家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ

990円 (税込)

4pt

最大の政治団体、家族と国家による暴力。
日々、私たちはそれに抵抗している。

家族は、以心伝心ではなく同床異夢。
DV、虐待、性犯罪。最も身近な「家族」ほど暴力的な存在はない。
イエは「国家のミニチュア」に陥りやすいのだ。その中で、私たちは日々格闘している。いわんや、被害の当事者は闘い続けている。
絶え間ない加害に対し、被害者がとる愛想笑いも自虐も、実はサバイバルを超えたレジスタンスなのだ。
エスケープでもサバイバルでも、レリジエンスでもない。
私たちはレジスタンスとして、加害者に後ろめたさを抱かせる――。

被害を認知することは服従ではなく抵抗だ
■家族は無法地帯である
■愛情交換という暴力
■家族における暴力の連鎖は権力による抑圧委譲
■報道では虐待だけが選ばれて強調される
■殴られれば、誰もがDV被害者と自覚するわけではない
■被害者は不幸の比較を犯してしまう
■父のDV目撃が息子をDV加害者に陥らせる
■被害者支援に加害者へのアプローチは必須だ
■彼らの暴力は否定するが人格は尊重する

【目次】
まえがき――母の増殖が止まらない

第一部 家族という政治
第一章 母と息子とナショナリズム
第二章 家族は再生するのか――加害・被害の果てに
第三章 DV支援と虐待支援のハレーション
第四章 面前DVという用語が生んだもの
第五章 「DV」という政治問題
第六章 家族の構造改革

第二部 家族のレジスタンス
第一章 被害者の不幸の比較をどう防ぐか
第二章 加害者と被害者が出会う意味
第三章 加害者アプローチこそ被害者支援
第四章 レジリエンスからレジスタンへ
第五章 心に砦を築きなおす

あとがき
主要参考文献一覧

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家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「個人的なことは政治的なこと」というのは有名なスローガンである。それと同様のことである「家族的なことは政治的なこと(国家)」というのが本書に常に流れる重奏テーマ。アディクションからDVに関わり、それが家父長的な、そしてジェンダー問題を背後に抱えていて、結局は戦争問題が解決ついていないことから起こって

    0
    2025年10月16日

    Posted by ブクログ

    アジールとしてのカウンセリング
    愛情はぐくみ思いやり温かさと共に語られて来た家族の関係を一切消去し、代わりに、
    支配、力、被害加害、戦略、駆け引き、作戦といった言葉を登場させる、いわば、心理学から政治学へのパラダイム転換。家族はこのように政治的に解釈されることで変革の可能性、起動点が見えてくる。
    1

    0
    2024年07月28日

    Posted by ブクログ

    あの事件を起こしたのが、自分と同じ年の人だったと知ったとき、すごくショックで、気持ちがまとまらないまま書店でこの本を手にとってフラフラとレジへ。

    著者がカウンセリングを通じて向き合った膨大な事例から、家庭における暴力の存在とそれを取り巻く国家の意図を鋭く問い、被害者支援と加害者更生に必要な新しい考

    0
    2022年08月17日

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    ・夫婦間のDVや子供への虐待はどうやったらなくせるのか?
    ・家庭は治外法権だが、権力構造がある。さらに身体接触が許された唯一の場所。(他人に触れるには病院などどこも国家資格が必要だ。)
    ・抱きしめることと暴力は真隣にある。
    ・夫→妻、親→子供の権力に多くは無自覚である。
    ・親孝行の価値

    0
    2022年01月03日

    Posted by ブクログ

    自分が受けた暴力を自分より弱い者に行うことを「抑圧委譲」という。その対極にあるのが「レジスタンス」で、被害者は自分の被害を自覚し、抵抗することで回復し始める。しかしそのプロセスは長く険しい。DVも戦争も、家族と国家という規模の異なる場で行われているが、同じ構造をもつという。永年、臨床心理士として家族

    0
    2021年03月24日

    Posted by ブクログ

    心理療法士の信田さよ子氏の2021年の著書。暴力はいかなる理由があれ絶対的悪であるとの前提で書かれている。DV.依存症.(アディクション)アダルトチルドレン(AC)性的虐待をテーマに詳細に論じられてます。

     今の日本人のもっている家族観は明治に入ってつくられたらしい。男は家父長として一家を支えると

    0
    2025年01月12日

    Posted by ブクログ

    家族内のDVについての話。
    国家はあまり関係ないから、そこを期待すると違うかも。

    メンタルヘルスの話としては普通に勉強になった。

    0
    2023年07月16日

    Posted by ブクログ

    半分以上読んでも、タイトルの意味するところが分からなかったが最後の方で繋がった。内容は既知のものもあれば逆もあり、全体的にとても興味深く読んだ。

    家族という無法地帯。児童虐待とDV。子供の頭を叩くのも、生意気な妻を蹴るのも、ちゃぶ台を引っくり返すのも、家長からみれば「仕方のないこと」であり、家庭内

    0
    2021年10月10日

    Posted by ブクログ

    タイトルを見て手に取ったが、期待していた内容ではなかった。国家間の対立と家族内でのDVや虐待の共通点を指摘しており、それはそれで面白いのだが、そういうことが知りたかったわけではなく、昨今の国や社会の仕組みが、家族のDVや虐待をどのように形作るのか、その構造が知りたかった身としては物足りない内容だった

    0
    2024年02月05日

    Posted by ブクログ

    筆者はカウンセリングという仕事を大変知的に行なっていることがよくわかる。
    「共感」みたいなものを示されるよりも説得力があるしより深い関心を持てる。

    ・虐待やDVにおいては、「被害者側に立つことこそが中立である」というのは繰り返し唱えていかないといけない。
    ・虐待とDVはつながっている(抑圧移譲)

    0
    2022年05月16日

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