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非情と外道がこの家の規律だった。1945年、東京。関東最大級の暴力組織、水嶽(みたけ)本家の一人娘・綾女(あやめ)は、父の訃報に呼び戻され「組長代行」となることを余儀なくされた。戦後混乱期を牛耳るヤクザたちの熾烈な抗争、利権を貪るGHQ、それらを利用しようとする大物議員。流血も硝煙も権力の策謀も懼れぬ究極の「悪女」と化した綾女が、最期に目にするものは。一気読み必至の超弩級ピカレスク・ロマン。(解説・末國善己)
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Posted by ブクログ
星4にするか星5にするか、かなり悩みました。
話の展開が面白い云々というよりは、主人公や世界観を好きになれるか否かで評価が大きく変わる作品という印象。
本作の主人公である綾女のような、肝が据わっており頭もキレる、強いのにでも危うさや脆さも併せ持つキャラクターというのが私はとても好きなので、個人的にこの作品は好みドンピシャでした。
ヤクザがしっかりとヤクザらしく描かれており、やり口はえげつないし人死が多い。拷問された肉体についても描写されていたりするので、裏社会の血なまぐさい部分をこんなにちゃんとやるのかと最初はギョッとしましたが……。
でもそんな作風だからこそ、綾女のハードボイルドっぷりがより際立ち、彼女をいっそう魅力的に感じられたように思います。そして血塗られた裏社会の容赦のなさを描くからこそ、登場人物たちがこの後どうなるかのか続きが気になり、ついまたページを捲ってしまう。
綾女のことを知ることが出来たという意味ではこの本に出会えて良かったと思いますが、ただ私の場合は主人公に愛着がある分だけ読んでいて苦しくも感じたので……。そこで評価に迷いました。
極道を嫌悪して家を出たのにその才覚を持って生まれてしまった女が苦悩しながらも修羅の道を進む。組長として名を馳せていく彼女の生き様に心惹かれる部分があるという方は、是非読んでみてはいかがでしょうか。
Posted by ブクログ
昭和20年8月15日、信州から東京に帰る途中の駅舎で玉音放送を聞く水獄綾女(23歳)
関東を牛耳る水獄組4代目の父の危篤の知らせに渋々ながら帰宅する途中だった
「あの狂った家には戻りたくない」
そう思っていた綾女だったが、子分の青木家が自分を庇い惨殺された現場を目にし、水獄組の跡目として生きて行くことを決める!
美人で優しく教師として働いていた綾女が自分に流れるヤクザの血を呪いながらも、ヒロポンを打ち、血にまみれたヤクザの世界にどっぷり浸かっていく
戦後復興期の血塗られたヤクザの抗争と並行に実在の人物(吉田茂・鳩山一郎・美空ひばりなど…)をモデルにしたと思われる登場人物に大物政治家とのやり取り、GHQとの駆け引きなど当時の裏社会も興味深くページをめくる手が止まらなかった
そして、壮絶なラストには度肝を抜かれた…
ー 聖女か、悪女か、獣物か
かなりグロテスクな描写が続くため苦手な人は要注意!
Posted by ブクログ
戦後焼け野原となり、秩序も治安も乱れ切った東京の街を取り仕切ったのは、GHQでも警察でもなく、やくざたちだった。
原爆で焼き払われた広島の戦後動乱期を描いた仁義なき戦いを彷彿させる傑作。吉田茂や鳩山一郎、山口組三代目に美空ひばりなど、仮名を使っているがモデルまるわかりの実残の人物が出てきて、実際の事件も扱われるなどしているので、リアリティがあって、なんというか朝日芸能のヤクザ記事を少し高尚な小説にした感じ(誉め言葉)
もはや歴史の範囲になる、昭和混乱期の話だと思っているが、安倍や麻生はここに出てくるヤツらの末裔だし、安倍襲撃事件の根本、統一教会も根っこ勝共連合というこの時代のヤクザや右翼や政治家たちの生み出したものだし、そこに関連する裏金疑惑の萩生田は自民党の要職にカムバック…この小説で描かれたディストピアな日本は今にも十分通じているのかもしれない。
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