信田さよ子のレビュー一覧

  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香
    など毒婦をテーマに、
    フェミニストな論客3名でだべりまくる。

    女性は、男性を殺した女性犯罪者に自分を同一視するが、男性は女性を殺した犯罪者と自分はいかに違う存在かを力説するという。これは、女性が男性に力で圧せられていることへの反逆を、男性は弱い部分に付け込んでの卑劣な犯罪であることの嫌悪を感じているからなのかもしれない。

    また、一般的にモテる容姿ではない木島佳苗が圧倒的なケア力でモテていたというのも、なるほどと思った。

    3人のお話は、ある意味、暗黙知が共通的な立場の方々なので、話が通じあうことで、若干ヒートぎみに上っすべりになるところ

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    2022年07月03日
  • 家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

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    筆者はカウンセリングという仕事を大変知的に行なっていることがよくわかる。
    「共感」みたいなものを示されるよりも説得力があるしより深い関心を持てる。

    ・虐待やDVにおいては、「被害者側に立つことこそが中立である」というのは繰り返し唱えていかないといけない。
    ・虐待とDVはつながっている(抑圧移譲)
    ・家族の問題解決のためには「構造改革」
    →「この人がこうなったのはなんでなのか」という原因を探す「因果論」ではなく、「この問題は、こういう状況の元で発生する」という「システム論」的に考えることで、問題を実際に解決することができる
    ・加害者像の構築こそが被害経験に意味を付与する。そういう意味では加害者

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    2022年05月16日
  • 家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

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    直前に武田砂鉄さんの「マチズモを削り取れ」を読んだので、マチズモじゃん!とツッコミ入れながら読んだ。
    「自己肯定」は「自己責任」に結びついてしまうというのは、なるほど…という感じ。
    使ってしまう言葉だからこそ、その視点を持つことは大事だなと思った。

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    2021年11月29日
  • 母・娘・祖母が共存するために

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     信田さよ子先生の言葉は明確だ。
     女性の努力のみで共存するのは困難。これを読むと逆に父親の不在というものを強く感じさせる。

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    2021年06月19日
  • 家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

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    局所局所で読むと面白いが、エビデンスベースよりも個々のケースや映画のワンシーンから考察を深めて、主張をしていく方法が最後まで馴染めなかった。またイノセンスなどの用語が常用語のように使われており、専門外の人が読むには、少し骨が折れるところもあった。

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    2021年06月05日
  • 家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

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    ネタバレ

    家族と国家のつながりは最後の方に明確に出てくる。それまではDVやカウンセリングの話が多い。

    以下読書メモ
    ーーーーー

    ・「堅くて変化に乏しい」から「めまぐるしく配置や距離を変える」関係性が主流となったのである。そこで求められる労働者は、適応できる即応性と柔軟性を備えていなければならない。資本主義社会の多くの場で、このように期待される人間像が大きく転換したことを、ポストフォーディズムという。

    ・ 注意深く見ると、これが日本で主流だった「男らしさ」の価値を下げたことがわかる。男は黙って、自分の信念を曲げずに、頑固なまでに固執する、といった態度がプラスの価値を持っていたのだが、それらは現在では

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    2021年05月03日
  • 明日、学校へ行きたくない 言葉にならない思いを抱える君へ

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    ホームスクーリング等学校に通わなくとも学習は出来るという気付きや社会の仕組みを知る事が出来ました。私としてはメンタル面のケアを期待して読んだので、求めていた内容ではなかったです。
    慰めより具体的な施策がないと救済にはならないので、本書が役に立つ方もいらっしゃるかとは思います。表紙の絵、表情が逸品です。

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    2021年05月03日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    一言に母と娘の問題といっても、様々な違う問題を抱えていることに改めて気づいた。著者と5人の女性との対談でも、やはりそれぞれの母娘関係がある。息子は娘のように母親に罪悪感は抱かず、恩義を感じない、ということが1番の発見だった。

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    2021年01月04日
  • 傷つく人、傷つける人

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    自分は人を傷つけていないだろうか?
    傷ついたことはあるが、相手のせいと考えて良いかは疑問である。確かに、相手が悪いと思えば楽になるかもしれないが、総てがそれで良いとは思えない。ち、傷つき方によってや弱い人(どういう人が弱いかは判断が難しい)には良いかもしれない。

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    2020年11月29日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    ネタバレ

    「東電OLは私である」と発言する女性がたくさんいたという
    女性差別企業の中で惨憺たる思いをした彼女は均等法施行前に社会人となった世代
    均等法が施行されてからだってそう変わらない
    会社に入ってみたらこんなはずじゃなかった
    といったことは多々あったし今でも劇的にそうした状況が改善されているとも思えない

    この事件は覚えている
    マスコミが騒いだ内容については詳しく知らなかった
    本書でそうしたことを読み解いているのかと
    しかもこのお三方
    楽しそうではないかと思い読み始めた

    この事件というよりは「木嶋佳苗」に焦点をあてて語られる日本の「性」の扱われ方

    援交世代についてはっとさせられたのは
    そうだ彼女

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    2019年09月30日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    特に信田さん、水無田さんとの対談が勉強になった。

     女であることと人間であることの違いが大きすぎた
     第二次性徴の身体的感覚の違い、
     女装してる 服は脱げても体は脱げない
     良妻賢母は明治に作られた

