柴田よしきのレビュー一覧
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下澤唯の夫貴之は三年前に失踪した。
彼らの結婚生活は1年。唯は夫の行方を捜しながら夫の残した探偵事務所を続けている。
そんな彼女を気遣い何かと救いの手を差し伸べているのが兵頭風太。
彼は京都府警捜査一課の警部補は唯の同級生であり、夫貴之の後輩に当たる。
《観覧車》
遠藤祐介の妻冴子から夫の行方を捜して欲しいという捜査の以来。
遠藤が出社しなくなってすぐに不倫相手の白石という女も会社を退社。
唯は白石のあとを追う。
彼女は毎日観覧車に乗る他にはただ無為に時間を過ごしているだけという感じを受ける。
遠藤は会社の不正を一心に背負う形で自殺をしていた。その現場を60日の間白石は観覧車から見守り続けていたのだ。
60日たったその日、白石も車の前の身を投げ出して自殺を図ってしまった。
《約束のかけら》
神保登喜子から嫁桂子の浮気調査を依頼される。
しかし、真相は登喜子の息子功が本人も気付かないほどの接触事故を起こした。
それを目撃し、後を追ったのが工務店を営む佐田だった。女癖の悪い佐田は神保の妻に目をつけゆすった。
神保の妻は佐田と関係を持つようになったが、功との子どもを妊娠5ヶ月で流産。とても仲の良かった姑の登喜子に相談し、2人で唯を証人に仕立てるように、浮気調査と偽って佐田を殺害する。
《送り火の告発》
人気女優相澤ミナミが婚約者(脚本家の友沼章二)の素行調査を依頼。
京都に愛人を囲っているということで、婚約を解消。
8月16日、京都の送り火の日友沼の弟武男が殺害された。
ミナミがデビューしたての頃、武男と共演したことがあり、その後武男と付き合うようになった。
しかし、ミナミが章二との婚約解消を巡る経緯の中で、幼稚なミナミを知的で教養ある若手女優に見せかける有能なマネージャー田上美代子を強請る。
田上はミナミを守るため、自分の果たせなかったスターへの道をミナミに託すため、ミナミの生中継中に武男を殺害したのだった。
《そこにいた理由》
蓮沼正治は60歳を超えてから隣町に住む元小学校教諭の高沢真知子と浮気。その調査を依頼されたが、専業主婦の妻はきつくお灸をすえるだけで、元の生活を続けていた。
その1年後再び妻から浮気の調査依頼。
浮気の形跡がないまま過ぎていたが、ある日近所の小料理屋で真知子とあっているところを突き止めた。
しかし、6月1日、胸の痛みを押して散歩に出かけた正治は心筋梗塞で倒れ、帰らぬ人となった。
奇しくもその日は真知子の再婚の日であった。
正治はどこへいこうとしていたのか?
正治が倒れた先にあるのは、独身の頃、妻が好きだといっていた和菓子屋があった。
6月1日、暑気払いによいと評判の和菓子を妻のために買いに行こうとしていたのだった。
《砂の夢》
菅原将夫は早くに妻に死に別れ一人娘の由紀恵(17歳)との二人暮らし。
その由紀恵が突然失踪。
元印刷会社の社員だった後藤啓一と一緒だったのではないかと行方を依頼された新潟の川崎探偵事務所から唯は応援を頼まれた。
後藤は新潟にいた。
後藤の後を追い佐渡に渡ろうとした時、夫の貴之を見かけた。
しかし、探偵としての仕事を・・・
唯の招待がばれて後藤に夜の砂丘へと連れ出された。
後藤から打ち明けられたのは事の真相。
後藤は幸恵が中絶するためだけに利用されたと思い込み、幸恵が許せなくて東京から新潟まで連れてきて、大阪の風俗に売り飛ばしたのだった。
《遠い陸地》
川崎探偵事務所の川崎多美子に夫の行方を捜すように依頼し、一緒に夫の行方を追い求めて、佐渡へ。
頼りないが、わずかな手がかりをつかむ。
その後、多美子からの報告書を受け取る。
夫のことがわかったらしい。 -
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RIKOシリーズ第3弾にして、最終刊。
何度目かの再読にして、改めて思う。
続きが読みたい。
緑子のその後はもちろん、麻生、練のその後をぜひ描いて欲しい。
麻生と練の出会いの物語は、「聖なる黒夜」で読むことは出来るけど、花咲シリーズで練がちょっと登場するぐらいで、3人が絡むシーンが出てこない。
やっぱり、3人が絡む物語が読みたい。
最初の頃は、このシリーズを通して、緑子は一体何人の男と出会い、何人の男を失うのだろう?
と思ったが、3作読み終えると、彼女の魅力に憧れる自分がいる。
そして、最後は大切な人を守れて良かったね。
そう、緑子に声をかけてあげたくなった。 -
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ご安心あれ、われらのいつものハナちゃんは健在。
ただ、ちょっと今回はいつもの脇役たちのからみはあまりなく、女医先生も出てこないしビジンの恋人も、控えめ。にこにこ園の頼もしい女性陣もさらりとスルー。
その分ちょっとだけ山内のからみがちょっと多くて、珍しく手厳しさが少ない。バイ?ゲイ?の山内のこと、おぉうもしかしたらハナちゃんも対象に?はらはら。
だからなのか小粒だからそうなのか、今回の事件は全体に小ぶり。
ころん、ころんとタンパクに解決。
緑子シリーズや聖なる黒夜などのシリーズ派の人にはちょっと物足りないのかも。
でも、この流れ、青春探偵シリーズ的なものが好きな人にも勧められるので、それはそれでいいのでは?
