池央耿のレビュー一覧

  • 星を継ぐもの

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    ネタバレ

    初めての本格SFでした。
    5万年前の死体「チャーリー」が発見され、疑問が優秀な科学者達から噴出し、百家争鳴状態となるも、ハントがすべてをつなぎ合わせ、謎が解ける。
    ハントがこれらの謎を解くに至った場面は、「ガニメデ」から木星を見たときでした。月の5倍の大きさで様々な色を発して輝く木星、大きな感動から心が無の状態になり、唐突にチャーリーの心情に至り、そして…。この部分の表現は素晴らしかったですね。
    さらに、ここでやや鼻持ちならないキャラとして描かれていたダンチェッカーが、最後の謎たる人類の起源について解明する。最後は素晴らしいキャラとなってましたね。
    エピローグではその裏付けとなる場面が登場。ル

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    2025年11月30日
  • 指差す標識の事例 下

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    歴史の転換期に立ったイングランドを舞台に、多数の実在の人物を壮大なフィクションの世界に引きずり込んで繰り広げられる謀略の物語。上巻で積み上げられた謎を下巻で解き明かしていく構成で、正直、上巻はかなり忍耐力が必要でした。

    書物と宗教的背景が絡んでくるためウンベルト・エーコ『薔薇の名前』が引き合いに出されていますし、「犯人探し」の体裁を取ってもいますのでクリスティも言及されています。が、おそらく読書子各位はそれが作品を皮相的に捉えただけの惹句であろうことを、早々に見抜いた上で読み進められたことと思います。

    そういう意味では、クリスティもエーコも「レッド・ヘリング」だったと言えるかも知れませんね

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    2025年11月24日
  • 星を継ぐもの

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    1977年に刊行された名作と言われているSF。こんな面白い小説があるんだと感動しました。「星を継ぐもの」というタイトルの意味の深さ。

    あらすじとしては、書かれた当時からすると未来である2027年頃、月で宇宙服を着た遺体が発見されたが、それがなんと5万年前のもので、生物学的に人間と全く変わらない事がわかる。その頃の人類は石器時代のはず。この謎を調査し、驚天動地の事実を解明していく過程を綴った話です。主人公やそのライバル(後で仲間になる、その過程の描写も良かった)が、調査した結果を口頭やレポートて報告する場面が多く、巻末の解説にもあったが、謎解きミステリー要素も強いです。読者も謎を一緒に考えてい

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    2025年11月18日
  • 巨人たちの星

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    ネタバレ

    序盤(テューリアンと接触するまで)は、どの通信がどこからのどういう性質のものなのかというのが結構複雑でイメージし辛く、なかなか読むのに時間がかかった。テューリアンと接触してからはイメージしやすくなったため、面白さも増した。
    三部作の第三作ということで、前の二作とは変わって異星人の政治事情や戦いが中心となっている。そしてガニメアン、地球人、ジェヴレン人の3つの人種の因縁の決着がつく。
    テューリアン、シャピアロン号のガニメアンたちと地球のハントたちが惑星の距離を隔てて共闘する様は緊迫のシーンもあって面白いし、ジェヴレン人のスパイであるスヴェレンセン邸に乗り込むシーンと寝返ったヴェリコフの活躍も良か

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    2025年10月28日
  • 巨人たちの星

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    シリーズ第3作。

    すごく面白かった。3作の中で一番良かったかも。
    前半は謎解きもあり、途中はスパイ映画みたいな感じもあり、終盤は宇宙戦艦ものみたい。科学技術の描写はこれまで以上でした。
    40年以上も前に書かれたSFとは思えない。

    ソ連がまだ存在するのはご愛嬌です。

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    2025年10月20日
  • 星を継ぐもの

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     月面で5万年前に亡くなった、宇宙服をまとった人間の死体が見つかる。彼はなぜそこに居たのか、彼と我々は同じ種なのか?
     広大な宇宙と、悠久の時を舞台に、科学者達が壮大な謎を解いていく。

    【感 想】
     1977年発表の作品で、2029年を舞台にしている。時代が作品の世界に追いついたこの時期に読んだことで、よりロマンを感じさせられた。

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    2025年10月11日
  • 星を継ぐもの

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    月面で見つかった深紅の宇宙服を着た死体はなんと5万年前に死んでいた。

    この謎を解明すべく多種多様なエキスパートが時に反発、時に協力しあい死体の正体、そして誰も知らなかった入り組んだ真相を徐々に紐解いていくサイエンスフィクション!

