長浦京のレビュー一覧

  • プリンシパル(新潮文庫)

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    昭和20年8月15日、信州から東京に帰る途中の駅舎で玉音放送を聞く水獄綾女(23歳)
    関東を牛耳る水獄組4代目の父の危篤の知らせに渋々ながら帰宅する途中だった
    「あの狂った家には戻りたくない」
    そう思っていた綾女だったが、子分の青木家が自分を庇い惨殺された現場を目にし、水獄組の跡目として生きて行くことを決める!

    美人で優しく教師として働いていた綾女が自分に流れるヤクザの血を呪いながらも、ヒロポンを打ち、血にまみれたヤクザの世界にどっぷり浸かっていく
    戦後復興期の血塗られたヤクザの抗争と並行に実在の人物(吉田茂・鳩山一郎・美空ひばりなど…)をモデルにしたと思われる登場人物に大物政治家とのやり取

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    2025年03月24日
  • アキレウスの背中

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    東京で行われる国際マラソンが標的となったテロ、それを未然に防ぐべく特別編成で組まれたチームで奮闘する物語。その背景やスケールの大きさは馴染みのないものだけに、事件がどう展開していくのかが予測できず、とても楽しめました。
    いくら大きな歯車の中に組み込まれたとしても、1人の人間としては出来ることに限りがあるし、とにかく今出来ることを全力でする。そういう人たちが集まると、自ずと周りとも連携がとれてその歯車もうまく動きだすようになる……
    当たり前だけれど、警察官も私たちと同じ普通の人間だよなーなんて感じた1冊でした。

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    2025年03月03日
  • マーダーズ

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    ストーカーに襲われる女性を助けた夜から、
    商社マンである阿久津清春の日常は狂い始める。
    ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、
    柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」
    17歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られず――。
    意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、
    母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。
    パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。
    彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。
    異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、
    やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしま

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    2025年02月05日
  • アキレウスの背中

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    優秀な警察官が集められた秘密組織警察庁特別チーム(MIT)。その班長に抜擢された下水流悠宇が東京で開催される国際マラソン大会で標的となった日本のマラソントップランナー嶺川蒼の警護を担当する。ラストの臨場感とスリルが売りの警察サスペンス。次回作が気になる。

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    2025年01月30日
  • 警官の道

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    どれも実力派の作家で、ハズレはありませんでした。中でも初読みの長浦氏は迫力を感じました。近い内に他の作品を読んでみようと思います。

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    2025年01月27日
  • 1947

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    ヘビー ハードボイルドでありながらロマンスを点在させたサスペンス。久々にこういった小説を手に取ったのは、父のお薦めだったからです。疲れましたが楽しませてもらいました。

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    2025年12月03日
  • 1947

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    主人公(イアン)を徹底した差別主義者として描いているが彼と日本人やアジア(黄色人種)との「共闘」、同じ白色人種であるアメリカ人(GHQ)との駆け引きが面白かった。また戦後2年の東京が舞台というのも面白い

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    2025年01月03日
  • 1947

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    やっぱり長浦さんいいですね。
    戦後すぐの日本を舞台にしたハードボイルドであり、騙し合いであり、ロマンスありの至れり尽せりの作品でした。

    2773冊
    今年1冊目

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    2025年01月01日
  • 1947

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    それぞれの思惑、生き様。
    戦後の日本、英国、米国の混乱冷めやらぬ中の復讐劇!
    前作、『プリンシパル』でもそうでしたが、長浦さんは女性キャラの設定が最高!
    主人公ではないですが、重要な役割を果たしており、良いスパイスとなっております。
    次回作も期待!!!

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    2024年12月25日
  • アンダードッグス

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    工作員でもなくテロリストでもない主人公の古葉慶太が、自分を嵌めた者たちへの復讐の機会だと大富豪のマッシモから強要されたミッションに仲間たちと挑んでいく。そのミッション達成を命じられたのは古葉たちチームD以外にも3チーム。さらに裏で4か国の秘密機関が絡んだ騙し合い、不意打ち、ドンデン返し、秒単位で変化する信頼と不信、華麗すぎる逆転など、読み出すと気になって止まらないエンターテイメントでした。この終わり方はハッピーエンドなのか否か、要チェックです!

