あらすじ
人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。――それから三年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。
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Posted by ブクログ
最初は、過去の回想や現代が入り混じり、頭の中が整理できず、ただ1個人が過去を追い求めサークルを破壊するだけの話(回想シーンが死んだ方を偲ぶもの)かと考え、途中で離脱しようかと考えました。
しかし、読み進めるとともに、現代に近づき回想と重なり始める事で自分が想像していなかったことが起き、面白くて一気に読み切ってしまいました。
主人公がやっていることがその回想を取り戻すことではなく、主人公の真の欲望を満たすためであったこと、そしてそれが大切だった親友を傷つける結果に繋がったこと…何か他人事ではない気がしました。自分も自分のやりたい事を満たすために、相手のためだからと決めつけて相手は望んでないことをして無意識に大事な誰かを傷つけてしまっていることがあるかもしれない。話し合いが大事と言っても、全て相手を理解することはできず、結局自分の解釈で相手の気持ちを推し量ってしまっている。主人公よりはまだ大ごとになるほどな事は起きていないが、それを念頭に置きながら、主人公と同じように成長していきたいと感じました☺️
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意識的に人との距離感を取って過ごしていた所に、踏み込んでくる1人の変わった人。
その人と心を交わしていく、そして自分のしてしまった事への後悔と初めての感情を認識していく情景、人と関わる事で「傷」を知る。
なかなか自分の気持ちを素直に伝えるって簡単なようでとても難しいですよね。
わたしは傷つきたくないから、人との距離というか頭の中でめちゃくちゃ考えて結局やめる、諦める。
って感じで壁を作ってきました。
根本の部分は変えられないけど、
「けど」その先に何かが(自分の成長も含め)ある
と思ってとてもとても重い1歩を踏み出してみようかなと思いました。
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自分のために、誰かを傷つけてしまう青さ。痛みを受け入れられない青さ。そしてそれを認められない、認めてしまえば自分を保てなくなる脆さ。
それを受け入れて、初めて人は成長する。後悔のない人生なんてない。けれど誰かを傷つけない努力はし続けなくてはいけない。
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最後の方はもう一気読みだった。友達と理想を求めて一緒に活動してた場所を取り返すために「正義」を振りかざしたはずなのに、結局は自分のことしか考えてなくて、大切な友達をただ傷つけるだけの展開になってて読んでて本当にしんどかった。住野よる先生は、こんな複雑な物語をここまで分かりやすく描いてくれるから、本当に大好き
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2人の青くて痛くて脆い部分が、自分のこれまでの人生に重ねられた。
読み進めていて、時に胸が苦しくなり、時に共感して色々な感情が湧き上がって来る作品だった。
特に、最後の一文。心の奥底に突き刺さって自然と涙が溢れた。
最初から最後まで、目が離せなく、読みやすい作品で良かったです。
Posted by ブクログ
映画にもなっていたので気になって読んでみた。 最初から中盤までは悲しい恋愛ものかと思っていたが、びっくりした。そこからは、時間を忘れて読んでいた。最後の最後まで心に痛さが残っていった作品。後悔は消し去ることはできないけど、その後悔を糧として生きていくことができることを知れた。
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はじめは死んだと思っていた秋好は、モアイのリーダーだった。モアイは本当に変わってしまったのか、かつての秋好はもういないのか。人の意見を否定しない、人に近づきすぎないをテーマにしている楓が秋好のために行動を起こす。それほど楓にとって秋好が大切だった。秋好、モアイのたみにと自分の考えを信じ込み、行動を起こす。起こしたあとに後悔する。モアイを秋好を傷つけた楓の後悔、すごく楓に感情移入してしまった。もっと秋好視点でも読みたいと思った。
自分に向けられていたものが、他を向く。そのことに対する悲しみ恐怖を勘違し、向き合えず、自分と人を傷つける。共感できる。
自分のエゴ、自分勝手な思い込みからの行動。それが人を傷つけることがある。そういったことをしないよう、人に対して誠実であろうと思う。
