あらすじ
1947年。英国軍人のイアンは、戦場で不当に斬首された兄の仇を討つため来日する。駐日英国連絡公館の協力を得つつ少ない手掛かりを追うが、英経済界の重鎮である父親ゆずりの人種差別主義者でプライドの高いイアンは、各所と軋轢を生む。GHQ、日本人ヤクザ、戦犯将校……さまざまな思惑が入り乱れ、多くの障害が立ちふさがる中、次第に協力者も現れるが日本人もアメリカ人も信用できない。イアンの復讐は果たされるのか?
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すきだな(*´ェ`*)ポッ
長浦京さん、たぶんすきだな(*´ェ`*)ポッ
『プリンシパル』
『リボルバー・リリー』
『アンリアル』と読んで本作が4作目
長浦京さん、きっとすきだな(*´ェ`*)ポッ
『アンリアル』は普通でしたが、
『プリンシパル』と
『リボルバー・リリー』は高評価
で、本作も高評価
けど、長浦さんを読むときは気合いがいります
だって、どの作品も分厚いんだもん
本作も600ページ超えの大作
結果的には面白いからあっという間に読んでしまうけど、ちょっと躊躇しますよ
面白くなかったらどーしようと、、、
けど、期待を裏切らない面白さがあるから大丈夫!
いつも通りめんどくさいから内容は書かないよ
敗戦直後という時代設定とアクションシーンがいい感じとだけ書いておきましょう
長浦さんちょっと追いかけていきたいですね
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イギリス人中尉が主人公とは珍しい。終戦からの混乱と徐々に復興へ進みつつある日本の風景も目に浮かぶようです。しかし話しの内容は、アジア人蔑視という差別と暴力と謀略が物語の中心。帰国した英国人紳士が、他国人も尊敬できるようになってたらいいけど。
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長浦京さんのプリンシパルが面白かったので、読んでみた。戦後の日本に関し違ったテーマであるが悪の描写と、アクションの描写が素晴らしくあっという間に読んでしまった。イギリス兵からの視点からというところも面白い。個人的に竹脇は藤岡弘のイメージで読んでいた。裏切り裏切られ、、、で最後までハラハラさせられた。恋愛的な描写は全然なかったが、あの素敵な終わり方も良かった。
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長い話になるが、読み続けたくなる。巻末の参考文献をみて納得した。作者の時代考証力の凄さを見た思い。特にリボルバー・リリーで見せた昭和史の再現力が、今回の作品でも遺憾なく発揮されている。この時代を物語を語らせるのであれば、おそらく長浦京を以て他にない。時代の本質をリアルな物語として完成させたまさに一品である。
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鬼★5 戦争直後の日本、悪の巣窟と歪んだ駆け引きを臨場感たっぷりに記した歴史犯罪小説 #1947
■あらすじ
1947年、敗戦後連合軍に統治されている日本が舞台。イギリス陸軍中尉であるイアンは、とある目的で日本を訪れていた。戦時中、捕虜になってしまったイアンの兄は、日本軍の私刑によって殺害されていたのだった。
父からの命令と兄の名誉のために、殺害した日本人に復讐を目論む。しかし復讐の対象者は雲隠れしており、さらにGHQや英国の思惑に振り回されることになり…
■きっと読みたくなるレビュー
まさに長浦京先生の真骨頂。戦後の日本を舞台に、悪の巣窟ぶりを臨場感たっぷりに描いた歴史犯罪小説です。こういう作品こそ文学賞をとって欲しいし、多くの人に読んでもらいたい。
近代史の影なんざ、大抵の人はほとんど知らないし、興味もないでしょう。もう帝銀事件とか、忘れ去られている気がしますね。しかし本作は決して昔のことではなく、現代の世相や政治、天皇制、国際社会などの問題にもつながってくる内容です。もちろんフィクションではありますが、もはや歴史書の様相を呈している本作。日本人として読んでおきたい一冊です。
〇歪んだ縁と乱れた絆
一番の読みどころは命を賭けた駆け引き。誰が味方で誰が敵なのか… 物語が進行するごとに、目まぐるしく変化する。米軍GHQ民政局と参謀部、英国連絡公館、日本警察、ヤクザ、在日朝鮮人など、様々なステークホルダーが主人公に複雑に絡み合う。最初から最後まで、常に緊張感のあるシーンが続くので、マジで目が離せません。
そんな混沌とした人間関係の中で、登場人物たちの心情や価値観が少しずつ変化してくる。特に主人公のイアンの心情をあえて派手には書かないところが素晴らしく、静かに揺れ動く胸のうちがしっかりと伝わってきます。しかし現代においても、彼のように価値観が崩壊してしまうような国々がまだあると思うと、悲しくなりますね。
〇混沌とした世界にはびこる悪事
