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Posted by ブクログ
高校生への講義録。40歳前の著者の講義がみずみずしい。
脳科学に興味がある人は必読でしょう。
内容は盛り沢山。個人的には特に、地球誕生後の生命の起源の話と、初めて聞いた「創発」の話が印象に残る。
また著者は数理モデルで具体的に創発等のイメージを示してくれている。数学的思考の有用さにも気づかされた。
中高生の内にこの本に出会えば、脳科学、生命科学、数学等々に目覚める人も出てくると思わせる素晴らしい本。
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私たちが感じる世界は脳の解釈の結果であり、実際の世界ではないとすると。。。やはりまた、存在とは何か。。という不思議にリーチしてそれがまた新しい好奇心を活性させる。楽しい本に当たりました。
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白い。
はじめから最後まで、講義形式で筆者が語っていくのが、すっと頭に入り、時々入る高校生のコメントが我々と同じ認識でかなり読みやすい。
専門用語もたくさん出てくるが、高校生に説明するという体裁のため、分かりやすく解説され、テンポよく読める。
この一冊を読んで、まず一言。
「人間って本当によく出来てる、けど一方で愛くるしい」
私が印象に残ったのは、「世界が5分前にできたとしたらあなたは信じるか?」という部分。
私たちの記憶って、何が正しくて、何が正しくないのだろう?
そもそも正しいことってあるのか?
今まで考えなかった視点で物事を見ることができそう。
脳科学って、どんなもんかと思って読んだが、たしかに、どの学問にも付随されず、接着剤のような学問なのかなぁと納得。
同じ作者の他作品も読みたくなる。
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自分の「赤」は他人の見ている「赤」と同じか?といった疑問を持った事がある人にはお奨めしたい。
「人間の脳では「絶対的な世界」を認識しきれない」「自由を感じる意識はあるが、厳密な意味で人間が信じる自由意志は無い」「よく寝た奴が一番ひらめきやすい」などなど、人間の様々な側面に想像を巡らせる内容がもりもり。
終わりの方で「こういった社会活動(アウトリーチ活動)について批判もある」と書かれていますが、多少先鋭過ぎる情報でもこうして分かりやすく提供される事で、科学者の卵の意欲を掻き立てるんじゃないかと思います。
Posted by ブクログ
初めて読んだ池谷さんの本。とても面白かったです。意志がどのようにして生まれたかを考えるラングドンのありや報酬系のお話は特に面白く、興味をそそられました。
Posted by ブクログ
心や自由意志について脳科学の観点か見つめ直すことができる。ページをめくるたび新たな発見がありおもしろかった。
特に印象に残ったのは無意識のほうが意識より正確、(意識的な)記憶は歪められる、意識が無意識にあとから理由をつける、好き嫌いの理由は案外単純な理由かも、など。
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途中少し飽きが来たけれども、最後の数十ページは震えるほど素晴らしかった!
脳科学から広がる、哲学、社会学、生物学、数学、心理学の世界、そして、リカージョンを起こす私たちの脳。
脳はどんな仕組みかしらと考えたときに、私たちは道具として、対象の脳を使っていること。驚きだったのは、こう動こうと言う前に実は脳の中にはその準備が既に始まった後ということ。
こうすると、私が考えて体を動かす自由とは、自由意志とはなんだ?と思えてきて、とても不思議な世界へと引き込まれた。
この答えのない事象を持てるツールで探求していくことが、科学と研究の素晴らしさであって、著者の方は一部世の中から研究外活動を批判されていても、この研究について伝えてくれて、なんてありがたいことなんだろう!と、読者としては思いました。
Posted by ブクログ
脳の構造が生み出す揺らぎ、その揺らぎによって形成される心、脳科学のリカージョン 性が生む終わりのないプロセスと無限のプロセスを味わえる脳科学の喜び。一般人も脳科学の魅力を体感できる開かれたサイエンス著作です。
Posted by ブクログ
直感は人生経験によって磨かれる
自由は未来ではなく過去にあるもの
脳は身体を通して心を見つけた
など、
最近色々考えていた事に対して
思いがけない形の答えをもらえた本でした。
とは言え、脳の中のことだけに目を向けるのではなく
思考がどうなろうと
無意識がどうあろうと
最後は目の前の現実をしっかり見て
判断して進んで行くことが大事なんだと
そんな風に思える内容でした。
子どもがもう少し大きくなったら
勧めたいなと思います。
Posted by ブクログ
私が思ってた「脳」ではなかった!