    SFといったらこの本!ということだったので手に取ってみましたが、専門用語やらよく分からない単語やらが多くて「読破できるかこれ?」と思ってましたが無事完走。

    読みながら、日本語でも難しいのに翻訳した人すごいなぁと思いました。

    続編読みたい、真相を知ったうえでもう一度読みたい!と思えるような作品でした!

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    2025年10月07日
  • ガニメデの優しい巨人

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    ネタバレ

    前作がとても綺麗にまとまっていて単体で面白かったので続編はどうなるのか気になっていたが、さすがに前作ほどのインパクトはないものの元々続編の構想もあったのだろうなと思うような内容でとても面白かった。前作で登場したガニメアンと地球人の出会いと交流、人類起源の謎が中心。
    異星人ガニメアンが争いの概念を持たない温厚な人類で、そうなった理由ももっともらしく説明されているため納得感があり(実際どこまでありえる話なのかは知らない)面白い。最初の対面から地球訪問まで、具体的に場面が想像できて楽しい。
    人類の攻撃性を理解できないガニメアンたちだが、実は自分たちの介在のせいだと知り去っていくのが切ない。でもラスト

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    2025年10月04日
  • ガニメデの優しい巨人

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    シリーズ第2弾。

    今回は、いきなり異星人と接触し、異星人との交流?の話となる。この異星人は生存競争のない中で進化したために、争いとか競争を知らない。これは作者の強烈な皮肉に感じる。

    宇宙船のコンピューターが、今のAIを発展させたような感じなのだが、人に気を利かせるところもあっておもしろい。

    最後に人類の紀元に関する驚きの考察が話される。

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    2025年09月28日
  • 星を継ぐもの

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    序盤はいかにもSFって感じで個人的にはちょっと退屈していた。あなどっていた。真実までたどり着く過程(とくに後半)があまりにも面白すぎた。本著で書かれた人類の秘密を、ひとつの正しい科学的知識としてうっかり人に教えてしまいそう。

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    2025年09月16日
  • ガニメデの優しい巨人

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    ネタバレ

    ヴィクターハント博士含め、これまでも登場人物は皆現実的でありながらとても魅力的だったけど、ガニメアンという異星人の設定がこれまたとても素晴らしくて、人類に対する皮肉っぽくもあり、最後にわかる事実を知るとただ「優しい巨人」と思っていた時が懐かしくなってしまうような…相変わらずSFだけどミステリー作品の味が強くて、続編もとても楽しみ。謎を少しずつ解明してくれて、ホーガンに弄ばれている〜!

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    2025年09月12日
  • 星を継ぐもの

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    宙わたる教室のなかで、SFの名著として触れられていたのをきっかけに読んでみた。
    気のせいではなければΖガンダムでも同じようなコピーが使われていた気がするのだが、ガンダムとは全く関係なかった(当たり前か。というか僕の無知というわけで。。。)。
    ハードSFとはなんだ?とも思ったのだが、本書を読むと理解できた。科学的知識っぽい(その正確さは判断できないのだけれど)内容が様々提示され、それを組み上げて人類の起源にまで迫る内容で、読み応えがあった。
    確かに名著であった。

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    2025年09月07日
  • 南仏プロヴァンスの25年 あのころと今

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    南仏プロヴァンスの12カ月
    昔夢中になって読んだ
    ワクワクした思いでがある
    作家のピーター・メイルは亡くなったんだ
    この本で知った
    その後のプロヴァンスでの暮らしが
    生き生きと描かれていて
    やはり楽しく読んだ
    フランス人の特徴や田舎の悠々とした暮らし
    自然とともに ワインとともに

