【感想・ネタバレ】腹を割ったら血が出るだけさのレビュー

あらすじ

「愛されたい」という感情に強く囚われている茜寧は、友人に囲まれ充実した高校生活を送っているが、誰にも本心を明かすことができない。人に好かれるよう振る舞い神経をすり減らす中、一冊の小説だけを心の支えにしていた。ある日茜寧は、その小説に登場する〈あい〉にそっくりな人物と街ですれ違う。声をかけるとその人物の名前もまた〈あい〉だと言う。友達になった二人の身の回りに、本に記された内容と同じような出来事が起き始めて……。人生と物語が交差する、極上の青春群像劇。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

捻くれてるな、と思った。
主人公なんて居ない、小説なんて所詮、という作家。常に日常を愛されたいに支配され、他者の正解を演じ愛を求めて過ごしてきた女子高生。表と裏を承知で貫こうとしたアイドル。自分の意思を伝えることが大切と考え、好きな服も音楽も楽しめる、程々な悪い大人の女装男性。リアルで晴らせない憂さを、粗探しをしたりネットで誹謗中傷したり外部に怒りを向けることを正当化しつつ自分を保とうとする憐れな男子高校生。
でも世の中はこれくらい平気で捻くれていて、斜に構えて世界を見渡してもまだ身に余るだけの残酷さがある。人間の醜さが全開だと思った。でも結局、小説よろしく、物語よろしく綺麗に収められてしまうのだな、とも。だからって望んだラストがあった訳でもないけれど。
腹の内を明かしたら、結局は血が出る。自身がしんどい思いをする。それでも人は、腹の中を明かしてなお、受け入れてくれる人を心のどこかでいつも探している。矛盾に溢れた生き物だなと思う。

0
2025年11月19日

購入済み

楽になる

人間関係とか現実の世界に嫌気がさした時に読み返したいと思える1冊でした。好きな人嫌いな人いるけどみんな腹を割ったら血が出るだけさ

#泣ける #切ない #深い

0
2025年11月15日

Posted by ブクログ

作中で出てくる「少女のマーチ」という小説の中で起こることに沿った(ような?)話。
作中の作者である小楠なのかが作品について語るところから始まり、語るところで終わる。
少し不思議な感じ。
少女のマーチという小説を読んでいた高校生の糸林茜寧は渋谷の街中で自分が読んで思い描いていた小説の中の登場人物である「アイ」にそっくりな人を見かけて思わず声をかけて話しをする仲になる。
声をかけられた方の宇川逢はそもそも女の人のような風貌をした男で、2人の関わりがかなり特殊な感じで物語がスタートする。
小説の中の出来事を現実で再現したり自分に投影したりする茜寧だけどそこには他にも色々な人物が絡んできて物語が進んでいく。詳しくはうまくまとまらないのでこの辺にしておきますが、色々な世界線が絡み合ってる感が、いつも読んでるような小説には無い展開で面白いです。

0
2025年10月13日

Posted by ブクログ

住野よる作品は二つ目。やっぱりこれも、『青くて痛くて脆い』と思った。それから、とっくにそんな時期を過ぎてるいい大人の私にも残ってる青臭い部分を意識させられるなぁ、とも。ちょっと自傷行為的な痛みを感じてしまうけど、案外みんな同じような感覚を持って生きてるのかもしれない。
何度も読み返せるかわからないけど、一気に読めた時点で、多分好きな本。

0
2025年09月23日

Posted by ブクログ

住野よるさんの小説が好みに合いすぎる。君の膵臓をたべたい、また同じ夢を見ていたと同じくらいすごく好きな話だった!よるのばけものもまだ読んでないから読みたい!もう一回記憶を消して読み直したいくらいよかった!

0
2026年02月06日

Posted by ブクログ

登場人物の心情の描き方は読んでいて、とても共感できる。その登場人物の考え方や生き方がいつの間にか自分の中に自然と入ってくる。

自分の好みの問題だが、いろんな登場人物の視点で物語が進んでいく作品はあまり好きではない。
特定の登場人物の考え方や生き方にどっぷり自分を染めていくことで、自分の視野が広がったり、考え方が深まる感じが読書の醍醐味だと個人的に思っているからだ。

ただ今回の作品はいろんな人物が悩みながら生きている姿が、悩みながらそれでも生きることの意味を感じられた。人生に正解を求めてしまうが、正解を追い求めようと悩んだりする過程について考えさせられた。悩むからこそ人生は充実するのかもしれない。悩みは苦しみかもしれないが、悪ではないと感じた作品であった。

0
2026年01月06日

Posted by ブクログ

最初は少し読みにくさやストーリーに入り込みにくく感じたけれど、読んでいるうちに続きが気になるように。変わりたい気持ち、それを誰かに委ねたくなる気持ちに共感しつつ、それを委ねられた相手からしてみたら自分誰かの人生を思い通りに変えてあげられる人間ではない..と思うのも当然だと感じた。だけどみんな二面性はあるもの。その二面性と上手に付き合いながら過ごしていけたらと思う。