意識の曖昧さ、無意識の凄さ。
例えば、行動の理由は実は後付けだったり
文字を見るだけで、何が書いてあるか理解していなくても、行動に移せたり。
そうすると、多くのことを自分で決めているつもりだけれど実はそうではないのだろう。
習慣や育ち、文化で人の行動は決まる。
非常に面白い1冊。
Posted by ブクログ
進化しすぎた脳の続き
これもまた意外な事実が詰まっている
特に印象的だったのは
・意識するより前に脳は行動の準備をしている
・脳は常に予測している
ということ
これもまた読みやすく入門者向けだ
Posted by ブクログ
基底核は手続き=方法記憶の座。その特徴は、無意識・自動的・正確、そして繰り返し訓練によって身につく。
「ひらめき」の訓練を繰り返すことで「直感」は力が養われる。
体は変更できないけど心は変更できる。感情を操作して行動に合わせる。
Posted by ブクログ
どこで知ったのか全然忘れてしまったのだけれど、タイトルを妙に覚えていたのでバリューブックスさんでポチった。
脳の研究をしている著者が、20年前に卒業した母校で脳科学の最前線を講義したものを収録している。
最前線とは言え、2009年初版なので、今とは少し変わっていることもあるんだろうか。
まず、全校生徒の前で行った講義が第一章。興味深くて、わりと身近で、感覚的にわかりやすい脳科学の実験の例を羅列しながら、脳について面白おかしく解説してくれる。ここのパートは理解し易くて本当に読んでいて面白かった。
そして、第二章以降がその講義で興味を持った生徒たち9名を選んで3日間行われた連続講義。
日を追うごと、章を重ねるごとに私にとっては難易度が上がる。
これ理解できてる高校生、すごい!
イラストや図解、はたまたQRコードまでついていて、より分かりやすくしようという工夫が満載。
ただQRコードは古いからかな、
読めなかったのが残念でした。
難しかったながらも、面白いなと思ったのが、
僕らの「自由」は、
自由意志ではなく自由否定
というくだり。
しばしばネットで見かける、
人の品性は何を言うかではなく何を言わないかだ、に通じるものがあるなぁと感慨深い。
それから、脳のゆらぎ、ノイズが脳の駆動源であるという考察や、フィードバック機能がもたらす脳の認知としての時間が歪む話など、絶対面白いのにちゃんと理解できてないのが悔やまれる内容盛りだくさん。
最終的に、内省しているといつもぶち当たる壁が、脳で考えるからこその無限の入れ子構造であるという着地には心底なるほどなぁ。
いやいや、脳科学。
難しいけどめっちゃ面白い。
こらはちょっと時間を置いて絶対読み返そうと思う。
Posted by ブクログ
高校生に対する講義の形式で脳が認識する「わたし」の世界とそれを生成する脳とはいかなる装置であるのかについて語る。
講義録でありながらも議論の流れは洗練されており、スムーズな理解を助ける。
良書。
Posted by ブクログ
以下気になったことのまとめ
1章
自分の行動や思考の多くは無意識的な振る舞い
なので自分が想像してるほど自分のことはわからない
理系は人差しが短い。
これは、単に男の人のほうが人差し指が短く、男の人のほうが理解に進みやすいということ。
人差し指が短い理由は、お腹の中にいるときな、男性ホルモンにさらされると男性になるが、男性ホルモンにさ細胞を殺す作用があり、人差し指が短くなる
と言われている
天然パーマはIQが低いのも同じような理屈。
アフリカには天然パーマの方が多く、アフリカの一部地域では教育が届いておらず、そういう統計になっているだけ
こうしたデータは因果関係ではなく相関関係があるといえる。
因果関係があることは証明できない。統計的に相関の強さを見て、因果関係があるとしているだけ。
解熱剤を飲まなくても熱は下がるかもしれない、など。
脳の活動こそが事実、つまり感覚世界の全てであって、実際の世界である「真実」については脳は知り得ない
人の顔は、左側だけでほとんど判断している
言語は左脳で判断して、イメージは右脳が司る。左側の視野で見たのもは、右脳が判断するので、左側
この歌はなんで好き?という理由でメロディーや歌声ではなく、実は楽しい時に聞いた曲を聴くといい曲と錯覚してしまう
視線を動かして見た場合と、視線をそのままにして新しいものを見た場合だと、視線を動かしたときの方が魅力的に錯覚しやすい
脳が視線を動かしてみる必要があるもの、と錯覚するから
恋愛は麻薬のように快楽作用がある。
快楽は盲目にさせる。ネズミが快楽のボタンを押すと、そればかり押して食事もしなくなり気付いたら餓死してしまうなど。
子孫を残す際は、よりよいパートナーを選ぶ脳がある。しかし全世界の人からベストは探せない。そのとき、恋愛で盲目になって、目の前の人がベストパートナーと錯覚できるよように、恋愛がある
ひらめきは思いついた後に理由を説明できるが、直感は理由を説明できない
大脳基底核が直感を扱う。大脳基底核は、自転車の乗り方や箸の持ち方など体を動かすことに関連したプログラムを保存している。