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心を激しく乱す力のある小説。主人公のにぶさみたいなものや、未熟さ、そして物語の先行きの暗さが大きく心を乱す。主人公の非自覚的な醜さがなによりも重い。
Posted by ブクログ
ここまで大きい出来事に発展しなくても、楓に起こっている心の機微は、何となく分かるような気がする。
自分は、その子を唯一無二の親友だと思っていても、その子にとって自分はそうでは無いと実感して虚しくなるみたいな。
楓は、自分ルールとして、人と深く関わりすぎないようにしていた。けれども、本心では、人との強い繋がりを欲していたのだと思う。だからこそ、その心のバリアを越えて、信頼した秋好への思いは、恋愛感情になる・ならないに関わらず、固執に変わっていったのではないかと思う。
彼はそれに気づかず、「秋好」という目の前の友人ではなく、「理想の秋好」を見るようになっていった。
そうして自分を正当化することで、「自分は間に合わせだった」と感じて、傷つく自分を守ったのだろう。
それでも秋好からしたら、何が何だか分からない。急に自分からやめて、時間が経ってからモアイへ牙を剥く。秋好は、「楓がどう思うか」を気にかけていたのだから尚更。
相手と向き合うことは、勇気が必要だけれど、言葉にするってとても大切だ。そうでないと伝わらない。
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川原さんの言葉が印象的だった。
「人と人との距離なんて一対一で決めるもんやと思うんですよ。」
「タメ口でも敬語でも良くて、それが田端さんが私に対して掴んでる、距離感なんやと思って、それって世の中で思われているよりずっと尊重されるべきことやと思うんですよ」
「距離感は、仲の良さとかそういうのとまた違う人の価値観、主義?そういうものやと思って」
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人に近づきすぎるのが怖い。自分を守りたい。自分の傷ばかり気にして、相手の傷を考えていない。私もそうだ。
楓は、間違ってもあんな言葉を言うべきではなかった。最低なことをした。いつだってやり直せるのに言い出さなかった。でも楓があまりにも自分に似ているから、責めきれなかった。
どうしても自分本位になるのは、ある意味では当たり前かもしれない。それでも一度立ち止まって、自分と相手に正面から向き合える強さを持ちたいと思った。
Posted by ブクログ
読んでて苦しくなる本。この本の中の問いが自分にも投影しやすく、今読めてよかったなって本読みながら思ってた
上手く回収されてるんかされてないんか分からない
もう一度読んでみたいしっかり
哲学的な話好き
Posted by ブクログ
ヒロが秋好と分かってから鳥肌止まらなくて一気に読み進めてしまった。
傷つきたくないと言う理由で人と距離との一定の距離を保とうとしてしまう人にとってはとたも共感できる作品だと思う。(私はその1人)
楓の他人を俯瞰して下に見ているようなところも、傷つかないように自分の意見を言わずに秋好や董介・ぽんちゃんから自分から離れていくところも分かる分かる、と思いながら読んでいた。
人との関係ってきっと自分が距離をとった分だけ他人からも距離を取られて、逆に自分がオープンになれば他人もオープンになってくれる単純な仕組みなのに、なかなか難しいよね。
Posted by ブクログ
青春って何かっていうのを上手く可視化してる感じで面白かった!大学生の解像度もすごく高かった感じがする。
未熟だなぁ、でも楽しそうだなぁっていう青さ。
だからこそたくさん失敗するし、人としてイタイこともするっていう痛さ。
そんなに自由にふるまうくせに、人との関係を簡単に壊してしまったり、自分の過去も否定する今を作ってしまいかねない脆さ。
これが全部出てた。
結局、秋好も楓も青くて痛くて脆かった。
結局はみんな空っぽだから、それを埋めようとしてこうやって青くて痛くて脆い乗田になるのかも。
それを隠さなくていいのが学生、隠さなきゃいけいないのが社会人っていう感じで、結局年の差意外に大差ない。本質はみんな一緒だし、それが人間。
でもそれでいいし、そういう空っぽさを埋める存在があること自体が幸福なことだし、埋める存在に自分が慣れたらそれもまた幸福なこと。
埋め合わせに使われたなんて悲観する必要なないんだろうなぁ。
とはいえ、都合の良い関係とかメンヘラとかそういうのとはちゃんと境界線を張っておかないとなっておった。
こっちがは浪費みたいな。やってもやっても足りないっていう側面が強いけど、本書の方は、もっと土台みたいな感じ ?欲望を埋めるんじゃなくtえ自分を支えてくれているっていうそんなイメージ。
それでも、主人公に共感しきれない感じが中盤まで続いたから、☆4つカモ!
