【感想・ネタバレ】青くて痛くて脆いのレビュー

あらすじ

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。――それから三年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は、過去の回想や現代が入り混じり、頭の中が整理できず、ただ1個人が過去を追い求めサークルを破壊するだけの話(回想シーンが死んだ方を偲ぶもの)かと考え、途中で離脱しようかと考えました。

しかし、読み進めるとともに、現代に近づき回想と重なり始める事で自分が想像していなかったことが起き、面白くて一気に読み切ってしまいました。

主人公がやっていることがその回想を取り戻すことではなく、主人公の真の欲望を満たすためであったこと、そしてそれが大切だった親友を傷つける結果に繋がったこと…何か他人事ではない気がしました。自分も自分のやりたい事を満たすために、相手のためだからと決めつけて相手は望んでないことをして無意識に大事な誰かを傷つけてしまっていることがあるかもしれない。話し合いが大事と言っても、全て相手を理解することはできず、結局自分の解釈で相手の気持ちを推し量ってしまっている。主人公よりはまだ大ごとになるほどな事は起きていないが、それを念頭に置きながら、主人公と同じように成長していきたいと感じました☺️

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここまで大きい出来事に発展しなくても、楓に起こっている心の機微は、何となく分かるような気がする。
自分は、その子を唯一無二の親友だと思っていても、その子にとって自分はそうでは無いと実感して虚しくなるみたいな。
楓は、自分ルールとして、人と深く関わりすぎないようにしていた。けれども、本心では、人との強い繋がりを欲していたのだと思う。だからこそ、その心のバリアを越えて、信頼した秋好への思いは、恋愛感情になる・ならないに関わらず、固執に変わっていったのではないかと思う。
彼はそれに気づかず、「秋好」という目の前の友人ではなく、「理想の秋好」を見るようになっていった。
そうして自分を正当化することで、「自分は間に合わせだった」と感じて、傷つく自分を守ったのだろう。

それでも秋好からしたら、何が何だか分からない。急に自分からやめて、時間が経ってからモアイへ牙を剥く。秋好は、「楓がどう思うか」を気にかけていたのだから尚更。

相手と向き合うことは、勇気が必要だけれど、言葉にするってとても大切だ。そうでないと伝わらない。
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川原さんの言葉が印象的だった。
「人と人との距離なんて一対一で決めるもんやと思うんですよ。」
「タメ口でも敬語でも良くて、それが田端さんが私に対して掴んでる、距離感なんやと思って、それって世の中で思われているよりずっと尊重されるべきことやと思うんですよ」
「距離感は、仲の良さとかそういうのとまた違う人の価値観、主義?そういうものやと思って」

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヒロが秋好と分かってから鳥肌止まらなくて一気に読み進めてしまった。
傷つきたくないと言う理由で人と距離との一定の距離を保とうとしてしまう人にとってはとたも共感できる作品だと思う。(私はその1人)
楓の他人を俯瞰して下に見ているようなところも、傷つかないように自分の意見を言わずに秋好や董介・ぽんちゃんから自分から離れていくところも分かる分かる、と思いながら読んでいた。
人との関係ってきっと自分が距離をとった分だけ他人からも距離を取られて、逆に自分がオープンになれば他人もオープンになってくれる単純な仕組みなのに、なかなか難しいよね。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

田端楓
高校卒業までの十八年間で「人に不用意に近づきすぎないこと」と「誰かの意見に反する意見を出来るだけ口に出さないこと」を人生におけるテーマに決めつけた。商学部。

秋好寿乃
政経学部。高校でサッカーをしていた。茨城県出身。現役入学。一人暮らし。塾のバイト。少年漫画が好き。アジカンが好き。信念は「なりたい自分になる」。サークル「モアイ」を設立。

董介
楓のバイト仲間。大学生。「モアイ」を嫌っている。モアイを壊す手伝いをする。

テン
モアイの幹部。イベントでは司会を行う。コミュ力のあるチャラっぽい人。天野。

ポンちゃん
愛媛県出身。董介のゼミの後輩。モアイには友達が入ってて所属してるだけ。高校生の時から付き合っている彼氏がいる。

ヒロ
楓と同じ世代のモアイのリーダー。リーダーシップのある人。

脇坂
楓が一年生の頃、秋好の存在を面白がり、仲間になろうとはしないまでも、モアイを眺め、ふいに現れては助言し、色々な人にモアイのことを知らせた人。

高崎博文
ポンが希望する業界のリクルーター。

尋木ミア
母親がイタリア人らしい。一重で唇が薄く、冷たい空気をまとっている。モアイ設立後の三人目のメンバー。

川原理沙
楓のドラッグストアでのバイト仲間。ヤンキー女子大生。楓と同じ大学。楓にモアイの内情を探るため勧められてモアイに加入する。もともと自分に酔っている人たちが好きなため、積極的にモアイの活動に参加する。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私の好きなタイプの話ではないかも。ただ、誰にでも当てはまるテーマの話だと思った。秋好の死因が出てこない上に、ヒロが女ということが匂わせられていて、ヒントは出ていた。私が主人公なら、アイツ変わったなぁと思っただけで思ってしまう。その人に固執してしまうのも、傷つけてしまうのも、許されたいと走るのも、もう一歩踏み出すのも生きてるって感じだなぁと思った。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の楓も、モアイのリーダー秋好も、物語の人物らしからぬ人間臭さがありました。漠然と、自分と楓を照らし合わせて物語を読み進めていました。なにか通ずるところがあるなって思いました。
結構誰もが自分のために人を利用するって残酷だけどそうだなと納得しました。そのままバットエンドっぽく終わらせても良かったけど、最後にどっちに転ぶか分からない終わらせ方にしたのは住野よるさんの優しさかなと。
昔読んだ時は深く理解しないまま読み終えてしまったけど、今読むとこの物語のメッセージを受け取れた気がして悪い意味で大人になったなって思いました。面白かったです

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと、大学生の思春期を達観してる感じがして全然読み進められなかった。
私が大学生活送ったことないから、余計にそう感じたのかも。
読み終わったあとのジーンとくるものは無かったかな。

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2025年03月01日

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