そしてこれは、非常に正確。箸の持ち方を間違えたなどがらないように、正確。
大脳基底核は、1回やっただけでは記憶しない。繰り返しによって記憶される
女性はノンヴァーバルコミュニケーションに長けていて、ちょっとした仕草や態度や表情に敏感。男性はこれが苦手なので、言葉を重視する
例えば女性はプレゼントの際にも、どんなシール貼ろうかやリボンなど細部に気を配る。それが女性には伝わるから
人の痛みを見ると、自分も痛いと脳が感じてしまう。それは仲間外れにされた、など社会的な心の痛みも、脳は「痛み」と感じてしまう。
進化の過程で動物は他者の存在を意識できるようになった。次に他者を観察することで、その行動の理由を推測できるようにらなった。
他者を観察して得たことを自分にも適用すれば、自分の観察にもなる。
そういった手順で自分に心があると理解する
3章
脳は常に頭蓋骨の中にあるので、外界の情報を知るには手や足や目など身体を使わないと情報を得れない
味覚は塩味、甘味、旨味、酸味、苦味の5種類
皮膚の感覚も温覚、冷覚、圧覚、痛覚など数種類
嗅覚は、400種類くらい嗅ぎ分ける。ネズミなら1000種類。嗅覚だけ異常に多い。
それは、食べ物を探すため。睡眠中でも嗅覚は活動している。嗅覚以外も感じ取れていたら、睡眠が妨げられる
身体を動かそうと思ったとき、その直前には脳はすでに身体を動かす準備を始めて完了している。その後、身体を動かそうと思い、動かすという流れ。
子供は体は動く準備できたらすぐに行動しちゃう。大人になるとそれを拒否できるようになる
よって、ぼくらは自由意志ではなく、体が思ったことを「やらない」という選択肢、つまり自由否定ができるだけの存在
4章
アリの行列。アリはフェロモンを出しながら歩き、フェロモンを辿って帰る。
そのフェロモンは揮発性で時間が経てば消える
時間が経てば消えることで、今残ってるフェロモンに時間という概念が加わる。昔のフェロモンが消えることで、帰り道がわかるようになる
でもたまにフェロモンを辿っていかないアリがある。それはノイズだが、そういうアリが最短ルートを見つかるかもしれないし、もっと大きな餌を取るかもしれない。だから必要
アリのフェロモンは揮発性なので、濃いフェロモンを辿っていけばノイズには騙されない仕組みにもなっている
Posted by ブクログ
書くことがまとまっていないが記憶のために書く。
本書で紹介される脳や意識の話はどれもおもしろいし驚くものばかりだが、それより印象的だったのは著者の誠実さというか、優しさ。あるいは気概?のような。
意識の話が差別の話や人類の傲慢さに繋がったりするときがあるのだが、そこに至る根拠が完璧すぎて、すげぇ説得力になる。
Posted by ブクログ
本書の終わりに、著者は、アウトリーチ活動について述べていた。アウトリーチ活動とは、研究者が、専門家ではない一般の人たちとの対話の場を持ったり、一般書を著したり、易しい講演を行ったりと、その労力をいわゆる社会活動についやすことである。
本書は、著者の出身高校の現役学生に対し、全校講演を行った内容と、その内容に特に興味を示した9名に対し、その後行われた3日間に渡る特別講義の内容を収めたものである。すなわち、後輩学生たちへのアウトリーチ活動の記録である。
アウトリーチ活動については、賛否あり、「一般向けにかみ砕く行為は真実の歪曲」などという否定意見もあるそうだが、本書を読む限り、科学的なテーマについて、実際に検証を行いながら真実を確認するやり方で行う講演であり歪曲に値するとは感じなかったし、さらに未来の科学者に対し、科学的課題究明のプロセスを体験してもらえるという教育的側面でもとても有効な取り組みであると感じた。
「ロウソクの科学」でファラデー氏が、子どもたち相手に実験を交えながら講演した光景とダブルものがあった。
本講義は、脳科学に関する講演であると思う。第一章では、「脳は本当はバカなのだ」というような話が、実例とともにたくさん紹介されていた。「ゲシュタルト群化原理」という脳の早とちりの話、能動的に視線を動かせば好きでないものも好きになるという「錯誤帰属」の話、長く接することで好きになってしまうという「単純接触現象」の話、というように専門的な内容を卑近な事例で紹介してくれる。
本書の中では、脳の不思議を体験できるような実験がふんだんに盛り込まれている。サブリミナル効果が無意識に働きかけているという事実が、データから証明される。まるで手品でも見ているかのように不思議でかつ、興味深い。
手首を動かす実験では、「手首を動かそう」と意識する前に、すでに脳が準備しているということが分かった。脳が「動かせ」という指令を発する前に、すでに実際に「動いている」という実験データであった。意識する前から脳が準備しているとはどういうことか?脳が指令を出す前にすでにアクションが起きているということはどういうことか?意識は、何者かに支配されているのか?
