住野よるのレビュー一覧
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幸せとは何か?
私が思う幸せは「言葉にならないもの、感情、記憶、形を言葉にして誰かに伝えたいと思うこと」だと思う
この人の文章好きだ、と思う気持ち、撮る写真が好き、人となりが好き、美味しそうに何かを食べる姿が好き、帰り道並んで歩いた時間が好き、絵が好き、字が好き、それらを伝えるにはどんな言葉を探しても見合う言葉が見つからないことが多い。でも必死に集めた言葉のピースを渡した先に笑顔のパズルが完成したところを見られたらほっとする。ちゃんと伝わったんだ、と思える。それこそが私にとっては幸せだな、と思った
それと共に「幸せとは何か、考えていない瞬間を生きている時こそが幸せ」なのかもしれないな、と今ふと思った
思い出は美化されるという言葉があるけど、後から「あの時幸せだったな」と思える事実はそのまま素直に「幸せ」と捉えていいし、その瞬間が大切だったからこそ思い返しているわけで。確かにいいことよりも悪いことの方が心に残りやすいけど、悪いことのなかにいいことが0だったわけではないな、見逃していたこともたくさんあるな、とアバズレさん、南さん、おばあちゃんの言葉を読んでいて思った。
素敵な読書体験ができました。何度も何度も読み返そうと思います。 -
Posted by ブクログ
住野よるさんの恋愛長編。
わたし自身もここまで長い作品を読むのは初めてでした。
しかし、住野ワールド。
最初からすっと惹き込まれていく文面、世界観。
つまらないと日々消費し続けて、なにかここから抜け出してくれる何かを求めてしまう、そんな中、不思議な少女と出会い、変わって行くお話です。
わたしもカヤの気持ちが多少なりとも分かるので、なにかきっかけや、ここから引き上げてくれるなにかないかと思ってたりするので、
非日常的な出会いにより、少しずつ変わって行く気持ち、初めて感じる気持ちの変化。
この辺りの表現が住野よるさんの好きなところです。
ここでも響いた言葉を残しておきます。
運命、なんて諦めと同じような意味の言葉だ。
過去の恋愛に依存することも、ひきずることも、傷つくことも、気にすることも、全部が全部、自らを正当化しようとする言い訳で、自分が特別な人間だとういう勘違いで、世界中の人間がやりつくしてきたことだ。
私達には、誰かの全てを分かってあげることなんて出来ない。全てを肯定してあげることも出来ない。
出来るのは、横に並んで歩くことくらい。
分厚い長編を読み終わっての達成感がすごかったです。 -
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ネタバレ最後にめちゃめちゃキュンキュンした。
言葉にする前の気持ち、情景をたくさん想像して、共感できるのがおもしろかった。
旅行からの帰り道、めえめえが突然告白する。サブレはこのタイミングであることにびっくりする。めえめえは、今が好きな気持ちが一番大きかったからと説明し、一旦コンビニに寄る。めえめえは、サブレが「自由になりたい」、「縛られたくない」という気持ちがあるということを察して半ば諦める。が、もう一度自分の気持ちを思い切り伝える。そこでサブレは泣きながら、試すようなことをして申し訳ないと謝り、めえめえとずっと一緒にいたいという気持ち打ち明ける。
そこから寮までの帰り道、めえめえは自分たちが付き合ってるということをちゃんと認識し、お互いに少しからかいあう。寮の前でサブレから夜ご飯を誘い、「手はそこで」とサブレが言い残して、読んでてニヤニヤが止まらなかった。
サブレが考える、人が死んで悲しく思う理由に共感した。
その人がこの世からいなくなることはもちろん悲しいが、それよりその人が生きてる間に出来なかったこと、悔やまれることを想像してそれに同調して悲しくなる。
言葉にする前の、言葉にできないような感情に何度も共感した。お互いその感情を深く考えて伝えようとする姿勢、その関係性が素敵だと思った。
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作中で出てくる「少女のマーチ」という小説の中で起こることに沿った(ような?)話。
作中の作者である小楠なのかが作品について語るところから始まり、語るところで終わる。
少し不思議な感じ。
少女のマーチという小説を読んでいた高校生の糸林茜寧は渋谷の街中で自分が読んで思い描いていた小説の中の登場人物である「アイ」にそっくりな人を見かけて思わず声をかけて話しをする仲になる。
声をかけられた方の宇川逢はそもそも女の人のような風貌をした男で、2人の関わりがかなり特殊な感じで物語がスタートする。
小説の中の出来事を現実で再現したり自分に投影したりする茜寧だけどそこには他にも色々な人物が絡んできて物語が進んでいく。詳しくはうまくまとまらないのでこの辺にしておきますが、色々な世界線が絡み合ってる感が、いつも読んでるような小説には無い展開で面白いです。 -
