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「夢の中でとてもきれいな海を見つけたの。私のいるずっと左上のほうに」。夢と現実の交錯、そして突然の別れを描く表題作ほか、二度と戻らない時間や大切なひとの喪失、刹那の愛の風景を綴る短篇集。繊細な空気をまとった十二篇を収録する。〈解説〉嵐山光三郎
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Posted by ブクログ
いかにもな純文学っぽい、日常に潜む不幸を抱えた女と男の話。愛と別れと生活の話。 イラストレーターの為せる技なのか、 風景描写が瑞々しく、あざやかである。 読後には爽快感と、切なさと、違和感が残り、 非常に面白かった。 左上の海とは、なんとも巧みな幻想的表現であろうか!
閉じた奥津のなかで柳の枝が風にゆれていた。むしょうに誰かに会いたかった。死、その一文字が頭のなかで小さく光った。小さく光った。奥津のなかからすべてが消えていった。
著者については、昭和生まれなのでなんかの広告とかでイラストは目にしていたかもしれない。とは言え、村上春樹作品(主にエッセイみたいなものなのかな)でより認知していった気がする。ちょっと切ないものからヘヴィな作品も収められていますが個人的印象としましては清潔感でもなく清涼感でもなく、なんていうんでしょう...続きを読むか「乾いた視線」みたいなものを感じました。軽すぎず重すぎずというか。他の作品も読みたくなりましたよ。
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嵐山光三郎セレクション 安西水丸短篇集 左上の海
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