信田さよ子のレビュー一覧
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木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香
など毒婦をテーマに、
フェミニストな論客3名でだべりまくる。
女性は、男性を殺した女性犯罪者に自分を同一視するが、男性は女性を殺した犯罪者と自分はいかに違う存在かを力説するという。これは、女性が男性に力で圧せられていることへの反逆を、男性は弱い部分に付け込んでの卑劣な犯罪であることの嫌悪を感じているからなのかもしれない。
また、一般的にモテる容姿ではない木島佳苗が圧倒的なケア力でモテていたというのも、なるほどと思った。
3人のお話は、ある意味、暗黙知が共通的な立場の方々なので、話が通じあうことで、若干ヒートぎみに上っすべりになるところ -
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筆者はカウンセリングという仕事を大変知的に行なっていることがよくわかる。
「共感」みたいなものを示されるよりも説得力があるしより深い関心を持てる。
・虐待やDVにおいては、「被害者側に立つことこそが中立である」というのは繰り返し唱えていかないといけない。
・虐待とDVはつながっている(抑圧移譲)
・家族の問題解決のためには「構造改革」
→「この人がこうなったのはなんでなのか」という原因を探す「因果論」ではなく、「この問題は、こういう状況の元で発生する」という「システム論」的に考えることで、問題を実際に解決することができる
・加害者像の構築こそが被害経験に意味を付与する。そういう意味では加害者 -
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ネタバレ家族と国家のつながりは最後の方に明確に出てくる。それまではDVやカウンセリングの話が多い。
以下読書メモ
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・「堅くて変化に乏しい」から「めまぐるしく配置や距離を変える」関係性が主流となったのである。そこで求められる労働者は、適応できる即応性と柔軟性を備えていなければならない。資本主義社会の多くの場で、このように期待される人間像が大きく転換したことを、ポストフォーディズムという。
・ 注意深く見ると、これが日本で主流だった「男らしさ」の価値を下げたことがわかる。男は黙って、自分の信念を曲げずに、頑固なまでに固執する、といった態度がプラスの価値を持っていたのだが、それらは現在では -
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ネタバレ「東電OLは私である」と発言する女性がたくさんいたという
女性差別企業の中で惨憺たる思いをした彼女は均等法施行前に社会人となった世代
均等法が施行されてからだってそう変わらない
会社に入ってみたらこんなはずじゃなかった
といったことは多々あったし今でも劇的にそうした状況が改善されているとも思えない
この事件は覚えている
マスコミが騒いだ内容については詳しく知らなかった
本書でそうしたことを読み解いているのかと
しかもこのお三方
楽しそうではないかと思い読み始めた
この事件というよりは「木嶋佳苗」に焦点をあてて語られる日本の「性」の扱われ方
援交世代についてはっとさせられたのは
そうだ彼女 -
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「毒婦」をテーマに上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりが鼎談している。
「毒婦」って何だろう。男性版のそういう言葉ってない(と思う)からそもそも「婦」にだけ「毒」がつくっていうのが上野さんあたりが突っ込むべきところじゃないかと思うけどそういう話は出てこない。勝手に女性に聖性を求めてそれと違う女性には「毒」をつけて侮蔑したり揶揄したりという構造だと思う。
ここで双璧に論じられているのが東電OLと木嶋佳苗。木嶋佳苗は一時期ブログなど愛読しその非凡さはそれとなく知っていた。一方東電OLについてはこの本を読んで初めて知った逸話もあった。どこか正気でない淫らなひとという印象だったんだけど、それ以上に既存の -
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3人の人となり思想がとりあえずは分かりやすい本なので作家達に興味がある人は手っ取り早いです。上野千鶴子の本だけ読んだことがなかったのですが想像通りの人でした。
読書後ネットで、お顔を拝見しましたが、これまた想像通りの人でした。現在は悠々自適?世間一般以上に裕福な暮らしをされていると思いますが庶民、平等、フェミニズムなどのイデオロギーを振りかざす感じですね。
あとがきで北原みのりが上野千鶴子に対して皮肉めいた事を書いていますが直接いっていただきたかったです。コワィのかな?言ったところで平行線になるだろうしね。
ウーマンリブなど、さまざまな時代を経てきたことや勿論、正論なのだろうけど、思春期や女と -
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妻に勧められ読む。父と息子の関係も大変だが、母と娘の関係もまた違った種類の粘着質っぽい大変さが有るのだなあと思う。外から見ていると、なかなか分からないものだが、心配になってくる。また、娘たちとはこのような間にならないと良いなと思う。
【学】
母はどんな話をしても素直に喜ばない
母が喜ぶからと柄にあわない優等生を演じていた事は葬り去りたい過去だ
「母の存在が重い」「いつまでも支配されている」と感じる娘は珍しくアリマセン
どこか虫の居心地が悪そうな母の声を聞いてると内蔵という内臓がギュッと小さく縮む気分になる。仕事以上のストレス
だんだんと人間関係にまで口出しするようになった
母は、私 -
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ネタバレ発売日に朝倉さんご本人から購入!
最近は「毒母」という言葉もあり、
それぞれ家庭ごとの問題を抱えている母娘関係。
辛く重くなりがちなテーマですが、
朝倉さんの読みやすい文章、
カウンセラーの信田先生のコラムが
すんなりと心に響きます。
我が家もご多分に漏れず、母は「微毒」を
持っています。
親による負の言葉の数々を受け流し、
大人になった自分の人生を自信をもって
生きていこうと思います。
・母親は、論を尽くせば通じる相手ではない。
母親の介入から自分を守る壁を築くこと。
・できないことや無理であることを断言し、
一線を引く。
母親は何を言っても響かないと判断した
人には潔く