この実験結果は、受講した高校生にも非常に印象が強かった。自分としては、意識の前に無意識が脳をスタンバイさせたり、意識の司令前に無意識の指令があったのではと考えてみたくなった。
そのほか、講義の内容は多岐にわたり、初めて知ったことが満載である。例えば次のようなこと。
・「遺伝多型」というものが個性を生み出している事実(血液型の違いや、赤色を感じる受容体の違い、うまみを感じる受容体の違い、嗅覚の違いなど)
・生物進化の過程には、機能の「使い回し」があるという事実(今まで別の機能として役立っていたものを、全く異なる方向に転用し、新しい使い方を発見して、能力を開発していくこと)
・脳の働きには「ゆらぎ」があること。ゴルフクラブを握る握力は、脳のゆらぎによって異なり、それによってショットの成否が決まる。この「ゆらぎ」の仕組みの把握により、コントロールできる可能性があるということ。
・脳の可塑性について。これがあるから、遺伝子で決定されたデフォルトの状態から、さらに変化できる。学習や訓練によって能力を固めていけるのは、脳にこの可塑性というものがあるからだそうだ。
・脳のゆらぎ(ノイズともいわれる)には、3つの役割(①最適解への接近、②確率共振、③創発のためのエネルギー源)があるということ
・その③創発とは、数少ない単純なルールに従って、同じプロセスを何度も繰り返すことで、本来は想定していなかったような新しい性質を獲得すること。
本書のタイトル通り、脳はシナプスとニューロンの単純な働きによって機能している。ニューロンがやっていることは、シナプスを経由の入力を足し算し、その結果を次のニューロンへ出力するという単純なものだそうである。しかし、そのシナプス入力に「ゆらぎ」が発生し、創発が起こる。
最後にリカージョン(入れ子構造)ということについての講義があった。これが我々が心の不思議を感じる要素のようである。「複雑な私」とは、ここから来ているようだ。
脳の構造や働きについて、高校生と共に学んだが、まだまだなんとなく消化不良感がある。高校生たちの事後の感想にもまだ完全に理解しきれていない様子は感じられたものの、彼らの視点は鋭く、著者にドキッとさせる質問が飛び交い、科学の世界へののめり込みかたは、将来への頼もしさが感じられた。。
それと同時に、自らが脳の保有者であり、使い手でありながら、その機能について知らないこと(知らなかったこと)が多いということ、またその機能の不思議さに対する驚きがあったということも事実である。
Posted by ブクログ
最新の脳科学を高校生に語る形式で作られた本なので、一見わかりやすい。でも、普通に持つ脳の常識が揺らいでしまうような実験結果に戸惑うところも。研究の積み重ねで、人間の無意識がどんどん明らかにされてゆくのだろうか。それはどんな姿を見せるのか。私たちの現状の人間観は「作話」されたものだということに、読後、何とか納得しました。私は、どちらかというと、無意識に親近感をいだいているのです。
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高校の授業をそのまま書籍化したもの。
前半はとにかく面白かった。
後半はパソコンを使ったシミュレーションを使いながらの授業解説。色や動きが授業の中に出てくる。
そのため、本ではパラパラ漫画を取り入れて工夫をしているところはとてもいい(でもよくわからなかったので残念)。
色が大事になってくるけれど、すべて白黒なので、んんん。。。です。特設サイトも見れるそうですが。
脳は単純な素子(鹿威し)の組み合わせ。それで回路が大事。いつの日か、コンピュータで人の脳を完全に再現することも不可能ではないだろう。
そうしたらコンピュータが自律的に動くようになる。
単純な部品(素子)の組み上げでいいはずだ。。。
蟻の行動に関するお話はためになりました。
自由って、なんだろうな、そんなこととかを色々とかんがえさせてくれます。
