あらすじ
「お前ら愛する人に気持ちは伝えたかい?」――底辺YouTuberの生配信「こなるんの予言ちゃんねる」で告げられたのは、世界の滅亡。嘘か真か一切不明、だが同じように終末を確信した者たちは最後の行動に出る。驚きと企みに満ちたクライマックスへ向け疾走する、常識も正論もぶっ飛ばすジェットコースターエンタメ。
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Posted by ブクログ
不思議な生き物(?)が世界滅亡を予言していると語る配信者と、配信を見て予言を受け取った人々のお話。
世界滅亡系の話って、結構SFチックだったり、もしくは力を合わせて世界滅亡を回避しよう!みたいな内容を想像しがちだったのですが、この話は全然そんなことなくてびっくりしました。世界が終わるなら、暗黙のルールとか常識とか、そんなの無視して自分の信念や意思に任せて行動(というか暴走)してしまえ!って感じで、めちゃくちゃ面白かったです。
自分の、人とちょっと違ったり、常識から外れてたりする部分も花丸をつけてくれる愛に溢れた小説で、とっても大好きです!
Posted by ブクログ
世界滅亡の予兆を感じるようになった人たちが各々奮闘するのが良い。YouTuberもアナウンサーも歌手も学生もみんなぐちゃぐちゃになるんだけれど、ノストラダムスの予言の時も実はこんな人いたんかな。結構視点が入り混じるのが面白い。
Posted by ブクログ
章ごとに少しずつ読んでいきました。
もうすぐ世界が終わっちゃうんだ、と人それぞれに形が異なって見える謎の生物からそうメッセージを受け取り、各章の登場人物は一体どんな行動をとるのか。わくわくして読み進めました。
地球が滅ぶと知ったら、もし明日が最後の日なら、僕らはどう一日を過ごすだろう。
「会社をその日に辞めて好きなことをする?」
「好きな人に会いに行って愛を伝えに行く?」
「誰にも言えなかった嘘を配信で暴露しちゃう?」
こんなことを、僕らの過ごす平和な世界じゃ見られないような行動をこの本ではまるで「世界が滅んじゃう」と決まっていて、だからこそ後悔も知らず取り返しのつかないことを働いて
この本を読み切って人生を重く考えていた僕は少しばかりスッキリしました。「明日、地球が終わっちゃう」と思いながら過ごしていけば、重い腰が上がるんじゃないかなと思って。ありえない話だけど、本当に明日人生が終わっているかもしれないし、本当に地球が終わるかもしれない。そんなありえない現象が起こり得る最近のこの世界で、後悔を残さずにただただ普通に老衰していければと儚げながら感じました。
Posted by ブクログ
ああもう、本当に、世界が滅びるなんて最高だ。
・もし世界が滅亡するのならなんだってしてしまえ。それでもどうやら簡単に滅びてくれないらしい未来に。
・住野よるさんから読者に向けた歪んだラブレターだそうで。世界が滅びるのも悪くないじゃんと思わされました。読み終わった後に見る表紙がとても良い。
メンソールとセレナーデが特に好きでした。
Posted by ブクログ
世界が滅ぶとされる世界が舞台。
世界滅亡を叫ぶYouTuberの配信から物語は始まり、その気配を感じ始めた様々な人物たちが、各々何かに向かい合い期してゆく連続短編。
拾いきれなかった伏線がたくさんあったようにしか思えないほどの何かがふんだんに散りばめられている描写の細かさ。
『自分の気持ちを読み解きもせずに生きてられる方が狂ってる』
一人でも多くの人がそうやって生きていたら、世界滅亡目前の世界ではなくても、何とかなりそうなことはたくさんあるんじゃないかな
Posted by ブクログ
世界の滅亡に向けて、配信を見ていた人がどのように過ごしていくのか?それぞれのストーリーが描かれて繋がっていくのか全然想像できずにハラハラして読み進めれられた。
でも、どう繋がってるんだ?という部分も残る作品でした
Posted by ブクログ
p.272
あーこなるんの大切なものいっぱい壊して悲しい悲しい殺しちゃうかもしれない嫌だ嫌だ、それが楽しい」「どエスに見せかけたどエムってこと?」「何言ってんだお前」「こっちの台詞だぶっとばすぞ」
p.282
「よーしじゃあまずディズニー行こうよ!憎くて殺そうとした相手と友達になって夢の国でチュロス食いながらアトラクション並ぶの感情ぐちゃぐちゃになりそうで最高」
p.313
突然の報告となりましたことを、深くお詫びもいたしません。下げたくない頭下げるくらいなら逆に胸張りましょう。
面白かったです。お話もそれぞれ雰囲気が違っていて、途中までは繋がり合うとはあまり思わずに読むことができました。
一回読んだだけでは判然としない箇所もあるので、機会があれば再読したいです。
住野よるさんの作品は初期の3作品が好きだったのですが、本作はその3作品に負けず劣らずのものになりました。これからも読んでいこうと思います。
次は三歩の第三集を読んできます。
Posted by ブクログ
世界が滅亡するならというキーワードを軸に展開する短編集
色んな方向に尖った短編ばかりで、まるでジェットコースターのような感覚
最後の章で、こなるんの配信を見ているコメ主はそれぞれの短編の登場人物だったというところには驚いた
しかし、「一般的メッセージ」だけは理解できず…
読解力のなさが悔やまれる
最後の一文は世界が滅亡したってことでいいのか?
