池谷裕二のレビュー一覧
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1. 科学の本質と限界
科学者は仮説が「正しい」ことを証明できない。なぜなら、反例をすべて見つけることは不可能だから。
科学的態度とは「反例をひたすら探すこと」。
正しそうなことばかりを検証すると、バイアスの温床になる。
天動説でも地動説でも天体計算は可能。ただし、天動説は計算が煩雑なため、地動説が採用された。
科学は人間の理解可能な範囲内でしか成り立たない。人間の認知・計算能力が律速要因。
2. 視覚と運動の発達(動物実験)
猿の実験:生後一度も動いたことのない猿は、視覚情報を受け取れるにもかかわらず、物体を認識できない。
猫のゴンドラ実験:
2匹の猫が対になる仕組み。片方の猫 -
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読みだしてから朝の目覚めがよくなり、身体が元気になったような気がします。気持ちが前を向きます。とっても、おもしろかったです!
脳についての本です。脳について知ったり、考えたりすることは命、生きることにもつながっています。それで脳が活性化すると、身体も活性化するんでしょうか。
脳と言えば、すごい勢いで世界中で研究が進められているイメージです。普通の「脳本」は、そんな研究のなかから色々な研究事例が紹介される「解説本」だと思います。たしかに研究紹介もありますが、この本はちょっと違います。
著者の池谷裕二(いけがや・ゆうじ)さんは、「脳」そして「人工知能」の研究者です。だからご自身の研究成果 -
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揺さぶられる。すごい読書体験。
記憶が全て。
不完全だからこそ楽しめる。
真実の相対性に備える。
「世の中は夢か現か 現とも 夢とも知らず ありてなければ」古今和歌集 読み人知らず
◯身体を使った経験がないと「見える」ようにならない
◯いま生き生きと感じているこの世界は、過去の自分から派生したもの
・海馬を切除するなど記憶が更新されないと心の時間は止まり、記憶を強化して過去と現在を混同するようになっても心の時間は止まる
◯記憶によってまとめあげられたこの世界を眺め、その後、徐々に褪せていく様子のことを、僕らは「時間の流れ」と呼んでいるにほかならない
・手が停止した「思索」と、手が -
Posted by ブクログ
三日間の講義録を編集したものなんだけど、これはかなり面白い。著者の本というと高校生のとき、だからもう20年も前に勉強方法についての本を読んでいてそれが結構記憶に残っている。その著者がこんな本を書いているというのがなんかすごいことに思うし、それを自分が読んで感動しているのもすごいことだなと。
最近の脳科学の知見というのももちろん知ることができたし、個人的に1番面白く感じたのは生命の目的が宇宙の老化を促進することだという仮説。生物体は負エントロピーを食べて生きている、環境から秩序を引き出すことにより維持されている。これはエントロピー増大の法則に反するが、たとえば排水口に生まれる渦なんかは非平衡開放 -
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生成AIを積極的に使っている人はまだ少ないと思うが、好き嫌いにかかわらず生成AIが生活に入り込んできたと感じる。
作り出す音声や画像が本物のようにリアルになってきているし、作成される文章にもっともらしくウソが紛れ込んでいることも多々ある。
何ができるか分からないから使わない(使えない)のだろうが、確実に生活の一部になるので問題点を知った上で使えるようになる必要がある。
今、スマホのない生活に戻りたいと思わないのと同様に、生成AIを使わない生活も考えられなくなるだろう。
本書は、各種の生成AIを使い込んで仕事に生かしている池谷氏が、上手な使い方をいろいろと教えてくれる本だ。
求めている答えを