信田さよ子のレビュー一覧
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心理療法士の信田さよ子氏の2021年の著書。暴力はいかなる理由があれ絶対的悪であるとの前提で書かれている。DV.依存症.(アディクション)アダルトチルドレン(AC)性的虐待をテーマに詳細に論じられてます。
今の日本人のもっている家族観は明治に入ってつくられたらしい。男は家父長として一家を支えるという意識、まずは戦後民法からして、間違ったジェンダー意識を明治から植え付けられてきた。男のDVも多くの事例はこの事を起点としている。家族を絶対視する考えは改めなくてはいけない。家族もそれぞれ人格を持ち同床異夢の世界で生きているのだから。自民党や安倍政権、日本会議が推し進めようとした明治いらいの家族主 -
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2012年文庫発行の新装版でした。
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誰かにとって
「かけがえのない存在」になることの快楽は、
支配の快楽と同じだ。
引きこもり、ギャンブル・アルコール依存、
DV、母親問題、
家族関係に悩んだとき、明快な答えがここにある。
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ニュースで目にする痛ましい事件。
そのなかには子どもが犠牲になるものも。
前半は、共依存についての説明や、
周辺情報を説明してくれているのですが、
症例や事例も織り交ぜて語られていて読みやすく、
知識のない素人の私でも理解できました。
後半は、実際にというところと、 -
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社会学者の上野千鶴子さん、心理学者の信田さよ子さん、女性向けアダルトグッズの店をやっている北原みのりさんの対談本。テーマは「毒婦」(と呼ばれた女たち)。木嶋佳苗や角田美代子、東電OL、畠山鈴香など。
その事件だけにはとどまらず、女性を取り巻く社会について、さまざまな視点から描かれている。私が1番衝撃を受けたのはここ。
P143-144
『彼女たちは、誰かの性的対象になることで、自分のアイデンティティを復活させようとする。アイデンティティって言うのもおかしいんだけど、性的対象にならなければ自分というものが存在しないっていう自分、を持っている人たちが一定数いるわけですよ。…中略…自分が性的な女性と -
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ネタバレ「カルトの子」に衝撃を受け、何度も読んでいる身としては読まずにいられないテーマ。宗教と発達障害の関係については考えたこともなかったけど、人生がうまくいかずに宗教に助けを求めることを思えば、生きづらさを感じやすい人たちがはまってしまうのはなるほどと思う。当事者のインタビューは読みやすかったけど、専門家のところはちょっと読み飛ばすところも。信田さよ子さん、久しぶりに読んだけど、やっぱ分かりやすかった。斎藤環さんとの対談のとこも。こういう本を読むと、あの高校時代のエホバの子を思い出す。今どうしてるんだろうなぁ。エホバの個別訪問が辛い思いをさせて、コミュニティへの帰依を高めるためだという意見にはなるほ
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ネタバレ宗教者、精神科医、ジャーナリストなどこの問題に向き合っている様々な専門家との対談や取材と2世当事者の声を集めた章が秀逸。
むしろそこだけでも良かったのでは、と思うくらい。
最後の方の章は著者自身の著作や宗教関連の文学や映像作品の紹介と見解が多く、興味を惹かれるものもあったが映像に関してはほとんど見ることのできないものが多いこともありちょっとうるさく感じてしまった。蛇足感がある、と言ったら言い過ぎだろうか。
p253で著者が創価学会について、エホバの証人のように2世問題を唱えてる人や宗教被害を受けたと言っている人が実数からすると多いと思えない、ゆえにエホバが2世問題を生み出しやすい宗教と言える -
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DV、虐待、性被害についてや、加害又は被害を「聴く」「治療する」ことについて、考えさせられる対談だった。近接領域で働いているのでお二人の話にそうですよね〜と深くうなずきたくなる場面も結構あった。加害者って映画の世界みたいに綺麗に変わらないですよね。被害者の気持ちを真に理解できる人も少ないんだろう。