Posted by ブクログ
あいかわらず独特な住野さん…。世界が滅びるなら人はどうする?てことなのか。毎度のことながらよく分からなかったな〜。一般用メッセージを書いた彼が、チームの人と世界を救ったってこと?そして残念ながら世界は滅びなかったと。こなるんや日和たちは生きていくと。でも最後の終わり方は…?
表紙は日和なのかな?順番に出てきた彼らがこなるんの配信を見てた視聴者たちだったのか。それぞれを短編とみたらサクサクは読めた。「地獄行きパルクール」と「形骸化メンソール」が好みだった。「嗜好性ボロネーゼ」もなかなか癖がある…ゾクっとした。
Posted by ブクログ
いつもの住野よるさんとは違う作風。
最初一回読んだ時は、んー…?ってなったけど、少し経ったらもっかい読みたくなった。
そしたら、かなり面白い。
サクサク読める。
Posted by ブクログ
呼んでる途中でものすごい期間が空いた。感想は、地獄行きパルクールを読み終わった直後に書いたものだけにする。
地獄行きパルクール。絵馬の気持ちが共感できて心が痛い。10何年間も、それも六太が他の女の子との話をするという、考えられないほどの痛みによく耐えたと思う。そりゃ、もう後腐れなく終われるのだとわかったら、爆発してしまうのもわかる。自分でもそうなると思う。幼馴染だからその後の関係のことも気にしないといけないのに、断られると分かりきっているのに告白するなんてできない。それも長年の想いが詰まっているからこそなおさら。でも、もし近いうちに世界が滅亡するのだとしたら、その後の関係を気にすることなく、自由にやっていいのだとしたら、それが出来るのだと確信してしまったら、確かにもう心のストッパーを破壊して爆発してしまうだろうと思う。自分でもそうなる。やっと見続けできた人が、こっちを少しでも見てくれたのだから、世界が終わるまでずっと愛を確かめ合いたくなる。とにかく、絵馬の気持ちを思うと心が重くなる、そんな短編だった。
Posted by ブクログ
住野よるの作品は全部見てますが、今回は暴走回だったなと思います。毎回読者にこういう思想をしているんだ!と伝えてくる人ではあるけれどそれを上手く物語に落とし込めることもあれば、思想だけが先走っている時もあり今回は後者でした。
世界が滅亡するのを知らせてくる不思議な生物たちが見えるようになって人たちが代わる代わる出てきますが、まず半分かそれ以上の文章が設定に費やされ、世界滅亡に対していきなり暴走して終わる、みたいな感じなのでついていくことが出来ません。結局滅亡もしないしで物語としての面白さがあまりなかったように思います。
一応、世界が滅亡するならレールに従って生きてるの馬鹿馬鹿しいよね?みたいなことかなとは思ったんですがあまりにめちゃくちゃすぎる、というのが正直な感想です。
Posted by ブクログ
世界滅亡SF
文章が乱暴だったり繊細だったりとにかく盛りだくさん。
文字数が多くて読みづらかったけど、勢いに押されて読み切った。
不思議なものが見える謎やら、どうして滅亡しなかったかなど何も説明しきれてないけど、それがこの作品の魅力なのかもしれない。
人間の愚かさや弱さや暴力性などすべてを描きながら最後は人の強さに期待するお話だった。
はっきり言って読みにくい。目が滑って内容が入ってこない文章もある。でも不思議な力がある本だった。
Posted by ブクログ
世界の滅亡を予言された人々の世界を描く連作短編集
少し読みづらい雰囲気もあったが、後半は話が繋がり面白かった。
世界が終わると分かってるなら自分ならどうするだろうか?と考えてしまう
アスタラビスタベイビーというワードがなぜかツボ
Posted by ブクログ
人間って自分が望む未来に向かって生きていくものだ、アスタラビスタベイベー!
