安西水丸のレビュー一覧
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あってもなくてもいいものってたくさんある。それでも気の赴くままに余計なものに手をつけていくと、人生のおいて小さくて確固とした幸せを感じることができる。村上春樹にとっての時計やジェーピングクリーム、Tシャツ、レコードのように。
村上春樹の文章だってあってもなくてもいいものばかりだけどその文章が多くの人に愛されているのだから、もっと私たちは余計なものを大切にしてもいいんだろうな
村上春樹の視界を描いたような挿絵からは、いろんな音や匂いも感じられて違う空間の日常を味わうことができた
全ての人が村上春樹みたいに余計なことを考え書いて生計を立てられるわけではないので、私は凡人として休日は余計だけど自 -
Posted by ブクログ
えっらい昔の話ですよ、コレ。
作者が35〜6歳の時ですよ。
国電なんて走ってますよ。
切符ですよ。
それでも変わらないものは変わらないし、真理は真理だし、村上春樹も安西水丸も面白いし、つまりいいものはいいって話。
「どんな風に書くかというのは、どんな風に生きるかというのとだいたい同じだ」p.35
「いちばんヤバイのが専門家の話、その次にヤバイのがかっこいいキャッチ・フレーズである。このふたつはまず信用しない方がいい。」p.38
「年をとってから思いかえしてみると自分がすごくはりつめた青春時代を送ってきたような気がするものなのだが、実際にはそんなことはなくて、みんな馬鹿なことを考えながら -
Posted by ブクログ
平松洋子の食べ物読み物に間違いはないけれど、この確固さたるや。
解説にあるが「食うという行為は、味うんぬん以前に、楽しい行為なのだということを知る。つまらなさそうに食べたら、すべてが台無し、楽しく食うことが一番なのだ」とあるが、それに尽きる。
どんな些細な料理や材料にもストーリーがある。それを丁寧に掬い上げてこの本は出来ている。簡単そうでなかなか奥が深い。だって通常はそんな些細なこと、人は記憶していないから。
丁寧に向き合う。生けるものを食すからにはそれが礼儀。なんてムズカシイことを言っているわけではない。それが自然なのだ、彼女にとっては。
そのお裾分けを少々いただく我らは襟を正して食事