柴田よしきのレビュー一覧

  • ワーキングガール・ウォーズ

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    一流企業社内でお局扱いの翔子。オーストラリアの旅行会社で働く愛美。旅先で翔子が殴り合いの大ゲンカをしたところ友情が芽生える....というくだりは「ガラスの仮面か」と思わず突っ込んだ。しかし二人とも自分の事を、嫌な性格、屈折している、など思っているようだが、立派に仕事をこなす姿は十分に素敵だと思う。途中社内の嫌がらせ犯人は誰?みたいな謎解きのようなものもあって、飽きないストーリー仕立てになっている。全然状況は違うけれど、自分の会社員時代を思い出す一冊となった。

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    2018年10月22日
  • 女性作家

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    ベストセラー作家のふじ子と彼女の元秘書で同業の珠美のうねるように錯綜する半生。娘や珠美の恋人を奪うふじ子はなのに無垢で、姑との問題を抱えていた二人の過去も奥行きを与え、恋人だった俳優の失踪という謎もある。二人の間の同性愛とは違う執着や珠美の秘めた敵意と憧れを知り尽くしだからすきだと思うふじ子が鮮烈。

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    2018年10月14日
  • 月神の浅き夢

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    3作目に入って慣れてきたせいか前回、前々回でいけすかなかった男達が好人物に見えてくる。
    LGBT、児童虐待‥‥どちらも世間一般に注目されるようになったのは今世紀にはいってから。その少し前からこういった問題を取り上げる作家の先見の明を感じる。
    本書では冤罪によって人生狂わされた人達が行き場のない怒りが切々と伝わってくる。

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    2018年09月22日
  • 聖母の深き淵

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    リコシリーズ、えげつないけど面白くて、ついつい夜更かししてしまった。
    同性愛やトランスジェンダーの人物が多数出てきて、両者の明確な違いもやっとわかった。しかし本書の初版が96年、今ではLGBTが一般に広がったが、その当時はまだまだ知られていなかっただろう。作家の先見の明を感じる。

    リコ個人に関しては共感出来ない部分も多々あるし、他のキャラも皆割と好感度が低いけど、なんだろう、ダークな登場人物ゆえに感じる面白さがある。そんな中で私立探偵の麻生はなかなかのナイスキャラ、麻生探偵シリーズが別にあるらしいので、そちらを読んでみたい。

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    2018年09月20日
  • チェンジ!

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    短編集。
    「コンバート」「背番号」 「やり残したこと」 「四分の三」 「友」の5編。プロ野球を舞台に、岐路に立たされた選手や監督の苦悩や決断などが描かれる、ヒューマン小説。
    試合そのものが中心ではなく、選手やその周囲の人々との関係を描く。読みやすく、読後感もよい一冊。

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    2018年09月20日
  • 聖母の深き淵

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    ネタバレ

    第一作目よりはあまり面白いと思わなかった。
    犯人がまた後だしじゃんけんのような人だったから、それもなんだかな~…という感じ。
    緑子は犯されてばっかりだし。また子供ができちゃうんじゃない???って心配になってしまう。
    でも、今回は安藤さんと結婚という考えが沸いてきたのかな~と。それはよかったと思う。

    他の話の、麻生と練に何の秘密があったのだろう?この本では明らかにされていないから、聖なる黒夜とか読めばわかるかな~。

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    惨殺されて廃工場に捨てられた主婦。男の肉体を持つ美女。消えた乳児。覚醒剤漬けの売春婦。元刑事の私立探偵と、悪徳弁護士と、悪魔のように頭のよい

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    2018年08月10日
  • 青光の街(ブルーライト・タウン)

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    98まず巻頭の氏名一覧が鬱陶しい。最後まで読んでやっぱりか?という感じ。すっきり解決もしないしうまいでしょ?感が強いなあ。

    再読後も読後感はスッキリしないね。柱になりそうなものがいくつもあってしかもそれが成就しない感じ。なんで2回も読んだんかな。星2つで。

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    2018年07月24日
  • 桃色東京塔

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    早くして夫に死なれ、過疎の村で、
    自分を閉じ込めて生きる女の刑事。

    犯人に逃げられるという失態を犯し、
    過去に囚われ続ける男の刑事。

    二人がある事件で出会い、少しずつ、
    明日に目を向け始める。

    男、黒田岳彦は東京、桜田門に勤める刑事。

    女、小倉日菜子は、死にかけた村のある上野山署に勤める刑事。

    二人の目線で交互に語られる、連作八編の、
    激しくもなく、燃え上がるわけでもなく、
    しかし、真摯で静かな大人の愛の物語である。

    ある事件で逃亡中の犯人が立ち寄るかもしれないということで、昔付き合っていた女が住む村に、黒田はやってきた。

    そこで、黒田は、所轄から応援として迎えに来た
    小倉と出会

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    2018年07月12日
  • 聖なる黒夜(下)

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    聖なる日の夜、一体何が起こったのか。ひとつの事件を通して暴かれていく麻生龍太郎と山内練に秘められた壮絶な過去。さらに事件は新たな殺人事件を招き、人間の愛憎、傲慢、悲痛な魂の叫びを曝け出していく。二人はこの暗黒の絶望の淵で何を決断したのか。息をもつかせぬストーリー、幾重にも張られたミステリ、そして人間の罪と罰を描破した孤高の大長編!!

