信田さよ子のレビュー一覧

  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    とんでもなく読みやすくて面白かった。自己肯定感に対して新視点を得た感じ。家族って難しいな。親になったのでもっと学びたい。この方の他の本も読みたい。

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    2025年11月26日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    著者の考え方、いいと思う。
    「母の愛」「あなたのために」という呪いの言葉を否定している。
    母と娘の関係。

    父と息子のことは西洋の心理学者もよく語るが、母と娘はあまり語られないとも。
    女同士の母と娘。
    母をそういう位置づけに追いやったのは明治時代。
    窮屈な規範に押し込んだ。
    その亡霊はいまだ生きていて、母はこうあるべし、家庭はこうあるべし、と縛る。
    ミソジニーは男だけのもの、ではなく、女が女を蔑視する。「あんたは女なんだから」と。

    工業化時代にはそれが効率が良かった。男が工場で朝から晩まで働き、女は子を育て家庭を守る。
    そんな時代はとうに過ぎた。
    なのに明治時代の仕組みを懐かしむ輩が多数い

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    2025年10月30日
  • 家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

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    「個人的なことは政治的なこと」というのは有名なスローガンである。それと同様のことである「家族的なことは政治的なこと(国家)」というのが本書に常に流れる重奏テーマ。アディクションからDVに関わり、それが家父長的な、そしてジェンダー問題を背後に抱えていて、結局は戦争問題が解決ついていないことから起こっていることを日常の臨床現場から解き明かす目から鱗の話。近年流行りのレジリエンスでなく、レジスタンスで、というのも臨床的には大事な視点と思った。

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    2025年10月16日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    なぜ人は自責思考に陥るのか。その根幹は、自分が悪いと思い込むことで世界を理解しようとする心にある、と著者はいう。

    たとえば、虐待される子どもやDVに遭う嫁や旦那が相手を庇うのはなぜか。それは文脈のない攻撃に耐えられないからだ。どうにか理屈をつけなければ、自分を保てない。これは、親と子の関係にも言えるという。

    親子というのは、一筋縄ではいかない。昨今では毒親や親ガチャという言葉があるが(この言葉自体ですべてを括るのは私は他者依存すぎるから好きではない)、子は親を許すべきであり、自立して親孝行するのが立派だと言われる一方で、親は子を守るべきであるという世間の"常識"に私たち

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    2025年10月15日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    自己肯定感という言葉自体を忌み嫌う作者。確かに自己肯定感という言葉に縛られて自分を自分で上げようとするドツボに嵌まって苦しむ人はいると思う。これは目から鱗だった。

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    2025年07月23日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    親になったので、どうしたら自分の子が健やかにのびのびと育っていけるかなーと思い、参考にしたくて買いました。ケアすることの危うさなんて考えたことがなかったので驚いた。ケアと支配は表裏一体。子どもに対して支配的な言動を無意識のうちにとっていないか気をつけなければと思った。特に「あなたのために」「あなたのためを思って」は要注意、今のところ言ったことはないけどこれからも言わないように気をつけよう。

    子は責任ゼロで我が家に生まれてきてくれたのだ、わたしは幸せでいる(または幸せなふりをする)ことで、親としての義務を全うしたいと思った!

    もっと理解を深めたいので他の本も読んでみたい。

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    2025年06月21日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    まさかアダルトチルドレンや娘母問題が出発点の新書とは思わなかった。
    タイトルにもなっている最後の自責感の章素晴らしかった。「すべて自分が悪いと責める」ことは理不尽な世の中(本書では家族)を合理的に捉えるために生み出されたものだと言われた。
    188ページの「自分を徹底して否定することで、世の中が説明できる。世の中はそれなりに合理的なんだ、なぜなら自分が悪いから。」という文章に衝撃を受けた。
    自分自身物事に論理性を求める。しかし世の中は不合理で論理的ではない。これは仕方ないことだと思う。これを認めない限りは自分を卑下し続けることになるのではないかと気付かされた。

    すぐ自分を責めることを「自己肯定

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    2025年06月14日
  • 言葉を失ったあとで

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    カウンセラーの信田さよ子さんと、沖縄の社会学者の上間陽子さんの対談集。とても読み応えがあった。信田さんは、カウンセラーのこれまでの歴史、精神科医との向き合い方の違い、そして性加害者、依存症への対処の遅れの指摘があった。昭和の男性は自らの性を語るとみな渡辺淳一になるという言葉には爆笑!カウンセラーとして、安易な共感はせず、抽象語にまとめてしまうことを許さず、体験を具体的に語らせる、語った言葉から構築できた事のみに対峙するという姿勢がかっこよい。上間さんは、家庭的に恵まれず虐待や性加害のあった少女・少年たちが、安心して被害を語れる場・機会に恵まれていないこと、加害者の卑怯さへの怒りが語られる。DV

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    2025年06月09日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    自責感があるなと思ってこの本を手に取った。母を重いと思ったこともあるし、母からの呪縛は今も続いているように思う。自分では気づかなかった「生きづらさ」があったんだなということに気づかされた。他者がいたことで、幸いにも私は自分が好きだ。言葉にならない感覚をこれからも大事にしていきたいと思う。

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    2025年05月30日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    ネタバレ

    自分に必要な本だ、と思って読んだ。
    本書は、
    第1章 母はまだ重い
    第2章 共依存を読みとく
    第3章 母への罪悪感と自責感
    第4章 逆算の育児
    第5章 なぜ人は自分を責めてしまうのか
    の全5章で構成されている。
    カウンセリングセミナーの講座の内容を文字にしたもので、話し言葉寄りの文章で書かれている。

