福岡伸一のレビュー一覧
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現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝 -
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私は観たことはないが、「最後の講義」というNHKの番組があるそうだ。その番組の福岡伸一先生が担当した回を書籍化したのが本書。この講義で福岡先生が紹介されたのは、先生の他の著書でも紹介されている「動的平衡」という概念。
私たちの身体は膨大の数の細胞で出来ているが、細胞レベルで考えると、私たちの身体は、日々入れ替わっている。入れ替わりの早い臓器であれば数日、筋肉だと2週間くらい、血液の細胞は数か月で入れ替わっている。身体全体として考えても、1年前の私と今日の私は個々の細胞レベルでは、すなわち、物質レベルでは、全く別人と考えても良い。私たちは、古い細胞を壊し、それを新しい細胞と入れ替えながら生物と -
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雪の研究に生涯をささげ、世界で初めて人工雪の生成に成功した中谷宇吉郎の随筆を、生物学者・福岡伸一がセレクトしたもの。編者の言葉として、「精密な知性とみずみずしい感性が織りなす珠玉のエッセイ」という表現があるが、まさにその通りだと思う。特に個人的に心を揺さぶられるのが、子供の頃のエピソードを綴った数々。なぜかキラキラと輝くようなまぶしさというか、ジンワリ湧き出るようななつかしさというか、不思議な温かさを感じるのは、やはり筆者の人間性のなせる技なのだろうか。時代の細やかな描写もさることながら、科学、気象、文化、コンピュータ、原子力に至るまで幅広いテーマが収められており、中でも原子の力が原爆という形
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コロナ後の世界というのはわたし自身にとっても明確にいろいろな意味でそれまでと変わりました。
わたし自身は50代半ばですがワクチン接種は拒否しています。
コロナウイルス自体に関しましては、日本人にとってはもともと大騒ぎをするほど大して問題ではなかったのですが、健康な人達までもがコロナワクチン注射を受けてしまうことによって、ワクチン注射を打った人たちの体内で悪いウイルス・菌が増殖をしてしまい、その悪いウイルス・菌を周り・周囲や日本中にばらまいてしまうことになるという説を信じています。
そしてコロナ以前にはわたし自身では、「何とかコツコツと学び続けてさえいけば、生きていく道はあるのではないのかな」 -
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最近気になっていた「最後の講義」シリーズ。
手始めに「生物と無生物のあいだ」で有名な福岡伸一さんの本を読んでみた。
この本のポイントは一つ、それは『動的平衡』
常に流れるように動きながらも平衡、バランスを保ちながら生命は存在しているという考え方。人間の体は個体ではなく流体である…というと想像しにくいですが、細胞をジグソーパズルに例えた時に、その中の1ピースが分解→再生というプロセスが絶え間なく体内で繰り返され、いつの間にか今とは全く違った細胞で体が形作られている…みたいなイメージです。
動的平衡の考え方で物事を見たり考えたりすることは、非常に重要なことではないかと感じた。単なる生物学における考 -