確かに滅亡を信じていた時の方が居心地は良さそうだ。
そして、絵馬ちゃんカワイイ。
Posted by ブクログ
最初は意味やノリについていけない状態でした。どうやってこのこじらせた内容を終結させるのだろうか、と。しかし、タイトルの意味を理解出来た時、実はとてもシンプルな小説だと感じました。文章の構成でわざと意味不明に歪ませていたのかな、と。
Posted by ブクログ
世界滅亡?見えないものが見えるように。世界の滅亡だけを,伝える。本人にしか見えない。悪魔。地獄。この二つの話は好き。悪魔を名乗る教師。地獄よりも遠かった2人の距離。でも滅亡するなら飛び越えた2人。カニバリズム。自分にしか見えない花。結局世界は滅びた?
Posted by ブクログ
突然自分の周りに増殖する何かが見え始め、それが自分に向かって「世界が滅亡する」とメッセージを送ってくるようになったら…。そんな人たちの群像劇。 見える人と見えない人が居て、もし自分が見える側だったら、どうするだろう。共感できる人が一人もいなかったけど(笑)、けなげに主人を守ろうとする犬はその後穏やかに暮らして欲しい。むしろ共感出来なくて良かったとも言える(笑)。 住野よるは人間の心のイタイ部分を見事にえぐって来るので読後もジワジワジクジクと見えない傷口が痛むのです。
Posted by ブクログ
歪曲済 アイラービュ
著者:住野よる
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**あらすじ**
底辺YouTuber「こなるん」が配信で突如予言した「世界滅亡」。それを機に、他人には見えない不思議な現象を目撃する者が続出し、人々は確信とともに「終わり」に向けて動き出す。ずっと「いい子」を演じてきた女子高生、内面に悪魔を抱える教師、自己破壊を繰り返す大学生…。それぞれが"歪んだ"現実の中で、正気を保とうとしながらも狂気に足を踏み入れていく。予測不能な展開が連続する、衝撃の群像エンタメ作品。
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**感想**
住野よるさんといえば『君の膵臓をたべたい』で知られる作家ですが、本作はそのイメージを大きく覆す、ディストピア的なテーマを扱った異色の一冊です。物語は「世界が滅びる」という突飛な予言をきっかけに、人々の内面に潜んでいた本音や欲望が露わになる様を、多視点形式で描いていきます。
一見ファンタジーのような描写があるものの、それはむしろ現実社会を生きる私たちに問いかけるメッセージをより伝わりやすくするための装置のように感じられました。「もし本当に明日世界が終わるなら、今の生活をそのまま続けるだろうか?」という問いは、決して絵空事ではなく、現代を生きる私たちにとっても切実なテーマです。
過去の後悔や未来への不安にとらわれがちな日常において、「今」をどう生きるか。その選択が人生の密度を決めるのだと、本作は強く訴えかけてきます。登場人物たちが狂気と理性のはざまで取る行動は決して他人事ではなく、読者自身の姿と重なる瞬間があるかもしれません。
私はAudibleで本作を聴きましたが、群像劇的な構成や感情の機微が声によってより立体的に伝わってきて、文字で読む以上に物語世界に没入できたと感じました。オーディオブックとの相性が非常に良い作品です。
Posted by ブクログ
みんな自分が大好き。そんな自分が嫌いって言っちゃうくらい大好き。今心がチクっとした人、自分のこと嫌いな自分に酔ってんじゃねーよ
と、言われてる気がした一冊でした。
世の中の人みんな、誰にも理解されない感情や思考を一つくらいは拗らせていて欲しいなと、読みながら思いました。
Posted by ブクログ
連作短編集
世界滅亡を発信するユーチューバーとその数少ない視聴者の群像劇。世界滅亡を語りかける存在が見える人によって形が違いその1人にしか見えない設定。軽く語られる中に映画、特にマーベル映画への偏愛が見えて楽しい。
Posted by ブクログ
世界滅亡を予言する幽霊のような存在に振り回される人々などを描く連作長編でしたが、わたしには難しかったです。
章?ごとに異なる主人公の語り口の妙を味わったり、幽霊のような存在のバリエーションが様々で面白く、『告白撃』でも感じた若者視点の時の疾走感は住野さんならではだなぁと思いました。
ただ作品全体としてのテーマ的なものを読み取る事ができず、もっと自分の本読みとしてのレベルを上げないと駄目だと感じた次第です。
