住野よるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の三歩がかわいい。『この世界の片隅に』のすずさんみたいな人。ちょっとぼーっとしてて、食べ物が大好きで本が大好き。
「~でしゅ」とよく語尾を噛むのも面白い。天然で食いしん坊でドジっ子。職場のみんなにも愛され、失敗して落ち込んでも、また同じ失敗をしちゃう。
そんな能天気な愛されキャラ。と思いきや、意外と情に厚い一面も。
自殺まで思い詰めた友人の告白に、「君の気持ちはわからない」「そんなに辛いなら死んでもいいよ」と、非情に思える言葉をかけます。
けれどそれは、「大丈夫だよ」といった、うわべだけの慰めじゃなく、相手の立場とか気持ちとかを受け止めた言葉なんです。
美人の友人には、その美貌ゆえの苦労を知っていて、その上で大事に思っている。
欠点はたくさんある子だけれど、こういうところがあるから、みんな三歩が大好きなんでしょうね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ学生生活での自身の心情と一致しすぎていて、最初は学生の頃に読んでおいたら良かったなと思ったけれど、実際は現在の自分自身の環境、現代の社会においても同じことが言えるのかもしれない、と読み終えて思った。
自分の本心を隠し、周りに合わせて浮かないように過ごしたあの頃。"教室"という箱の中で、自分の本音を言ってしまったら、ターゲットはあっという間に自身に変わってしまう恐怖感。恐れて、だけどどこかに罪悪感があって。あの頃の自分は主人公と同じで、一番化け物だったのかもしれない。
じゃあ今、この感情、客観視できるようになった自分で、あの頃に戻れるとしたら、自分は化け物の皮を剝がせるのか?と聞かれると、はいと素直に言えない自分がいる。実際"教室"が"社会"という、もっと大きな箱になって、SNS時代の現代。より自分の意見が発信しにくくなっているのが現状だろう。少しでも世の中の意見とずれていたら。顔も知らない、名前もわからない匿名での誹謗中傷。学生生活での仲間意識や自身の立場描写ながらに、今の私たちの在り方を考えさせられる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
本をよく読むかしこい小学生の女の子が、国語の授業で幸せについて考えるという課題を出されます。
彼女のクラスには友達がいませんが、ひとみ先生というとても素敵な担任の先生がいます。
また、学校の外には、高校性の南さん、大人の女性のアバズレさん、そして坂の上に暮らすおばあちゃん、そしてしっぽのちぎれた黒猫という友達がいます。
友達ではないけれども、隣の席の桐生くん、そしてかしこくて本をよく読む荻原くんとは、ときどき言葉を交わしたりもします。
まっすぐで、強くて、自分のことをかしこいと考えている女の子が、ちょっぴり風変りな友達と一緒に、幸せとは何かを考える物語。
主人公のひたむきさや、義憤のから回ってしまうところに、思わず涙を誘われます。
まるで自分がたどってきた道や、その結果の失敗を、振り返ってみているようなのです。
かと言って「それ見たことか」という感じが全然しません。
それはきっと、彼女がとても正直な女の子だからなのでしょう。
だから、彼女が過ちに気が付き、自分の頭で何をするべきか考え、行動に移していく姿に勇気づけられるのではないか、つまり、彼女たちより少しだけ年上の南さんや、子ども時代のすっかり過ぎてしまったアバズレさんと同じ視点で彼女を見守ることで、同じ幸せを味わわせてもらっているのではないかと感じています。
物語上のトリックに面白い効果がありますが、その仕掛けを抜きにしたとしても、きっと大切なことを教えてくれると確信できる、素敵な物語でした。
ネタバレがあったとしてもなかったとしても、是非色んな世代の方に読んでもらいたい物語です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第二集は第一集と比べて変化していく日常の様があって読み終わったら第三集がすぐに読みたくなった。
特に心揺さぶられたのは先輩の結婚と退職の場面。お世話になっていた先輩がいなくなってしまうシーン。今までずっと三歩を叱っていた先輩が三歩は私が叱らなくても大丈夫って言うけど、三歩は先輩がいないとダメだと言う。この鈍臭い自分をわかってるけどどうすることもできない三歩とその様子を教育係でずっと見てた先輩のやり取りが切ない。
三歩の鈍臭さを二人称で見たらかなり腹が立つと思う。けれど、三歩がマイペースだからこその世界の見え方にすごく惹かれた。こんな見方ができたらもだと楽しく毎日過ごせるだろうなって思わせてくれる。