安西水丸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
えっらい昔の話ですよ、コレ。
作者が35〜6歳の時ですよ。
国電なんて走ってますよ。
切符ですよ。
それでも変わらないものは変わらないし、真理は真理だし、村上春樹も安西水丸も面白いし、つまりいいものはいいって話。
「どんな風に書くかというのは、どんな風に生きるかというのとだいたい同じだ」p.35
「いちばんヤバイのが専門家の話、その次にヤバイのがかっこいいキャッチ・フレーズである。このふたつはまず信用しない方がいい。」p.38
「年をとってから思いかえしてみると自分がすごくはりつめた青春時代を送ってきたような気がするものなのだが、実際にはそんなことはなくて、みんな馬鹿なことを考えながらたらたらと生きてきたのである」p.71
「抜け道の数が多ければ多いほどその社会は良い社会であると僕は思っている」p.80
「世の中には右から左に抜けていくだけの身につかない情報が余りにもあふれすぎてるんじゃないかと思うだけである」p.218
「若い人たちの傲慢さや無神経さって、それだけで独立して機能していて、権力に直接結びついていないから、そのぶんだけ若い人たちを相手にしているとホッとするのである。」p.272 -
Posted by ブクログ
平松洋子の食べ物読み物に間違いはないけれど、この確固さたるや。
解説にあるが「食うという行為は、味うんぬん以前に、楽しい行為なのだということを知る。つまらなさそうに食べたら、すべてが台無し、楽しく食うことが一番なのだ」とあるが、それに尽きる。
どんな些細な料理や材料にもストーリーがある。それを丁寧に掬い上げてこの本は出来ている。簡単そうでなかなか奥が深い。だって通常はそんな些細なこと、人は記憶していないから。
丁寧に向き合う。生けるものを食すからにはそれが礼儀。なんてムズカシイことを言っているわけではない。それが自然なのだ、彼女にとっては。
そのお裾分けを少々いただく我らは襟を正して食事(食材)に向き合おう。楽しく食べよう。
B級ならぬC級グルメあたりのレシピが簡単に載っている。
豚白菜をやってみた。美味。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうーん、いいですね。凄く良いです。村上さんの、エッセイと小説での振れ幅の大きさが、凄く好きですねえ。
小説は、こう、ガンガンに身につまされる感じが、します。
エッセイは、こう、お気楽極楽ノホホン、って感じが、します。
あんなでえれえ小説を書く御仁が、お気楽極楽ノホホンなだけの人生を送っている筈がない、とは思うのですが、村上さんのエッセイのこのユルさは、凄いなあ。エッセイが、こんだけユルいからこそ、あんなに引き締まった小説を書くことができるのかな?とも、思う次第ですね。
でも、このエッセイも、凄くこう、ノホホン路線なんですけども、きっちりとドギツイ事も書いていたり、すげえ真っ当な「怒り」みたいなもんも書いている。でも口調はあくまでもノホホン。その感じが、とても好きですね。村上さんの、世の中の捉え方が、好きなんだろうなあ。自分には、とてもシックリとくるんだろうなあ。
なんだか凄いな、って思うのは、村上さんが、あとがきで書かれているのですが、このエッセイの連載を続けながら、その間に、あの、すげえシビアなノンフィクション「アンダーグラウンド」を書き上げるためのインタビューを、同時進行で続けていたのですね、当時。
こんなに(いい意味で)チャランポランなエッセイをガンガンに書きつつ、あの超どヘヴィーな「アンダーグラウンド」を作品として発表するための準備を、着々と進めていた。その、村上春樹の、二面性よ。素晴らしい。素晴らしいなあ、って思うんですよね。
この人の発する言葉は、どうしても、自分の心を打つのです。そんな事を感じられる作家に出会うことのできる喜びってのは、全くもって素敵なことですよね。
ちなみに、自分は、タモリさんの事は全く知らないですし、テレビをほとんど見ないので、タモリさんの出ている番組もほとんどちゃんと見た記憶はないのですが、村上春樹のエッセイは、タモリにとっての「タモリ倶楽部」みたいなものか?とか思う次第です。
とてつもなくくだらない事を、ちゃんと追求して、面白さが一番の根本にありつつ、他の誰かの気持ちをホワッと幸せにして、本人もとにかく楽しんでいる。そんな夢のような素敵な相乗効果。そんな村上さんとタモさんの共通点みたいなものを、なんだか、フワッと感じるのですよね。
「タモリ倶楽部」を、ちゃんと見たことが全くないので、あくまでもイメージだけでの話なのですが。いやしかし、「空耳アワー」は、間違いなくウルトラ好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「村上朝日堂」を読む前に、一応の続編?であると思われる、こちらから先に読んでしまった、、、しまった、とか思ったりもしたのですが、多分、大丈夫っぽいです。なんせ村上さんのエッセイは、いついかなる時にどんな順番で読んでも、抜群に面白いのですから、という事を、わかりやすく教えて頂ける作品かな、と。
すげえ大したことない内容だと思うんですが、それでも、抜群にこう、面白い。1986年のエッセイなのに、2020年によんでも、普通に面白いし、全然古びていない(ように感じられる)のは、いったいどーゆーこっちゃ?って思うんですよね。世の中の流れは、すげえスピードで、変わっていっていることは、間違いないでしょうに。
ということは、アレか。村上さんは、こんなにも何の変哲もない言葉で、人類普遍のなにかを、アッサリと書いちゃっていたのか?みたいな事を考えたりもする、のですが、ホンマにもう、大したことない内容だと思うのですが(途轍もなく失礼な言い方ですみません)、それでも抜群に面白いです。いやもうホンマですこれは。すっごいよなあ、村上さん。