長浦京のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昭和20年8月15日、信州から東京に帰る途中の駅舎で玉音放送を聞く水獄綾女(23歳)
関東を牛耳る水獄組4代目の父の危篤の知らせに渋々ながら帰宅する途中だった
「あの狂った家には戻りたくない」
そう思っていた綾女だったが、子分の青木家が自分を庇い惨殺された現場を目にし、水獄組の跡目として生きて行くことを決める!
美人で優しく教師として働いていた綾女が自分に流れるヤクザの血を呪いながらも、ヒロポンを打ち、血にまみれたヤクザの世界にどっぷり浸かっていく
戦後復興期の血塗られたヤクザの抗争と並行に実在の人物(吉田茂・鳩山一郎・美空ひばりなど…)をモデルにしたと思われる登場人物に大物政治家とのやり取 -
Posted by ブクログ
ストーカーに襲われる女性を助けた夜から、
商社マンである阿久津清春の日常は狂い始める。
ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、
柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」
17歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られず――。
意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、
母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。
パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。
彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。
異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、
やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしま -
Posted by ブクログ
第二次大戦のビルマ戦線で捕虜となった兄を日本軍に斬首された英国軍人が、犯人たちを殺害し証拠として片耳と薬指を持ち帰れとの父親の指令を受けて来日する。
作者は、白黒の記録映像にあるような「ギブミーチョコレート」と言って進駐軍に群がる子供など見たことがないという祖母の言葉に触発されて、戦後間もなくの日本の実態を描こうとしたという。
GHQ内の民政局と参謀第二局の勢力争いに在日朝鮮人ヤクザなどが加わり、敵味方が入り乱れ、手を組んだり、切ったりと状況は複雑化の一途を辿る。
ある種の均衡をきわどく保っていたところを異分子である英国軍人が無遠慮にかき回したため、事態が一気に流動的になったという仕立て