読めば読むほど、政治っていうのは誰の為のものなのか、さっぱりわからなくなってくる。どこの国でも、いつの時代でも、隙があったら狡猾で悪党な連中が蔓延するのは世の常。少なくとも奪い取られないように知識と経験を培っていかねばなりませんね。
〇世間には隠蔽された事実
本作で語られる、ある書面と条約。全然ありそうな話で怖いよ。力のある者たちは決して本当のこと言わないんです。今も昔も変わらない、そして未来も変わらないでしょう。
〇人種差別
人種差別の問題は様々な物語やノンフィクションで語られてきているし、自分もいくらかは読んできました。本作の終盤で主人公とある人物が、人種差別について語り合うシーンがあるのですが、そこには差別意識の真実と、結論が書かれているような気がしましたね。
特定のグループや枠組みを排除する意識は、無くなるなんてことは絶対にない。その事実に対し、どう自分の中で決着をつけるのが良いのでしょうか。考えされられましたね。
〇壮絶アクション
力強く、骨太に書かれています。長浦先生は必要以上に派手なテクニックをあまり使わないところが好感が持てますね。しかしながら手に汗を握ってしまうほど、緊張感がリアルに伝わってくる。
おすすめはやっぱり最終盤の戦闘ですが、個人的にイチ推しは、終盤に松川が登場するシーン。これは超クールですよ。映像化されたら、松川が一番輝く場面になると思います。
もはや語り切れないくらい、素晴らしい作品でした。長浦先生は『プリンシパル』で、戦後日本のヤクザ社会を描いてましたが、こちらも滅茶苦茶面白かったです。アクション、エンタメ要素が強いのは『プリンシパル』で、裏切りや謀略などの駆け引き要素が強いのは『1947』ですね。今年のミステリーを代表する一冊になると思いました。
■ぜっさん推しポイント
本作の唯一の若き女性、まゆ子の存在は読者に希望を感じさせてくれます。ひとりでは英語以外なにもできなかった彼女が、国を左右する出来事に巻き込まれながらも、少しずつ自ら意思表示し、力強い行動をしていくようになるのです。
17歳ですよ?私なんか17歳の頃、部活さぼって友人宅でマリオカートやってましたよ。何も学んでなかったよなぁーと、反省しきりです。
どんなに世紀末な世の中でも、権力や財力のない市井の民であっても、男性でも女性でも、何歳であっても、勇気と経験を重ねることによって成長できるということを学ばせていただきました。
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長浦作品らしいダイナミックかつ如何にも観てきたような繊細な描写に夢中で拝読。戦後すぐの混乱期で東西冷戦が隠しようもない状況、米占領軍内の覇権争いというカオスな状況の史実にピッタリなストーリで、面白さもひとしお。。極度の人種差別主義者の主人公に感情移入は難しいが、英国気質・英軍将校気質がよくわかってこれはこれであり。
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長浦さんの作品でいうと、「プリンシパル」と同時代(第二次大戦後)の舞台設定ですが、こちらの方がスンナリ読めます(「主人公の魅力度」は、やはり向こうですが…)
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戦後日本のアメリカ・日本の政治情勢や国際情勢を下地に物語は進んでいく
戦後日本の歴史や各国の思惑や東京はどんな姿だったのか教えられる事が多く、主人公には思い入れは全く感じなかったが、600頁を突き進みます
日本人として、戦後日本の空気感はもっと知ることは必要ですね
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ヘビー ハードボイルドでありながらロマンスを点在させたサスペンス。久々にこういった小説を手に取ったのは、父のお薦めだったからです。疲れましたが楽しませてもらいました。
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主人公(イアン)を徹底した差別主義者として描いているが彼と日本人やアジア(黄色人種)との「共闘」、同じ白色人種であるアメリカ人(GHQ)との駆け引きが面白かった。また戦後2年の東京が舞台というのも面白い
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やっぱり長浦さんいいですね。
戦後すぐの日本を舞台にしたハードボイルドであり、騙し合いであり、ロマンスありの至れり尽せりの作品でした。
2773冊
今年1冊目
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それぞれの思惑、生き様。
戦後の日本、英国、米国の混乱冷めやらぬ中の復讐劇!
前作、『プリンシパル』でもそうでしたが、長浦さんは女性キャラの設定が最高!
主人公ではないですが、重要な役割を果たしており、良いスパイスとなっております。
次回作も期待!!!
