柴田よしきのレビュー一覧

  • 月神の浅き夢
    『心を白くして、耳を澄ませて、その声を聴こう。そこからしか始まらないのだ。始めてはいけないのだ。

    人が人を裁く、その大きな、矛盾に満ちたシステムの中で、最初にその仕事をする、それが刑事なのだ。

    注意深く、真剣に、向かい合った人間の言葉を聴く。総てはそこからだ。』

    3作目。
    だんだん複雑になって...続きを読む
  • 月神の浅き夢
    ラスト3ページ、ものっすごい好き!
    やっぱこのシリーズ好きっ!!

    練とリコがめっちゃかっこいいと思った、本作。
    あ、高須がデカ部屋の真ん中で電話のリコに言ったセリフもめっちゃいいのよね~♪
  • 聖なる黒夜(下)
    なんとなく熱い男同士の話、みたいなイメージで読み始めたので、がっつりと男性同士での行為の描写があって、しかもえぐい表現もあったので驚きました。
    BLは特に嫌悪感もないけど、好きでもない私ですが、麻生と山内の愛憎が複雑に絡み合う緊張感のある関係にぐいぐいと引っ張られました。
    2人を取り巻く及川をはじめ...続きを読む
  • ふたたびの虹
    おばんざい屋のミステリアスな(後半でその前半生は明らかになるが)女将と、そこに集うお客たちとの人間模様。
    「いとおしさ」が、この作品の最大の魅力だと、解説者は言う。
    確かに、こんな小料理屋があったら、常連客になってみたい。何ともホッとする店の雰囲気と、何よりも女将の手作りのおばんざいの美味そうなこと...続きを読む
  • RIKO ─女神の永遠─
    『あなたが良心を生贄にしてでも守りたかったもの……社会正義という名前の、目には見えない大きなもの。でも、新宿があたしに教えてくれたことは、あたしがその「社会正義」の実体を、何一つ知らなかったということだった。

    それは矛盾に満ち、不合理と不公平に満ち満ちた、薄汚く汚れた一つの「嘘」だった。

    それで...続きを読む
  • 聖なる黒夜(上)
    ミステリ要素と愛憎こもごもの人間模様が絡み合いぐっと盛り上がったところで下巻へ続く。

    山内練というキャラクターは柴田先生に愛されているキャラクターだけあってとても魅力的。
    体臭が白檀の香りで男妾あがりのインテリ893という設定に少しでも心惹かれたら読んで損は無いはず(多分)
  • 激流[上]
    中学の修学旅行で同級生が失踪。同じ班だった同級生達にとっては忘れられない、忘れてしまいたい出来事だった。20年たって、その失踪した同級生からメールがきた。私を覚えていますか?と。
    早く下巻を読まねば!
  • 象牙色の眠り
    こ、こ、こえ~~~!!
    なんだ、この静かな憎悪は~~!

    人が次々に死んでいくから、犯人は一人じゃないと思った。
    全部、私の推理どおりだったけども、なんかその犯人の心に潜む静かで激しい憎悪が怖すぎる。
    中でも、祥が一番こわい。イッちゃってるね。

    でも救いなのは、玉江とかおりがやっと親子として再出発...続きを読む
  • 竜の涙 ばんざい屋の夜
    ばんざい屋シリーズの第二弾。
    今回はおかみさんではなく、常連女性達の人生模様が描かれています。
    ウェット感が強すぎて、爽快さに欠けるかな。単純だけど、もう少し暖かいハッピーさが欲しかったです。
  • 聖なる黒夜(上)
    無実の罪を受け入れた練が、担当刑事の麻生を愛するようになるって、どういう持って行き方をするのだろう?
  • 聖母の深き淵
    女性であることの正の面、負の面。女性であることで背負ってしまう諸々のこと。
    大人の女性であることの責任。
    そして母になることと母であること。

    男性が当たり前に乗り越えていく人生の重大事を、女性であるがために精神的にも身体的にも社会的にも障害を越えなければならなくなることがある。
    割と多く。

    この...続きを読む
  • 激流[上]
    文庫本にして上下巻で900頁という長作。
    だけど、帯にあるように「イッキ読み」できます。

    初めは登場人物を把握するのに手こずったけど、
    ハマると一気に読み進められます。

    中学時代に失踪した同級生から
    20年後にメールが届き、
    事件の真相を解き明かすミステリー小説。

    下巻に続く。
  • RIKO ─女神の永遠─
    これがデビュー作とはすごい。
    とにかく読み始めて後悔するほどエグい描写が続き、病院の待合室で血圧が上がるか心臓が止まるかと思いながら読んでいた。

    でも読んでいるうちに、男社会の中で女として、また人としての尊厳を精神的にも肉体的にも踏みにじられた緑子の、無念であったり反骨心であったりに同調してしまっ...続きを読む
  • ゆび
    この人のホラー小説は初。
    誰のか分からない指がボタンを押す。
    最初はその程度だったが行動はエスカレートし、ついには死亡者が出てしまい…という話。
    こういった話は日本らしいなと思って読んでいた。下手にゾンビや悪霊が出てきてしまうよりも、神出鬼没で意図が読めない指が現れて押ボタンやエレベーターのボタンを...続きを読む
  • 竜の涙 ばんざい屋の夜
    都会の片隅でひっそりとある『ばんざい屋』。訪れる客の心を癒す・・・

    前作を読んでないのですが、これだけでも十分面白かったです。
    おかみさんが出す料理がどれもおいしそう!私もそこで癒されたいなぁ・・・
    続きも読みたいです!解説にもありましたが、ばんざい屋さんが帰ってきますように・・・私もそう願います...続きを読む
  • 桃色東京塔
    警察モノの恋愛小説。
    偶然仕事で知り合ったワケありの男女刑事が、遠距離に負けず事件を通してゆっくり近づいてゆく。
    各章にそれぞれ社会問題の要素も上手く織り交ぜており、オールラウンダーの柴田氏ならではの懐の深さを感じました。
  • ふたたびの虹
    ばんざいやの女将のもとに集まる客と、後半は女将自身の秘密に迫っていく展開で飽きることもなく、ノンストップで読めること+大きな事件があるわけではなく(死人がでることもあるけど)普段の生活における些細なことに関して決して首を突っ込みすぎることなく程よい距離の中で客を見守る女将の姿が清々しい印象。
    女将自...続きを読む
  • 聖なる黒夜(上)
    色々と遣る瀬無い。これを経てどうしてああなった(RIKOシリーズ)の気持ちです。しばらく、頭をもっていかれる著作。
  • ワーキングガール・ウォーズ
    これ読みながら思ったのは、もう私も純・青春小説を卒業してしまったんだなと。アラサーとかアラフォー女性の奮闘記みたいのばっかり読んでるw全然ハッピーエンドしないやつな。これもだけど、結局青春を振り替えるより更年期を見据えた方が現実的って女が、その事実に絶望しながらどうやって前を向く理由を見つけるかって...続きを読む
  • シーセッド・ヒーセッド
    読み終わった後、モヤモヤ。。
    結局、癌だったのは誰なのー??
    シリーズ4作目で分かるのかなぁ??
    まさか、練の大事なあの人ではないと思うけど。
    気になる。。(´θ`llll)