池谷裕二のレビュー一覧
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ネタバレ池谷先生の解説は、わかりやすいけど、子どもを舐めていない書き方で信用できる。大人が読んでも面白かった。そして挿し絵のヨシタケさんの言葉も、池谷先生の解説を別の言葉で説明してくれてて、合わせて読むことで、納得感がより強くなった。
娘が高学年くらいになったらおすすめしてあげたい。
いじめがなくならない話。「外集団同質性効果」
心より先に身体や脳が反応する話。
自信がないのも若いうちはプラスに働くんだな〜という話。
学校はモヤモヤで溢れた社会に適応していく力を身につける場所だという話。
「死」は究極の逃げ道だという話。。
新しい視点をもらえた。 -
Posted by ブクログ
ずっと前から読もうと思っていた本。
ようやく読みました。
アンデシュ・ハンセンが『○○脳』というタイトルで出しているいろいろな本と通ずるところも多く、マーケティングや行動経済学で出てくるような記載も多いので、納得感のある内容でした。
ちなみに、10年以上前に出た本ですが、今読んでも古さを感じませんでした。
また、(ヒトの)進化に対する著者の捉え方も非常に参考になりました。
「もともとは身体が主、脳が従だったものが、脳の発達により、今では、脳が主、身体が従のように捉えられている」とか、脳の中でも「もともとは旧脳が主、大脳新皮質が従だったものが、大脳新皮質の発達により、今では、大脳新皮質が主、旧脳が従のように捉えられている」という視点は、有用だと思います。
身体や脳のもともとの役割を知ることは、自分の頭・心・身体をうまく使うためにも、必須ではないかと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアメリカにいるネズミの脳波を、ブラジルにいるネズミに送ることで、アメリカネズミが押したボタンと同じボタンをブラジルネズミがリアルタイムで押せるようになった研究
⇒意図
主体性
メタ認知(これは誰の情報か)
がないから意思疎通じゃなさそう
ネズミに地磁気を感じるセンサーをつけて、地磁気を参考にして迷路を解かせた(東側に必ず餌がある)
⇒数日後には解けるように。⇒脳はこれまで感じたことのない刺激に対してすぐに反応し、適応可能
BMI
⇒考えていることを直接文章にしたり、他人が見ている夢を見ることもできる。
MuZero:汎用型ボードゲームシステム。そのゲームのルールさえ与えられれば、囲碁だろうと将棋だろうと何でも、三時間後くらいには人間を凌駕する強さになる。
教師なし学習
最近のAIは脳とは似ていない構造になってきている。脳とAIは離れていってしまうのか?
⇒そうではないというのが本書の主張
非侵襲的手法における脳波では、文字認識はできない。侵襲的手法であればある程度できる(てんかんの治療で脳に電極を刺した際にわかったこと)
人工眼球はできているが、人工視神経を作るのが難しい。4億6千万本とかあるので、1mmであってもその分厚さが40万mとかになってしまう⇒目を経由せず直接脳を刺激することで見えるようにした研究
現実世界をシミュレーションできる環境の構築⇒外科手術・バカンス気分になれるなどの応用
バーチャルネズミをシミュレーション⇒今まで半年とかかかっていた実験をたった数日でできる
対象に意識があるかどうかを論じる学問⇒統合情報理論(情報が豊富に存在し、かつそれが統合されているとき、対象は意識を持つと仮定して、その公理を基に意識について論じる学問。関数Φで表す。植物状態の人間の意識が戻ることを予測できた)⇒この理論によると、AIは、その構成要素であるトランジスタには情報量が一切なく、φがゼロなので、意識は宿らないと結論付けられる。⇒意識の謎が解ければ、コンピュータ上に意識をアップロード可能になるかも
