池谷裕二のレビュー一覧
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かなり面白い話題が散りばめられていた。
いくつか挙げると、
●全然別系統の進化で結果として同じ機構を有するに至る「収斂進化」は、それが適応の究極のように推測される。チョウと鳥の羽根、フクロウとクジラの暗所からの突然の明光暴露時にアレスチンを放出して失明を防ぐ機構、ヒトとタコのレク睡眠と夢を見る機能(これは何の役に立つのか未だにはっきりわからないが)
●石炭が残っているのは、当時の植物の大量死の際にこれを分解する微生物が不足していたため
●聴覚も視覚も可聴範囲、可視範囲が限られていて、世界の全てを知覚できていないが、嗅覚はほぼすべての浮遊化学物質を知覚できる。
●困難な仕事に立ち向かう人は簡単 -
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慶應義塾ニューヨーク学院高等部の8名に向けて行われた脳科学講義4回の記録と、東大薬品作用学教室のメンバーとの追加講義
大脳生理学の2007年の最前線の内容が非常に優しく説明されていて、興味深い内容のものばかり。
四章の終わりで4回の講義をまとめられているが、こんな盛り沢山の濃い内容をしっかり振り返れる講義力も相当に驚かされる。
脳の機能は、体があって生まれる
心は咽頭がつくった
見るとはものを歪める行為、一種の偏見
覚醒感覚クオリアは脳が生んだ最終産物
覚えなければいけない情報を有用化して保存する汎化のために、脳はゆっくりとあいまいに情報を蓄えていく
あいまいさは脳のシナプスの結合力、しか -
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ネタバレ池谷氏の脳に関する本の最新刊。
昔同氏の本を読んで大きな衝撃と感銘を受けた印象が残っている。
最新の知見を踏まえてどんな話が盛り込まれてるのか期待して手に取った一冊
メモ
•夢は見る というが、視覚時に反応する脳の部位、電気信号と付け合わせれば、夢で何をみてるか大まかにあてることができる。寝てる時、その日にあったことを脳は復習している
•脳AI融合プロジェクト 脳に人工知能チップを埋め込んだら、、
•相対音感によって認識の受容性を高めている
•自分の脳活動がみえてきれば、制御することはそれほど難しいことではない
•脳が他人の脳とつながるとどうなるか。
p111から -
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世の中にはいろんなことを考えたり調べたりしている人が大勢いる。
他とは違うテーマでないと論文になりにくいという事情もあるだろうが…
池谷氏は脳研究者であるが、科学全般に目を向けバラエティに富んだ話題を提供してくれている。
とはいえ興味は、どうしても(脳に関係する)生物とAIに行ってしまうようだ。
6つの章とその中で面白かったトピックスをいくつか挙げてレビューとします。
第一章 長寿のヒント
4.「麻酔」は意識の謎に迫るカギ
麻酔薬はいくつか見つかっているが類似性がなく、人工的に作り出すことができない。
どれも意識を無くす効能がある。
6.人生に訪れる「二大老化期」
老化の厳密な -
Posted by ブクログ
覚えておきたい蘊蓄がいっぱい。
楽しく少しずつ読めた。
幸福の鍵は、アランによれば、「不幸な状況や困難に対してただ悲観的になるのではなく、積極的に抵抗し、前向きに対処しようとする“不幸の抵抗”が幸福の一つである」らしい。それが脳科学的にも真実を突いているっていうの、ジーンとした。
覚えておきたいいろいろ
哺乳類は母乳を飲むというのはカモノハシが例外だから、実際は、横隔膜類と言った方が良い
腹部に肋骨がないのは、2億5千年前のペルム紀大絶滅
地下鉄シベリアの火山が爆発して、低酸素状態が一億年も続き、地球上のほとんどの動物が絶滅した。
効率よく酸素を取り込むために、横隔膜を発達させ、胸腔と腹 -
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ネタバレ脳の活動は究極のところ脳細胞のなかでおきる電気反応だという話は知っていても、そこで「理解したつもり」になっていた自分が恥ずかしくなった。
本書は最新の脳科学や人工知能(機械学習)を平易に解説しながら、哲学的なところにまで切り込んでいく良書。
ヒトの脳は、五感というセンサーで読み取った情報を電気反応に変える。そしてその反応が繰り返し起きることで記憶し、判断とその結果を繰り返し経験することを通じて思考回路が生まれる。それが心だったり人格というもの。脳の中で電気反応が起きているだけに過ぎない。だとすると、心や人格とは何なのか。まったく同じ経路でできた人口知能に生まれる心や人格のようなものとは何が