池谷裕二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・一回通読。はじめて知った面白い話が多すぎて、メモなしで思い出しながら感想書くのは難しい。
・大脳皮質の表面積を部位ごとに表現したホムンクルス。人間は舌と人差し指、ネズミは前歯と髭など。びっくりするけど腹落ちするね。
・脳はダイナミックに構築されていく。水頭症で部分的にしか使えなくても、生活を通じて一般人と遜色無い生活能力を発揮。つまり、脳は余剰が多く、進化しすぎている。ニューラル・プロスティクスの話とかロマンありすぎて念力の能力拡張したくなる。
・ネズミの実験から見る報酬系の強烈さ。これに抗うことは人間にできるのか?という話は、カントの傾向性と自由の話に通ずる。扁桃体と本能の話を見ても、自由 -
Posted by ブクログ
ネタバレ池谷先生の「脳講義シリーズ」の第3作目にして最終作。
1,2作目はちゃんと読んでたんだけど、あんまり連作というイメージが無かったな…。
全600ページ超とだいぶボリュームがあるんだけど、対話形式だからか意外とスルスル読めたり。池谷先生の平易な語りが良く作用していたなー。
脳科学に興味がある人間ならだれでも知っていることだけど、私たちは外の世界をそのまま正確に知覚しているわけではない。私たちに知覚できるのは私たちの感覚受容器の範囲のものであり、私たちに認識できるのは脳がそれを再構成した仮の世界でしかない。
そうした脳の働きを紐解きながら、その拡張性をAIという形で叶えられるかもしれない、とい -
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第23回小林秀雄賞
脳科学、めちゃくちゃおもしろい!!
哲学や倫理の話に発展したり、宇宙が関係したりと奥が深い。
著者が栄光学園高校の選ばれし10名にした3日間の特別講義の記録なので、対話形式で柔らかくまとめてあり、かつ細かく節を区切って様々な解説をしていてかなり充実した内容。
特におもしろかった話
・人工知能を使って本来もっている脳の能力を覚醒、活用することができる(LとRの発音の聞き分けや、絶対音感)
・人間の脳は睡眠状態がデフォルトで、繁殖や食事のために起きて行動する
・生きがいは人の不完全さから生まれる
・強いシナプスと弱いシナプスが存在する意味
弱いのがいるおかげで長い過程での変 -
Posted by ブクログ
小林秀雄賞、本当にどれもハズレがない笑。
面白く、わかりやすく。高校生の時に読んだらきっと、世界が変わって見えただろうと思う。あくまで脳というハードウェアに規定されている以上、人間が見ているものは"真実"ではなく、解釈であること。「私」という存在は現象であること・人間はすぐストーリー(フィクション)を作り出し、そこに囚われていることをすぐ忘れてしまうこと、もしかしたらこの世界はシミュレーションされたものにすぎないのかも…といったどこそこで読んだことのある主張が、わかりやすく平易な言葉とストーリーで語られている。初めてこういった言説に触れたら、衝撃だろうなあ。私にもそのいつか -
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学生向けの内容だが、私にはちょうど良い。
能力のリミッターは、脳ではなく体だという話では、身体の一部を事故などで欠損した人の脳の影響を解説しながら、脳の可能性を探る。この話の中で、人間は100%脳を活用できていない事の意味を理解する。
他にも、イルカの脳の大きさについて。超音波を使うためだったらイルカのような大きな脳は要らず、コウモリ程度で十分なはずだと。そうした具体的な事例や身近な疑問に繋がる話が多い、端的に言えば話し上手なので、本自体が面白いのだ。
ー そこにコード化されている情報はどんどんと複雑になり、巧妙になってきたけど、基本単位としてのDNAは古代の生物と一緒。その一貫性と似て