無い人物。そんな彼が本当に悔い改めて変われるのどう

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    2021年03月14日
  • 指差す標識の事例 下

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    人物解説が後ろについているが、読み終わってから主要登場人物の多くが実在の人だと知ってびっくり。ボイルとレンくらいしか知らなかった。人物解説と時代背景は最初に読んでおけばよかった。
    同じ出来事を4人の視点で描き、前の著者の思い違いや嘘が次の手記によって覆されるのが楽しいし、同じ人物が別の視点から見るとまったく違う印象を受けるのも面白かった。しかし当時のイギリスの政治事情や宗教観に疎いこともあり、どうしても冗長に感じて読み通すのはかなりしんどかった。
    とりあえず最後まで読んでよかったけど、私には難しすぎたかも。

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    2021年02月19日
  • 指差す標識の事例 上

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    王政復古時代のイングランドを舞台にしたミステリというか歴史小説。
    ある毒殺事件を巡って4人の記述者が物語ってゆく。
    第1部では医学を学んだイタリア人の視点で事件が語られ、第2部では第1部に登場した別の人物の視点となる。二人ともあまり好感の持てるキャラクタではないのと、当時の政治事情が錯綜しているので、特に第2部はなかなか読み進めなかったが、第1部では隠されていた事実が明らかになっていくところは面白かった。
    ボイルの法則のボイル氏も登場して、当時の科学事情が描かれているのが興味深い。
    下巻でどんな展開を見せてくれるのか楽しみである。

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    2021年02月12日
  • 指差す標識の事例 上

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    ようやくという想いで上を読み終えた。コーラの手記は医薬の歴史の周辺状況も加わってなかなか面白かったが、「大いなる信頼」の語り手は枝葉末節しかも小難しくこねくり回し過ぎてついて行けず。何度も気を取り直して読み進めた。翻訳家の力❔東江さん、原文の直訳しすぎでは?下巻に期待。

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    2020年12月19日
  • 南仏プロヴァンスの12か月

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    プロヴァンスブームの火付け役となったエッセイ。1990年ごろは映画や雑誌などあちこちでプロヴァンスが取り上げられていてだいぶチャラいイメージがあったのですが、須賀敦子が書評でとりあげていたので、どこにもgo toできない今、気分だけでもと読んでみました。

    イギリスで広告の仕事をしていた著者が何度か旅行して憧れていたプロヴァンスに移住し、最初の一年間を綴っている。この観光客でもなく、地元民にもなりきっていないという距離感のある視点がちょうどいい。

    期日のまったく守られない工事、予想外に寒い冬など、苦労話もあるものの、基本的にはマイペースかつ堅実なプロヴァンス人たちとの交流が楽しい。これは著者

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    2020年10月03日
  • 指差す標識の事例 上

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    コーラの手記のほうは理解できたけれど、プレスコット(東江さんの方)難しい。でもなぜ、東江せんせい…そっちの方が気になって。

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    2020年09月21日
  • クリスマス・キャロル

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    ブンガク
    かかった時間90分

    光文社古典新訳文庫を古本屋で買ったので読んでみた。なんだかちょいちょい買って読んでしまう「クリスマス・キャロル」だが、マーレイって結局なんなの?とか、なんでスクルージああなったのか、とか、改めていろいろ疑問がわいて面白い。ちなみに訳者はものすごくスクルージを好意的に見ていて、よい。

    クリスマスであるというだけで全てが幸せに包まれる、なんて、今はないよ…と思ったが、ディケンズの時代はすでにそれが、失われつつある文化であったらしく、「素敵なクリスマス」へのノスタルジーというか、もっといえば願いみたいなのがあるからこそ、あんなに、これでもかというほど幸せな描写なのか

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    2020年07月04日
  • 南仏プロヴァンスの25年 あのころと今

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    もう25年も前なのか! ピーター・メイルの南仏ブーム。憧れを募らせたものだ。
    2018年に亡くなった著者の遺稿で、その間のいろいろを軽妙につづる。レジオンドヌール受勲や、リドさまによる映画化のエピソードにも触れ、楽しい。
    エピソードや描写の素晴らしさを際立ててるのが、池央耿さんの翻訳だと思う。「矍鑠たる」「踝」「按排されて」など、カチッと漢字を多用してプロヴァンスの豊かな自然を描写するってのが、イギリスからの移住者の視点という雰囲気を醸すおもしろさよ。ちょっと林望先生ぽいつーか。
    メイルの新作が読めないのは残念だけど、いつか行ってみたいな、フランスの南部へ。

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    2020年02月12日
  • クリスマス・キャロル

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    人生で大切なものとは。真の幸せとは。お金や善意や家族をクリスマスに起こる奇跡で問う。
    わかりやすく先が読めそうなあらすじが故、細やかな部分を読み飛ばしてしまいがちになる難解な文章が実は味わい深いんですよね。
    7年前に他界したマーリーが登場する必然性が弱い気がするのは深く読めていないからでしょうね。最後でのスクルージのはしゃぎようが爽快です。

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    2020年01月18日
  • パイド・パイパー 自由への越境

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    第二次大戦初期1940年、空軍パイロットの息子を亡くしたハワードは寂しい心を紛らわすため、前にも訪れたフランスの片田舎に釣りの旅に出かけた。
    しかし戦局は風雲急を告げ、そんな時、国際連盟に勤めるイギリス人夫婦から二人の子供をイギリスに住む親類の家まで連れて帰ってほしいと頼まれる。
    不安を覚えながらも、引き受けることにし、老人と幼い少年少女の三人旅が始まったが、戦局の悪化とともにアテにしていた列車は思うように動いてくれない。行く先々で人の親切に助けられながら危機を脱出するものの、色々な事情からイギリスに連れて行く子どもの数も増えていく…
    果たしてハワードと子どもたちは無事にイギリスに帰れるのか?

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    2018年10月15日
  • ウィンブルドン

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    40年ほど前に書かれたウィンブルドンを舞台に企てられた犯罪を描いたミステリー。
    五年くらい前からテニス観戦にはまった身として試合中の心理描写はとても楽しかった。
    ただ、ミステリーとしてはそんなに大した仕掛けも感じず、途中から単調に感じた。

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    2018年07月30日