長浦京のレビュー一覧
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購入済み
読みやすい
以前の作品は残忍残酷なシーんで描写もあり、
途中で読むのがイヤにらなったりしめしてが、
最近は読み易くて、本作も続編がありそうな
終わり方でしたが、面白く拝読致しました。 -
Posted by ブクログ
長浦京『マーダーズ』講談社文庫。
先に読んだ『リボルバー・リリー』が非常に面白かったので、本作への期待は大きかった。
結果から言えば『リボルバー・リリー』ほどの面白さは無く、読むのが苦痛で疲れた。
殺人者たちが、法では裁かれない凶悪犯罪者たちに断罪を行うというクライム小説の類いかと思いながら読み進めば、そう単純なストーリーではなかった。
読み終えて、頭の中を整理すると主犯の動機は単純明快で簡単に説明出来るのだが、よくぞここまでストーリーを複雑にし、次々と多くの犯罪者を登場させたものだと関心する。
次々と登場して来た犯罪者たちについては頭の中で整理が付かない。知らぬ間にストーリーから消えた犯罪者も居るような気もするし、『序』で最初に殺人を犯してみせた元刑事の村尾邦宏に至っては、あっさりと病死してしまう。
『序』では、いきなり元刑事の村尾邦宏が柚木玲美の協力により警察の捜査をかい潜った連続女性誘拐犯を殺害するシーンが描かれる。
そして、本編へ突入。ある夜、商社に勤務する阿久津清春は会社の飲み会の帰り道に男に襲われている女性を助ける。女性は柚木玲美と名乗り、過去に清春が8人の人物を殺害していながら、捕まっていないことを知っていた。玲美は清春の過去に口を閉ざす代わりに玲美の母親が殺害された事件で、行方不明になった玲実の姉を探すことを依頼する。
さらに玲美は警視庁組対五課の刑事である則本敦子にも同様の依頼をする。敦子も過去に3人を殺害していながら、罪を逃れていたのだ。
清春と敦子は玲美の姉を探すが、玲美の母親が頸椎を損傷していたことに着眼し、過去に発生した幾つかの類似する未解決事件を探し当てる。清春と敦子がその事件に関係したと思われる3人の女性に接触を試みると何者かによる妨害を受ける。3人の女性の証言などから彼女たちに殺しを指導した『先生』と呼ばれる人物に行き当たる。
果たして、事件の真相は……
最近、テレビや新聞で毎日のように殺人事件や死亡事故のニュースがあるように思う。もしかしたら、ニュースになるのは氷山の一角で埋もれてしまう事件や事故があったりするのではないかと考えたりする。
数日前、福島県の猪苗代湖で女性の遺体が発見されたというのをネットニュースで見たのだが、その後はテレビや新聞でも取り上げられていない。死因が自殺だったからニュースにならなかったのか、それとも何か事情があったのか。
定価1,045円
★★★★ -
Posted by ブクログ
ネタバレ平和に戻りかけた江戸時代初期、時代の流れに収まりきらない武芸の主たちは、戦国時代の魂がまだ荒らぶっていた。
久し振りに時代小説を読んだ。
徳川の幕藩制度もほぼ完成に近づいていた頃、三代将軍家光の時代、下克上を目指して戦った群雄たちも、関が原の働きに応じて与えられた身分や領地を治め、徳川足下の江戸の町並も徐々に平常の暮らしを整えていた。
だが、戦国時代の余韻はまだくすぶっていた。武芸を頼み一旗上げようと命をかけた武士の魂のかけらがまだ残っていた。
戦いのやまない頃に若く血気盛んだった人たち、老いた身だがもう一花咲かせたいと思う一団があった。
理由のない人斬り、辻斬り、美男を選んで誘拐凌辱の上切り殺すという事件が頻繁に起き始めていた。傾き者のなりをし、往来の邪魔をするものを斬る若者が闊歩し始める、死人は300に上った。
家光は名だたる使い手を集め「掃討人」という名前でこういった謀反人一派を捕らえるよう命じたのだが、ことごとく返り討ちに会い二名は行方不明一名は捕らえられるという手ごわさだった。
そこで島原の乱で群を抜いて見事に働き、当時松平信繁、のちの松平伊豆守の目に止まった小留間逸次郎を江戸に呼び寄せることになった。
小留間逸次郎は当時の長崎奉行の次男で、本家は兄が継ぎ、部屋住みの身だったが、父親の片腕として任地に随行していた。
彼は伊豆守を後ろ盾に、巷で人々を襲っている反逆者狩る「掃討人」を命じられる。
敵は赤迫という老人を首魁にして名だたる武人が集まっていた、武士という身分だけで目標を失った武家の子弟も、赤迫の言う、新しい生きがいを求めて集まってくる。
小留間逸次郎は腕もたつが頭も切れる、選り抜きの30人の護衛人と中でも優れた4人、ともに戦ってきた一人に手綱を取らせて、馬上から探索を開始した。
