池谷裕二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近記憶力がなくて本当に困っているので、タイトルに惹かれ、少々古い本ではあるが手にとった。
面白かったが、タイトルは釣りっぽい。
タイトル、記憶力を強くすることに主眼を置いているようで、
9割は「記憶」に関しての脳科学でわかっていることの紹介であった。
8章のうち、本当に「記憶力を強くする」ことについて書かれているのは1章(第6章)のみ。
理屈を知った上での方法紹介なので説得力はあるけれど。
私は素人(一応理系)だが、とても読みやすかった。
ところどころ、「ややこしくなってきたので」といってまとめてくれるのがありがたかった。
あと、例え(新しい神経回路を作る際のシナプスにおける事象と電車の -
Posted by ブクログ
脳科学と人工知能の最新の研究動向、この2つの分野の融合研究に関して、有名なトピックを数多く含む幅広い分野について分かりやすく解説がされており、現在の研究の全体状況を概観できる内容となっている。
全体として素晴らしい内容であったが、一つ疑問に思ったのは、作者が「ここまでの話を聞いて、みなさん自身はNeuralinkの電極を脳に埋め込みたいと思うでしょうか?」と、リスクを負って電極を脳に埋め込むことを多くの人が拒否するだろうと考えている点である。
私自身は、多少のリスクがあっても、若い頃の記憶力や頭の回転を取り戻せるのならトライしてみたいし、手術をすれば、誰でも簡単に東大に入れる頭脳が手に入る -
Posted by ブクログ
「物覚えが悪くなった」と感じるのは「人生に慣れてしまっている」のが原因。
記憶力が悪くなるのは加齢のせいではなく、気のせいと喝破され、
いくつになっても学びなおしができると勇気を得る。
以下、記憶力向上のために知っておきたいポイント
・脳という機械は、年をとっても衰えていない
・良いシータ波を出す(特に知らない場所を歩くこと)
・何度も復習するとLTP(long term potentiation)が起こる
・LTPが起こると、海馬にこれは重要な情報と認識させ、
脳神経のつながりが強化される(記憶しやすくなる)
・シータ波が出ているとき、海馬はLTPが一番起きやすい
・シータ波がもっ -
Posted by ブクログ
脳科学に楽しい!なんか人に話したくなる内容がたくさん書かれていてワクワクしながら読めた。
①HMという重度のてんかん発作の持ち主がいた。彼のてんかんは海馬から始まっていたことが分かったので取り除く手術が行われ無事に成功した。しかし記憶障害が残ってしまい、「毎日がその日一日で終わってしまう。どんなに楽しいことがあっても後には残らず、いつも夢から覚めたときのよう」と語っている。このことから海馬は記憶を司る場所ということが分かる。
②神経回路は電線のような連続体ではなく、線維と線維の間は途切れている。線維を伝わってきた活動電位は、その境目で次の神経細胞へ乗り継ぎをしなければいけない。その乗換駅の -
Posted by ブクログ
「海馬」という本からこの本に辿り着いたので、思ってたより「薄っ!」「イラスト多っ!」という印象だったが
決して内容が薄いわけではなく、
4つのスイッチとマンネリについて
丁寧にエピソードを交えて説明している。
結果読みやすく、頭にも入った感じがする。
個人的には「本は一回読んだだけでは理解できないもの」という向き合い方をしてるので、
3章に分けて書かれていて
繰り返し読むのにも適した形になっているが有り難く感じた。
あと、解説とあとがきを読んで、同じ事説明していても、こんなに語る人が違うと入ってくる情報が違うんだなと思った。
なのでこの二人の名前で出された本という事にも凄く価値を感じた。