AIの知能が人間に届いているかどうかを確認するテストとしてチューリングテストがある。書き言葉においてはある程度クリアしているようだが、話し言葉ではクリアしていなさそう⇒話し言葉の学習教材の少なさ・会話目的の欠如(AIは外部から目的を与えられないと目的を持てない)・メタ認知の難しさ・身体性など
Neuralink:それまで100個程度の電極が限界だったものを、数千個の電極のチップをいくつも埋め込めるという利点がある。また、手術をロボットが行うという技術革新もあった。脳というのは血管が少しでも傷つくとやばいのだが、血管をよけて手術するロボットが誕生
Neuralinkから、1024チャネル埋め込まれた猿が卓球ゲームをしたという研究が出た。
電極の劣化・脳深部への電極挿入が課題。三大欲求などの原始的欲求は脳深部に存在
LとRの音を聞き分けられないのは、耳のせいではなく、一次聴覚野からの接続が上手くいっていないから。
超音波を用いて脳の神経細胞を刺激するという非侵襲的手法がある。時間分解能・空間分解能両方において非侵襲的電気や磁気より高精度だが、作用メカニズム不明という欠点
自律的に化学実験を行えるロボットも存在。AIはリソースが人間より圧倒的に多いので、仮説を立てて演繹するのではなく、全てのありうる可能性をしらみつぶしにすることが可能
シンプルな形の自然現象をよしとする(オッカムの剃刀)のは、人間の認知限界からくるのではないかという説⇒AI時代には、パラメータ数をめっちゃ多くして、ある事柄にのみ特化したモデル化をするということも行われる。ダイレクトフィット
⇨物理現象にはどう言う制約があるのかということを理解することが目的であるため、簡潔な法則が望まれる。
10^9 パラメータのNNが「ある現象」を完全再現できても
それは
* なぜそうなるのか
* どの条件で破綻するのか
* 他の現象にどう一般化できるのか を何も語らない
オッカムの剃刀は構造の抽出であるから。という反論もある -
Posted by ブクログ
2025年の春先に話題になった新書をようやく読んでみた。
「ネイチャー」や「サイエンス」など世界的学術誌に掲載される最新の科学論文から、
「毎日100本以上チェックする」という脳研究者が厳選
なんて書いてあるので、さて、どんな内容かと思いきや、
極めて軽い。リーズナブル。お気軽。身近。
日常生活に近いところに研究成果がある?
論文なんて言うといかめしいイメージがあるが、
そんなことはない、ということを感じさせる。
著者のダジャレ?もふんだんにあるし。
肩の凝らない楽しい新書。
はじめに
第一章 長寿のヒント
1.「アルツハイマー病」治療薬の先行き
2.AIが見抜く「未来の遺伝疾患」
3.クジラとフクロウに学ぶ失明治療のヒント
4.「麻酔」は意識の謎に迫るカギ
5.オランウータンの塗り薬
6.人生に訪れる「二大老化期」
7.認知症リスクを下げる「抗炎症食」
8.アルツハイマーを防ぐ物質「コリン」
9.「ガンマ波」がアルツハイマー病を防ぐ
第二章 生物のふしぎ
1.「母乳」は生物界の大発明
2.「一味違う」タコの足の秘密
3.タコとヒトの「奇妙な睡眠」
4.横隔膜の大切な役割
5.「閉経」するチンパンジー
6.昆虫の「王座」はいつまで続く?
7.ネコの「ゴロゴロ」の正体
8.トビハゼの「瞬き」
9.医学の象徴「ヘビ」の適応力
10.「石炭」が伝えるシダ植物の悲劇
11.サルに学ぶ最善の「復興策」
12.涙ぐましい「イネ科」の努力
13.「キノコ」の奇妙な生態
第三章 最先端科学の意外な発見!
1.「毒キノコ」を食べる方法
2.匂いを嗅ぎ分ける最新AI
3.ニンジンはなぜ「緑黄色」なのか
4.「旧式AI」が見せた意外な実力
5.大都市で分断する人々
6.「生成AI」は透明な夢を見るのか
7.睡眠中の反応を実験
8.脳にも“クセ”がある
9.その嫌悪感には“ワケ”がある
10.「命名」の不思議なパワー
11.「草食動物」と「川」の意外な共通点
12.AIの価値観は欧米的か
13.DNAで分かる「人食いライオン」の足跡
14.「DNA」に情報を保存する最新研究
第四章 「定説」を疑え!