    あくせくせずに生きていきたいな

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    2025年08月30日
  • 星を継ぐもの

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    ネタバレ

    本当に面白かった!
    月面の遺体チャーリーの謎を巡り、様々な分野の技術者たちが集結して議論し前進していく過程が面白く、続きが気になり夢中になった。
    自分に知識が無いためどこまでが事実でどこからが創作なのかがよく分からず、それゆえにより現実味というか納得感があったのかもしれないとも思う。月がすごい距離動くって実際にはありえないのかもしれないけど、なるほど!と思わせられた。
    人物描写的なものが少ない中、最初険悪だったハントとダンチェッカーが互いの意見を重視するようになっていく点も良かった。

    ハントがガニメデに降り立って木星を見て、真実に辿り着くシーンが好きだった。あとラストのハント→ダンチェッカー

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    2025年08月23日
  • 星を継ぐもの

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    ネタバレ

    面白かったSF謎解き
    仕掛けがかなり壮大なものの、言われてみたら確かにそれしかない!っていう衝撃
    少しずつ真相に迫るんだけど、近づくたびに矛盾が出てきてどうやって解決するんだと思ったら、なるほど!な解決で本当によかった!
    後半読む手が止まらない
    もう一回読みたいな

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    2025年08月21日
  • 南仏プロヴァンスの25年 あのころと今

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    原著は2018年刊、ピーター・メイルはその年に亡くなった。享年78。
    語り口は昔と変わらず。訳者も同じ。懐かしい。とくに最初の頃の、家を買うまでの紆余曲折のエピソードが興を誘う。
    タイトルに「25年」とあるけれど、プロヴァンスへの移住は1988年頃だから、「30年」? 最初のプロヴァンス本がベストセラーになって、観光客(とくに日本人とアメリカ人)が静かな村にわんさと押しかけた。それに嫌気がさして姿を消していたことがあった。その時期を引いてあったりして。

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    2025年08月10日
  • 翻訳万華鏡

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    ノンフィクションから、SFやミステリまでを翻訳する池央耿(1940-2023)。翻訳をめぐる書下ろしエッセイ。どの話も見かけは軽めだが、内容に重みがある。
    生涯の翻訳点数は170点ほど。翻訳家で生活できる(食える)かという問いにも答えている。答えはシンプル。生活できるものしか翻訳しない。確かに、生活するには、それしかないかな。
    翻訳したなかで会ったことのある作家は2人だけという。ひとりは『カッコウはコンピュータに卵を産む』のクリフォード・ストール。もうひとりは『南仏プロヴァンスの12か月』のピーター・メイル。えっ、そんなものなの。翻訳したからには、本人に会いに行くのが当然のように思っていたのだ

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    2025年07月26日
  • ガニメデの優しい巨人

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    前作に引き続き相変わらず読後感が気持ちいい。まだ謎は残ってるけど、それは次回に持ち越しか。作中で提示された数々の謎がピタッとハマる終盤、SFよりかはミステリーを読んでる感覚に近い。

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    2025年07月19日
  • 星を継ぐもの

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    地球の物理学、生物学、化学、地質学、天文学、言語学などの各分野のプロが協力して月面で見つかった5万年前の遺体を謎を解くハードSF。

    めっっちゃ面白かった。
    最初の20ページくらいはちょい重たいが、遺体が見つかってからはページを捲る手が止まらなかった。
    こんなの解決できないだろ…と思うような謎が次から次へと出てくるが、最終的にそれがピタッとハマって一つの真実に辿り着く瞬間がとてつもなく気持ちがいい。読後感もかなり良かった。

    読み終わってからシリーズものであることを知った。
    まだ4作品もあるの幸せすぎか。

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    2025年07月16日
  • 星を継ぐもの

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    壮大な物語に飲み込まれた。面白かった。
    月で発見された人類そっくりの白骨の正体を解明するため、優秀な科学者たちが奔走する。
    初めは、小難しい科学的な記述に辟易してたけど、だんだん解明されていく事象に好奇心を触発されて、逆にその論法に感心するようになって、SFの面白さがわかってきたような気持ちになる。
    主人公のハント博士、頭が良すぎて鼻持ちならん雰囲気を感じて、あまり好きじゃないなと思っていたけど、人類が初めて遭遇する大事件に携わって、その優れた感覚を存分に発揮する姿に、結局肩入れする自分がいる。
    やっぱり文学に遊ばれてるw

    次々に発見される前代未聞の事象、これがテンポ良く展開して、どんどん読

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    2025年06月13日