安西水丸のレビュー一覧
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もう四半世紀前に出た本です。安西水丸さんがお亡くなりになられてこういうコンビの本は、もう決して生まれないのだと思うといても立ってもいられなくなり買い求めました。工場見学ルポですが、例によってカラーイラストが散りばめられてパラパラ捲っているだけでも楽しい本。結婚式場の見学では、この頃の典型的な披露宴の例が載っていますがやはり時代を感じます。バブルの名残りがありますが、賑やかでこれもまた良さがあるなあと思ったりしました。最後のアデランスの会社や工場の見学は、あちこちで笑えました。村上さんの解説が可笑しいのかも…それにしてもこの頃は半ズボンを履いていた!とても若かった村上さんなのでした。
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Posted by ブクログ
表紙のシンプルさに、ガツーン!
海苔弁のシンプルさをダイレクトに伝えているわけだが、私のような素人が描こうとしたら、欲張って、どうにかして断面を見せようとか思ってしまうんだろうな…
もちろん、平松洋子さんの食のエッセイなのだが、1編ごとに安西水丸氏のイラストが載っており、それは文章との絶妙の相性を見せている。
一方、平松さんの文章の方といえば、この人の食べ物の描写はどこまで高みを目指すのだろうと驚く。
あらゆる食材を描いて、(いろいろ読ませていただきましたが)かぶらない。
そして、美味しさの描写もかぶらない。
たとえば、さんまの描写、『ぎらりと光る蒼い刀が並ぶ』
たしかに秋の刀の魚とは書く -
Posted by ブクログ
相変わらず平松洋子のエッセイは美味しい。しかも、このエッセイ集にはユーモアと蘊蓄もたっぷり詰まっている。安西水丸のイラストと共に綴られた食のエッセイ83編と文庫版のあとがきにかえて、平松洋子と安西水丸の対談を収録。
どのエッセイも絶品なのだが、最も関心したのは『かまぼこ板の美学』冒頭の“ちくわは穴を食べるものだと思う。”という一文。何と哲学的で深い視点であろう。
また、『奥州のぬか釜ごはん』で、岩手県奥州市の『農家レストランまだ来すた』が紹介されているのも嬉しい。平松洋子も胆沢区の絶品天日干しの新米の羽釜炊き御飯を味わったかと思わずニヤリ。次のエッセイ『ピーマンうどん』も同じ奥州市が舞台な -
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年またぎの一冊ということで、確実におめでたく幸せな一冊にしようということで、この本を再読しました。
もう、何回読んだかわかりません。文庫本もボロボロで、新潮文庫の象徴である紐のしおりも切れて短くなってしまってます。第九刷の文庫本でなんということはないのですが、僕にとっては宝物です。
この本は「週刊朝日」1985年4月5日号~1986年4月4日号に掲載されたエッセイで、なんと約28年前、僕なんか14歳の中学生だったわけです。それでいて、41のオッサンになって読んでも文章がみずみずしく楽しいのだから、流石は春樹ちんである。そして、このエッセイを読んで、僕の生活スタイルは結構細かいところでいろいろ