1.退屈がいざなう「珍妙な中毒」
2.鶏肉は洗わないほうがいい
3.人類はみな“ブレンド”である
4.記憶力は悪いほうがいい
5.「標本」があらわす富の偏在
6.絵が先か、文字が先か……
7.日本人が「魚にウルサイ」のは本当か
8.「電気自動車」は本当にエコなのか
9.「親切」という護身術
10.遠くの敵より近くのライバル
11.小さな島は「言語」の宝庫
第五章 幸福へのカギ
1.記憶に残る「絵画」の条件
2.「烏合の衆」にならないために
3.良いモノグサと悪いモノグサ
4.なぜ悲しくなると涙があふれるのか
5.「よいものを知る」ために必要なこと
6.香りに「奥行き」はあるか
7.野本寛一先生から受け継いだ“矜持”
8.「バーチャル自然」で健康増進
9.「フィルム式カメラ」の思い出
10.心を通わせるおしゃべりのコツ
11.「縄文土器」が変えた調理法
12.「演奏不可能」と言われた怪物曲の美
13.幸福のカギは「不幸への抵抗」
14.「共感」が人を強くする理由
第六章 究極の思考実験
1.「外国語」は「母国語」より論理的
2.まだまだ不透明なAIと意識
3.「背番号」の魔力
4.AIはオセロを理解しているか
5.脳はどのように“数”を把握しているのか
6.フェイクニュースがのさばる理由
7.ChatGPTは数学が苦手な「ド文系」
8.「AI画像」の不都合な偏見
9.「生物/無生物」を分けるもの
10.「人間味」の条件
11.「信頼に足る情報」の条件
12.「無敵AI」の攻略法
13.生成AIが示す露骨な「本音」
14.DNAから見る「宇宙人」考
【参考文献】 -
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ディストピアの予兆を感じさせるほど、脳科学とコンピュータ技術は急速に相互進化している。そもそもコンピュータや人工知能は脳の模倣から始まり、そこで得られた技術が再び脳研究に応用され、さらに新しい発見を生む。その循環が高速化している。
現時点で人工知能は認知や判断の領域では人間を上回りつつあるが、まだ「感情」を正確に読み取る段階には達していない。だが脳科学がさらに進歩すれば、五感を再現できるAIが生まれ、より強固なAGI(汎用人工知能)へ近づく。感情を読み取り、自分で仮説を立て、実行し、フィードバックできる存在が現れるだろう。
私達は常に人間が何者であるかを問い続ける必要がある。著者が述べるように、人間が人間である理由を考え続けなければ、私たちは電気信号に影響されるだけの有機体へと近づいてしまう。
将来、もし脳にAIを組み込む技術が実用化されれば、電気刺激によって睡眠・食欲・集中力などを自在に調整でき、健康状態の常時モニタリングや鬱病・癌の治療、さらにはテレパシーの実現や、自分好みのバーチャル世界を自由に行き来することすら可能になるだろう。
そしてニューラリンクの技術は本当に異様なレベルに到達している。イーロン・マスクのやっていることは常識の外側だ。髪の毛より細い電極を千本以上も脳に埋め込むという発想自体、常人には理解しがたいが、これが天才というやつであろう。 -
Posted by ブクログ
かなり面白い話題が散りばめられていた。
いくつか挙げると、
●全然別系統の進化で結果として同じ機構を有するに至る「収斂進化」は、それが適応の究極のように推測される。チョウと鳥の羽根、フクロウとクジラの暗所からの突然の明光暴露時にアレスチンを放出して失明を防ぐ機構、ヒトとタコのレク睡眠と夢を見る機能(これは何の役に立つのか未だにはっきりわからないが)
●石炭が残っているのは、当時の植物の大量死の際にこれを分解する微生物が不足していたため
●聴覚も視覚も可聴範囲、可視範囲が限られていて、世界の全てを知覚できていないが、嗅覚はほぼすべての浮遊化学物質を知覚できる。
●困難な仕事に立ち向かう人は簡単なタスクを省力化して困難なタスクにリソースを集中させる技を持っているが、困難な仕事から逃げる人は簡単なタスクにリソースを使い果たして疲弊している。
●最強の囲碁AIにも癖があり、その弱みをつくことに特化した別の対抗AIにぼろ負けするが、その対抗AIは人間にぼろ負けする。要は相性で、最強の囲碁AIは人間に対して相性が良いように作られただけ。
●生物の進化の結果手に入れたDNAの構造は最適には程遠く、生成AIによるシミュレーションで現存しないDNA配列で、どの生物よりも効率的なパターンが複数発見された。
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Posted by ブクログ
慶應義塾ニューヨーク学院高等部の8名に向けて行われた脳科学講義4回の記録と、東大薬品作用学教室のメンバーとの追加講義
大脳生理学の2007年の最前線の内容が非常に優しく説明されていて、興味深い内容のものばかり。
四章の終わりで4回の講義をまとめられているが、こんな盛り沢山の濃い内容をしっかり振り返れる講義力も相当に驚かされる。