    思っていたよりも「母と娘」にフォーカスした話が多かったが、「第5章 なぜ人は自分を責めてしまうのか」に至るまでの章を読み、第5章を読み進めると、これまで書かれていたことと繋がり、理解が深まったような気がした。

    「すべて自分が悪い」という思考は、虐待的環境で生きるために自分の存在を否定し、合理性

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    2025年05月25日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    母子関係をテーマに描かれているが、父親や友人といった関係においても似た状況を起きていると思う。
    身近な人間との関係に疲れている人にはおすすめ。
    親切にしてもらっているのに、思ったことを言いづらい相手との間には、本書で指摘しているようなことがあるのかもしれない。

    ★★★
    「あなたがいないと私は生きていけない」と言われたほうは、もう無上の喜びなんです。「たいしたことがない私」が、一人の人間にとってかけがいのない存在になる。

    ★★★
    権力は状況の定義権

    ★★★★★
    罪悪感は、自分の外部にある規範にそむいていることから生じる

    ★★★★★
    自分を責めるとは、自分にすべての責任があるという感覚で、

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    2025年05月20日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    ネタバレ

    今年1番響いた。自分の危うさはなんとなく自覚していたが、言語化してくれてとても良い気付きになったと思う。
    •自身にACの気があるのは、自覚はあるが、それにより若干の成功体験をしてしまったのは厄介だと思う。「被害者権力」なる言葉の説明があったが、自身の加害性についてはもっと自覚すべきと感じた。
    •「ケアをする」ということは「支配する」近いというのあまり自覚がなかった。「良いことをしている」感覚に陥ることはあるので、本当に気をつけるべきと感じた。

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    2025年05月02日
  • なぜ人は自分を責めてしまうのか

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    依存症臨床から共依存に論究し、母と娘の関係について、早くから論考してきた著者の考えにようやく時代が追いついてきた。アルコール依存問題に戦争トラウマが絡んでいることがどうどうと言えるようになったり、精神分析とフェミニズムの関係やなど、世界では2.30年前から言われている事が、わが国では、当たり前になってきた、私自身の中ではあるが。最後に著者は講演の方が本より面白いと言われているそうだが、確かに講演は脱線だらけで面白いが、本も熱い思いがこもり面白い。本書は両方をミックスした書である。

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    2025年03月29日
  • 傷つく人、傷つける人

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    人間関係で傷ついた後に読みました。なぜ傷つかなくてはいけないのか、どうやったら傷つかないように生きていけるのか、どうして傷つけようとしてくるのか知りたかったのです。
    この本を読んで自分を肯定された気がしました。繊細で傷ついてしまう自分が嫌でしょうがなかったですが
    前向きになれた気がします。
    自分は傷ついたので読みましたが、そうでない人でも手にとってみてもらいたい作品です。ありがとうございます。

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    2024年11月11日
  • 傷つく人、傷つける人

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    文章を読む人のことを想像しながら書いて下さってることが感じられた。わかりやすい言葉を使いながら力強く書かれている。傷つける人の心のあり様を説明しながらも、加害と被害に真っ直ぐに線を引く姿勢に勇気づけられた。

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    2024年10月17日
  • 共依存 苦しいけれど、離れられない 新装版

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    アディクションの専門家による、共依存の解説書。対等な関係では起こり得ない共依存の構造に納得させられた。クライエントの対人関係を紐解いていく際に、この考え方はかなり有効ではないかと思われる。

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    2024年09月07日
  • 家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

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    アジールとしてのカウンセリング
    愛情はぐくみ思いやり温かさと共に語られて来た家族の関係を一切消去し、代わりに、
    支配、力、被害加害、戦略、駆け引き、作戦といった言葉を登場させる、いわば、心理学から政治学へのパラダイム転換。家族はこのように政治的に解釈されることで変革の可能性、起動点が見えてくる。
    137.138ページ。
    世界観が、ガラリと変わるところ。
    具体的には、私を主語に、私を語る、他人行儀な話し方を家族にすることで、境界をつくる!
    もし大きな問題を抱えて停滞萎縮している方がいたら、まるで福音のようなことばであり実践できる道ではないだろうか。
    信田さよこ先生節で、その世代であればこその、

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    2024年07月28日
  • 言葉を失ったあとで

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    実践を積み重ねてきた二人だからこそ、提示できる視点、言葉、違和感。

    加害男性の人間的薄さやずるさが際立つ。

    DV更生プログラムはそういうことなのかとか、沖縄がネタにされがちな学問の世界のせこさとか、あー↘あー↗の連続。

    上間陽子さんの寮美千子批判が鋭い。善の陳腐さ、みんな被害者論の陳腐さ。

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    2024年04月11日
  • みんなの宗教2世問題

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    エホバの証人の2世の方で、臨床心理士の資格を取り、スクールカウンセラーをされている方の言葉が、とても強く切実に響きました。
    ぜひ多くの人に読んでもらいたい本です。

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    2024年03月30日
  • 共依存 苦しいけれど、離れられない 新装版

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     私がケアマネとして担当している利用者さん(女性)とその娘の関係性、ケアの仕方は支援者の良かれと思う方法から大きく外れており、私には理解できなかった。病院関係者からは「共依存的」と言われていたが、果たして本当にそうなのか?「共依存」の定義とは?との疑問から、本書を手に取った。
     彼女たちの関係性を俯瞰して考えることができたと同時に、「ケアする男性」の章での同性バッシング、性的役割分担は、思い当たることがありすぎてゾッとした。
     支援者としての私は、自分の中に根付いている性的役割分担についても意識していく必要があると感じた。

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    2024年01月27日