柴田よしきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
女性であることの正の面、負の面。女性であることで背負ってしまう諸々のこと。
大人の女性であることの責任。
そして母になることと母であること。
男性が当たり前に乗り越えていく人生の重大事を、女性であるがために精神的にも身体的にも社会的にも障害を越えなければならなくなることがある。
割と多く。
この事件にかかわる人たちの多くは、ただ弱かっただけ。
そしてボタンを掛け違っているところを悪意を持った人たちに利用される。
それは、誰にでも起こりうること。決して他人事ではない。
弱かったというそれだけで、こんなにもひどい目にあわされなければならないのかと、怒りを覚えながら読み終わる。
緑子も、失踪した保母も、何度も言う。
子育てを一人で抱え込まなくていい、と。
身体的に母になることと、精神的に母になることと、社会的に母であることを要求されることは全然違うんだよ。
主人公のことは相変わらず好きにはなれないけど、男社会の警察で、女だからと侮られながらも、安心して子どもを預けられる環境に感謝しつつ、身体を張って刑事という仕事を全うする緑子。
男にとっての可愛い女ではなく、1人のきちんとした大人の女性になりたいと言った豊の成長。
ずっしりとした読みごたえ。
これで主人公が好きになれたらなあ。 -
Posted by ブクログ
これがデビュー作とはすごい。
とにかく読み始めて後悔するほどエグい描写が続き、病院の待合室で血圧が上がるか心臓が止まるかと思いながら読んでいた。
でも読んでいるうちに、男社会の中で女として、また人としての尊厳を精神的にも肉体的にも踏みにじられた緑子の、無念であったり反骨心であったりに同調してしまった。
私も男社会の職場のなかで、いろいろやられたから余計に。
事件の黒幕については割と早いうちにわかってしまったけど、その動機は最後まで読んでも理解することはできない。したくはない。
そして緑子の心情も。
自分より弱いものを痛めつけないと、幸せにはなれないのか?
<与える・奪う>関係より<分かちあう>関係の方がいいに決まっている。
でもそれは、自分たちだけがよければいいことなのか?
愛ってある意味自己中心的な事柄なのかもしれないけれど、こんな愛情は絶対嫌だ!
と、力強く思うほどに、衝撃的な作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの人のホラー小説は初。
誰のか分からない指がボタンを押す。
最初はその程度だったが行動はエスカレートし、ついには死亡者が出てしまい…という話。
こういった話は日本らしいなと思って読んでいた。下手にゾンビや悪霊が出てきてしまうよりも、神出鬼没で意図が読めない指が現れて押ボタンやエレベーターのボタンを押す。それによって事故や死亡者が出る方がだいぶ怖い気がする。多数の視点主が調べていくと何と指紋は死亡者や行方不明者というのだがそんなもの警察は信用できない。それは仕方ない気もするが、そんな中に旭とナリさんの行動は英断だったなと思う。
ラストが微妙に感じたがまあ最後のああいうのはホラーのお約束か。