信田さよ子のレビュー一覧
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思わず、女性専用車輌に乗ってしまった時と同様の戦慄は、終始拭えなかった。当たり前か。
NPO法人ウィメンズアクションネットワークと出版社主催の鼎談書籍化。
自分ではない何かになろうとして、婚活サイトを利用し死刑に至った木嶋佳苗から、97年に殺人事件の被害者となった東電勤務の女性、その他にも元オウム信者同士で逃亡生活を続けた斎藤明美、2006年に報道されたセレブ妻殺人事件の三橋歌織などを題材に、毒婦を生む背景に切り込む一冊。
上野先生が終始、韓流ではない事をアピールし続けるのに笑った。
あとがきで触れられる壇蜜の「はい。日本の矛盾が生んだ空っぽのただの32歳、それが壇蜜です。」には、それ -
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ネタバレかなりおもしろい。というか気持ちいい。女たちの目線で世の中を見ること。言葉を獲得していくといことが真実の見え方にどれだけ影響するかを思い知った気がする一冊。思考停止していたのかもしれない。マスメディアが流す一元的価値観に自縄自縛に陥っていた自分の後頭部を思いっきり金槌で殴られた気がする。メディアが男社会であるという意識もなかった。男の股間のケアを要求する社会に逆手にとって現れた「毒婦」たち。毒婦は自分であるという目線。「言葉を持って女目線で現実をちゃんと暴きだすことが必要。(上野)」上野千鶴子の歯切れの良さ、好き嫌いハッキリわかれそうな人だけに、好きだと思った。
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自分自身も親から受けた影響を少なからず持っているので、とてもためになりました。
簡単に本の内容をまとめつつ、感想を入れます。
妻への母性の期待、育児の押し付け
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怒りは子供は向かう
子への虐待(精神的なものも含む)
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辻褄を合わせるために、子の怒りが子供自身へ向かう
これは簡単に他者へ向かうこともある
私自身も、夫に言えないことを子供に伝えたり愚痴ったりしていて、「子供をゴミ箱にしている」と言う言葉に、はっとした。
じゃあ誰に思いを伝えればいいか。この本では同じ思いをした人と話をするグループセラピーを勧めている。その時に伝え方として端的に短く言うことがポイントだそうだ。聞いた人 -
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“深い底の部分では怒りが渦巻いているのに、四方八方からの張力によって、それは流れそうで流れない涙のようにギリギリのところでとどまっている。それはまさに言葉を失うとしか言いようのない現実への直面に思えた。そこから這い上がるように言葉を新しく獲得していく姿、その張り詰めた感じが、読む私の胸を打ったのである。”
---「まえがき」より
公認心理士・臨床心理士の信田さよ子さんと、社会学者・教育学者の上間陽子さんの、数回にわたる対談を書籍化したもの。
性被害に遭った女性へのアプローチについて語っているので、内容はとても重いのだけれど、文章から伝わってくるお二人のキャラクターが真逆のように感じられて、対 -
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柚木麻子さんの『BUTTER』からこちらに流れ着いた。木嶋佳苗の事件当時、私は20代前半だった。その頃は、へえ、なんか大変な事件が起こったんだな、くらいの関心しかなかった。もう20年近く前の事件に興味を惹かれるのは、ルッキズムやミソジニーの社会的状況が当時と変わっていないからだし、私自身がそこにちょっと敏感になっているからだろう。いくつかの事件をとおして、男とは、女とは、男女の関係とは、について、ここまで断定的に迷いなく語ることができる御三方に憧れのようなものを感じたし、御三方間の捉え方、見方も違っていて(特に上野先生と信田先生は社会学=マクロ、心理臨床=ミクロというモノの見方の違いがあるんだ
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ネタバレわたし自身が、母への憎しみをもつことへの罪悪感を抱えてきた。母へ尊敬の念をもつことができないのは、私が精神的に成長せず、いつまでも幼稚なせいだ。
同じ状況でも親に激しく怒鳴られることもあれば、何も起きないこともある…というような因果の見えない精神的な危険にさらされた子どもが、その状況をまるっと呑み込める呪文が「わたしが悪い」なのだという。「わたしが怖い思いをするのは、わたしが悪いから」と、自分の存在を悪だと定義すれば、どんな状況で困難が起きたとしても必ず適用することができる魔法の呪文だと。
安全安心に生きていくための規範を教えることが躾などだとすると、一定の規範がない状況でも生きざるを得ない子 -
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“母性愛なんてものはありません。
人間ってそういうものでしょうとか、母性愛がないのかなどと言っちゃいけないんですよ。それがどう時間をかけて、歴史的に私たちに埋め込まれてきたのか考えないといけない。”(p.131)
“娘もしくは息子から母への罪悪感の背後には、父がまったく機能しないということも、私は付け加えなければいけないんじゃないかと思う。
「娘には娘の人生がある。言いたいことがあれば、夫である僕が聞くよ」と正面から妻と向かい合っていれば、娘から母への、もしくは息子から母への罪悪感は、すこしは軽減されたはずです。”(p.134)
“子どもに腹を立てることもあるし、母と同じようにひどい