もちろん知識や経験の不足を痛感することも多々あった。海外ではDV加害者が裁判所命令でDV加害者のためのプログラムを受講を義務付けられると知って驚いた。
信田さんの面接で愛着障害だとか自己肯定感が……とかいう言葉を禁じているという話もなるほどと思った。その人の中で物語として完結してしまっていたらそれを -
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依存症やDVのカウンセリングを長年行なってきた著者による子育て論。「これだけは(親に)してほしくなかった」という地点から逆算して書かれたものなので、読者がどれだけ我が事と引き寄せられるかでアドバイスの意味も変わってくる。読み口は平易。p71「子どもが抵抗し反抗できる親であること、ちゃんと自分の責任で対峙してくれる親であること。それが親のもっとも大切な役割であり、親の責任を果たすということだと思います。人間として自立の条件とはと問われたら、責任をとること、引き受けることだと答えるでしょう。お願いばかりしている親に、子どもに対して『自立しなさい』という資格はないとさえ思います。」自戒を込めて引用。
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似た分野で活躍している2人の対話は、私にとっては話が飛びまくりで理解ができなかったり、もうちょっと踏み込んで話してくれないとわからない!と思ったりする箇所が大量にあった。
自分はこの分野の文脈をまだよく知らない、知識不足だなということを痛感した。
虐待やDVのこと、社会で女性はどのような立場にあるのかということ、もっと知りたい。
そう思ってる私にとっては、この本はいい導入になった。読書案内もついているから、この本をとっかかりに理解を深めていけそう。
「聞く」ことで誰かの力になる。そんな仕事ができるようになりたい。せっかくこの仕事を選んだのだから。
そして、このテーマは私が嫌いな警察回りと自 -
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深く 深く 考えさせられてしまった
「今」この瞬間にも 起きている
「アディクション」「DV」の実態に
そのまま向き合ってこられた
お二人の 言葉の数々に
考えさせられてしまうことしきりである
もうずいぶん前のことになるけれども
DARCを運営されている方と
知り合いになったことがあり
一度「ミーティング」を覗いてみませんか
とお誘いを受けたことがあった
その時にも ものすごい衝撃を
受けましたが
語りだそうとするひとがいて、
それを聞こうとするひとがいる場所は、
やはり希望なのだと思う
と「おわりに」の中で
上間陽子さんが綴っておられますが
つくづく そうだなぁ
と思う -
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上間陽子さんの誠実さが際立った対談だと感じた。アディクションのフロントランナーたる信田さよ子さんへのリスペクトも感じたし、自分の活動を少しでもいいものにしたいという自己批判の視点も感じる。
対談、とはいうものの信田さんが上間さんに「教える」の構造が多いような気がして、そこが少し気になる。信田さんの語りはすごく含蓄のあるものばかりだったが、ふたりが共振して予想外のところに辿り着く類の対談ではなく、「信田さんの語りを上間さんが引き出す」会になってしまっている、というか。もう少し上間さんの話が聞きたかったのが正直なところ。
信田さんの自分の仕事への強烈な自負は、もちろん結果も含めて当然と言えば当 -
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中2の長男が、3学期の始まりから学校に行けたり行けなかったり、、、となりました。期末テストはついに3日間とも行けず、でも、毎朝、行かなきゃ、でも、行けないと葛藤している姿に、私も胸が押しつぶされそうになっていました。
私自身はもともと自己表現が苦手なタイプでしたが、勉強だけはハマり、勉強ができることだけが自分を救ってくれたといってもいいような学生時代を過ごしてきました。でも、いい高校に行き、いい大学に行き、いい就職をしても、自分が幸せだとは思えず、子どもを生んで育てる中で、自分を知ること、自分のしたいこと・好きなことをすることこそが、本当の幸せに繋がるんだと実感しています。なので、勉強はしたけ