この鉄板の安心感。
ハナちゃんシリーズに、幸あれ。
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まどろむような京都の邸宅街で富豪の家族をおそった殺人事件。屋敷に住むのは美しい未亡人とその私生児、前妻の生んだ長男と長女。家政婦の瑞恵がみるかぎり、贅をつくした邸内には家族の絆も存在しないが、恐ろしい殺され方をするような現実的な人間もいない。歪んだ心理がうみだすサスペンスと意外な結末。 (BOOKデータベースより)
家政婦は見た。話に入り込むまでは時間がかかるけど、入り始めてからはおもしろかった。人の積み重ねたウソが次々にぼろを出す瞬間、というのはおもしろい・・・。ざっくり斬ってしまえば「金持ちって(ヤレヤレ)」という感じもするが、それだけではなくおもしろいのは作者の筆力だと思います。
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幽霊が出る。女性に人気のシティリゾートホテルで、そんな噂が囁かれ始めた。鮎村美生が調査を開始した直後、幽霊の目撃者である美津子が何者かに殺される。残された美津子の白無垢姿の写真の謎。美津子はずっと独身だった―。一時の錯覚でもいい。夢が見たい。女性の哀しさを切なく描いた上質のミステリー。 (「BOOK」データベースより)
余計なトリックにいちいち振り回されないのがいいな、と。大事な部分は残しておくけど細かいことは綺麗に解かれていく。女性の特別でありたい、と願望をついた話。男がお金を払っても風俗で自分の欲望を満たすように、女も満たす。それは恋愛よりも買い物よりも切実な欲望だ。
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以前読んでいた「ワーキングガールズ・ウォー」が共感できる部分があり面白かったので、また柴田よしきさんの本を!と手に取った本。
わぁ〜面白かった!と読み終えて思った一冊。
もともと推理小説が好きなので、すんなりと読めた。
東大卒の女性編集者をめぐる事件。
主人公は性格もよく、敵を作らないよう真面目に平凡に暮らしてきた。
ある日、同僚が殺される事件が起こり、それと同時に主人公へのいやがらせが始まる。
その謎を解いていくと・・・。
編集者の原稿をとるまでの過程、出版社と作家の関係もわかり面白かった。
私自身文章を書くのは苦手だけれど、作家を(それもこれから作家になるだろう卵)見つけるのって面白いかも?!と、主人公の生活に憧れを感じたりしました。
きっと、卵を見つけるというのも、また才能なんだろうなぁ・・・。 -
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中学・高校を女子校で過ごし、東大へ進学。
卒業後、大手出版社の編集者となった26歳の女性、江口有美が主人公。
優秀で容姿端麗、性格も育ちもイイ。そして誰からも好かれている。
私生活も安泰。交際相手からプロボーズされ、順調な人生を送っていた。
たが・・・有美の周囲に奇妙な出来事が続き…と、いうサスペンス物語。
大手出版社の文芸編集者の日常や、作家デビューを巡る状況は、
見事なまでのリアル感。 まるで実状を描いているようだ。
作家になりたい、とうい志を持った人には、キツイ現実かもしれない。
本書に出て来る作家たちは、
他人に与える影響に恐怖を憶え、書けなくなった大御所作家。
書きたい“モノ”を盗まれ、核心が書けず、逃げ悩む新人作家。
小説に本来の健やかさを奪われ、最低な人間に成り下がった新鋭作家と、様々。
もちろん、真っ当な(笑)作家さんも登場していますが。
要するに、“書く“ということは、我が身を削り、曝け出す作業であって、
シアワセな人間には、小説など…書くことはできないのかもしれない。
まぁ、シアワセであれば、小説を書く必要もないのでしょうが。へへ;
文芸編集者である有美は、とても魅力的だ。
我が儘な人気作家や、一風変わった新人作家達(学生)に翻弄されたり、
事故や怪我などのハプニングから、我が身に不安を覚えながら、
自ら犯人探しを始め…理不尽な呪詛に立ち向かうのだ。
また、絵に描いたような優等生ぶりは突っ込みたくなるほど(笑)。
しかし東大卒なのに謙虚なのだ。 性格も多少天然で(笑)。
人間的にハングリー精神は、弱いタイプですね。
そんな有美が、編集者としても人間としても成長していく過程が、
本書の醍醐味だといえるのではないでしょうか。
他社の編集者と意気投合するラストシーンは、印象的です。
柴田さんの芸の細かさ、好きだなぁ。
惜しむらくは…
意外性に欠ける点。犯人が、よめてしまう人が多いはず。
でも、脇役一人一人にまで色と味を持たせているところや、
素晴らしい心理描写で、人間関係を見事に表現している巧妙さ、
展開のスピーディさは、抜群ですね。
流れるような優しい文体の中に、ミステリィが満載なので、
ノンストップで楽しめます。
人は、自分の知らないところで誰かを傷付けている…
これは、生きていく上で、防ぎようのないことなのだろう。
が、傷付けられた方は、忘れられず、次第に膿となり、
やがて悪意に変わる。 ついに放たれた悪意は……。
人間関係の難しさを痛感。
柴田女史、追いかけることに決めました!