長浦京のレビュー一覧
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長浦京『マーダーズ』講談社文庫。
先に読んだ『リボルバー・リリー』が非常に面白かったので、本作への期待は大きかった。
結果から言えば『リボルバー・リリー』ほどの面白さは無く、読むのが苦痛で疲れた。
殺人者たちが、法では裁かれない凶悪犯罪者たちに断罪を行うというクライム小説の類いかと思いながら読み進めば、そう単純なストーリーではなかった。
読み終えて、頭の中を整理すると主犯の動機は単純明快で簡単に説明出来るのだが、よくぞここまでストーリーを複雑にし、次々と多くの犯罪者を登場させたものだと関心する。
次々と登場して来た犯罪者たちについては頭の中で整理が付かない。知らぬ間にストーリーから消 -
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ネタバレタイトルはギャングの“マシンガン・ケリー”を捩ったか??
以前から気になっていた小説ですが、映画化されると聞き映画を見る前に読みました。
舞台は関東大震災後の大正時代
主人公の小曽根百合は諜報機関の幣原機関で訓練を受け、殺人の技術に長けた美しき元諜報員。
20歳で消息を絶ち帝都の色街(玉の井)の銘酒屋の主人となっていた彼女へ、消えた陸軍資金の鍵を握る少年“慎太“を助けて欲しいと連絡が。
大金を手に入れるためには手段を選ばない帝国陸軍の精鋭部隊はヤクザとも連携し慎太を追う。
百合は自らの技術を駆使し慎太との逃避行を始める。
百合、慎太は生き延びる事ができるのか。
設定は全然違いますが、大人の -
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平和に戻りかけた江戸時代初期、時代の流れに収まりきらない武芸の主たちは、戦国時代の魂がまだ荒らぶっていた。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
久し振りに時代小説を読んだ。まず、日本は漢字の国だ、読みやすいなとつまらないことに感心した。
徳川の幕藩制度もほぼ完成に近づいていた頃、三代将軍家光の時代、下克上を目指して戦った群雄たちも、関が原の働きに応じて与えられた身分や領地を治め、徳川足下の江戸の町並も徐々に平常の暮らしを整えていた。
だが、戦国時代の余韻はまだくすぶっていた。武芸を頼み一旗上げようと命をかけた武士の魂のかけらがまだ残っ -
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警官をテーマに、七人の作家が競演する書き下ろし警察短編集
「上級国民」葉真中顕
葉真中さんらしい、人間の陰をえぐる短編。
現代社会の問題を踏まえながら、「下級国民」の強かでしなやかな生息を描きます。
「許されざる者」中山七里
刑事犬養隼人シリーズのスピンオフ的短編。
コロナ禍の東京オリンピックを背景に、不祥事の数々を折り込みます。
「Vに捧げる行進」呉勝浩
あのコロナ禍当初の、息苦しい近隣・職場・日本、そして世界。
「死を捨て街に出る」その衝動を描きます。
「クローゼット」深町秋生
性的嗜好を隠して生きる“クローゼット”。
レイプ事件の被害者と加害者、それぞれの告白を前に、刑事は自らの -
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長浦氏の創り出す女性キャラクターが好きだ
主人公なら尚更だ
綺麗で強くて正義感が強いのが特徴だ
そして作品の多くが女性がキーパーソンとして良く登場する
漏れなく、長浦氏は相当女性が好きなんだろう
本書『シスター・レイ』に登場する女主人公も
正にそれ★3.5
ブラス少し不器用だ
不器用過ぎて周りを巻き込んでいく
終わり方は、実に普通だ
でも、続編がありそうな終わり方
内容も凡庸だった
そして、長浦さんにしては尖った部分はスポイルされ過ぎてて刺激に欠けた印象も否めない
次回作に期待しよう٩(๑´3`๑)۶
そして、斯く言う私も女性が好きだ
いや、凄く好きかも(;・∀・ -
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メルったく!
長浦さんの作品は分厚いものが多い
メルったく!
だけど好きなんだよな〜
本作の主人公の能條玲は東京墨田区の外国人たちの相談役的存在
「シスター」と慕われ、普段はただの一般人としてふるまう予備校の英語講師である
しかーし、裏の顔は元フランス特殊部隊のエースという隠された経歴の持ち主
裏の顔を活かし暴力団や外国人半グレ集団など相次ぐトラブルを解決していくお話
なんだけど、、、
本作はちょっとごちゃごちゃしてたのか?集中して読めなかったのか?何だか読むのにちょっと苦労した感じ
メルったく!
だけど、長浦さん嫌いじゃないです
次も楽しみです
あっ!
そーいえば私の口 -
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長浦京『プリンシパル』新潮文庫。
終戦後の東京を舞台に関東最大の暴力組織のトップとなった女性を主人公にしたピカレスク長編小説。
長浦京の作品を読むのは『リボルバー・リリー』『マーダーズ』『アンダー・ドックス』『アキレウスの背中』に続き5作目。『リボルバー・リリー』と『アンダー・ドックス』は非常に面白かったのだが、『マーダーズ』と『アキレウスの背中』は凡作と駄作だった。どうやら、長浦京は作品により当たり外れの振り幅が激しいようだ。
さて、本作。タイトルの『プリンシパル』からして、強く華麗な女性の生き様が描かれるのかと思ったら、次々と男に色目を使い、組織のためと言いながら、身内にまで残虐な行 -
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日本人を猿呼ばわりする差別主義者が主人公の小説なんて前代未聞ではないだろうか。そういう点ではかなり変わった小説。
終戦直後、占領下の東京は荒廃と混沌が渦巻いていて、小説の舞台としてなかなか魅力的だし、アクションシーンの臨場感とスピード感ある描写は秀逸なのだが、とにかく説明セリフが多くて読んでいて辟易としてくる。
主人公と数名の女性を除くと、登場する英国人も米国人も、日本人の元軍人もヤクザ者も、キャラが立っていなくて印象が被ってしまう。それでいて、説明的で理屈っぽい似たようなダイアログが繰り返されるので、誰がどんな思惑をもっているのか、その関係性が非常にわかりにくい。
読み終わった際には、 -
Posted by ブクログ
世の中をひっくり返すような証文の行方を巡り、縄張りで鞘当てを繰り返す非合法集団。複雑な争いの中で狡猾に生きて行く犯罪者と、不正義に殺害された兄の仇を取るべく自らその渦中に飛び込む孤高の男性と、ひっそりと慕う美女。
江戸時代劇かと思うが、戦後日本の混乱の中、GHQ、英国軍人、朝鮮ヤクザ、服役軍人などが色なす活劇だった。
展開は面白く読めたが、読み終わって、結局なんだっけ、というのが感想。
もちろんフィクションだが、各々の立場生き方がさもありなんという感じはよかった。
だが、色々詰め込みすぎな気もする。当時のバーチャル風俗、社会を描くのが目的だったのかな。
みんなの主張がアレすぎて、結局なん