脳の機能は、体があって生まれる
心は咽頭がつくった
見るとはものを歪める行為、一種の偏見
覚醒感覚クオリアは脳が生んだ最終産物
覚えなければいけない情報を有用化して保存する汎化のために、脳はゆっくりとあいまいに情報を蓄えていく
あいまいさは脳のシナプスの結合力、しかしパーツだけみても全体はわからず、部分と全体は互いに不可分で相互に影響を与えている -
Posted by ブクログ
ネタバレ池谷氏の脳に関する本の最新刊。
昔同氏の本を読んで大きな衝撃と感銘を受けた印象が残っている。
最新の知見を踏まえてどんな話が盛り込まれてるのか期待して手に取った一冊
メモ
•夢は見る というが、視覚時に反応する脳の部位、電気信号と付け合わせれば、夢で何をみてるか大まかにあてることができる。寝てる時、その日にあったことを脳は復習している
•脳AI融合プロジェクト 脳に人工知能チップを埋め込んだら、、
•相対音感によって認識の受容性を高めている
•自分の脳活動がみえてきれば、制御することはそれほど難しいことではない
•脳が他人の脳とつながるとどうなるか。
p111から -
Posted by ブクログ
世の中にはいろんなことを考えたり調べたりしている人が大勢いる。
他とは違うテーマでないと論文になりにくいという事情もあるだろうが…
池谷氏は脳研究者であるが、科学全般に目を向けバラエティに富んだ話題を提供してくれている。
とはいえ興味は、どうしても(脳に関係する)生物とAIに行ってしまうようだ。
6つの章とその中で面白かったトピックスをいくつか挙げてレビューとします。
第一章 長寿のヒント
4.「麻酔」は意識の謎に迫るカギ
麻酔薬はいくつか見つかっているが類似性がなく、人工的に作り出すことができない。
どれも意識を無くす効能がある。
6.人生に訪れる「二大老化期」
老化の厳密な定義はないので、老化度の測定方法はない。
血液中のタンパク質の検査で年齢変化が分かるようになってきているようだ。
9.「ガンマ波」がアルツハイマー病を防ぐ
40Hzの刺激装置が認知機能の低下を抑制する?
シオノギヘルスケアから、kikippaイヤホンとスピーカーが販売されているが、効果あるのか。
第二章 生物のふしぎ
1.「母乳」は生物界の大発明
ヒトは二足歩行を始めたため、哺乳類のなかでもユニークなおっぱいを持つことになった。
2.「一味違う」タコの足の秘密
タコは通常使う足はだいたい決まっている。足の付け根に脳に相当する神経節がある。
6.昆虫の「王座」はいつまで続く?
現在知られている生物の75%が昆虫。だが生物種の90%ほどが未発見と考えられている。
7.ネコの「ゴロゴロ」の正体
ネコがゴロゴロと喉を鳴らすのは、ヒトのいびきと同じ原理?
第三章 最先端科学の意外な発見!
2.匂いを嗅ぎ分ける最新AI
分子の化学式からヒトがどんな匂いと感じるか推定し、50万種類の匂いカタログが作成されている。
6.「生成AI」は透明な夢を見るのか
生まれつき目が見えない人に聞くと、日常的に言葉を聞いていれば「透明」をイメージすることができるそうだ。
8.脳にも“クセ”がある
複数のAIに脳波から誰の脳かを判別させたら、どのAIも成績が良かったが、脳波のどこに着目しているかは随分と異なっていた。
12.AIの価値観は欧米的か
ChatGPTが作る文章は、英語の文章を多く学習しているから欧米の価値観に近い。
第四章 「定説」を疑え!
3.人類はみな“ブレンド”である
ヒトにはネアンデルタール人の遺伝子のほか、絶滅した多様なヒト種が入り交ざっていることが分かった。
4.記憶力は悪いほうがいい
化粧品やダイエット食品と同様に、本当に記憶力を高める方法は見つかっていない。だから成り立つ記憶力ビジネス。
覚えたことを忘れない良すぎる記憶力には弊害も多いらしい。現状の「記憶力の悪さ」の程度こそがベストにチューニングされた状態か。
第五章 幸福へのカギ
6.香りに「奥行き」はあるか
目と耳が左右に2つあるのは立体感を感じるため。鼻の穴も2つあるが匂いに立体感はない。
11.「縄文土器」が変えた調理法
食材を焼いて食べることで、寄生虫や雑菌の除去ができる。火の使用に伴い人類の腸内細菌が変化した。
12.「演奏不可能」と言われた怪物曲の美
演奏不可能な曲は、聴くこともできないということ。
シャルル=ヴァランタン・アルカンの曲が弾けるピアニストが出てきたので聴くことができるようになった。
第六章 究極の思考実験
5.脳はどのように“数”を把握しているのか
1と2、2と3の違いは厳しく区別するが、5と6になると違いの反応は弱くなる。1~4までの数と、5以上の数を認識する脳の場所は異なる。
6.フェイクニュースがのさばる理由
誤情報に頻繁に出会うような人は、嘘か真か確かめようとオンライン検索をしても低品質の情報に行き着いてしまいがち。
9.「生物/無生物」を分けるもの
生物の定義が定まっていないのは、すぐに例外がみつかるから。生物と無生物の2つに分類しようとしていることが間違い?