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    2024年11月02日
  • 決戦!忠臣蔵

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    お気に入りの「決戦」シリーズだ。
    奇しくも続けて忠臣蔵関連の作品を読んだ。

    忠臣蔵はどちらかと言うとこのシリーズの中では、題材が限られている部類かと思った。でも一連の短編を読み終えると
    味わい深く切り口の多様さを感じた。
    どの書き手も思わず唸ってしまう味わいである。

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    2024年10月12日
  • 1947

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    1947年の混乱渦巻く日本。戦時中、兄を日本人に惨殺された英国人が復讐に来る。GHQやら日本ヤクザや朝鮮ヤクザやら魑魅魍魎。様々な事情を抱える女性たちの活躍も光る。
    ごりごりの差別意識を持つ英国軍人の目線で進行していくのが面白い。

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    2024年10月07日
  • アンダードッグス

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    1996年末から1997年にかけて、中国返還前夜の香港の闇の中で繰り広げられた、米ソ英中日入り乱れての血肉の飛び散る極秘情報争奪戦。

    並行して、その20年後、天涯孤独な娘が香港で亡霊の様な過去の関係者を辿る旅が語られる。

    全てを見通していたようなイタリア人マッシモが編成したチームのメンバーが斯様に二重三重の裏の顔を持っていたのは身辺調査が甘かったのか意図的だったのか。もしかしたら作者のご都合主義によるものか?

    何にせよ、日本の官僚はタフだ。

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    2024年04月08日
  • 警官の道

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    上級国民:葉真中顕/許されざる者:中山七里/
    Vに捧げる行進:呉勝浩/クローゼット:深町秋生/
    見えない刃:下村敦史/シスター・レイ:長浦京/
    聖(あきら):柚月裕子

    作家もいろいろ 物語もいろいろ
    読んだことのない作家さん出会うのも おもしろい

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    2024年04月05日
  • リボルバー・リリー

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    私は、良い意味で映画は観なくても良いと思った。
    映像よりも映像が浮かぶ最高にスリリングな逃亡劇。まさに息つく暇無く、あらゆる方法で敵は襲ってきては、それをあらゆる方法で倒していく。
    長かったけど、最後は名残惜しいくらい。
    文学的表現とは違うのでしょうが、落ちぶれつつそれでも果敢に生きる女性たちと共に銃や手榴弾が飛び交う下級遊郭の描写が、どこか耽美的。
    大正時代の東京〜北関東のあらゆる場所が舞台になっていて、それもまたリアルで良い。

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    2024年03月25日
  • 1947

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    第二次大戦のビルマ戦線で捕虜となった兄を日本軍に斬首された英国軍人が、犯人たちを殺害し証拠として片耳と薬指を持ち帰れとの父親の指令を受けて来日する。

    作者は、白黒の記録映像にあるような「ギブミーチョコレート」と言って進駐軍に群がる子供など見たことがないという祖母の言葉に触発されて、戦後間もなくの日本の実態を描こうとしたという。

    GHQ内の民政局と参謀第二局の勢力争いに在日朝鮮人ヤクザなどが加わり、敵味方が入り乱れ、手を組んだり、切ったりと状況は複雑化の一途を辿る。

    ある種の均衡をきわどく保っていたところを異分子である英国軍人が無遠慮にかき回したため、事態が一気に流動的になったという仕立て

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    2024年03月25日
  • 警官の道

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    警官も人。
    悩みもあれば間違いもする。
    そんな中でも信念をもって行動し生きている人はかっこいい。
    どの作家さんの作品も響きました。

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    2024年02月29日
  • 1947

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    戦中、戦後の日本の歴史や
    天皇に関する考察が深く
    鋭くて興味深かった。
    戦闘シーンもスピード感と
    緊張感があって面白かった。
    ひとつ気になったのは
    美しい国、日本という空気が
    全体に漂いすぎていたこと。
    東洋人を黄色い猿と罵るような
    主人公の英国陸軍中尉は
    「日本人の敵意なき笑顔と
    従順さに包み込まれる」ことなく
    最後まで
    冷酷無情のままであった方が
    そのカッコ良さが
    際立ったような気がするけど
    どうだろう?

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    2024年02月22日
  • 警官の道

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    ネタバレ

    「警官」という職業に焦点を合わせているのが面白い。するっと読むつもりだったのに、好きな作家が多すぎて没入。急いで読むことができなくて、思いのほか時間を要しました。

    まずひとつめの葉真中さんで掴みバッチリ。以降、コロナに寄せた話もちらほらあり、あまりに寄せすぎるのは私は苦手なのですが、世間がパニックになっている間に作家たちはなんとかこれに絡めた話を書けないものかと考えていたのだなぁと思ったりも。

    警官だって普通の人間。LGBTをカミングアウトする時期に悩む姿なども描かれ、その生き様が興味深い。

    柚月姐さん、好きです♪

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    2024年02月20日
  • 警官の道

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    警察小説の短編集
    葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子
    今読まれているこの作家達の警察小説アンソロジーという事で、期待しまくって読み進めましたが・・・
    作品によって大きく好き嫌いがある感じですかね?中山七里と柚月裕子はさすがの面白さでしたが、長浦京は警察小説ですらなく、「リボルバー・リリーの現代版」の様相だし・・・
    他の方にも是非読んでいただき、感想を聞きたいです。

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    2024年02月01日