敵の赤迫も武士の誇りがあり、小留間逸次郎と出会ってみたい、いわば相手にとって不足はないと思っていた。
そして攻防戦が始まる。日々何所かで起きる血生臭い陰惨な戦いの様子が、描き出され、今までにないリアルな刀や槍での切りあいは、負ければ、その致命傷から体は壊れ命を落とす。
勝者の後には死屍累々の有様がこれでもかと続く。こういったものを書く作家は新しいと言おうか。確かに力のある新人に違いない。
老人たちの言う果し合いの流儀も若者には届かず、覚悟の浅い若者の思いがけない死様も痛ましい。
武士の狂気が、ここまで来ると、小留間逸次郎にしても体を張って役目を果たさなくてはならない。
既に策もつき、仲間も失い、わずかに残った心を許せる仲間とともに、赤迫と対することになる。
テロにはテロリストの論理がある。
赤迫には
武士とは敵を殺すことを生業とし、敵を多く打ち倒すことで功を得て、なりあがっていく生き物だ。しかしその敵を殺す戦がなくなってしまった今、武士はどう生きる、本能と本文を捨て、別の生き物になるか、なれるならそれでいい。だが、なれぬなら、武士同士互いの本能のまま殺し合い、華々しく自滅していくのが美しかろう。武士など乱世あっての生きもの。生きる場を失ったものは滅ぶのが自然の節理。あぶれた武士は死に絶えるのが、世のために一番よいのだと。
この時代、まだ未熟な制度の中に納まりきれていない。幕府や藩や地方の小さな支藩までもひとつの法度という縛りで絡められてしまった時代だった。
厳しい罰は命で贖う時代に、流されず自分を見失わず、こういった虚無感の中から生き方を見つけようとあがいた物語は、読後も敵味方ともに悲哀と惨劇だけが残っていく。
事実を追って、あるいは武士の滅びを書こうとしたためか、作者は小留間逸次郎という若者が、使命を果たすために、策を練り命を賭して戦う姿だけを見続ける。
妻と子を失い、菩提を弔う気持が湧いてきた終盤などうら悲しい、彼は魅力的な主人公になっていたかもしれないところだが、命を受けて戦い続けなくてはならない時代背景が少し無惨に思えた。
力がある作品だった。 -
Posted by ブクログ
1997年、中国返還直前の香港を舞台に、元官僚の古葉慶太が国家機密を巡る争奪戦へ巻き込まれていく物語です。
政治家のスケープゴートにされ、人生から転げ落ちた主人公が、同じように世の中からはみ出した仲間たちと国家機密を巡る争奪戦に挑んでいきます。
何より良かったのは、誰一人として完璧な英雄ではないところでした。
それぞれに失敗や後悔を抱え、それでも「このままでは終われない」ともう一度立ち上がる姿には、年齢を重ねた今だからこそ感じる格好良さがありました。
誰を信じていいのか分からない展開も面白く、裏切りや駆け引きが続く後半はページをめくる手が止まりませんでした。
一方で、登場人物や組織が多く、途中で関係を整理しながら読む必要があり、アクションが少し派手すぎると感じる場面もありましたが、それでも、負けた人間はそこで終わりではなく、負けたからこそ持てる意地や強さもあるのだと感じました。
読み終えた後、「アンダードッグス」というタイトルが妙に心に残る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
警官をテーマに、七人の作家が競演する書き下ろし警察短編集
「上級国民」葉真中顕
葉真中さんらしい、人間の陰をえぐる短編。
現代社会の問題を踏まえながら、「下級国民」の強かでしなやかな生息を描きます。
「許されざる者」中山七里
刑事犬養隼人シリーズのスピンオフ的短編。
コロナ禍の東京オリンピックを背景に、不祥事の数々を折り込みます。
「Vに捧げる行進」呉勝浩
あのコロナ禍当初の、息苦しい近隣・職場・日本、そして世界。
「死を捨て街に出る」その衝動を描きます。
「クローゼット」深町秋生
性的嗜好を隠して生きる“クローゼット”。
レイプ事件の被害者と加害者、それぞれの告白を前に、刑事は自らのクローゼットを開ける。
ちょっと良いです。
「見えない刃」下村敦史
セカンドレイプという“見えない刃”。
いまやSNSを通して可視化されることも多い。
罪を犯す者が悪い―その単純な正義の奥に、
視線を向ける側の“無自覚な責任”を要求。
「シスター・レイ」長浦京
フランスから訳あり離婚で帰国した玲。なぜ彼女は「シスター・レイ」と呼ばれるようになったのか『プリンシパル』を想起させる、心身ともに強い女性が魅せる、痛快な成敗劇。
「聖」 柚月裕子
母子家庭の定時高校生の少年は、父を憎んでいる。彼の報復の方法は、ひとりの警官との出会いによって変化していく。
アンソロジーも悪くないです。
書き下ろしですよ(๑˃̵ᴗ˂̵)