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1947年の混乱渦巻く日本。戦時中、兄を日本人に惨殺された英国人が復讐に来る。GHQやら日本ヤクザや朝鮮ヤクザやら魑魅魍魎。様々な事情を抱える女性たちの活躍も光る。
ごりごりの差別意識を持つ英国軍人の目線で進行していくのが面白い。
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第二次大戦のビルマ戦線で捕虜となった兄を日本軍に斬首された英国軍人が、犯人たちを殺害し証拠として片耳と薬指を持ち帰れとの父親の指令を受けて来日する。
作者は、白黒の記録映像にあるような「ギブミーチョコレート」と言って進駐軍に群がる子供など見たことがないという祖母の言葉に触発されて、戦後間もなくの日本の実態を描こうとしたという。
GHQ内の民政局と参謀第二局の勢力争いに在日朝鮮人ヤクザなどが加わり、敵味方が入り乱れ、手を組んだり、切ったりと状況は複雑化の一途を辿る。
ある種の均衡をきわどく保っていたところを異分子である英国軍人が無遠慮にかき回したため、事態が一気に流動的になったという仕立てになっている。
人間とも思っていなかったアジア人女性との交情を最後に示唆するなど、戦後間もなくの東京の混沌を描いた活劇としては面白いが、合従連衡の必然性も今ひとつよくわからず、作者の意図がどれほど実現できたかは疑問だ。
Posted by ブクログ
戦中、戦後の日本の歴史や
天皇に関する考察が深く
鋭くて興味深かった。
戦闘シーンもスピード感と
緊張感があって面白かった。
ひとつ気になったのは
美しい国、日本という空気が
全体に漂いすぎていたこと。
東洋人を黄色い猿と罵るような
主人公の英国陸軍中尉は
「日本人の敵意なき笑顔と
従順さに包み込まれる」ことなく
最後まで
冷酷無情のままであった方が
そのカッコ良さが
際立ったような気がするけど
どうだろう?
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連合軍統治下の日本でのイギリス中尉の復讐譚。
ボリュームがすごいので、GHQ内での争いやヤクザや在日朝鮮人の闘争にも巻き込まれて、本筋を見失うことしばしばでした。
とにかく、戦後すぐの混沌とした情勢はなんとなくわかったように思えます。
ハードボイルドとしても読み応えありました。
イギリス中尉の話はケリがついたけど、その後の日本の話も見てみたいです。
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2024.4 長浦さんの小説としては暴力描写は少しマイルドかな。ストーリとしては
面白いんだけどちょっとワンパターン。冗長気味でなかなか話が進まず、最後は少し飽きてきました。
Posted by ブクログ
日本人を猿呼ばわりする差別主義者が主人公の小説なんて前代未聞ではないだろうか。そういう点ではかなり変わった小説。
終戦直後、占領下の東京は荒廃と混沌が渦巻いていて、小説の舞台としてなかなか魅力的だし、アクションシーンの臨場感とスピード感ある描写は秀逸なのだが、とにかく説明セリフが多くて読んでいて辟易としてくる。
主人公と数名の女性を除くと、登場する英国人も米国人も、日本人の元軍人もヤクザ者も、キャラが立っていなくて印象が被ってしまう。それでいて、説明的で理屈っぽい似たようなダイアログが繰り返されるので、誰がどんな思惑をもっているのか、その関係性が非常にわかりにくい。
読み終わった際には、ああやっと終わってくれたか、と思ってしまった。
Posted by ブクログ
世の中をひっくり返すような証文の行方を巡り、縄張りで鞘当てを繰り返す非合法集団。複雑な争いの中で狡猾に生きて行く犯罪者と、不正義に殺害された兄の仇を取るべく自らその渦中に飛び込む孤高の男性と、ひっそりと慕う美女。
江戸時代劇かと思うが、戦後日本の混乱の中、GHQ、英国軍人、朝鮮ヤクザ、服役軍人などが色なす活劇だった。
展開は面白く読めたが、読み終わって、結局なんだっけ、というのが感想。
もちろんフィクションだが、各々の立場生き方がさもありなんという感じはよかった。
だが、色々詰め込みすぎな気もする。当時のバーチャル風俗、社会を描くのが目的だったのかな。
みんなの主張がアレすぎて、結局なんだっけ。
ラストシーンも要らないなあ。
後文章的には、会話文で誰が喋ってんのか分からなくなることがしばしばあった。
Posted by ブクログ
大作。1947年。終戦後。
主人公は英国人。自分の家族を太平洋戦争で日本人に殺された復讐をしに来日。GHQやらヤクザや、様々な組織と関わり合いながら日本人を殺して耳と薬指を奪う。
冒頭からその主人公イアンに感情移入は出来ず、日本人を殺し彼に反発すべきだが、途中から日本人を殺す彼に気持ちが向かっていく。不思議だ。
しかしよく調べられている。GHQが支配している日本の建物や道路にはアメリカ流の名前が付いている。日本の建物も接収され、それらが目に浮かぶようだ。
ご苦労様と言いたい。