0
2025年10月20日

Posted by ブクログ

腹を割って話せますか?
高校生の茜寧はココロにあるものを
小説「少女のマーチ」を準えるように行動する

アイドル「インパチェンス」のメンバー
中でも樹里亜の葛藤も同時進行で物語を繋ぐ

小説家「小楠なのか」がファンから受けた一言が物語を締め尽くす

0
2025年10月14日

Posted by ブクログ

少しくらい
格好をつけたくらいの振る舞いの方が
優しさがにじみ出てくることがあると
そんなことを言い訳にして
やっぱり生きていく

0
2025年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

気持ちが入り込むのに、少し時間がかかったものの、半分を過ぎたあたりから、読むスピードが上がったのを感じた。みんな不器用ながらも、悩みを抱えながらも、自分に妥協して生きているのかなとか、自分のことを振り返りながら読んでしまった。そうすると、たまにぐさっと刺さる言葉も出てきて、気持ちが弱っているひとは要注意かもしれない。

読みながら、なんとなくあの映画を思い出した。「心が叫びたがってるんだ」。

最後に。住野よるさんの作品は、読み終わると、なんとなくタイトルの意味に戻ってくるような気がして、いつも表紙を眺めてしまう。

0
2025年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

住野よるさんの『腹を割ったら血が出るだけさ』です。
綺麗な表紙に釣られて買ってしまいました。

主人公の女子高生糸林茜寧は、優しい家族、多くの友人、優しい恋人に囲まれ、一見すると充実した毎日を送っています。しかし、「誰からも愛されたい」「嫌われたくない」という一心から、常に相手の望む「理想の自分」を徹底的に演じ続けている姿でした。
心の中で常に「死にたい」と愚痴り、自身の腹黒さや計算高さを自覚している茜寧は、偽りの自分を演じ続ける日々に息苦しさを感じています。そんな彼女にとって唯一の心の救いは、『少女のマーチ』という一冊の小説でした。その小説には激しい共感を抱いています。

ある日、茜寧は街中で、『少女のマーチ』に出てくる登場人物〈あい〉と全く同じ容姿・服装・足音を持った人物とすれ違います。驚いて声をかけると、その人物宇川逢は自分の名前も「あい」だと言いました。
逢は、ライブハウスで働く成人男性であり、非常に端正な顔立ちをしており、常に女装をしています。茜寧たちとは対照的に、「裏表を持たず、自分の感情やありのままをストレートに表現できる人間です。

茜寧は、逢に出会ったことで。もし自分がこの小説の主人公のように行動していけば、いつか自分も物語のように救われるのではないかと考えるようになります。彼女は自分の本心を隠したまま、純粋で真っ直ぐな逢と「友人」になり、彼との時間を重ねていきます。
しかし、表裏のない逢は、屈折した他人の内面を汲み取ることが極めて苦手でした。彼は良かれと思って真っ直ぐな言葉を投げかけますが、本音を隠して立ち回る茜寧にとっては、その純粋さが辛い時もありました。

そんな茜寧を上村竜彬という茜寧の幼馴染の少年は見つめています。ひねくれた性格で、他人の失敗や醜い部分を暴くことに執着しています。茜寧が周囲に合わせるために見せる「嘘」を冷ややかに見つめています。

一方、後藤樹理亜という人物に、逢といったアイドルのイベントで茜寧は会います。
樹里亜は人気アイドルグループ「インパチェンス」のメンバーです。彼女もまた、自分が作り上げた「アイドルとしての完璧なストーリー(偽りの自分)」を演じることでしか自分の価値を保てず、疲れている人間でした。(という風に私には見えました。)アイドルとしての自分を演じ続けることに限界を迎えていた後藤樹理亜は、SNSでのファンの自分に対する解釈の違いから精神的に追い詰められていきます。そして、大切なコンサートの当日に、樹理亜はついにステージを放棄して姿を消してしまいます。
また、茜寧も張り詰めていた糸が限界を迎え、街中を歩き続けて、ついに走る車に身を投げようとします。そして逢によって助けられます。
逢に怒鳴られた茜寧は、ついにこれまで隠し続けていたドロドロとした激情を逢に対して激しくぶちまけます。「裏表も持たないでずっと本当の自分のまま生きてる奴が、私のこと分かった風に止めるな!」
また、アイドルの樹里亜は、その場に立ち会った竜彬にこう話して、ステージにまた戻ります。「私もさっきようやく分かった。真実なんてどこにもないから、あなたが決めて」
また、今まで冷静に茜蜜や樹里亜を観察していた竜彬に関しても、劇的な成長などが描かれることもありません。

ちょっと地の文章がわかりずらく、解釈の難しい小説でした。タイトルである『腹を割ったら血が出るだけさ』って。本当の自分を曝け出したところで、傷ついて血が流れるだけで、分かり合えたり救われたりするわけではない、ってことなのしれません。