Posted by ブクログ
主人公、田端楓。大学一年。絶えず人と距離を取って生きてきた彼の前に現れた、青くて痛い秋吉寿乃。ただマイペースでひたすら理想を求める。生きにくいまったく反対の性格の二人が友となって始めた団体、モアイ。モアイは変わり、ほどなくして楓はモアイから離れ、2年半後、モアイを変えた奴に対してアクションを起こす。相手に傷つけられたから相手を傷つけ、そのことに気づいてまた傷つく。変わらないことなんて何もなく、だからこそ、離れた者同志が再びつながる。ただ、良くも悪くも、人ってそんなに変わることはないと思う。ディスタンスが気になる今だからこそ、心の距離の取り方を考えたい。
Posted by ブクログ
まさか?のそのまさかだった
モアイに始まりモアイに徹し、モアイに終わります。
誰しも自分の大切なものが離れていくと寂しくなったりするなんとも言い表せない気持ちを上手くストーリーにしてると思う
Posted by ブクログ
家族の本棚にあって、借りた本。
最初、タイトルの意味がわかんなかったけど、読んでると段々そういう事か!ってなってタイトル通りだなって思った。
学生時代に読んだら、心に刺さりそうな作品。
Posted by ブクログ
これこそが青春モノなのかもしれない。
住野よるらしい繊細な心情描写は心をえぐりつつも、登場人物の思考や言動には共感できない部分もあり、全体の評価としてはそこまで高く付けてないです。
Posted by ブクログ
どこか冷めていて、未熟な主人公が少しだけ成長、というか変わっていく物語だと思った。
青くて痛くて脆いというタイトルがぴったりな本。
最初の段階で、秋好が死んだと思わせる表現があり、そこでまず衝撃を受ける。
物語が進むにつれ、秋好は死んだのではなく、ヒロとしてモアイのリーダーとして生きていることが判明する。そこから展開が気になって、一気に読み進めた。
主人公は本当に未熟であり、弱い人間であり、共感する部分があった。自分も歳が近いのもあり、大学卒業間近への不安定さだとか、そういう部分でも共感した。自分は人を否定しない、不用意に近づきすぎないという思想も割とわかる。
秋好を当初痛いと評していた楓もまた、秋好に幻想を抱いて、裏切られたと思い、取り返しのつかない行動までしたのは痛いのかもしれない。
けれど、秋好にぶつかりに行って、痛い思いをしたからこそ、主人公は物語の最初よりも、もっと深く人と関われるようになっているかもしれないと思ったり。
董介の"俺らもまたモアイをバカにしている"とか、川原さんが不器用に見せかけて、色々な物事を考えていて、一つ一つの言葉や考えを丁寧に紡いでいるのが印象に残った。
秋好と主人公の考えはすれ違ってしまっているし、すれ違ったなりに、どんな形であれ互いの心に互いがいた。それでも、最後主人公が前の秋好に戻って欲しいという願望は叶わないし、実は秋好なりに主人公のことを気にかけていたというのも、取り返しがつかなくなってからわかる。モアイが炎上するまでの過程も、すごく現代的。
最後に、もしかしたら2人はまた新しい立場で新しい関係を築くんじゃないかっていう風に終わるのは少し運命的すぎる気がするけど、それは物語だし、綺麗な終わり方だと感じた。展開や心理描写含めて色々リアルな話だと思った。
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タイトル通りの青くて痛くて脆い若者が描かれた作品でした。自分のことだけを見てくれていると思っていた友人が離れていってしまう寂しさは私にも覚えがあるような気がします。しかしこの主人公はちょっと拗らせ過ぎているような気がして、私には合わない物語でした。
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田端楓
高校卒業までの十八年間で「人に不用意に近づきすぎないこと」と「誰かの意見に反する意見を出来るだけ口に出さないこと」を人生におけるテーマに決めつけた。商学部。
秋好寿乃
政経学部。高校でサッカーをしていた。茨城県出身。現役入学。一人暮らし。塾のバイト。少年漫画が好き。アジカンが好き。信念は「なりたい自分になる」。サークル「モアイ」を設立。