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    2019年05月14日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    「毒婦」をテーマに上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりが鼎談している。
    「毒婦」って何だろう。男性版のそういう言葉ってない(と思う)からそもそも「婦」にだけ「毒」がつくっていうのが上野さんあたりが突っ込むべきところじゃないかと思うけどそういう話は出てこない。勝手に女性に聖性を求めてそれと違う女性には「毒」をつけて侮蔑したり揶揄したりという構造だと思う。
    ここで双璧に論じられているのが東電OLと木嶋佳苗。木嶋佳苗は一時期ブログなど愛読しその非凡さはそれとなく知っていた。一方東電OLについてはこの本を読んで初めて知った逸話もあった。どこか正気でない淫らなひとという印象だったんだけど、それ以上に既存の

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    2018年12月31日
  • 父親再生

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    前半面白かったんだけど、後半全共闘のあたりにあまり興味が持てず…。
    もうちょっと臨床の現場からの、生の父親達のー前半のエピソードから膨らませた多角的な考察かな…と思ったので拍子抜けだったかな。

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    2018年01月27日
  • 選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ

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    以前読んでいたが2017年4月に再読。

    性的に選択されることがなくなった"おばさん"がいかに強かにこの国で生きているかがわかる一冊。
    石川遼やヨン様におばさんたちが熱狂するのは性的欲求の発露だというのはおぞましくも人間的だ。

    また、後半には筆者がカウンセリングで出会った女性たちの話からいかに日本的な家族像の中で女性たちが苦しい生き方を強いられてきたのかがわかった。特に公務員夫の妻の話は後半涙なしには読めなかった。

    何かについて明確にわかる!という本ではないが、じんわりと心にくる新書だ。

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    2017年05月10日
  • 毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

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    3人の人となり思想がとりあえずは分かりやすい本なので作家達に興味がある人は手っ取り早いです。上野千鶴子の本だけ読んだことがなかったのですが想像通りの人でした。
    読書後ネットで、お顔を拝見しましたが、これまた想像通りの人でした。現在は悠々自適?世間一般以上に裕福な暮らしをされていると思いますが庶民、平等、フェミニズムなどのイデオロギーを振りかざす感じですね。
    あとがきで北原みのりが上野千鶴子に対して皮肉めいた事を書いていますが直接いっていただきたかったです。コワィのかな?言ったところで平行線になるだろうしね。
    ウーマンリブなど、さまざまな時代を経てきたことや勿論、正論なのだろうけど、思春期や女と

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    2017年02月28日
  • 逃げたい娘 諦めない母

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    ネタバレ

    君島瑠衣という女性の置かれた状況を物語仕立てして、エピソードごとに説明が付け加えてある。
    分かりやすいような、そうでないような。
    信田さよ子著の本の方が私には読みやすい。

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    2016年09月03日
  • 逃げたい娘 諦めない母

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    妻に勧められ読む。父と息子の関係も大変だが、母と娘の関係もまた違った種類の粘着質っぽい大変さが有るのだなあと思う。外から見ていると、なかなか分からないものだが、心配になってくる。また、娘たちとはこのような間にならないと良いなと思う。

    【学】
    母はどんな話をしても素直に喜ばない

    母が喜ぶからと柄にあわない優等生を演じていた事は葬り去りたい過去だ

    「母の存在が重い」「いつまでも支配されている」と感じる娘は珍しくアリマセン

    どこか虫の居心地が悪そうな母の声を聞いてると内蔵という内臓がギュッと小さく縮む気分になる。仕事以上のストレス

    だんだんと人間関係にまで口出しするようになった

    母は、私

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    2016年07月15日
  • 逃げたい娘 諦めない母

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    毒親育ちのため、関連書籍は何冊も読んでいて、なんとか自分の人生を生き直そうと努力中。

    それでも生きづらさは拭えない。
    老いていく母への罪悪感も増える一方。

    ここまで苦しんでいるのに、
    一瞬、
    この本の著者はなぜこんなに
    母親を疎むのか、
    なんて考えてしまった。

    根が深い問題…。
    実際には、瑠衣のように母娘関係を話のできる相手なんかいないからな…。

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    2016年06月26日
  • 逃げたい娘 諦めない母

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    ネタバレ

    発売日に朝倉さんご本人から購入!

    最近は「毒母」という言葉もあり、
    それぞれ家庭ごとの問題を抱えている母娘関係。

    辛く重くなりがちなテーマですが、
    朝倉さんの読みやすい文章、
    カウンセラーの信田先生のコラムが
    すんなりと心に響きます。

    我が家もご多分に漏れず、母は「微毒」を
    持っています。

    親による負の言葉の数々を受け流し、
    大人になった自分の人生を自信をもって
    生きていこうと思います。

    ・母親は、論を尽くせば通じる相手ではない。
     母親の介入から自分を守る壁を築くこと。

    ・できないことや無理であることを断言し、
     一線を引く。
     母親は何を言っても響かないと判断した
     人には潔く

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    2016年06月10日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    精神学てきには男性は身体を持っていないというのは驚き。女性の母と娘の関係は、女性は身体を持っているので、身体性を通じて支配・被支配が起こるという視点。

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    2015年10月18日