福岡伸一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
雪の研究者である中谷宇吉郎氏の科学にまつわるエッセイ。雪今昔物語の雪の結晶を天皇に見せる話。雪の結晶をスタッフと徹夜で準備して、身体の不調もなんとかやりきる。終わって、伊東に養生しにいく。ちょうど大雪予報の東京から、出張で伊東へ。こんな偶然あるだろうか。
昔ながらの生活、伝統は計算して、あるロジックで導き出される科学的な解釈ではない。筆者は、それを科学以前として、撲滅するのではなく、優しい眼差しでもって整理しておく。つまりは、すぐ否定せずとも淘汰されていくと考えている。すごいのは、これが昭和16年に書かれたものであることだ。科学を盲信し、戦争、テロ、無差別殺人、環境汚染、原子力。こうした負の部分をある種、導き出した科学、そして科学で説明不能な理論を予言しているかのようだ。AIが台頭し、いまは、きっと科学の次に来るものを探しているのだから。
本統の科学とは、不思議を解決するだけでなく、平凡な世界の中に不思議を感ずることも重要な要素。河童を知らない子供は可哀想だ。科学者として、この言葉は本当に素晴らしい。北海道の自然の中にあって、お寺回りやスキーなど、科学的でない活動にその魅力を感じ、視野だけでなく、行動の幅広さをもっともっと求めて行かなくてはと思わされる。