茜蜜は逢に激昂し、全てをぶちまけますがそこに爽快感もカタルシスもありません。中身を曝け出しても、世界が劇的に優しくなるわけではありませんでした。腹を割っても、泥臭い現実の中で静かに生きていくしかない。
そんな葛藤を感じさせる青春小説でした。恋愛小説じゃないんだよね。

0
2026年06月07日

Posted by ブクログ

読み始めて抱いた予想とは違う結末だった。外側の自分と内側の自分が違う人の感情の動きが少しわかったような気がする。俺も理想の自分と現実の自分でこう思ってしまう自分を殺したいと考える時があるからあかねに共感できる部分があった。あいのように生きたいとおもつた。

0
2026年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あぁ、まるで私のことだ。そんなふうに感じて、勇気をもらう、救われる、そんな小説に出会える幸福。子供の頃から色々な小説を読んで、その度に感情移入して豊かに広がる世界が大好きで。そんな気持ちを思い出させてくれる作品。

0
2026年04月20日

Posted by ブクログ

読みやすかったという印象が一番にくる。
私は最初時間がかかったけど(登場人物のそれぞれの視点で出来事が書いてあるから、1人読んだら休憩とかしてたからなのですが)やっぱり後半に行くと加速はしました

私も『愛されたい』人間ですが、そんな自分を良し!としています

0
2026年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分らしさってなんだろう自分ってなんだろうって考えるきっかけになりました。自分の人生は失敗作だと思ってたけど、誰もがみんな主人公じゃないって言ってくれたことで少し救われました。

0
2026年02月03日

Posted by ブクログ

取り上げているテーマは興味深くて主人公の心情に共感ももてました
関わってくる物事や人物がストーリーの本筋を分かりにくくしているというか、現実味を薄めてしまっている感じがして残念でした
アプローチの仕方は少し納得できないけど表現したい内容には興味をもてる作品って感じ

0
2025年12月19日

Posted by ブクログ

何度も「難しいな」と感じた。物語そのものが理解しにくいというよりも、登場人物たちの心の揺れや沈黙の意味を、言葉の隙間から掬い取る作業に、読者として試されているような感覚があったからだ。
誰かの“腹の中”には、単純な答えも、綺麗にまとまった真実もない。ただ弱さや痛みが入り混じり、本人ですら扱いかねる感情が渦巻いている。その複雑さをそのまま描こうとする本作は、読み手にも同じように自分の中の曖昧さや矛盾を直視させる。その経験は決してわかりやすくはないし、時にはページをめくる手が止まるほど重たく響く。
それでも、難しさの中には確かな誠実さがあった。登場人物たちが完璧ではないまま、誰かと向き合おうとする姿に、自分自身の不器用さを重ねてしまう場面もあった。
読み終えて、「難しかった」という感想は消えなかったが、その難しさこそが作品の真価であり、心に長く残る余韻となっている。


けどやっぱり住野よるさんは
みんな読んでるけど私は苦手ダナ〜

0
2025年11月23日

Posted by ブクログ

偽りや悪意の裏にも苦しみがある。
みんなそれぞれ自分のキャラクターを演じて生きている。
本当の自分なんて存在するのかな?
本当とは?
演じることは悪いことじゃない。
けれど、そこに苦しさがあると辛い。
なりたい自分を演じて自身のキャラクターを作り上げていくが理想かなと思った。
それぞれの解釈があり、正解はない。
小説の面白さ、奥深さを感じた。

0
2025年10月22日

Posted by ブクログ

多分私は物語の3割くらいしか理解できてない。
私にはちょっと難しかった
あいの人柄は好きで勝手に恋してた。

0
2025年10月13日

Posted by ブクログ

愛されたい感情に縛られ自分を偽り続ける少女や、作られたアイドル像を演じ自らストーリーを作っていく少女。その他様々な心情のキャラクターが交錯していく物語。
人の気持ちを表現する文章力が凄くて住野さんならではだなと思いました。腹を割って語ろうとは言うものの、結局のところ人の奥底にある本音本心ってなかなか分からないものですよねー。

0
2025年09月24日

Posted by ブクログ

敢えて正直な感想を書かせてもらうと、
筆者の言葉選びが合わない部分もあり
読み切るのに少し時間がかかった印象。

周囲に合わせている自分、
思ったことを正直に言える自分、
どれが本当の自分なのかを模索するストーリー。

強いて言うなら、
生まれてすぐの赤ちゃんは「愛される」ことでしか生きていけないことを知っているので、
周りを意識して生きるのは自然なことだと思う。

素直な自分をすべて曝け出しても、
やめておけばよかったと素直に後悔することもあるし。次のとき、そうならないように自制してるのであれば、それはやっぱり素直な自分と言ってもいいんじゃないかな。

本の感想とは関係なくなってきたので、
この辺でやめておきます。

0
2025年09月16日

「小説」ランキング