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    2018年06月12日
  • 聖なる黒夜(上)

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    東日本連合会春日組大幹部の韮崎誠一が殺された。容疑をかけられたのは美しい男妾あがりの企業舎弟…それが十年ぶりに警視庁捜査一課・麻生龍太郎の前に現れた山内練の姿だった。あの気弱なインテリ青年はどこに消えたのか。殺人事件を追う麻生は、幾つもの過去に追いつめられ、暗い闇へと堕ちていくー

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    2018年06月12日
  • 鉄道旅ミステリ2 愛より優しい旅の空

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    乗り鉄物語の端々に震災の影響を覗かせている。
    従兄弟が失踪した理由が徐々に明らかになるが、この物語にその要素が必要だったのかは疑問が残ります。

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    2018年05月31日
  • 輝跡

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    趣味は何かと聞かれたら、映画鑑賞、読書、野球観戦と即答します。だから、映画や本の野球ものは、一度でふたつ楽しめて、自然と評価が甘くなります。本作は、帯の「不覚にも涙してしまった」という和田豊・阪神タイガース前監督の言葉に惹かれ。

    中学生の頃から地元のスター選手だった宏太。四国の独立リーグを経て、ドラフトでプロ野球チームに指名されて大活躍。そんな彼とめぐりあった女性たち。高校の同級生、ファン(正しくはほかの選手の)、野球雑誌の編集者、結婚相手の女子アナなどなど。

    野球ものだと思って手を出したから、試合等のシーンがほぼないことに愕然。宏太の心のうちはわからず、女性の視点から描かれているのは面白

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    2018年04月18日
  • 鉄道旅ミステリ2 愛より優しい旅の空

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    「鉄道旅ミステリ 夢より短い旅の果て」の続編。

    思春期の頃、年の近い叔父に恋心を抱いた香澄。その恋は、多感な年ごろが見せた甘い夢のようなものとして終わるはずだった。

    しかし、その叔父が失踪してしまう。

    きちんとした終わり方ができなかった香澄の初恋。

    彼女は叔父を探すため、叔父が所属していた西神奈川大学の鉄道旅同好会に入ろうと、同大学を受験する。そして、合格し、同好会に潜り込むことに成功する。

    叔父の周辺にいた人々を知り、同好会の活動を続ける中で、鉄道旅の魅力に目覚めていく。

    と、ミステリ色よりは、鉄道、旅のネタ話が多い。

    時には、旅行記、トラベルガイド、いや、旅の指南書と錯覚する

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    2018年03月09日
  • 風味さんのカメラ日和

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    写真には全く興味がなく人物も風景もあまり撮らない
    スマホでちゃちゃっと撮るだけ
    やさしいストーリーと写真の奥深さとか少し分かるような
    ≪ なぜだろう 寂しい写真に なってます ≫

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    2018年03月05日
  • 風味さんのカメラ日和

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    あなたのワケあり写真は、心のワケを写している…。
    東京を離れ洋菓子屋を営む実家に戻った風味は、
    写真教室に通うことに。講師の知念大輔は残念な
    イケメンだが、レンズを通して人の心の闇を
    解き放つ。カメラ撮影用語解説付き。

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    2018年05月01日
  • RIKO ─女神の永遠─

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    面白くて一気読みした。主人公に同調はできないけど、周りの男達の身勝手さに閉口させられる。自分が好きならば相手も当然自分のことを好きで、好きだから彼女をどう扱ってもいいと思っている男、そういう輩が実際に存在するからタチが悪い。
    事件自体もショッキングなものだけど、それ以前にRIKOの経歴が凄まじくて衝撃的!

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    2017年11月28日
  • 風味さんのカメラ日和

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    最近の柴田よしきは日常の謎物が多い。「RIKO」の頃からのファンからすると物足りない気持ちが大きいのだが、読んでみると、今作はカメラの専門的な話も盛り込まれていて、なかなか面白かった。
    ただ、やっぱり、この作者さんには重厚な作品を書いてもらいたい。待っているシリーズの続きもたくさんあるし…

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    2017年11月17日
  • 風味さんのカメラ日和

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    【収録作品】第一章 バッテリーの残量が不足しています/第二章 記念にならない記念写真/第三章 寂しい写真、寂しくない写真/第四章 1足す1は/風味のカメラ撮影用語解説
     著者得意のカメラをテーマにした連作。撮影豆知識は正直よくわからないが、写真の見方は少し変わりそう。続編がありそうな終わり方。

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    2017年09月23日
  • フォー・ディア・ライフ

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    新宿の夜を走り続けろ。無認可保育園の
    園長にして、ヤバイ仕事も引き受ける
    私立探偵。ふたつの顔を持つ主人公が、
    裏社会に生きる男と女の欲望に立ち向かった。
    眠れない男の新・探偵物語。

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    2017年11月05日
  • 鉄道旅ミステリ1 夢より短い旅の果て

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    連作8作のうち、特に心魅かれたのは、「新しい路(沖縄都市モノレールゆいレール)」と最後の「旅の果て、空のかなた(JR常磐線)」。
    ただ、最大の謎が1冊のうちに解明されていないのは、なんとも消化不良…。続編が出るのだとしても。

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    2017年09月03日