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脳、心の謎に挑むも高校生に向けての講義から起しているので対話調でとても読みやすい。他の本で読んだエピソートなども多々あるが、そこは脳科学では重要な話なんだろうと理解。アリというと一糸乱れぬ統率された行動をイメージしますが、案外従わない奴もいて、逆にそれが餌場から巣までの効率のよいルートを発見することに繋がるとした前置きから始まる脳内のゆらぎやノイズが創発を促すとの話が印象的。組織も揺さぶったり異分子を混入させると良いかも。CH-CH-CH-CH-Chages♪
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脳について。学術研究と筆者の考え。
一般啓発としてはかなり(情報処理的に)レベルが高い本である。
ノイズも多いが情報量も多い。
あと筆者自身の解釈にも注意が必要(快楽主義者っぽい)。ファクトを拾って読むのが良いかと。
【以下メモ】
直感の発生場所は大脳基底核(淡蒼球)。
しかし、ここれは訓練されたものしか扱えない(手続き記憶の生成場所)。だから天性の勘はない。
無意識の方が大きい(その点フロイトの分析は正しい)。
報酬系テグメンタ。
ひらめきは寝た方が良い答えが出る。
意識ではなく、無意識での決定の連続で人間は決定を行っている、しかもそれが意識化の決定であると錯覚している点がタチが悪い(だからこそ、意思決定を言語化する事が重要であるという示唆が得られる)。
ノンバーバルコミュニケーションには性差があり、男性は苦手で、女性が得意。基底核の直感の力。
自由意志の存在は?
私たちの意識はどのように作られているのか。
自由否定も自由意志。トートロジーの連続。
行動経済学の知見でも出てくるが、ボランティア活動に報酬を貰うと、満足度が落ちる。
逆に報酬がない方が満足度が高い
→脳は行動を合理化する為に感情を変える。
(お金をもらってないでやっているのだから、とても良いことに違いないという錯覚)
→心は行動に影響を受けている。
脳の電気信号の順序が、
準備→意志(手を動かせ)→手が動いたという感覚→手を動かせと実際に指令する
という順序だというのも示唆深い。
脳の電気信号を捉えれば、次のパッドが失敗するかもわかる。α波によって。
自律神経は自分で動かす事ができる。血圧も。汗も。α波も。これはフィードバックで可能になる。薬がいらない時代が来るかも。
脳も同じ原理で動作を行っている。つまり、手が動いたという感覚→手を動かせと指令
フィードバックがあって初めて脳は活動できる。
つまり、これが身体と心の連続性で、不分離性。
脳のノイズについて
べき乗で表されるこの世の中の事象。正確には、脳の創発の結果。
ジップの法則
都市の人口、ベストセラー作品数、収入、地震の大きさ、ガラスを割った時の破片の大きさ。などなど。
ノイズがエネルギーを作る。脳は20ワット位で動く。
ニューロンの入力がゆらぐ→ノイズ
「鹿威し」モデルでの拡散と収束
Posted by ブクログ
脳科学の進歩が分かり、脳の複雑さと単純さの両面を知れた。また、科学的な観点からだけでなく、数式や理論に当てはめて考えると見えてくる秩序等は動画でも見ることができるため、「進化しすぎた脳」よりも遥かに分かりやすかった。
Posted by ブクログ
私は文系なので、数学的科学的な部分が難解で、むずかしかった。
なんとなく理解しながら読みすすめました。自分のなかで新しい考え方も生まれました。
Posted by ブクログ
高校生に対する授業を文字起こしした内容は非常にわかりやすいし、身近に感じることが多い。
人間は顔の左側で男女の判断をしている…とか。
握力検査で検査前にサブリミナルで励ましの言葉を見せることで、握力自体に加え、検査器を握るスピードも早くなっている、ということに驚いた。サブリミナルは、恐ろしいほど脳に影響を及ぼしている。