安西水丸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
広告に添える程度の長さしかない。何せ本当に広告にちょっと付くオマケの文章だったのだから。村上春樹の超ショートショートと安西水丸のイラストの世界をお楽しみください。
象工場のハッピーエンドのタッグによるショートショート集、かつ安西水丸のイラスト集と言う感じ。さくさくさくっと読めます。この手の春樹は大体痛快、軽めのスラップスティックというか。渡辺昇や笠原メイが出てきたりするのからもわかる通りねじまき鳥執筆中の息抜きにひょひょいっと書かれたものみたいです。海亀の襲来とかドーナツ化とかドーナツ研究会とかつっこみどころ満載である。うーん春樹。実に春樹。個人的に「ストッキング」の終わり方が斬新でえっ!え -
Posted by ブクログ
最初のページを見たときに「え」と思った。
普通の文章ばっかりの本を想像していたら、本当にびっくりしてしまう。
安西水丸さんのイラスト、イラスト、イラスト。
それも子供の頃に垣間見た、50年代〜60年代の「アメリカ」を連想する様な、しゃれていて、それでいて片意地の張らないイラスト。
(でも書かれているアイテムは、森永のキャラメルだったりするんだけど)
村上春樹のショートショート(エッセイというよりなんかこういう感じがするなぁ)も、一遍一遍、レイアウトや文字のフォントやポイントが変わっていて、そのショートショートそれぞれの内容も全部関連ないし。
そして、安西さんのイラストとの関係も、「関係ない?」 -
Posted by ブクログ
○単行本:1983年12月
○文庫本:1986年12月
○分類:「素敵な絵と文書」の本
○私の偏見的感想
・安西さん、村上さんの名コンビが世に放った記念すべき第一作。
・あと書きによれば、画集を出すのがいやと言う画家と、エッセイ(随筆)を出すのが恥ずかしくていやと言う作家が、誰かと一緒だったら、相乗りだったらと思って出来上がった、引っ込み思案なお二人だからこその作品。
・安西さんのイラストは、雑な様で実は緻密で、相変わらず良い味出てますよね。(うふふ)
・村上さんの文書はエッセイと言うより、小品集という感じでまとまっています。(ご本人は否定するでしょうが、個人的には非常に朗読向きな文書 -
Posted by ブクログ
ネタバレ特に印象に残った箇所は以下の通り
・僕は高校時代にこのモームの文章を読んで「うーむ、人生とはそういうものか」となり素直に関心してしまった。それで大人になってバーのカウンターで働いていたあいだも、「どんなオン・ザ・ロックにも哲学はあるのだ」と思いながら八年間毎日オン・ザ・ロックを作っていた(p.67)
・「ウォークマン」は果たしてそこまで進歩する必要があったのだろうかという疑問を僕は抱いてしまう。そりゃひとつの機械が安くて小さくて便利になること自体にまったく異論はないけれど、引退した初代ウォークマンをじっと見ていると、「べつにこのまま進歩なんかしなくったってとりたてて不便はなかったんじゃないか」 -
Posted by ブクログ
村上春樹と安西水丸による、工場見学記。見学は1986年に行われている。見学先の工場は7つ。
①人体標本工場②結婚式場③消しゴム工場④小岩井農場⑤洋服(コム・デ・ギャルソン)工場⑥CD工場⑦アデランス
残念ながら、工場見学をして、それを村上春樹が文章を書き、安西水丸がイラストを書くという企画は、成功していない。この本を読んで、「面白いな」と感じるには、訪問した工場自体が興味深いものであることが必須だと思うが、7つの工場の選択が、あまり良い選択だったとは思えないのだ。
私個人の感想で言えば、「人体標本工場」「アデランス」は興味深かった。「へぇ~っ」と思うこともたくさんあった。「小岩井農場」は、農場