董介
楓のバイト仲間。大学生。「モアイ」を嫌っている。モアイを壊す手伝いをする。
テン
モアイの幹部。イベントでは司会を行う。コミュ力のあるチャラっぽい人。天野。
ポンちゃん
愛媛県出身。董介のゼミの後輩。モアイには友達が入ってて所属してるだけ。高校生の時から付き合っている彼氏がいる。
ヒロ
楓と同じ世代のモアイのリーダー。リーダーシップのある人。
脇坂
楓が一年生の頃、秋好の存在を面白がり、仲間になろうとはしないまでも、モアイを眺め、ふいに現れては助言し、色々な人にモアイのことを知らせた人。
高崎博文
ポンが希望する業界のリクルーター。
尋木ミア
母親がイタリア人らしい。一重で唇が薄く、冷たい空気をまとっている。モアイ設立後の三人目のメンバー。
川原理沙
楓のドラッグストアでのバイト仲間。ヤンキー女子大生。楓と同じ大学。楓にモアイの内情を探るため勧められてモアイに加入する。もともと自分に酔っている人たちが好きなため、積極的にモアイの活動に参加する。
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私の好きなタイプの話ではないかも。ただ、誰にでも当てはまるテーマの話だと思った。秋好の死因が出てこない上に、ヒロが女ということが匂わせられていて、ヒントは出ていた。私が主人公なら、アイツ変わったなぁと思っただけで思ってしまう。その人に固執してしまうのも、傷つけてしまうのも、許されたいと走るのも、もう一歩踏み出すのも生きてるって感じだなぁと思った。
Posted by ブクログ
主人公の楓も、モアイのリーダー秋好も、物語の人物らしからぬ人間臭さがありました。漠然と、自分と楓を照らし合わせて物語を読み進めていました。なにか通ずるところがあるなって思いました。
結構誰もが自分のために人を利用するって残酷だけどそうだなと納得しました。そのままバットエンドっぽく終わらせても良かったけど、最後にどっちに転ぶか分からない終わらせ方にしたのは住野よるさんの優しさかなと。
昔読んだ時は深く理解しないまま読み終えてしまったけど、今読むとこの物語のメッセージを受け取れた気がして悪い意味で大人になったなって思いました。面白かったです
Posted by ブクログ
ミステリー風でもあるが人物像はリアルなので、大学ってこんな感じなんだと思いながら読んだ。
同じ学校に通う同士でも社会人入学をすると少し距離感が生まれたことを思い出した。
Posted by ブクログ
人は人を間に合わせに使う。自分にも似たような感覚がある。たまたま自分だっただけでどうせ自分じゃなくたって…マイナスに考えてしまう。その価値観が考え方が多少なりとも変わった。それだけでこの作品に出会えてよかった。川原さんのキャラが良い、好き。
Posted by ブクログ
主題の通り。
経験不足にも関わらず、プライドだけは一人前で、自分の事を顧みず、他者に責任を押しつける。よくある若者像を描いている。
一方的な主張を表現するためか、対象の人物たちの心の内は常にシークレット。その分、台詞毎に主人公の独りごちた考えが記述されているんだけど、それが個人的に読みにくかった。
もうちょっと行間を読ませる文章が好みではある。
Posted by ブクログ
個人的にはあまりハマらなかった。
秋寿が死んだと思ってたら、自分が知らない人になったから「もう居ない」だった。
自分だけのものだと思ってたら急に居場所を取られ、破壊するにいたる。
まさに青くて痛くて脆い大学生だ
Posted by ブクログ
映画を観て、本を読もうと思った作品。
人を傷つけないために、人に傷つけられないために一定の距離を保つというモットーを持つ楓は、大学入学して早々に秋好という女性に関わってしまう。二人で作り上げた団体にいつしか心地よさを感じるが、組織が変わっていくにつれ、楓は居場所を奪われたように感じる。復讐と後悔の中で自分の弱さに向き合い、自分を認めていく。
映画とは若干ストーリーが異なるが、映画での衝撃が大きすぎたのか、本よりも映画のほうが好きかなと感じてしまった。
人は変わる。環境は変わる。執着は苦しみを生み出す。自分の弱さに気づけたことを思い出す話。