住野よるのレビュー一覧
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ネタバレ君の膵臓をたべたい以来、2作目の住野よるさん著書。
よるのばけものってなんだろう!!!…という気持ちで読み進めたのですが、
「人は色んな面を持っているけど、それも含めて全部自分だよね」というものを分かりやすくするための『よるのばけもの』でした。
話の進み方も面白くて、飽きずにも読めましたし、最後の一文の書き方は凄く好きでしたが、
この本は結局何を核心としたストーリーなんだ?という疑問(私の理解力がないだけかも)と、よるのばけものについてもう少し言及して欲しかった!!(クラスの人物の闇深なあの言葉の意味とかまだ伏線なところが結構あるように見受けられたが、回収されず)
…ので星4にしました。
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深夜になると異形の化け物になってしまう男の子と癖のある性格によりクラスからいじめられている女の子の日中と"夜休み"の不思議な関係を描いた話。
はじめ本書の設定を読んだ時、美女と野獣のような恋愛要素の強い作品なのかなと思った。しかし実際にはそんなほろ苦くて甘い話ではなく、いじめの空気といじめに葛藤する内面を描いたものであった。
本書は全て主人公の男子中学生「あっちー」の一人称視点で語られ、昼の人間としての「俺」と夜の化け物としての「僕」がそれぞれ交互に思いや考えが交錯しながら進んでいく。それぞれの章はあまり長くないのでかなり読みやすいが、昼や夜での出来事をその後どうなるのかが -
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ネタバレ学園ものと言えばスポーツもの、恋愛もの以上に題材にされるいじめをテーマにした小説。中学生であるが故に軽率で残酷、そして繊細な感情の衝突で起こる悲劇。主人公の立ち位置、“いじめの的にならないようにいじめられる側に所属する”は大多数の人が取っているのではないだろうか。ストーリー上、バケモノの姿になる必要は一見ないように思えるが、いじめられている矢野さんの目線からしたら昼の主人公と夜の主人公は声しか共通点がなく、最終盤でどっちが本物?という質問を際立たせるためのファンタジー要素と考える。ただ、序盤はその設定に興味を惹かれ読み進めるのだが。そして最後の1行でバケモノになった原因が明かされる。
本当の自 -
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ネタバレ寮に住む高校生たち、めえめえ、サブレの二人が、夏休みに遠くに住むサブレの祖父のところで4日間を過ごす。お互いに憎からず想ってはいるけど、それを言葉にしないまま寮に帰ってくる。単に好き好きって気持ちを一方的に伝えるのではなく、考え考え、好きか嫌いかの二元ではない気持ちを、旅の終わりにやっと確認できた。
「私も、いや違う、私が、一緒にいて欲しい。下宿仲間でクラスメイトで友達で恋人で、その全部で、そのどれでもいい。お互いの悪さもひどさもめんどくささも全部連れて、めえめえと一緒にいたいと今、思っている。それが私の真剣に決めた自由で、離したくない不自由だ。」と言って、隠れて泣きに行ったサブレ。
ラストに -
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ネタバレ主人公はまるで自分が陰の者みたいに言うけど、クラスメイトの女子(ときに男子も)とあのレベルの掛け合いをしといてどこが人間苦手?と思った(笑)会話も普通に面白いし、「彼女」の家族に対しても礼儀正しくてコミュ力高いからとてもリアルな高校生には思えなかったな。というか結構饒舌な感じがラノベの主人公っぽいなとか。
まぉそれはさておき、伏線がよくほどよく効いていた…か?いや、ちょっと先読めたかな…?
でも「ガムの彼」がなんか好きだった。
旅行先のホテルにて同じベッドに入って寝たシーン、すごく儚くて尊くて、自分はそこで切なさがMAXだった。そのシーンの最後の一文「誰も、僕を許してくれなかった」の意味がわか -
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ネタバレ住野よるさんの作品はハズレがないので手に取りました。ネットでの評判も良く、BOOKOFFで見つけて購入。
読んでみて、一番好きだったのは「麦本三歩はモントレーが好き」。
全体的に読みやすくテンポも良いので、疲れたときでもぼんやり読めました。些細な日常を丁寧に拾い上げて、楽しく文章にしてくれるのが魅力です。
所々にハッとする言葉もあり、特に心に残ったのは――
“知らない本がこれだけたくさんあるということが、世界は自分だけの目線で見られているものじゃないという証明である気がして、三歩の心を支えている”
“ずるいことしたり、人に嘘ついたり、でも生きていかなくちゃいけなくて、自分をそんな嫌な奴だ