「形骸化メンソール」の自分と同世代のおじさんが世間から取り残されてしまっている感、「嗜好性ボロネーゼ」の若干のブラックユーモア、「小夜曲:セレナーデ」の世界観は結構好きでした。
Posted by ブクログ
底辺YouTuber・こなるんが告げた世界滅亡説の影響を受けた人々を描く連作。
ぶっ飛んでいるようで青春小説や心理ホラーとしても読める深い作品―と思いきや、後半やっぱりぶっ飛んでた。特にひよりのキャラは、こなるんが常識人に見えてしまうくらい突き抜けてました。
Posted by ブクログ
凄いぞ、この本、すべてが理解不能・意味不明。自分の理解度の問題か?住野よるの感性が異次元なのか?わざと理解不能にしているのか?まぁ、この世の中、傍からみたらクレイジーなのかもしれない。80年生きたら死んでいく。人生なんて何が正解かは誰も分からない。こんな世の中、親ガチャなんていうけれど、やっぱり不平等で不条理なことばかり。そんな世の中、人間の悪い方の本性が出てしまう。嘘もつくし、悪魔にもなるし、自傷行為だってする。放棄・諦めで終わる?とは言いつつ、人生、歪曲してもいいから自分が楽しんだもの勝ちだと思う。③
Posted by ブクログ
久しぶりに住野よるさんの新作を読んだ。個人的に「この気持ちもいつか忘れる」から作風が変わった気がする。フィクションが前面に押し出されてるから所々ついていけない部分がある。住野よるさんの心理描写が好きな私には少し物足りない。私が歳を取ったせい?中高生の時にこの本を読んだら私はどう思ったんだろう。
もし地球が滅んだらどうするのか。滅ぶとしたらこの本の登場人物たちみたいに仕事を辞めたり自分の思うままに行動したりしてみたいな。でも私は例え地球が滅ぶと分かっていてもバットを持って教師に楯突くことはできないかも笑
こなるんの配信を見ていた視聴者が短編の主人公たちで全て「歪曲済アイラービュ」に繋がっていたのが面白くてよかった!みんなアカウント名面白いな。
こなるんも底辺YouTuberとは思えないくらい話術あるから実際にいたらチャンネル登録してたな。
どのお話も面白かったけど「悪魔流オブリージュ」と「形骸化メンソール」が好みだった。悪魔だからとか関係なく魅力ある先生。僕の両親は最低すぎる。小学生の女の子相手に思う言葉じゃない。
燈和の無邪気とも言えるほどの心の純粋さが危うい。こなるん相手だからよかったけどね。
最後こなるんの配信が途中で切れて終わったのはボロいパソコンの接続が途絶えたからかもしかしたら地球が滅んだからか。
表紙はこなるんかと思ったけど燈和かな。漫画は表紙裏もよく見るけど今度からは小説でも見てみることにしよう。笑顔にほっこりする。
Posted by ブクログ
いやぁもう・・・ちょっとぶっ飛びすぎてて
読めば読むほどよくわからなかった。
「歪曲済アイラービュ」で登場してきた
人たちが日常生活に戻っていっている
感じだったよかった・・・よかったのか?
なんかほんとによくわからなかった。
とにかく世界が滅亡するにしてもしないに
しても自分に正直にやりたいことを
やってもいいのかもしれませんね。
もちろん常識的な範囲で・・・
あぁ~ほんとに自分には難しかった・・・
Posted by ブクログ
最初の滅亡系サボタージュと最後の歪曲済アイラービュの最後が「あ」で終わる。
最初で滅亡しちゃったーと思って、読み進めて
暴力的エピソードで「あ」の理由がわかり、
滅亡しないんだな。と思ったら
歪曲済アイラービュの最後が
「あ」
滅亡したのかな。
Posted by ブクログ
こなるん異常すぎ…って序盤にまず思いましたが、読み進めるたびに、でもみんな死んじゃうならどうでもいいか!そんな風に思えるって最高の開放感じゃないですか?滅びるって…悪くないかも…って考えるようになった自分怖っ!ってなりました。
もやもやが残るような、病んだり狂ったり、複雑な心理が描かれたお話はいっぱいあると思うけど、ここまでぶっとんじゃったらむしろ気持ちいいんじゃないかな…と思いました。
Posted by ブクログ
もしも世界の滅亡を自分だけが知ってしまったら何をして過ごすか。
そんな雑談のトークテーマのような仮定を小説の設定に落とし込んだら、という連作短編集。
自分ならどう行動するかを考えながら読んだ。
設定が設定だけに、住野よるの特徴でもある「痛さ」が際立っているので万人におすすめはできないかな。
個人的には楽しく読めました。