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ネタバレまさに恋とそれとあと全部でした。
正直高校生の恋愛模様に40過ぎのオッサンが共感している場合ではないのですが、好きな女子とその祖父と自分という微妙な関係性の中で進む物語に、自分の彼女(今の妻)とそのおじいちゃん(今は亡き)と自分の物語を重ねてしまい、途中涙を禁じ得なかったです。
最初はサブレの性格(特徴)がハッキリと述べられないので意味が取りにくい部分があったのですが、
やってもらったことに対してお返ししないと気が済まないような細か過ぎる性格の持ち主であることが分かり、
その性格を熟知しているがゆえに主人公の心の中の逡巡も非常に説明的で細かい描写になっているというところが
途中から分かって妙に納得しました。
とにかく行動の理由とか言葉の意味とか細かいところまで説明してくれる上に矛盾のない形で腑に落ちて
こういう話好きだなと思いました(住野よるさんの作品全般に言えることでありますが)。
そしてラストの後味も素晴らしく、久々に続きが気になって夢中になってページをめくってしまいました。
青春真っ盛りの高校生には是非とも読んで欲しい作品ですね。
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ネタバレ最初は、過去の回想や現代が入り混じり、頭の中が整理できず、ただ1個人が過去を追い求めサークルを破壊するだけの話(回想シーンが死んだ方を偲ぶもの)かと考え、途中で離脱しようかと考えました。
しかし、読み進めるとともに、現代に近づき回想と重なり始める事で自分が想像していなかったことが起き、面白くて一気に読み切ってしまいました。
主人公がやっていることがその回想を取り戻すことではなく、主人公の真の欲望を満たすためであったこと、そしてそれが大切だった親友を傷つける結果に繋がったこと…何か他人事ではない気がしました。自分も自分のやりたい事を満たすために、相手のためだからと決めつけて相手は望んでないことをして無意識に大事な誰かを傷つけてしまっていることがあるかもしれない。話し合いが大事と言っても、全て相手を理解することはできず、結局自分の解釈で相手の気持ちを推し量ってしまっている。主人公よりはまだ大ごとになるほどな事は起きていないが、それを念頭に置きながら、主人公と同じように成長していきたいと感じました☺️ -
Posted by ブクログ
意識的に人との距離感を取って過ごしていた所に、踏み込んでくる1人の変わった人。
その人と心を交わしていく、そして自分のしてしまった事への後悔と初めての感情を認識していく情景、人と関わる事で「傷」を知る。
なかなか自分の気持ちを素直に伝えるって簡単なようでとても難しいですよね。
わたしは傷つきたくないから、人との距離というか頭の中でめちゃくちゃ考えて結局やめる、諦める。
って感じで壁を作ってきました。
根本の部分は変えられないけど、
「けど」その先に何かが(自分の成長も含め)ある
と思ってとてもとても重い1歩を踏み出してみようかなと思いました。 -
Posted by ブクログ
すごく大好きで大切な本。
P11
歩くことが好きな理由について、足を前に出すだけだからだろうなと、三歩は思う。
いかにも無意味で間抜けな理由だけれど、三歩は真面目にそう思っているし、その無意味は大事なものとすら思っている。
P12
ようは、気楽な無意味さも大切なのだと三歩は思う。無意味と大切じゃないは一緒じゃない。
そして、無意味は意味の引き立て役でもない。
無意味な日常があるから、意味ある日が大切に思える、とかじゃない。
無意味な日々も、意味ある瞬間もどっちも大切で、それが一番いいということなんだとのんきに思う。
P283
好きなものや人のことを思うだけで、三歩は痛みと一緒にでも幸せになれる。
P289
大したことは起こらない。
謎も事件もファンタジーもない。
そういう毎日の中どう生きたってそんなに変わりはしないんだろうと三歩は思っている。
でも出来ればどうか自分も、嫌いなもののことじゃなく、好きなものの話をしていたいと三歩は願う。 -
Posted by ブクログ
不思議な生き物(?)が世界滅亡を予言していると語る配信者と、配信を見て予言を受け取った人々のお話。
世界滅亡系の話って、結構SFチックだったり、もしくは力を合わせて世界滅亡を回避しよう!みたいな内容を想像しがちだったのですが、この話は全然そんなことなくてびっくりしました。世界が終わるなら、暗黙のルールとか常識とか、そんなの無視して自分の信念や意思に任せて行動(というか暴走)してしまえ!って感じで、めちゃくちゃ面白かったです。
自分の、人とちょっと違ったり、常識から外れてたりする部分も花丸をつけてくれる愛に溢れた小説で、とっても大好きです!